情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新
[ペンダントの中身は知る由もない。
いくら見つめたとて中身を知ることが出来るはずもなく。
ほんの僅か、彼の言葉が途切れたことが気になった。>>53
"他の"……?
強調されたその言葉と向けられた笑みに戸惑い、揺らぐ。
ただ、機密に関する話は確かに同意できる部分であり、
情はないと言い切られたのならば、任務の一貫なのだろうと懐に収めることにした。
…今は、の話だが。
閉じられた扉からソマリへと視線を移す。
その眼差しはいつになく、真剣なもの。]
……開始して五分。
本当にいいんですね?
[身じろぐ前に、確認を一つ。
彼が頷きを返したなら、静かに動き出す。
目指すは、鍵が掛けられなかった扉へ――。]
[五分もあればゆうに部屋へと侵入し、簡単にペンダントを入手出来るだろう。
そんな簡単なミッションでいいのだろうか?
少し気が抜けてしまう。
奪取した時点で見せるだけならば、ものの数分で終わってしまう。
それとも罠なのだろうか――…。
否、早く終わらせるに越したことはない。
任務に迷いは命取りとなる。
時間を気にしてか少し足早に部屋へと向かうそれは、何時しか音を立てないまま、走るほどのスピードになっていった。
たった数十数メートルの距離。
扉に辿り着けば、簡単に扉は開くだろう。*]
[扉の前には彼の教官が立ちはだかる。
…とは言え、辛うじてすり抜けられる距離ではある、か。
念のためと周囲へと素早く視線を走らせ退路を確認する。
宣言通り捕まえる様子のない教官の、不意をつけたことにチラリと愉快そうな視線を向けて。
ドアノブへと手を掛けたところで設問が落ちた。]
居眠りしているのなら、
急所を突いて、もう少し気持ちよく眠っておいてもらいましょう。
[利き腕である右手を上げたなら、トン、と振り下ろす真似をして意地悪く微笑ってみせる。]
見張りが女性なら、キスの一つでも落として、
眠り姫の目を覚ましましょうか。
[時間に余裕があると判断すれば、軽いジョークも口から零れるもの。
ふ、と目許を和らげると、失礼。と短な言葉を残してするりと室内へと身体を滑りこませた。]
[扉を少し開け放したままにして、素早く室内へ視線を流す。
窓の…鍵は施錠されているようだ。外に出ることは可能だろうか。
扉の向こう人の気配を感じながら、警戒を怠らないように周囲に目を配る。
何も無さそう、か……?
そう判断したならば、躊躇いなくテーブルへと向かい大事そうにペンダントを持ち上げる。
ペンダントトップに優しく触れれば、しゃらりと鎖が垂れ下がる。
中身が気になるところではあるが、今は逃げ遂せるかどうかの瀬戸際だ。
胸のポケットから白いハンカチを引き出して、ペンダントを優しく包み込み、膨らんだハンカチを胸元へ締まって踵を返して扉へと。*]
/*
なんでptこんなに増えてるんだ…!?
と思ったら、日付変わってたからだった。
独り言あと5865pt /秘話あと10000pt
喉枯れの必要なさすぎですね…?
[提案された対処法が扉口から聞こえてくれば、なるほど。と感嘆の声を漏らす。
猿轡までは考えていかなったと、詰めの甘さに薄く唇を噛んだ。
溜息が聞こえたなら、くすりと吐きだす息が笑いに震える。]
……教官はどちらかと言えば、起こす側では?
[微笑いながらも女性への対処法を怠らないその言い分に感心を覚えて。
やはり、尊敬する教官像だと慕う気持ちが強まるのを感じた。
戸口まで来たところでは、自身の中での体感は5分も立たない。
教官の口からその体感が確実だったと分かれば、その部屋が自身の部屋であるかのように部屋の中へと招き入れる仕草を見せた。]
五分は充分な程にハンデですよ、教官。
[クリアかどうかを確かめる声に、トントン、と自身の膨らんだ胸のポケットを軽く叩いて。]
こちらにありますが…、
俺が預かったまま、『追いかけっこ』しましょうか?
[少し揶揄を交えたそれは、相手の反応を楽しんでいるようだった。**]
[眠り姫を自身に例えられて、数度瞬きを繰り返す。
彼が部屋へと踏み込むと、その分詰まった距離に、
後ろへと下がりそうになる身体を、左足を後ろへ下げることで踏み留まらせた。]
……ベッドの周りに棘があったとしても?
