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― 月の舞台 ―
ツィ?
[自分の名のはずなのに、曖昧な返答をする竜>>5。
最初の言葉を反芻して、僅かに首を傾げた]
……ツェーザル。
なら、そう呼ぶ。
[立ち上がり、周囲を見遣る竜 ─── ツェーザルを見詰めながら、告げられた名を改めて反芻する。
状況を理解した相手から歳の指摘>>7を受けると、また僅かに首を傾げた]
知らない。
若いって、なに。
[存在し始めてどのくらいか、と聞かれるなら答えられもしようが、年齢の概念を持たぬメルヒオルにしてみれば何のことを言われているのかが分からない。
問いの意味は分からなかったが、相手が浮かべる表情は、侮っているわけではないことは理解出来た]
[故に、続けられた言葉に対し、メルヒオルの表情が引き締められる]
……戦えるよ。
証明してあげる。
[共に闘うことに対し、否と言われなければそれで良い。
為すべきことは為す。
それを示すかのように天色が細められた]
[会話の最中に起きた、舞台の周囲での異変。
それが始まりの合図であることはメルヒオルにも容易に知れた]
………
[どこからともなく響く、鈴のような音と声。
天から零れ落ちる光がメルヒオルの下へと降って来る>>4]
……翼のひと。
[ヴィンセント、と記憶には刻まれたものの、言葉として出てきたのはそんな呼び名。
確認するように一度ヴィンセントへと天色を向けた。
視線が交わるならば、目礼くらいはしただろう]
…ツェーザルは、飛ぶの?
地上戦でも、空中戦でも、どっちでもいいよ。
[天色をツェーザルへと戻し、彼の背にある翼へと視線を向ける。
戦える証明をする、その宣言を実行するための言葉が紡がれた*]
― 月の舞台 ―
[己の産まれてからの時間が長いのか短いのか。
それすら判然としないメルヒオルは、ツェーザルの話>>35理解出来ずにいた。
けれど、気にすることじゃない、と彼が笑うため、この話題はここまでとなり]
わかった、じゃあ空で。
[意識は直ぐに『儀式』へと向く。
翼を存分に使う空中を戦場と定め、メルヒオルは背に意識を集中した]
─────………っ!
[メキメキと音を立て、メルヒオルの背に蝙蝠のような皮膜翼が現れる。
ツェーザルの翼とは似て非なる、黒緑の翼]
[ばさりと羽ばたかせれば、メルヒオルの身体が宙へと持ち上げられた]
<現れよ、真なる姿>
[ネックレスとして下げていたランスを鎖から千切り、呪を紡ぐ。
魔力がランスへと集まり、本来の姿 ─── メルヒオルの背丈ほどのサイズとなり手に治まった]
手加減は要らないし、しない。
[宣の後、メルヒオルは上空へと昇っていく**]
/*
あ、斜体入れるの忘れたー。
<現れよ、真なる姿>
魔法は補助だけ、魔法は補助だけ……(言い聞かせてる)
いや、攻撃もないわけではないけど(主に補助ってだけなので)
― 月の舞台 ―
全力、出して。
[手加減についてを問う>>44のを聞けば、言葉を変えて言い直す。
意味を知らないのか、揶揄っての言葉だったのかまでは分からないが、メルヒオルはどちらにも受け取った。
表情にほんの少し苛立ちが乗る*]
[広げたツェーザルの翼は闇夜の中でも輝いていた]
(宝石のいろ)
[懐へと戻した、光の入り方で色を変える宝石。
その宝石のままに現れたようなツェーザルの色は、メルヒオルの目を惹く]
………!
[それ故に、急上昇したツェーザルの動きは見えていたのに反応するには遅れてしまった。
振り抜かれる腕に合わせて放たれる光弾>>*14。
正面から向かい来るそれに対し、メルヒオルはランスを持った右手を後ろへと引いた]
はあああああああっ!!
[左腕を前に掲げ、翼を羽ばたかせ。
放たれた魔弾を避けることなく、真正面から突っ込んでいく。
掲げた左腕にも、顔にも、身体にも、光の礫がいくつもぶつかり、弾け。
衝撃を受けて尚、メルヒオルの身体は前進する。
ランスの間合いまで詰め寄れたなら重畳。
メルヒオルは後ろへと引いたランスを、ツェーザルの腹部目掛けて振り抜いた*]
[魔光弾を受けた肌や服は衝撃の痕を残す。
それは擦り切れたようなものだったり、軽い焼け焦げのようだったり。
痛みは当然ある。
けれど、それをものともしない様子で繰り出したランスの一撃は、ツェーザルの俊敏な反応と防御の構え>>*28により、狙いとは別、彼の腕へと届いた]
ちっ、
[狙いを外したことに対する舌打ち。
ランスの切先に相手の朱を纏わせたまま、突き出した右腕を引こうとする]
[その刹那、まだ距離の近いその位置で、ツェーザルがこちらへと腕を突き出してくる。
反撃を想定して翼の向きを変えた直後、目の前を光が包み込んだ]
─────………!
