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― ??? ―
……ぅ、ぁ―――……。
[男の肩をがしりと掴むのは毛むくじゃらの手。
男は身体を捩り逃れようとするけども、敵う筈もなく。
爪は食い込み、肩がぎしぎしと不愉快な音を立てる。 ]
やめ、ろ………。
[痛みに顔を歪めながら人狼の瞳を見る。誰かの瞳の色に似ていると思いながら、懇願の声を上げれど聞き届けられる事はなく。
無慈悲な人狼は、大きく口を開け、その首筋に食らいついた。]
― 真夜中・自室 ―
[声にならない叫び声を上げて、飛び起きると同時、悪夢は終わる。
静寂の中、心臓はばくばくとうるさい程音を立てている。
男は、自身の存在を確かめるかの様に強く両腕で己自身をかき抱いた。]
……また、だ。
[視野に入るのはいつもと変わらない自室。
大きな本棚、入りきらなかった本は床の上に積まれ、いくつもの塔が立ち並んでいる。
窓を見やれば外は暗く。いつもと同じ真夜中だろうとはすぐにうかがい知れた。]
[1年前、この村に戻ってきてから、この悪夢を見るようになった。
最初はたまにだったが、徐々に間隔は短くなり、このところ2、3日に1度は見ている。]
ったく……キツイっての……。
[男は大きく息を吐き、こわばった指先の力を抜き、腕を解くと、ベッドサイドの抗不安剤へと手を伸ばした。]
/*
ってな訳で始まる直前に大ボケかました彼岸花こと焔です。
うん、囁き人数制限の事をすっかり忘れててんっ、さりぷる氏ごめんっ><
まぁ、そんなこんなで、今しばらくはよろしくお願いしますーノシノシ
[しばらく後。
牧羊犬を呼ぶカタリナの声、眠りから覚める。
わしゃ、とクセのない金糸の髪を掻きむしりながら、半身を起こす。
手早く衣服を着替えたなら、厨房へと。]
[保温器を開ければ、ダイレクトに鼻をくすぐる匂い。
神を信じていない男は、食事前に十字を切ることはしないけども。
代わりにこの食事を作ってくれた彼女に感謝しながら、食卓に食事を並べた。 ]
[ひとさじ、スープを口に運べば暖かく。
薬で荒れた胃にはありがたいもの。 ]
しかし……こんなのもいつまで続くだろうな。
[いずれは彼女も、結婚か、もしくは自立してこの家を出ていくだろうから。
料理などほとんど出来ない男は、ぽつりと*こぼした。*]
― 自宅・厨房 ―
[朝食を終えた男は、手早く食器を片付けていく。
食事を作るのはカタリナにまかせきりだが、そのほかの家事についてはお互い手が空いていればやるように自然と習慣づいた。]
さて、と。
そろそろペーターが来る頃だったか。
他に病人もけが人もいなければいいんだがね……。
[患者が減ればその分収入が減ることはわかっているけども、それでも自分の手など必要なければそれは幸せなこと。
そう思いながら窓の外を見れば白い世界。]
ああ、雪かきしなきゃ……だな。
[呟いて厨房を出る。
診察室を暖めるべく暖炉に薪をくべ、外套を羽織ったら*玄関先へ*。]
― 回想・1年前 ―
[20歳で学校を卒業した後、そのまま街の病院に勤めていた。
最初の頃は数日とは言え夏の休みに帰省をしてはいたけども、ここ5年は仕事の忙しさも有り、帰省の足も遠ざかっていた。
そんな所へ突然の訃報。
久しぶりの帰省。
そして、久しぶりの対面は、棺桶の中と外、別れた世界。
医者の不養生を地で行くなよ、と思わず心の中でぼやいた。]
……まったく、何がごめんなさい、なんだか……。
こんな熱出して、無理してたんじゃないのか……?
てか父さんも気づいてやれよ……。
[寝台に寝かせたカタリナに、ひとまず鎮痛剤を注射した後、男は葬儀の場へ戻っていった。]
― 回想・了 ―
― 診察室 ―
[雪かきやら掃除やら一段落した後。
からり、チャイムベルが音を立てる。]
ああ、来たかな。
[白衣を羽織り、診察室の扉を開け、顔を覗かす。
そこにいるのはよく見知った顔。]
やぁいらっしゃい。
冷えただろう?
珈琲でも淹れようか。なぁに、ちょうど私も飲みたかったんだ。
さっきまでちょっと肉体労働してたもんでね。
[診察室へと促しながら、自身は珈琲を淹れに厨房へ向かおうと。]
― 診療室 ―
まー、それはそれで面白いかも、ね?
[怖いというペーター>>347に軽く肩をすくめる。
男の過去の記憶のペーターはごく普通の健康な子供だったのに。
どちらかといえば、ペーターの兄、オットーの方が見た目的には身体が弱そうに思えたのに。
父のカルテにも、経緯は詳しく書かれていた。
自身も文献の調査をした。
けども、同様の症例は見つからない。
ならば、と。
ひとつの仮説を男は立ててはいた。
第二次性徴、大人になるための体の変化。
それがストッパーになっているのではないか、ならば男性ホルモン剤の投与が効くのではないか、と。
とは言え、それを確かめる術はなく、やれるとしたら男性ホルモン剤の投与で様子を見るしかない。
しかし、男性ホルモン剤など高価で、副作用も酷い。おいそれと試せるものでは無かった。]
― ??? ―
[見下ろした先は宿の食堂。
見知った顔と、見知らぬ顔が混じっている。
泣いていたり、怒っていたり、怯えていたり。
誰かが怒鳴った。]
「ゲルトが殺されたのは人狼の仕業だ!」
[私が?