[軽いニュアンスの言葉にちくりと棘を刺すように、悪戯な目を向ける。
誰かの侵入を拒むように薔薇の棘を纏う眠りの主は、確かに今の自身のようだ。
城の内へと枝葉を踏み分け、踏み込まれたのなら――…。
ソマリの動作の一つ一つを視線が追う。
追いかけっこを惜しむその声に、無意識に笑みが零れた。
しかしそれも、彼の伸ばした手が自身の手首を掴んだなら、驚きに変わる。
トクンと、心臓が音を立てる。
その手を振り払えずに。
囁くような声に、明らかに動揺した色の表情を見せた。]
[じわりと耳朶が、頬が熱くなった気がして。
重なる視線に耐え切れずに、両の睫毛が双眸に影を作り出す。
自然と落ちた視線は捕まえられた手から逃れるように背けられて**]
それは……、ミッションのルールには、組み込まれていません。
[踏み留まるは吉か凶か。
教官と候補生、というには近過ぎる距離。
二人の間には一歩に満ちるかどうかの空間しかない。]
棘に阻まれ己の身が傷つこうとも
心のままに眠り姫のもとへとゆくだろう。
[悪戯な眸を受ければ、弧を描くくちびる。
掴んだ手からは布越しに彼の体温が伝う。
驚きの表情の中に怯えの色がないことをその目で確かめ]
今日のミッションは終わった。
これはプライベートだ。
――…だから、イヤなら逃げても構わない。
[染まる目許、その耳朶から漂う色香に誘われるように
顔を近づけ吐息混じりに囁く。
視線動かし、彼の顔を覗けば、
伏せた睫が頬に長い影を落とすが認められる。
逃げて構わないと言いながらも、逃したくはないか、
セルウィンの手首を掴むその手が緩むことはなく。*]
[指先から伝わる体温。
僅かな動きですら気配を感じてしまう程の距離。
後一歩、詰められてしまえば呼吸さえ伝わってしまいそうだ。
揶揄と多少の牽制を送ったつもりの言葉に、ストレートに言葉を返されたなら、
決まりが悪く、照れを押し隠すように咳払いを一つ]
その場合、ベッドで眠っているのは姫ではなく、
貴方と同じ男ですよ……
[縮まった距離を厭うことはないものの、口先ばかりが形だけの抵抗を示す。
不意に目前に影が落ちた気配を感じて。
その原因を眼で追えば、更に縮まったその距離に唇を震わせ、小さく息を飲んだ。
捕まえられた手も、向けられた眼差しからも。
逃れられそうにない。
なのに意思を確かめるように、逃げても構わないだなんて。
その態度を少なからず憎らしく思う。*]
[言おうか、言わずまいか。
逡巡を見せたなら、少し下唇を噛んでから、ほろと戸惑いの色を載せた声が零れる。*]
……本当に嫌悪を示すのであれば、もうとっくに抵抗しています。
[そう告げれば、ソマリの反応を伺うように目線だけを上に向けた。*]
[常のように流す為の喩えと思いながらも
茨の檻へと踏み込む為の言葉を綴る。
嫌悪、拒絶、そういった感情が見えれば、
冗談だと誤魔化しあっさり引く心算もあったが
照れ隠すような咳払いと染まる肌の色に
引き下がるという選択肢は遠くなる。]
最初は眠り姫だと思っていた。
けれどそれが王子なのだと知れて、
[喩えに続ける言葉は過去に重なる。
息を飲む音色に、擽られるのは耳朶か心か。]
それでも心は変わらず、
棘の向こうに居るキミに惹かれた。
[語るトーンに軽口の色は滲まない。
焦がれるような眼差しがセルウィンに注がれる。]
[逡巡の間が酷く長く感じられるのは
期待と不安の入り混じる己の心のせいだろう。]
抵抗されることも考えていたから
[不安をかき消す言葉に、ぽつ、と思考を漏らし]
向けられる感情が嫌悪でないことにほっとした。
[安堵と喜びの、笑みを浮かべて
向けられる眼差しに己のそれを重ねる。*]
[綴られる言葉の中に引っ掛かりを覚えて]
最初は……?