[溢れる紅と碧の奔流>>*29。
ツェーザルが宿す色と同色のそれらはメルヒオルをも飲み込まんと輝く。
だがそこに衝撃は無い]
くっ……目晦まし…!?
[咄嗟に目を瞑ってしまったのは、良かったのかどうなのか。
向きを変えた翼を羽ばたかせ、光の奔流から逃れようと上昇する]
これがきみの本領?
なら……それごとぶち抜いてやる。
[紅碧の奔流の中、ツェーザルがどこにいるのか全く見当がつかない。
だが、これを乗り越えずしてその先はない。
再び翼の向きを変え、ランスの切先を下へと向けて、ツェーザルが作り出した光の奔流へと急降下していく*]
ぼくに出せる全力くらいあるんだろ。
それを出せって言ってるんだよ!
[本当の全力は竜同士でなければいけないことくらい分かっている。
曖昧に返された言葉>>46、彷徨う紅の瞳。
相手次第、と言う言葉を、侮られていると取ったわけではない。
上手く言葉に出来なくて発されなかった言葉は、別の形で相手へと向けられた*]
[光の奔流の中から届く、耳慣れた翼の音>>*39。
落つる軌道はその音を目指し軌道修正される]
っ!?
[しかしその位置から、紅と碧の螺旋>>*40が伸び上がってきた。
虚を突かれる形となり、伸び上がる螺旋を避けるには至らない]
[力比べとの宣。
ならば、と切り替えるのは早かった]
おおおおおおっ!
[背の羽ばたきを強め、ランスを真っ直ぐにツェーザルへと向けて加速する───9(20x1)]
ぼくは……ぼくが産まれた意味をしらない。
生きる意味をしらない。
だから、ぼくは それをしりたい。
この舞闘会で、ぼくが生きる意味を見つけたい!
[叫ぶような声は、どこか涙ぐむ音が混じる。
伝えた答えはどこか漠然としたものだったことだろう。
だがその中には、自分なりに考えての理由が確かにあった]
[交差は一瞬。
螺旋を描く紅と碧の中から碧の爪を持つ竜の腕が見えた。
その腕はランスの切先を狙っているよう。
掴まれればあの鋭い爪がランスを食い止め、反撃を受けるに違いない]
[けれど]
いっけええええええ!!
[掴まれても押し込まん勢いで、メルヒオルはランスごとツェーザルへとぶつかって行く。
ランスが彼の身を捉えたなら、そのまま舞台へ縫い付けんばかりの勢いだ**]
己の生の意味。
求める意志の強さ、確かに受け取った。
[ 光の渦の中、青年の背後に紅と碧...二頭の竜の幻影が浮かんだのは、メルヒオルの目にだけ映ったはずだ。* ]
[ランスと爪が奏でる音が耳に届き、目の前で砕けた鱗が周囲を取り巻く光りへと溶けて行く。
押し切る、と貫く意志を込めたランスは確実にツェーザルへと迫っていた]
───!?
[しかし、突如己の意思とは別に、ランスがツェーザルの方へと動く。
見ればツェーザルの両腕がランスを捉えていた。
まだそんな力が、と思う暇も無く引かれたランスは彼の身へと届き、その手応えがランスを介してメルヒオルにも届く。
ランスの柄を離さなかったのは半ば意地。
だがそれは、伸ばされた竜の腕を己の肩に届かせることとなった。
血塗れたツェーザルの腕がメルヒオルの肩へと届く]
[互いに手が届く程の距離。
眩い光の渦の中で、ツェーザルの背後に二頭の竜を見る。
彼が持つ色彩をそれぞれ持った竜達。
その光景にメルヒオルは目を丸くした]
[光の奔流はどれほど続いていたか。
己の肩に届いた腕はそのままに、翼の羽ばたきで身を支えてツェーザルの腕を左手で掴む]
………一緒に、闘ってくれるよね。
[ランスに再び魔力を込め、小型化しながらツェーザルの身からランスを抜いた。
向けた言葉は、己の意志を受け取ってくれたと知るが故*]
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