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[少女はその勢いのまま、近くの戦士に向かってメイスを振るったのだが。]
きゃ……っ?
[そう上手くは事は運ばなかったようだ。
するりと戦士の身体をすり抜けた攻撃。
その拍子で少女の体勢が崩れてしまう。
ユリアはその隙を狙った戦士の横薙ぎの攻撃を重力に逆らわずに急降下する事で避けて、その場を退いた。*]
―天翼の領域―
[しっかりとユリアに捕まってはいたが、急激な降下は体に負担のかかるもの。
戦士達との距離を取った後は緩やかにU字を書くように上昇していった。]
……もう大丈夫よ、ユリア。
ありがとう。
[少女は気遣う相棒に微笑んで応じる。
まだ少しくらくらとはするが、学校でも似たような訓練は受けていた。]
諦めません。
ここで引いては、認めて貰えないかもしれないから。
[自分が皆の足を引っ張るわけにはいかない。
少女はメイスを握り直す。
少女はそこから行動支援に戦法を切り替える。
花嵐で視界を狭め、
蔦の矢や鞭で戦士達の注意を逸らさせて。
同志達が少しでも戦いやすくなるように。*]
―幼少期の記憶―
はじめまして、ヤコブさま。
わがやへようこそ。
[>>133当時5歳だった少女はスカートの裾を摘まんで一礼した。
父親から年の近い騎竜師の家の子供に会わせてくれると言われてから、少女はこの日を心待ちにしていた。
長子たる少女には弟がいたが、まだ1歳になったばかりであったし、年の近い友人も同性しかいなかったから。
歓迎の言葉を滞りなく言い終えた後、彼の言葉を聞く事となり。]
[>>134笑い声に包まれた中、俯いてしまった少年の肩に少女はそっと触れた。]
だいじょうぶですよ。
わたしのなまえ、よびにくいのです。
[だから気にしないで、と笑いかけた。
少女も昔はぐれーちぇ、と言っていた事もあるのだと明かし、一緒にお庭にいきませんか、と誘ったのだった。
花竜達の遺した花を彼にも見て貰いたくて。
ヤコブはその後何度も訪問してくれたし、少女もヤコブの家に訪問した。交流の時間は少女にとって楽しみな時間の一つとなった。
彼は少女にとって初めての同志であり、一番近しい異性である。
こちらは余談であるが、少女の名前はプルファー家最高の騎竜師と名高いマルグレーテから取っている。
早世した兄に代わり、当主となって領地と血筋を守った賢く勇敢な騎竜師。
数代前で彼女に会える筈もないけれど、尊敬しているのだと何度目かの訪問時にヤコブに話した事もあった。*]
―天翼の領域―
[ゆるく旋回して状況を確認する。
>>234同志達の活躍により、白い戦士達が数を減らしていた。
ゾフィヤが戦士に囲まれた時には肝を冷やしたが、シェンが助けに入ったようで安堵した。
少女は後方支援に専念していたが、不意に聞こえて来たのが六翼の竜の咆哮。
空を切り裂くような鋭い声に、オクタヴィアスが呼び掛けたようだが答えはないようだった。]
……お話し出来る様子ではないですね。
[少女はそっと息を吐き出す。
まだ戦士達も数を残しているが、威嚇している竜を見るにあちらもやる気のようだ。
戦士と竜の両方を相手取るにはどう支援したものか、と考えていると、>>235オクタヴィアスの術がかかり、花竜の動きが早くなった。
脈動するような感覚は少女にも覚えがある。
雑兵はなるべく引き受けるから、と言うオクタヴィアスに少女は声を掛ける。]
ありがとうございます!
……どうか貴方もお気をつけて。
[彼の負担は大きそうだが、これで狙いは竜に絞られる。
そうして恐らくは戦士の数を減らすよりも竜に認めて貰う方が彼の負担を減らす近道なのだ。
すい、と花竜を繰って傍を横切った彼の瞳が紫水晶の色になっていた。]
……?
[少女はゆるりと首を捻った。
近くで注視こそしていなかったが、先程までと色が違っているように思える。
けれど、今は目の前のかれに集中しなければ。
少女は思考を切り替える。]
[少女が同志達にかける術は、白花の攻撃強化。
持続回復の術がかかっているようなので、青葉の盾はかけないでおく。
持続回復でも追いつかない怪我を負った時には回復の術を個別にかける心算で。
次にかける事を考えているのは、命中率を上げる術か防御力上昇の効果を持つ術だが、
まずは向こうの出方を窺った方がいいだろうかと。**]
―天翼の領域―
……成程。
[前衛の動きを見るに、シェンとゾフィヤ、他の三人の二組に分かれて六翼竜の片側に翼に攻撃を集中させる腹積もりらしい。
シェンとゾフィヤは学校に入った当初から親しくしていたようだし、連携も上手く取れるだろう。
彼らの関係はゾフィヤより聞いた事があっただろうか。]
[>>255アーク達が右へ旋回しようとしたところ、竜が咆哮を上げる。
大きく羽搏いた三対の翼から生じるのは乱気流。
後衛の少女の方にも感じられる力強い風に、何とかその場に留まって。
空中で錐揉み状態になった風竜は何とか脱したが、長い尾がカレルの背を打ち据える。]
カレルさん!