[そのキーワードを反芻する。
女性と見紛うほど体格ではないはずだ。
幼少の頃ならば顔立ちと体格の細さから稀に間違われることもあったが、彼と出会ったのは数ヶ月前のこと。
人前で仮眠を取るようなこともしたことが無いはずだ。
…比喩の一つだろうか。
それにしては、その口調にいつもの声の軽さはなく真実味を増す。
揶揄われているのではないのだと気づいたなら、掴まれたままの手の指先をきゅ、と丸めた。
抵抗するつもりがなかった、といえば嘘になる。
その後ろめたさが自身の口を重くさせる。
けれど。
安堵の声とその時見えたその表情に嘘がないと知れば]
……俺自身も驚いています。
[傾いた心を自覚するように、眼を閉じてぽそりと言葉を漏らした。*]
――…最初は。
[反芻されるそれを肯定するように同じを重ねた。
成長した今なら見紛う事もないから、
セルウィンが疑問に思うのも不思議ではないだろう。
捕らえたままの彼の手、その指先が丸まり握る形へと変われば
隠れぬ手の甲に顔を寄せて、軽くくちびるを触れさせる。
敬愛を意味する場所という説もあったか。
ちらと過ぎる雑学は頭の隅へ。]
気が変わることもあるだろう。
その時は、気兼ねなく――…
[驚いているというのが本心ならば
何かのきっかけで揺らぐことも考えられる。
逃げてもいい、そう言おうとするのに音にはならず
吐息の音色だけが、静かに落ちた。]
セルウィン。
答えはキミの胸に……
[最初がいつを示すのか。
その時を表す写真は彼が奪取した品に隠される。
視線をゆるくそちらに向けてから、
手首を掴む手の力を緩める。*]
[繰り返される言葉に、確かな意図があるように感じられて。
今はまだその先を聞く時ではないのだろうかと、口を紡ぐ。
気にならないはずが、ない。
疼き始める好奇心をひた隠して、持ち上げられた手へ視線を移す。
柔らかな感触が甲に触れたなら、微かに指先が震えた。]
――…っ、
[気が変わると、そう言われたなら咄嗟に、何か応えようと口を開いたが、
すぐには音にならなかった。
ぐらぐらと揺らぐ気持ちを表すように、ソマリを見つめる瞳が揺れる。
腕から体温が離れていくことを、少し寂しく思う。
答えを委ねられたことを察する。
ただ、彼が指し示す、その胸元にある本当の答えを気づくまでは未だ至らずに。
どれだけの間、声を発せなかっただろうか。
戸惑い揺れた想いの重さに、引きずられるように頭が垂れる。
そのまま、ソマリの肩口に額を預けて]
……気が変わる前に、確かめたい。
[紡ぎだした声が届いたかは分からない。
それでも今言える精一杯の言葉だった。
今にも顔から火が出そうになる程、顔に血が昇っているのを自身で感じられた。*]
[何か言い掛ける、くちびるの動きを認める。
揺れる眼差しからはこれまでのように軽く受け流す態は感じられない。
詰めた距離の成果は十分といえるもの。
沈黙ののち、肩に触れる微かな重み。
セルウィンの髪がさらと流れ、首筋を擽る。]
――…、
[空気を震わせる音色は薄く、
願望が聞かせた空耳と区別がつかない。]
セルウィン。
[染まる頬が初々しさを醸し出す。
ソマリの高揚は肌には宿らず眸の奥に灯される。
熱こもる声音で名を呼び、
解いた手を彼の腰へとまわし、その身体をゆるく引き寄せた。*]
[名を呼ぶ声に温度があることをその時に知るだろうか。
すぐに顔は上げられず、微かに身動ぐ。
腰元に腕が回れば、僅かにあった距離がなくなり身体が触れ合う。
応えるように自身の手でソマリの無防備になっている前腕に触れる。
掌で腕をなぞりおろしていき、手の甲まで下がったならその更に下方、
指先に辿り着いて、小指から柔らかく握りこんでいく。
中々、上げられなかった顔をそろ、と上げるとソマリからも表情が見て取れるだろう。
顔をあげたものの、中々視線が合わせられずに居ただろうか。
やはり、彼の声はじわじわと身体に染み込む麻薬のようだ。
それでも促されたなら、瞳を向ける。
自然と、唇は内に篭った体温を吐き出すように薄く開かれて]
その声は……卑怯です。
[暗に弱いのだ。と白状したも同然の言葉を口にした。*]
[身動ぐ気配が拒絶ゆえのものでないことは
なんとなしに感じられる。
そうであって欲しいという願望もあったせいかもしれない。
触れるだけ。
ただそれだけで鼓動が跳ねるのは
セルウィンが己にとって特別な存在であるから。
腕をなぞり下りる彼の手指が己の手へと絡む。
柔らかなその動きにピクと小さく指が跳ねる。
意識するがゆえに過敏になっているのか、
ささやかな反応を隠すように
握りこむ手の平を指の腹で撫でて重ね合わせた。
なかなか重ならぬ視線に焦らされるような感覚を覚える。
もう一度名を呼び促せば、彼の眸に己の姿が映り込む。]
――…声に、キミへの想いでも滲んだかな。
