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【過去の記憶と記録 その2】
後継者となり得る男児が多ければ多いほど後々の争いの火種となる、歴史的にも経験的にもそれを嫌というほど認識していた大公は、初乳を飲ませるのも早々に、…に乳母と最低限の使用人を付け、祖父が辺境に気まぐれに建てた別邸へと移すことを決めた。
「いいわよ、別に。泣き声で夜に起こされるのも嫌だし」
…を身籠っている間、社交の場から遠ざかるを得なく退屈を持て余していた母は、夫の取り決めに異を唱えなかった。既に自分によく似た眉目秀麗の三男を溺愛していた彼女にとって、この出産は皇太子の
かくして…は大公家の息子として生を受けたにも関わらず、辺境の村でひっそりと育つことになった。小学校では村の子どもたちと机を並べるもどこかよそよそしく扱われ、大公の意を汲む乳母と使用人も必要以上の関わりを…と持とうとせず、…は一人の時間を曽祖父の遺した書物を読むことで潰していた。
そのため、…と同じく他の子ども達から「英雄の血筋」として特別扱いされていたシメオンと、そして周囲の空気などお構いなしに…とシメオンに絡んでくるディークと友情を育むのは、無理もないことであった。
ディーク殿、無理やり荷運びを押し付けてしまってすみませんね。然し、「秘蔵のワイン」を持ち出したのは、貴女が先ですよ…?
…コホン、貴方が
…いえ、話したくないのであれば無理にとは申しませんよ。
/*
RPの為に私とディーク殿の大体の年齢と、ディーク殿の結婚の時期を知っておきたく思いましたが、特に決めてなければそれでも構いません。お手数をおかけします。
*/
よ、ルートヴィヒ、本当に隠し持ってるとは思わなかったぜ。ククク…夜が楽しみだ。
金品を巻き上げるなんて人聞きの悪いこと言うなよな。オレが持ちかけるのはいつだってルールに則ったゲームだ。金かけなきゃあ、盛り上がらんだろ?
バツイチなことはお前も知ってるだろ?
理由な…マリアと出会ったからだ。神の思し召しとしか言いようがないんだよなぁ…。
結婚は若かったと思う。18の頃に結婚、19には子供が産まれていた。
ファウストが5歳の年にマリアは出て行ったよ。オレは24歳。あの頃は荒れて、ずいぶん危ない橋も渡ったもんだ。
お前がこっちに赴任したのは何歳の頃だったか…マリアと会ったことはあったか?
今のオレは35ってところか。
幼なじみだから、完全にお前たちと同じ歳でもないだろうが、2〜3歳差かなぁと思うぜ。
ファウストは16歳か…大きくなっただろうな。どこかで元気にやってるさ。オレの息子に限って、人狼騒ぎに巻き込まれるなんてあるわけがない。
それと、オレたちの関係をカレルが知りたがっていたから、お前と話がまとまったらアイツにも伝えてやろうかと思ってる。
毎年のようにこの村に来ているから、ある程度知ってるだろう。
ただ、アイツが訪れるようになったのはオレがマリアと別れた後、10年前くらいだったと記憶してるぜ。
シメオンにも思い出させておかないと。
アイツは今ユーリエのことで頭がいっぱいだし、もしかしたら忘れているかもしれないよな。
2〜3歳差は、あるとしてその程度の歳の差だろうなという意味だ。オレは、同い年でももちろん構わない。
設定の詳しいところはお前やシメオンに任せたい。
え、あ、貴方、そんなナイスミドルなお年だったのですか…?これはこれは、老骨に鞭打つような真似をしてしまいましたね。
私は小学校卒業、12歳まではこの村近くの屋敷で暮らし、その後は王都の神学校で8年過ごして、その間は長期休みにはこの村に来ていたようです。卒業後、5-6年は王都の教皇府に仕えていましたが、この村に赴任させられてもう3年ほどでしょうか。マリア殿との結婚、マリア殿の妊娠は知っていましたが、出ていかれたことはこの村に赴任してから知りました。
貴方とマリア殿の結婚、ファウスト君の洗礼を私が担えなかったのは残念なことです。
/*
ルートヴィヒは20代半ば〜後半のつもりでしたが、これは30手前くらいにしておいた方がいいですね…。
ファウスト君はきっと神の祝福のもと、元気にしておりますよ。パンツ1丁だったり108人に増殖していたりするかも知れませんが。
*/
カレル殿についても承知しましたよ、10年前なら私が卒業してこの村に来られなくなった頃なので、彼と私が出会ったのは私が赴任してからですね。
シメオン殿は、えーと、あの初々しい奥手な恋愛の様子で35歳だったら、ど、どうしましょうね?ちょっと本人に確認してみます。
いや待て、すまん、単体なら中年のオッサンでいい気がしていたが、ルートヴィヒが30手前なら、もう少し下げるか…?