[けれど彼は墜ちずに再び竜に向かっていた。
オクタヴィアスの術によって傷は癒えるだろうが、攻撃を受けた瞬間に衝撃や痛みは感じるだろう。
少女はぎゅっと手綱を握りしめる。]
援護します。
[>>258カレルが他の二人に声を掛けたのは少女の耳にも届いた。
全員にかけるのは、一定時間、命中率を上げる術。
集中攻撃を仕掛けるにはこの援護が最善手だろう。
濃紅色の花弁が彼らの身体に吸い込まれて消える。*]
/*
ゾフィヤちゃんーーー
落ち着け自分。
女子がもう一人いたら女子会の過去とか投げたかもしれないけど、
二人きりなのでステイしたんです。
そも、こちらに提供できる話題がない()
ユリア。
[彼らがタイミングを合わせて攻撃する直線に六翼の竜にかけるのは、速度を下げる術。
かけるのは、皆が集中して狙う左側の三翼のみ。
自分より明らかに高位の存在に対して果たしてどれ程効果があるかは分からないが、
少しでも前衛の助けとなればいい。*]
ユリア。
[彼らがタイミングを合わせて攻撃する直線に六翼の竜にかけるのは、速度を下げる術。
かけるのは、皆が集中して狙う左側の三翼のみ。
纏わるように蔦が羽の付け根へと絡みつく。
自分より明らかに高位の存在に対して果たしてどれ程効果があるかは分からないが、
少しでも前衛の助けとなればいい。*]
ユリア。
[彼らがタイミングを合わせて攻撃する直前に六翼の竜にかけるのは、速度を下げる術。
かける対象は、皆が集中して狙う左側の三翼のみ。
纏わるように蔦が竜の羽の付け根へと絡みつく。
自分より明らかに高位の存在に対して果たしてどれ程効果があるかは分からないが、
少しでも前衛の助けとなればいい。*]
/*
飛び込む役なら飛び込めばいいのだけど、
今回は後衛、だから。(言い聞かせ)
オクタヴィアスさんの魔法と同一に見えないように、詠唱しないので今回は技名、術名も決まっていない()
ユリアと意思を重ねて発動させているイメージ。
[──これは、まだ同志の誰にもした事がない話。
近年、プルファー家の直系からは騎竜師を務められる者が減ってきている。
傍系に幾らか適正者がおり、卵を受け継いだりもしているが、いずれロー家のように途絶える日が来るのではないかと危ぶまれていた。
少女の母は遠縁から嫁いできたが、もうけた子宝は少女と弟、妹のみ。
少女の代で直系一族の適正者は少女一人だけ。
傍系より婿養子という形で引き入れるか。
あるいは別の騎竜師の家の血を引き入れるか。
選択の刻は少女の卒業後、数年以内には訪れるだろう。*]
/*
みたいなのをそっと置いておく。
入村時の発言からぼんやり考えてた設定。
前者なら一族で会議だし
後者ならお見合いするんじゃないかな。
/*
好きな人が出来たら言うんだよと言われていたけど
真面目なので訓練にかまけて恋するなかったというあれ。
もしシェンさんとの出会いとか聞いていたら、
ヤコブさんの話をしてたんじゃないかな。(ヤコブさんの名誉は守る)
こちらからは昔からの知り合いなんですくらいは言ってそうだけど。
―天翼の領域―
[ソルベによる氷の槍が竜の右翼めがけて投擲された後、
それまでソルベと二頭で組んでいたエルトナが一転して高度を上げ始める。
ソルベが隙を作らんと猛吹雪を顔面に浴びせ、
飛翔を阻む泥濘、乱気流を制する風嵐、切り裂く風。
三者三様のブレスが左の三翼を狙う。
蔦で絡め取った風切り羽根は、ざくりと刈り取られ。
そこへ翼より炎を噴出した灼星が墜ちてくる。
同時に降ってくる振動音を初めて耳にした時には驚いたものだ。]
ユリア!
[心得た花竜は回避の為に距離を取った。
煙幕のように広がった微細の雪が、灼熱を和らげてくれて。
一直線に落ちる火竜を迎撃するように振るわれる爪をシェンの獲物が受け止め。
頑丈なエルトナの頭が六翼の竜の胴に叩きつけられ、そのまま浮遊する岩場へと激突する。]
……っ!
[衝撃で土埃が舞っただろうか。
このように力強い戦い方は、花竜と少女には決してできない芸当だ。
少女が思わず身を乗り出す中、花竜はゆるりと首をもたげていた。*]
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