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― 6年前・春 ―
[卒業してリエヴル一人を残すことについて、
実は心配していることがあった。
リエヴルは本当に怖がりで、
夜に誰かが扉をノックでもした日にはそれとわかるほど怯えていた。
そんな夜は、一緒に温かい紅茶を飲んだりして
また安心して眠れるまで起きていたのだが。
自分がいなくなった部屋でどうして暮らしているのだろう。
それもあったから、様子を見に来たいという理由もあったのだ]
[逢いにきただけなのに、じんわりとリエヴルの眼に涙が浮かぶ。
涙がリエヴルの想いを雄弁に語っているようで、胸を突いた]
うん……。逢いに来てよかった。
[彼がそれほどまでに自分を求めてくれている気がして。
そういう彼が堪らなく愛しかった]
[袖を引かれるとその意を察して、
自然と身体が、他者からリエヴルの姿を覆い隠すように動いた]
じゃ、市街地でもいってみるか。
[気恥ずかしくて、在校生にも教官にも見られたくなかった]
― 執務室・出撃前 ―
[シュヴァルベにミヒャエルが配属されるということは
たった今、手にしている書面に記されていたから、
その顔をみて驚くということはなかった]
デンプヴォルフ大尉、来てくれたのか。
貴官が赴任してきてくれたこと、頼もしく思う。
伯父上や祖父が暗殺された時は、君にも大変世話になった。
君達のような優秀な防諜部員が調べても、証拠が出ないということは、
相手がそれほど優秀だったということだ。
それに、そもそも暗殺を防ぎきれなかったのは、我々の失態だ……。
……過去の話をしても仕方ないな。
我々が、目を向けないといけないのは、現在そして未来だ。
まずは、現在進行している活動を、ニコラス中佐のほうから説明を。
[ニコラスからは「狼」についての情報がミヒャエルに齎される]
[その後は、今シュヴァルベに赴任している将校について、
軽く説明が行われた。
ディークやレナトなど、本国でも付き合いがあった人物は別として、
まずは陣容を知らなければ、人材を動かすことも出来ない]
……フレデリカが女?
確かにそう言われてみれば、3年ということをのぞいても
士官候補生としては頼りない体つきだったが……
[初めて聞いたその内容に、この時は驚いた顔をして。
同時に彼女が、奇襲そして暗殺等の
いわゆる汚れ仕事を担当する部隊に所属していたことも知った。
そしてフレデリカがリエヴルの養父母を殺害したことも]
……そうか。彼女が、な。情報、感謝する。
さて、それではデンプヴォルフ大尉には早速任務にかかってもらいたい。
[情報局員と歩兵数名を合わせて十名前後の配下を
与えることを告げると、その場にいる人間を下がらせた]
[独りになると、指を組んでその上に顎を乗せて
今しがた齎された情報に物を思う。
卒業後訪れた士官学校で
リエヴルがフレデリカに稽古をつけているのをみたことがあった。
フレデリカにとってもリエヴルは親しい人物であって、
彼女はどんな思いで任務を果たしたのだろう。
指に掛かる力が強くなった。
尤も彼女にそれを命じたのは、公国の上層部であるのだから。
リエヴルの養父母は公国が殺害した。
彼女はただ命令を忠実に実行しただけだ。
その事実を彼が知っていれば。
リエヴルにとって公国は憎むべき親の仇なのだ――]
― 執務室・出撃前(レナトと) ―
ああ。お気遣いありがとう。
ま、身体には自信がある。
あれくらいの長旅なんてことないさ。
[頑健を誇る肉体は、学生時代よりも更に鍛えあげられていた]
ん?甘味……?
[そういえば彼との書簡のやり取りで、
エルンストに勧められた通り甘味を取るのが習慣になっていると
書いたことがあったが、それで気を効かせてくれたのだろうか。
手を伸ばして小さな箱を受け取って]
そうか、アリーセからか……。ありがとう。
奥方にも感謝していたと伝えて欲しい。
[アリーセといえば、その美しい髪色をとって
金のアリーセ。銀のユーリエと並び称されていた、
西女子寮のもう一人のマドンナ。
優しく気立ての良さから、
男たちがなにか勘違いしてしまうことも多く、
どうにかしてほしいと相談に乗ったこともあった。
その彼女がレナトと結婚して、結婚式にも招待されて。
トール先輩と久しぶりにその名で呼ばれた時、
こうして懐かしい学生時代を共有する相手が
ここにもいることを嬉しく思った――]
うむ、来て早々で悪いな。
お前のほうこそ忙しいだろうが、休息はしっかりとれよ。
[そう声を掛けると、連れ立って会議の席に向かった]
― 6年前の春 ―
[連れ出した市街地で、リエヴルがまた涙を零す。
逢いに来た。
たったこれだけのことで成人した男が泣くなんて、
自分のことでなければ、何かの冗談だろうと思うのに。
それもまた可愛いと思うのが、我ながら度し難い]
[人目につかなくなった頃合いに、
そっとリエヴルが身体を寄せてくる。
その身体をぎゅっと抱き寄せて]
だったらさ……泣くなよ。
こうして逢いに来たんだから、
嬉しそうに笑うお前のほうがみたい。
[そう耳元で囁いて、その頬に口づけを落とした]
/*
いや、違ったね。
クロイツさんが先だったね。
そのあと回想、ソロール、シロウ先生かな。
ディークと話をするはどこの時列系がいいかな。
あと新たな作戦シーンもたてないと……!