オレが30で、ファウストは今まだ10歳くらい。
マリアが出て行って5年だな。
お前の歳は29でいいか?その歳で司祭サマなんてすごい出世コースだな。
ユーリエの年齢によってはシメオンがロリコンの謗りを受けてしまいかねないから、ギリギリ20代は維持しておいた方がいいよな。
年下の二人を連れて山を走り回ったり悪戯していたガキ大将だったんだな、オレは。信じて送り出した息子がこの先108人に増殖したり、単位になるなんてオレは認めんぞ。
歌手のバックダンサーになるなら応援してやりたいが。
シメオン殿、ユーリエさんとの微笑ましい愛の物語の最中に申し訳ないですが、単刀直入に。
貴方、今何歳ですか?
ディーク殿と設定のすり合わせしていて、ディーク殿は現在35歳で18歳で結婚、翌年にはファウスト君が産まれて、ファウスト君が5歳のときに奥さんが出ていったようです。それから11年経っているとのこと。
私は小学校卒業、12歳まではこの村近くの屋敷で暮らし、その後は王都の神学校で8年過ごして、その間は長期休みにはこの村に来ていたようです。卒業後、5-6年は王都の教皇府に仕えていましたが、この村に赴任させられてもう3年ほどでしょうか。という訳でもうすぐ30歳になるくらいです。
幼馴染であればシメオン殿も同じくらいのover30くらいかと思いますが、い、いや、それにしては初々しい奥手な恋愛の様子で…。ちょっと心配になり…。
お、29歳で了解です、すみません。今シメオン殿に貴方の年を35と送ってしまいましたが、訂正しておきましょう。
こんな辺境の教会で一人仕えているのですから、司祭とは名ばかりですよ…。マリア殿の結婚、妊娠はぎりぎり見ていましたが、ファウスト君とは出会えず仕舞い、ですね。
バックダンサーならいいんかい(ボソッ
シメオン殿、すみません。ディーク殿はやっぱり30歳で、ファウスト君は今まだ10歳くらい、妻のマリアさんが出て行って5年とのことです。
私は29歳にします。ユーリエさんの年齢に依ってはシメオン殿がロリコンの謗りを受けてしまいかねないとディーク殿が心配しておりますので、シメオン殿も「ギリギリ20代は維持しておいた方がいいよな」とのこと。
まぁ、年頃の近い子どもが多くない小さな村ですから、多少年齢が離れていても問題ないかと。
やあ、ルート。
わたしは32歳だ。
ディークとは違って、女性慣れしていなくてね。
だいぶ奥手なのは自覚しているよ!
恋心というものを知ったのが、
ユーリエが初めてなんだよ(動揺)
ディークに抱き着かれたことにすら、
実はドキドキしていたレベルだ。
恋心、というか、世間全般に疎いんだ。
村を離れたことがほとんどないことが、理由の一つではあるかな。
よし、それでいこう。シメオンに送ってくれるの助かる。
カレルにはオレから話しておこう。
あの初々しさ、奥手さは28〜29でも珍しいが
まぁシメオンだし許されるさ。
マリアとは面識があるんだな。アイツはちょうどお前みたいな灰色の髪をしていた。美人だったよ。
ファウストはマリアの髪と、俺の瞳の色を持っていた。今頃さぞかし美少年に成長しただろうな。
(職があるだけパンイチよりマシだろ…!)
ちなみにオレも踊りは得意だぜ。ほら、何年か前にカレルが来た時、あいつの歌で踊っただろう?
シメオンは踊りが下手だし、ルートヴィヒはアドリブが効かないからな。
あんときは腹抱えて笑ったな…。
【過去の記憶と記録 その3】
12歳になって小学校を卒業したその日に、…は暮らしていた別邸の外に、村では見慣れない豪奢な馬車が止まっているのに気が付いた。
(わぁ、ピカピカの飾りのついたすごい馬車。どんな人が乗ってきたんだろう…?)