漸く、私を見てくれたね。
[意図するものを理解しながら、嬉しげに目を細めて微笑む。]
[微かな震えが分かれば、一瞬動きに躊躇いが生じて。
掌を擽られるたなら肩を震わせてしまう。
だが、その手が重なったなら表情が柔らいだものになる。
微笑いながら否定もしないその様子に眉尻が下がる。
視線を外してしまう自覚はあるが故に。]
そう改めて言われると、見づらくなります…、…
[それでもソマリの声音と表情から嬉しそうな感情を汲んでしまえば、強くも言えず。
自身が口にしたことは後悔はしていないものの、じわじわと込み上げる羞恥心にまた暫くしたら、瞳が伏せられていくだろうか。]
そんなに嬉しそうにしないでください…
[重なった手はそのままに、空いた片手で口元と頬を覆い隠すようにして、そう呟いた。*]
[やわらぐ彼の表情があたたかな春陽を思わせる。
思い出の中の彼と面影が一瞬重なり懐かしさを覚え]
その表情も、好ましく思う。
[眩しげに見つめながらそう伝えた。
見づらくなる、との言葉が聞こえると
ふ、と吐息のような笑み声を漏らし]
お喋りが過ぎたかな。
振り向いてくれるまで口を噤んで待っていようか。
[悪戯な、けれど常の軽口よりも甘さを帯びた囁きを向ける。
白い肌に羞恥の色が刷かれると、口の端を持ち上げ]
好きな相手の、可愛い姿を見れば
誰だって嬉しくなるものだ。
[覆い隠されるくちびるの上、
セルウィンの手の甲越しに口接けを落とす。]
――…私は、キミに惹かれている。
[一度目を伏せ、再び彼の眸へと重ね]
セルウィン、
キミが、好きだよ。
[彼に向ける好意を改めて言葉として見詰める。*]
[一つの葉ずつ載せられていく好意を含むその音に、
揶揄がないことが分かる度に、耳朶が赤くなる。
その全てを受け止めていたら羞恥に耐え切れないだろう。
笑いと共に落とされたそれに、相槌を打とうとして、ふと、心に靄がかかる。
振り向いていないように見えるのだろうか。
と、一瞬脳裏に掠めた思考は既に、心は決まっているようなものだった。
自身の言葉の足りなさにも自覚することも出来ずに、
僅かに笑みを濁らせていれば、
普段の体を取り戻し始めるその口調に、ついと口を開きかけた。]
――…っ、…?
[不意に手の甲に落ちる二度目のキス。
先程よりも距離は近く、すぐ離れた唇を瞳が追えば、すぐに黄金の瞳と重なって。]
……わ、…たし、も。
貴方と、…同じ気持ちであれば、と…
[手の甲の感触がまだ残っている。
尚更外せなくなってしまったその手に声は濁ったまま、ふるりと睫毛が揺れる。
鼓動が、自身の意思とは裏腹に弾んでいくことを自覚し掌に熱のこもった吐息を吐き出せば、瞳を閉じて。]
貴方を……、好きに、なりたい。
[観念したように言葉を返した。*]
[セルウィンの反応からは好意を感じられる。
自惚れてしまえれば楽なのだろうが、
一般的に、同性であることが障害となるのは認識している。
年を重ね経験を重ねようとも本気で思う相手の前では
ささやかなことにも一喜一憂し、不安にもなってしまう。
笑みが微か曇るを見れば、はたりと瞬く。
何か言い掛けるその気配を感じるのに、
欲に負けて彼の言葉を途切れさせた。]
――――……、
[名残惜しげに手の甲に寄せた顔を僅か離し、待つと
彼のくちびるよりその言葉が綴られて]
ああ、好きになって貰えるように努力しよう。
これからは、他への戯れは止める。
キミだけを想い、キミだけを見つめよう。
[もっと触れたい。
そんな欲を自制しようと思うのに
震える睫と彼の健気な言葉に誘われるように瞼へとキスを落とし]
急かしはしない。
ゆっくりで構わないから―― …
[好きになって、と喉でくぐもる音色を零す。*]
/*
(ちゃぶ台をひっくり返してもんどり打っているの図)
く、照れる…!!
ゆえるんさんを言葉の魔術師と呼ぼう(菩薩の顔)
セルウィン!キミももうちょっとがんばって!!
ソマリに応えるんだ!!
[伏せる瞳は仄かに色付く頬を映し出す。
彼の言葉が途切れるのを感じて、気取られぬように視線を向けたつもりだが、
この距離ではすぐに気づかれてしまうだろう。
僅かに出来た隙間に、彼の表情を窺い見る。
浮名の多いその人が紡ぐ言葉に。
瞼へと落とされる柔らかな唇に。
絆されるように自然と肩の力が抜けていく。
その時、心に宿した感情は確かに温かく。
口元を抑えていた手を外して、ソマリの頬へと添えられる。]
まるで、神前での誓いみたいだ。
[剥げ落ちていく敬語は、先程から何度目だろうか。
口にした揶揄は自身でも驚く程、柔らかな声音だった。
指先で、すり、とソマリの頬を愛しげに撫でて双眸を細めた。*]
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