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盲目の少女 フレデリカ の役職希望が 村人 に自動決定されました。
[悲痛な思いを吐露し>>142、咽びながら泣くアイリ。元の生活に戻れるのか‥という問いかけに、脳裏に巡るのは気休め程度にしかなりはしないであろう陳腐な言葉。]
ーー大丈夫、大丈夫よ。
絶対戻ってこれる。
私が‥ついてるから。
[それでも、投げ掛けないわけにはいかなかった。安易に言い切ることがどれほど愚かしいか‥しかし、このまま壊れ行くことを恐れ、困惑し、無情を泣き叫ぶ彼女の姿に、そうでもしないと私も落ち着きを保てそうにはなかったから‥]
とにかく、一度ここを出ましょう?
うちに来て。これからのことを話し合うにしたって、学校の中じゃ誰に聞かれてもおかしくないわ。
[いくら隅の席とはいえ、憚らずに泣いていれば周りからの視線も集まる。幸いにして、大学からそう遠くない位置に私の自宅はある。
食欲どころではなくなって半分ほど残ったきつねうどんと、アイリの料理をカウンターへ戻すと、未だ嗚咽を漏らしているようであればアイリの手をーーほんの少しだけ躊躇って、けれどしっかりと握って。]
《フレデリカの自宅》
[大学の食堂から家に着くまでの間、握っていたアイリの手の温かさは紛れもない人の温かさ。
だからこれが、無邪気なアイリの私を驚かすための不謹慎で不愉快極まりない作り話や冗談であればいいなんて、心のどこかでまだ現実を直視出来なくて‥。]
さ、上がって。
[だけど期待していたようなネタばらしもないまま私の家に着いてしまう。
杖を玄関に立て掛けて、一目散に自室のある二階へと二人で上がるだろうか。]
ふう‥ここなら大丈夫、家族は黙って入ってくるようなことはないから。
[自室に入るとそう言ってやっとアイリの手を放そうとする。]
全くよ。‥けど、アイリが唯一無二の大切な親友だと思ってなければここまで心配なんてしないわ。
大丈夫。
[すがるような思いのこもった視線を感じつつ>>4もう一度、安心させるような言葉をかけて近くのソファーに腰を据える。アイリが隣に座るならば、再び握っていてもいいよと言うように手を差し伸べて。]
それで、話を戻すわ。
さっきの話で気になってたこと。
アイリがその‥殺してしまいたくなってしまうような"人間じゃない人"ってどういうこと?
私達の身近にもそういう‥人が、潜んでるっていうの?
["化物"と呼称してしまいそうになるのを飲み込んだのは、アイリ自身が自らをそういう人間だと言っていたから。‥アイリが化物だと認めてしまうのは、絶対に嫌だったから。]
こら、こんな時にふざけてる場合?
全くもう。
ーま、どっちかが男性だったら放っとかなかったのは事実かもしれないけど。
[少し軽口を吐けるようになったアイリに応じるように、少しだけ笑い返す。アイリの性別を越えた本心を知る所ではなかったが、求められれば与えることを辞さないくらいには‥私もアイリのことを好いていたのは間違いない。]
[小刻みに震える手を握り締めながら、アイリの話に聞き入る。全てを語り終えるまで言葉の一つも挟まずに。]
能力‥者。
[悪魔との契約によって力を得た者達が、他者から植え付けられた憎しみで、衝動でその力を用いて互いを殺し合う。ーー聞いただけで吐き気を催す程に胸糞悪い悪魔の享楽。
気付けば、アイリの震えが全身に及んでいる。]
ーーさせないわよ。
[そっと、肩を抱く。]
アイリを人殺しになんてさせないし、これ以上何かを奪わせたりもしない。
何なら私が四六時中側にいて、そんなことさせないように見張っていてあげるから。
[目の見えない私に、何が出来るのか。この手で彼女を守るに値するだけの力を、私には備わっているのか。]
絶対に、させない。
[力ではなく、心。今の私にできるのは、アイリにその意志を*伝えること*]
[謝罪の言葉を何度も口にしながら泣きじゃくる>>12アイリの背を、ぽんぽんと子供をあやすように幾度となく優しく叩く。
染み込む涙も、やはり温かい。彼女が本当に冷酷な殺人者になど変貌してしまうのか疑わしく思えてしまうほどに。]
ともかく、何か解決策を探しましょう。
もしかしたら契約を無効にする方法があるかもしれないし‥それが無理でも、殺害衝動だけをどうにかして封じる方法があるかもしれない。
[根拠の一つも提示できない自分が酷く無力なのを嘆いていても仕方がない。]
暫くはここで私と一緒に生活して。母さん達には上手く言っておく。アイリなら‥ダメとは言わないだろうから。
[半ば強制的に、守り抜く覚悟を込めて言う。]
ーーよし。
[泣きはらしながらもここに暮らすことを了解した>>15アイリの頭をぽんと一つ叩く。
迷惑を掛けたくないなどと言って、これ以上私に心配させようものなら縛り付けてでも引き留めるつもりだったから、ちょっぴり安堵した。]
そうね。だけどアイリが家に帰ってまたここに来るまでに能力者と遭遇しないとは言い切れないわ。
別に服ぐらいなら私のを着ればいいと思うけど‥。
[ちょっと言葉を詰まらせて]
さすがに生活用品や肌着まで共有してもいい、なんて言っても逆に困るでしょ?