男は不思議に首をかしげる。]
[そこで場面は切り替わる。
やはり宿の食堂。
誰かが叫んだ。]
「ゲルトさんは人狼に殺されたのよっ!」
[また、場面は切り替わる。
何度も、何度も。
どれもこれも少しずつ違っているし、そもそも男が知っている宿の食堂とも違うのだけど。
変わらないのは、男が人狼に殺されたということ。]
― 診察室 ―
ぅ………!!
[机に頬杖ついたままいつの間にかうたた寝していた男は、がくり、頭が傾いだ拍子に目を覚ます。]
…………。
なんだってんだまったく……。
縁起でもない。
[言って浮かんだのは、新緑の村の噂。
人狼だか妖魔だかに滅ぼされたらしいと。]
あー、馬鹿馬鹿しい。
人狼なんているわけないじゃん、おおげさだなあ。
[噂に影響されてるなんてくだらないと、打ち消すようにあえて声に出した。]
― 診察室 ―
ぅ………!!
[机に頬杖ついたままいつの間にかうたた寝していた男は、がくり、頭が傾いだ拍子に悪夢から覚める。]
…………。
なんだってんだまったく……。
縁起でもない。
[言って浮かんだのは、繰り返し見る食われる夢と。
人狼だか妖魔だかに滅ぼされたらしいと言う新緑の村の噂。]
あー、馬鹿馬鹿しい。
噂と夢を結びつけて、また変な夢?
人狼なんているわけないじゃん、おおげさだなあ。
[打ち消すようにあえて声に出した。]
― 回想・1年前 ―
[葬儀の直後、休む間もなくカタリナの手術を終え。
カルテや家の中の状況把握、そして各種挨拶回りと、慌ただしい日々。
その合間、意識を取り戻し、容態が落ち着いてきたカタリナの部屋へ。]
や……。
ああ、そのまま寝てていいから。
[言いながら、ベッドサイドに椅子を置き、座る。]
ん、大分回復してるようだね。
けど、しばらくは大人しくしてなさい。
……あー、その。
こんな状況でこういう話もアレだけど、早めにはっきりさせておいたほうがいいと思って、ね。
[その昔、兄妹みたいと言われたけども、そして本当の妹の様に懐かれてはいたけども。
本当の兄妹ではないのだ。
若い男女が二人きりで一緒に住むというのは本来好ましくないことだろうけど。
それでも、今の彼女をいきなり追い出す訳にもいかない。]
とりあえずは、君は今まで通りここに住んでていいよ。
ただまぁ……。
その、ここに間借りさせる対価として料理は任せたいが、いいかな?
[父親と二人の生活時、その辺の事はどうしてたか知らないけども。
あえて対価という言い方で取引感覚にした方が、カタリナにも、自分自身にとっても良いだろうと判断しての事。
そんなこんなで、カタリナとの同居が始まった。 ]
― 回想・了 ―
/*
オットーが霊かハムかな。
ペタは人形が役職関係してるか。人外くさい気がするなぁ。
ヤコが囁きログ持ちくさい。
アル共鳴確定。
リデルはお任せな気がする。
そしてカタリナがさっぱりである。
てかカタリナが入りなおす前のログが抽出出来んのが痛いっ><
― 診察室 ―
[ぽーんぽーん、と柱時計が夕方だと告げる。]
ん、こんな時間か。
……そういえば。
[買い物リストにパンと書かれていたな、と思い出し、外套を羽織って外へ出る。]
???
[空が、風が、いつもと違う。]
ああ、これは……もしかして?
[銀嵐が来るなら、日持ちのするパンを多めに買っておいたほうがいいだろうと思いながら、パン屋への道を急いだ。]
― パン屋 ―
[扉を開ければ、歓迎するように鼻をくすぐる香ばしい匂い。
ぐ、と腹の虫が音を立てた。]
やぁどうも。
[声をかけたけど、定位置の青年は寝ていたか。
代わりに、棚に飾られた人形と視線があった。
どれも精巧とは思うも、美術品には興味が薄い男は、一瞥の後にパンを物色し始める。]
/*
ほぅ、狂神官はいいとこじゃないかな。
溶け役職いるし、守護獣をご主人様誤認するかも、だし。
しかし。この村人外だらけやん\(^o^)/
村:共鳴2・霊媒・守護獣・審判者・洗礼者
狼:首無・呪・智・C狂・狂神官・狂
他:悪戯妖精・天魔・恋
[いつもよりも多めにパンを見繕ったら会計を。
もしオットーが寝ているならば、その肩を叩いて、おはようと声掛けた。]
ああ、そういえば。
ペーターがどうも風邪のひきはじめっぽいから気をつけてやってくれるかな。
それから、君も感染されないように。
君が倒れると色々困るだろうし。
[オットーから返事があったか。
ともあれ話が一段落すれば、男は店を出、帰路を急いだ。]
― 道の上 ―
[先よりも一層空模様は不機嫌になったように思えた。]
カタリナは宿かな?
だったらまぁ大丈夫か……。
[最悪、家に帰る事ができなくとも、宿なら暖かな部屋で泊まれる。
何より、レジーナの元なら、安心して任せられる。
そんなことを思いながら、教会の傍を通りがかる。]
……神様のお力とやらで、この天気をどうにか出来ないかね?
[呟く口元に浮かんだのは皮肉。]
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