そこから降りてきた老齢の紳士は、…に自身は大公フォン·ノイマン家の家令であること、…が大公の四男であることを事務的に告げると「大公様が貴方をお呼びです。すぐにここを発つ準備をしてください」と…を急き立てた。
使用人や乳母が、既に…の身の回りのものを小さなトランクに詰め込んでおり、…は僅かな友人達に別れを告げる時間も与えられず、馬車に押し込まれた。
(僕の父が大公?実の母がいる?何処に向かっているの?)
揺れる馬車の道中、…は家令を名乗る老紳士におずおずと質問を投げかけたが、全ては「大公様に直接お尋ねください」とにべもなく撥ね付けられた。居心地の悪い、気まずい沈黙が続く。
やがて馬車の窓の外には、…がこれまで書物の挿絵でしか目にしたことがないような美しい王都の街並みが広がっていた。その中でも周囲と比べても一際壮麗な屋敷の前に馬車が止まると、家令は一言、ポツリと…に告げた。
「此処が、貴方がお産まれになった屋敷です。大公様とその奥方様、…貴方のお母様がお待ちです」
その口調に僅かな憐憫の情が浮かんでいるのに、…は気付いてしまった。
シメオン殿から下記の回答があったので共有致しますね。32歳でもあの奥手とは、しかしシメオン殿であれば赦さざるを得ないですね…。
=====
わたしは32歳だ。
ディークとは違って、女性慣れしていなくてね。
だいぶ奥手なのは自覚しているよ!
恋心というものを知ったのが、
ユーリエが初めてなんだよ(動揺)
ディークに抱き着かれたことにすら、
実はドキドキしていたレベルだ。
シメオン殿、幼馴染の中で一番あなたが年長だったのですね…。奥手にも程があるかと、いや聖職者たる私は恋愛すら赦されないですが…
/*
あ、ディーク殿が「あの初々しさ、奥手さは28〜29でも珍しいが。まぁシメオンだし許されるさ。」とか言ってましたよダンナ!
*/
シメオンは32歳かw
…いや、いいと思うぜ。
※ただしシメオンに限る、ってやつだ。
ある意味純粋培養というか、オレはあいつと仲良いが
変な女に引っかからないよう目を光らせてたからな…。
今だから話すが、オレ、14の時に両親が流行病で亡くなったから、マリアに会うまではかなり荒れていたんだ。
ギャンブルにのめり込んだり、危険な仕事にも手を出そうとして、怪我をしたりな。
帰省したお前には隠していた。両親が亡くなったことは知っていただろうけど、平気な顔をしてみせたし。
仕事のことはバレないように会うのを避けていた。
お前には、弱ってるオレを知られたくなくてな…ハハ…。
マリアが出て行った後も落ち込んだな…。
なぜかシメオンにはバレちまうんだよな。自分のことのように心配してくれて、優しい男だよ。あいつは。
幸せになってくれるといいが。
ああ、これは聞き流してくれて構わないぜ。
ディーク、そんなことを言っていたのか。
先ほど、ディークと話をしていて思い出したのだけれど、
10年くらい前だったか、「英雄の嫁に」と村のお年寄りたちが孫を連れて墓場に列を成した事件があってね。
わたしはどうにか選んであげなければと思っていたんだけれど、
噂を聞きつけたディークが、彼女たちに「孫が英雄の嫁になった自慢をしたいだけだろ」って怒って追い返してくれたことがあったんだ。
責任の一端は、彼にもあると思うんだ!
