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[ジークムントの隣で、一言も発せずそこに居座る彼。
ジークムントと天使とのやり取りを咀嚼しながら、不穏な空気の正体を考えていた。]
良くない音は…すでに残っていないか。
[彼はその耳で何かを聞き分けていた。
耳はいいのだ、昔から。]
[シメオンの言葉に耳を傾け、呟くように一言。
それは誰かに向けられた言葉ではなく、心からでた言葉。]
人は、人間は、強い生き物だ。
[そしてシメオンへと視線を移しながら口を開く。]
興味深い話だな、もう少し続きが聞きたい。
[シメオンの語る内容(>>94>>95)に思わず顔を歪ませる。
その表情は、悲痛とも、怒りとも取れるような…。
その内容は、まさに彼自信が堕天する原因となった惨状によく似たものを彷彿とさせたからだった。
だが……]
(だが、果たしてすべての人間がそうであろうか?
良くない者は確かにいる。けれども、それはほんの一握りなように感じられる。)
私は地上に堕ちた後、多くの人間を見てきた。
中には決して綺麗とは言えない心もあった。
だが、彼らの多くは環境が変われば美しき心を持てる者だった。
「恵まれぬものに救いの手を。」天使であるからこそ人間に手を貸すべきなのではないだろうか。
なにも何から何まで助けてやるわけじゃない。彼らは強い生き物だ。ほんの手がかりをやるだけでいいだろう。
きっかけがあれば、より良くできるさ。
[それは必要に応じて手を貸すということ。
ジークムントの無関心とも、シルキーの嫌悪とも、マレンマの慈愛ともまた違った、彼の価値観だった。]
[彼は少し、地上に感化され過ぎたのかもしれない。
純粋であり、忠実である熾天使だからこそ、堕天した先の変化は大きい。
信念が強いからこそ、間違っていると思ったときに走る勢いが強い。
既に彼は、神の近くに侍っていた頃とは、物の見方が大きく変わってしまっていた。]
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