― 執務室 ―
[ディークから、
即ちカサンドラを帝国から脱出させる為に、
特に外国人傭兵の活躍があったと報告があれば、
クロイツを執務室に呼び寄せる]
スーリヤ・クロイツ・ウーツ殿だな。
指揮官のトール・フォン・ラウツェニングだ。
ベルンシュタイン大佐から報告を受けているが、
この度のカサンドラ技官奪還作戦では
貴官が見事な働きをされたと聞いた。
私からも改めて礼をいおう。
……ところで、君は私の学生時代の後輩によく似ているのだが……。
[だがエルンスト・ヒンメルは死んだ、という噂は
聞いていたから。
その名を尋ねることはしない。
そうだ。
先ほど部下から土産物をいただいたのだが、食うか?
[その代わりに、
レナトの妻が焼いた
ドライフルーツの混ぜ合わされた焼き菓子を一切れ。
エルンスト似の男に差し出した]
― 執務室(シロウ・カサンドラと)―
成程……。
直撃でショック死するかもしれないとは、また随分な代物だな。
帝国の技術も俺が学んだ時よりもずっと進化しているのだろうな……。
[学生時代は帝国の技術も公国の技術も、
自由に学ぶことが出来たが
一旦、学校を卒業してどちらかに所属してしまえば、
相手の技術に触れる機会は限られてしまう。
改めて士官学校があった時代の偉大さを、心の中で噛み締める。
尤も、カサンドラが退官してしまった士官学校で、
どれほどの技術が学べたのかはわからないが]
ああ、シロウ殿の腕前がどれほどのものかは良くわかっている。
……貴方が敵ではなくてよかった。
― 執務室(その後)―
[シロウの返事に更に冗談を返そうとして、やめた]
ああ、そうですね。
リエヴルが刺客を放ってくるとは、俺も思いがたいですし。
あちらにいらした先生が、そう仰るのでしたら。
彼もあまり変わっていないということでしょう。
それでも突っ走ってくる奴がいれば、
先生、よろしくお願いいたします。
[シロウは何故かもふもふわんこを抱えている。
この人も――もふもふを愛するところは
昔とちっとも変わっていなかった]
― 翌朝・執務室 ―
[ノックもせずに扉が開く。
かちゃりという音に扉に視線をむけると、シロウが入ってきた。
ふうとため息を吐くも、その行動について咎めることはしない。
昨夜シロウが口にした「突っ走るバカ」が部屋に侵入する時は
ノックなんてしないからだ]
ああ……。帝国には隠密だとバレてしまったんですか。
[まさか自分から置き手紙を書くなんて思いもよらない]
拠点移動ですか。
確かに隅々まで調査しつくされていたようですから。
機密性を考えれば拠点移動という発想になるのは合点がいきます。
さて……この情報を踏まえて我々はどう動こうか……。
[その場に誰かがいれば意見を求めた]
それから……。一部の人間は知っているだろうが、
私は一時、前線に立っていた。
指揮官として自覚のない行為だったと反省している。
すまなかった。
……帝国のトゥーレーヌ准将率いる親衛隊と接敵したが、
ファロン少尉の護衛のおかげで何事も無く済んでいる。
誰か、彼が橋を渡ったのを見たものがいるのか?
[リエヴルの侵入経路はどこからだったのかを確認しようとし]
私からの報告は以上だ。
他に何もなければ、今日はもう寝ていいぞ。
……改めてご苦労だった。
― 自室・未明 ―
[全てのことが終わると、
自室の寝台に入るがなかなか寝付けない。
高級将校用の部屋とはいえ、
寝台は本国の自室のように、
広いというわけにはいかなかった。
その寝台が今日はやけに広く感じる。
独り寝には大分慣れたというのに]
(ヴィー。ずっと……逢いたかった)
[戦場で再会した人の顔を思い出して、
ごろんと寝返りを打つ]
(出来れば……
帝国と公国の間が自由に行き来出来るようになって、
その出身を隠さなくてもいい日が来たその時に。
あのシュヴァルベで逢いたかったけれど――)
[結局、自分と彼は敵として再会してしまった。
6年前、ディークに言われたように
彼を浚ってしまえば、こんな未来は訪れなかったのだろうか。
もう後悔しても始まらないことだけれど]
(受け取ってくれるとは、思わなかった――)
[衝動的に投げてしまった指輪と通信機は、
彼の手にしっかりと収まった。
指輪はともかく、貴重な通信機。
前線との連絡用に、味方の誰かに持たせるべきだったのだろう。
でも――投げてしまった。
味方への背信行為と言われても仕方が無い。
この失態を取り戻す為には、公国を勝利に導くよりほかに手がない。
それが彼を初めとする、旧友と戦い、殺すことであっても。
もう迷うことはない――]
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