……いや、あそこで誰かを選んでいたとしても、わたしが奥手なのに変わりはないかもしれないが。
他にも、わたしの女性関係には何かとちょっかいを出して来ていたが、もしかして奴はわたしのことがす…すまない、聞かなかったことにしてくれ。
【過去の記憶と記録 その4】
― 十八年前、王都の公爵家の主室 ―
家令に案内されるまま、これまで過ごしてきた村の別邸(村では一番のお屋敷と言われていた)がまるで庭の納屋か何かと思われんばかりの、伝説に描かれる宮殿のように豪奢な屋敷を…は恐る恐る進む。その一番奥、見事なチーク材の一枚板に複雑な彫刻が施された扉の前に立つと、家令は扉をノックしその向こうへと声をかけた。
<i>「大公様、ルートヴィヒ様のお着きです」
「入れ」</i>
…はそこで初めて、自分の本当の名前を知った。それまでは乳母や使用人は「ルート様」、親しい友人は「ルー」と彼を呼んでいたからだ。家令は音を立てずにその重厚な扉を開けると、自身は動こうとせずに…を振り返り、中に入るよう目で促した。大公の私室には、例え使用人と言えども血縁の者しか足を踏み入れることを許されない。
物心ついてから初めて相まみえる両親、…は僅かな期待とそれ以上の畏れを持って、室内へと足を踏み入れた。村の教会の礼拝堂ほどの広さがある室内は、床は毛足の長い絨毯で覆われ、大理石からなる壁や天井の至るところに精緻な彫刻や金銀の装飾が施されている。天井からは何十もの明かりが灯るシャンデリアが据え付けられ、夕暮れ時にも関わらず、室内は真昼の屋外のように照らされていた。
部屋の一番奥にはベッドほどの大きさがある執務机、その手前にはダークグリーンの天鵞絨張りの長椅子や一人掛けの肘掛椅子が揃えられ、そこに数人の大人の姿があった。
その中央に座る白髪交じりの銀髪の壮年の男性が、迫力のある低い声で…に声をかける。
「お前がルートヴィヒか」
「あ、は、はい…。僕は…」
「『僕』などと、そんな下賤の者が使う言葉を聞かせるな!」
眼光鋭い灰色の目に射竦められ、…は呆然と立ち尽くした。左手の壁にある大きな暖炉ではパチパチと太い薪が爆ぜていたが、…は氷のような冷たさを部屋から感じていた。
「ふぅん、あんまり私に似ていないわねぇ…」
大公の隣の長椅子に半ば横たわるように、その身と大輪の薔薇のようなドレスを投げ出して座っていた美貌の女性が、鈴のような美しい響きで、しかし不満の声を上げる。黒曜石の如くつややかな黒髪と同じ色の瞳、しかしその目は石肌のように冷ややかに…に注がれる。ワイングラス片手にその後ろに立っていた黒髪の、女性によく似た整った面立ちの青年が笑い声を上げる。
「可哀想だよママ、ずっと離れていた僕らの弟にさ!ねえ兄さん!」
さも面白げに笑う青年は、向かいの一人掛けの椅子に腰かけて腕を組んでいる銀髪黒目の青年に同意を求めるように、しかし揶揄うようにウィンクをした。
話し掛けられた青年はそれに答えることなく、値踏みをするように…の頭からつま先までを見つめると、壮年の男性に似た低い声で…に話しかける。
「ラテン語は?数学は?」
「ら、ラテン語は中級の試験を学校で受けて合格いたしました。数学は初級のテキストを、終えたところです…」
「…最低限、といったところか」
…の返答に銀髪の青年はふん、と鼻を鳴らす。そして壮年の男性に視線を送ると、小さく頷いた。そして…に再び顔を向けると、言葉を続ける。
「ルートヴィヒ、お前は明日から教皇府内部に併設されている神学校に入学することになっている。8年間の課程の後は、教皇府で主席枢機卿のもとで、フォン・ノイマン家のために働くように」
「…はい、分かりました」
それ以外に、…は答える術を持たなかった。青年のその言葉を聞いた大公は、使用人にするように…に向かって手を振り、室外に出るよう促す。
黒髪の女性が…の母、青年たちは…の長兄と三兄であり、次兄は騎士団員として王宮に務めていることを、一夜を過ごす客間に案内される道すがら、…は家令から教えられた。
ふふ、シメオン殿。ディーク殿の好みは女性である故、その心配は無用かと思いますよ。
然し、孫を英雄の嫁にと墓場に殺到するお年寄りの列…。ディーク殿がそれ以上、ご老体相手に挑発的な言葉を使わなくて良かったですよ。シニアと言えども女性には最低限のマナーを守ったということでしょうか。一歩間違えればみんな怒りのあまり倒れて、私と貴方の仕事が山ほど増えることになりましたね…。
― 昼下がり、教会前の広場にて ―