[苦笑いを浮かべながら言う。]
そりゃあ、そうよね。さすがにアイリもちゃんと女の子よね。
[変なことを聞いてしまったと、置かれた間にちょっとだけ後悔しながら>>24アイリから提案がなされれば。]
ええ、わかった。
今日はちょっと不便かけるかもしれないけど我慢してね。
[もう一度抱き合う背をぽんと優しく撫でてから、立ち上がる。]
じゃ、寛いでて。母さんに話、つけてくるから。
[そう言うとアイリを残して、部屋を出て階下へと降りていくだろう。]
はい、どちら様でしょうか?
[丁度お手洗いを済ますために一階へと降りてきていた際に、>>28来訪者を知らせるチャイムが鳴る。
日付も既に切り替わり、両親もとうに床に着いている。アイリも眠ってしまっていただろうか。
そしてこんな時間に我が家を訪れる人物に心当たりはない。イタズラか、はたまた何か急を要する事態に巻き込まれた通りすがりの人物が偶々うちを訪ねたのだろうか?
どちらにせよ、非常識で不審な来客である
ことに変わりなく、インターホン越しにそう問うただろう。]
[インターホンから響いてきたのは>>30少女の声。私やアイリとそう変わらないか、もう少し若いくらいだろうか。]
アイリの‥‥友達?
[確かに懐っこいアイリには友達が多い。それこそ旧知の友人ならば私の至り知らぬところであるし、それ自体は不思議ではない。]
‥‥‥。
[ソフィヤと名乗るその少女。どう考えたって怪しいのは間違いない。
本来ならば「明日にでもまたお話を」と、取り付く島もなく追い返していたかもしれない。
だけど、私が言葉をつぐみ躊躇う様子を見せたのはソフィヤの演技が実に真に迫っていたためか。それだけ彼女の言葉には"淀み"が感じられなかった。]
‥‥分かりました。この場で良ければ。
[そして彼女の持ちかけた言葉にまんまと了承をしてしまう。
ーー私はこの時、気が付くべきだったのだ。致命的で決定的な不自然さに。何故この少女がここにアイリが匿われているのかを知っていたことを。]
[深夜の来客に応対しながら、いかにうちのソファが心地よかったかを笑いながら語る>>35アイリにくすりと笑顔を向けるがー]
『今から少しだけ、私の言うことを聞いていただきたいのです』
‥っ!?
[>>34ソフィヤの言葉が内に入り込んできたと同時に、くるりと自分の足が玄関の方へと一人でに歩き出す。
勿論、自分の意思などではない。
足が動いたとほぼ同じくして、アイリの叫び>>35。]
なに、これ‥勝手に足が‥!?
能力者‥‥?能力者なの!?
ーーアイリ!逃げてっ!
[突如として訪れた事態に動転し、いくら強制力が薄いとはいえ抗うことにまで頭は回らない。ただ一つ、アイリを殺されたくないーー誰かを殺させたくない。
その一心で、叫ぶアイリに向かって叫び返す。ーーそして、私の意に反して玄関へと辿り着くと鍵に私の手が掛けられ、カチャリと闇夜を貫いた。]
だからってアイリが傷つく必要なんか‥!
[>>39私の警告を聞き入れずに逃げることをしないアイリ。そうこしていれば>>38扉は開かれーー]
きゃっ‥!!
[怒濤の押し寄せる人の波に突き飛ばされ、玄関先で勢いよく尻餅をつく。
まるで人形のように、覇気の感じられない人の群れが流れていった後、玄関先に在る人の気配にキッと顔を向けた。アイリに向けて明確な殺意を露にする、これがーー能力者。]
アイリ!?アイリっ!?
戦っちゃダメ!
貴女が狙いなら‥とにかく逃げなさいっ!
[私には目もくれず、縛り付ける術さえと解かれたことで能力者は能力者に刃を向けることを優先しているのだということを認識する。
それでも上階からは飛び交う殺意と、つばぜり合う喧騒は止まない。]
くっ‥‥。
[靴箱の縁を支えにして立ち上がる。痛みよりも何よりも、この状況を打開するために至った考えを実行に移すために。
靴箱の上の花瓶を両手で抱え持ち上げると、直感とごく僅かな時間で導き出した拙い仮定を便りに、ソフィヤへと目掛けて振りかぶる。
私を操っていたのが彼女ならばまた、アイリを襲う彼らを操っているのもこの少女だ、と。]
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