[…は地下室から運び出したワインを礼拝堂に運ぶと、道行く知り合いに次々と数本ずつボトルを宿に届けるように託し、引き受けてくれた相手には夕方の再会を約束した。]
やはり人狼の噂におびえている方も多く、さすがに村の皆さん全員という訳にはいかないようですが、それなりの人数には楽しんでいただけそうですね。
しかし畑仕事とはまた違った筋肉を使ってしまったようです、さすがに少し腰が痛いですね…。
[…は礼拝堂に戻ると、信徒用の椅子に珍しく足を投げ出して腰を下ろした。]
いたたたた…、これはエレオノーレさんに、軟膏か湿布でもお願いした方がよいかもしれませんね。
[その名前を口に出すことで…はその面影を脳裏に浮かべ、僅かに笑みを漏らした]
彼女も今夜、宿に来てくれるとよいのですが…。
― 夕暮れ、教会から宿へと向かう道 ―
[…は地下室から運び出したボトルが6本入った木箱を抱え、昨日と同じようにローブのフードにラヴィを収めて教会から宿へと向かっていた]
やれやれ、これだけは自らの手で運ばないといけませんね…。異国の修道士が作ったという発泡葡萄酒、慎重に運ばないといけないものですから。
[…はぶつぶつ言いながら、シャンパンのボトルが詰まった木箱を慎重に抱えてゆっくりと歩みを進める。]
前任者もこれだけはいい仕事をしてくれたものです、これだけの高級品、私が教会から受け取る給金だけではとても揃えられませんよ。まあ、今夜は神も目を瞑ってくれる安息日ですからね、誰かさんが少し飲み過ぎたところで怒りに触れることはないでしょう。
[道中、マリエッタの手による看板>>54を目にして、…は苦笑を浮かべる。]
いや、確かに皆さんにお声がけしてとは申しましたが、ここまでとは…。運び出した葡萄酒で足りるでしょうか?困りましたねぇ、ラヴィ。
[…はまるで困っていないような声色で、フードにいるラヴィに話しかけた。]
― 夕方、宿のレストランにて ―
[宿に着いた…はシャンパンの詰まった木箱を置くと、トントンと腰を叩いた。そこに珍しく焦った雰囲気の腐れ縁の友人の声>>49が耳に入ってきた]
エーヴァルト殿が行方不明…?ドロシーさんならともかく、エーヴァルト殿は良い大人なのですから、たまには一人になりたい日もあるでしょう。
[昨日の自分がそうであった、と…は心の中で独り言ちた。しかし、それに応えるエレオノーレ>>55の声、そして医師の言葉>>57を耳にし、木箱からシャンパンの瓶を取り出す手を止めた。]
エレオノーレさん、もし良ければ私と一緒に向こうの森を見に行きませんか…?ええ、幼い頃に住んでいた屋敷の周辺ですので、それなりの土地勘はあります。
ラヴィ、貴方は此処にいて、何かあったら貴方のお友だちや旅の女性たちをお願い致しますよ。
[…はラヴィの頭を優しく撫でると、宿で手持ちのランタンを借り、エレオノーレと連れ立って森へとエーヴァルトを探しに出かけた。]
[…は落ちた橋を見て怯えるエレオノーレを何とか落ち着かせ、宿へと戻ってきた]
えぇ、シメオン殿>>64の懸念通り、吊り橋が落ちていました…。
[…の言葉にざわつき、橋に向かおうとする男性陣を押し止め、…は声を上げる。]
駄目です!今日は安息日、吊り橋を直す作業は禁じられています。そうでなくても既に陽も落ちかけているこの状態で、これ以上の作業は更なる危険に繋がりかねません…!
[…は繋いだままであったエレオノーレの手を強く握り、意識して落ち着いたように聞こえる声を上げた。]
エーヴァルト殿が橋を渡っていたらもう私たちには打つ手はなく、渡っていなかったとしたらいずれ私たちの声が届き、ひょっこり顔を出すでしょう。私たちは、今の私たちにできることをするまでです…!
[そう言うと…はエレオノーレの手を離し、…が自ら運んできたシャンパンの箱から一本ボトルを取り出すと器用に栓を開けた。ポンッという乾いた音が、宿のレストランに響く。]
エーヴァルト殿に届くように、賑やかに楽しく過そうではありませんか。何、彼も私たちの声が聞こえれば誘われて出てきますよ。
[そう言って…は手にしたボトルからグラスに黄金色の発泡葡萄酒を注ぐと、一息に飲み干した。そして次々と他のボトルの栓も開けると、周囲の人々に押し付ける。]
神の血の祝福を、その加護を皆さんに。
[そう言って…は自分のグラスにシャンパンを注ぎ足すと、もう一度それを飲み干した。その…の姿が、村人に安心をもたらすことは重々承知の上で。]
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