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― 旅路の邂逅 ―
[故郷を離れての気ままな放浪。
その頃の主な収入源と言えば、農作業を手伝っての現物支給や日雇い人足など、凡そ国にいたままだったら知り得ないようなものが大半だった。
そんな中でもっとも実入りが良かったのが、いわゆる賞金首を狩る事。
その対象は旅人を襲う野盗や畑を荒らす害獣などが大半だったが、特に前者は危険度が高い分、実入りが良く。
その時も、宿場を目指す旅人や行商人を狙う野党団を狙って街道近くで張り込みをしていたのだが]
……あーらま。
これまた随分、多勢に無勢だねぇ。
[見つけた標的は、『お仕事』の真っ最中で、旅の途中とわかる商人を取り囲んでいた。
数は10人前後、腕に覚えがあってもちょっと厄介な数だ]
ま、この状況なら、なんとか……。
[こちらの位置は、街道を見下ろす崖の上。
そして、獲物に夢中の野盗には気づかれていない。
ならば、やるべきは簡単明瞭。
愛用の長弓を構え、矢を番える。
引いて、射る。
動きを封じ、相手の戦闘力を確実に削げるよう、狙うのは足回り。
迫る夕闇を物ともせず、放つ一撃は的確なもの。
突然の射撃に野盗たちが色めき立つ様子に口の端をあげながら矢を放ち、半数ほどが膝を突いたタイミングで弓を置き、崖から街道に飛び降りた]
はいはい、そこまでそこまで!
逢魔が時のバケモノ気取りの物取りさん、わりぃが、邪魔させてもらうよ!
[軽い口調で言いながら、抜き放つのは二本一対の双剣。
思わぬ奇襲に野盗たちはやや怯んでいたものの、相手がまだ若い男一人と認識すると、罵声と共に襲い掛かって来る]
……は……単純明快、ってなぁ!
[に、と上がる口の端にあるのは余裕の色。
手にした剣が、夕暮れの光を弾くのを合図に始まったのは、まだどこか粗削りさを残した剣の舞。**]
― 4年前・旅路にて ―
[その時の状況はかなり切迫していた。
路銀はぎりぎり、食料なし。
どうにかして稼がないとヤバいという状況で、慣れない土地に踏み込んで]
……ひ、人里、発見……!
[広がる畑と、その向こうに建物を見つけた所で──力尽きた。
やべぇ、こんなとこで倒れたら……と思うものの、力が入らず。
せめて作物は潰しませんように、と念じながら意識を手放した]
[途切れた意識が戻ったら、周囲の光景は一変していた。
目覚めた自分に話しかけてくる男の親し気な態度>>93は、余裕のない現状を差し引いても警戒心を抱かせぬもの]
あー……ええと、ありがとうございます。
実は、旅の途中で食料が底ついちまいまして……何か、食べさせてもらえるなら、ありがたいです。
[とにもかくにも腹ペコだったから、申し出>>93は願ってもないもの。
野菜を強く推す様子にはきょとん、と瞬いたりもしたのだが]
あ、生の野菜が美味い、ってのは、同意です。
料理された奴も勿論いいですけど、採れたての人参とか、生で齧ると美味いですよねー。
[兄妹のやり取り>>94に何ともほっこりしながら、こんな同意を投げて]
あ、俺はノーラっていいます。
[告げた名前は、愛称の方。
今は家を離れている身だから、家名も本名も表に出す心算はなかった]
[それからしばらくの間は、兄妹の所に滞在した。
形はどうあれ命を救われた、その恩義は返したかったから。
畑仕事の手伝いは今までもやっていたが、解説者付きというのはさすがに経験はなく。
けれど、それもそれで楽しいもの、と思いながら]
や、こちらこそ、お世話になりまして!
面白い話も聞けたし、美味い野菜も味わえたし、感謝しかないですよ。
[それでも、そのまま居つく訳にはいかないから、と。
畑仕事の区切りのいいタイミングで、旅を再開する事にした]
ええ、気が向いたらまた、寄らせてもらいますよ。
んじゃ、メレディスさんもユーリエちゃんも、お元気で!
[別れ挨拶は、今まで立ち寄って来た場所でのそれと変わらない。
気紛れな放浪は、文字通り風の向くまま気の向くままだったから。
それでも、またいつか会えるだろう、なんて予感はあった。
その場所と状況がどうなるか、までは。
全く予想もできていなかったけれど。**]
― マルール王国軍野営地 ―
[偵察護衛のために選んだ班は、自分と同じように所領を出ての旅暮らしを選び、それからそれぞれの事情で戻った者が多い。
現場での適応力が高いメンバーで構成されており、偵察などは大体任せている面々だった]
ま、全員で固まって動く必要はないだろ。
適宜散会、色んな角度で情報集める方が、色々見えてくるだろうし。
[そんな話をしながら、馬の様子を見て。
ふと、思い出したのはいつかの来訪者]
― リンザール領にて ―
ユリハルシラ家から、使者が?
[齎された報せに、書類整理の手を止める]
やれ、兄者の誼とはいえ、マメな御仁だねぇ。
[とはいえ、その小まめな気配りによって、慣れない当主業もそれなりに様になっているのが実情だから、厭うような感情はない]
んじゃ、お出迎えにでますかっと。
お茶の準備、よろしく。
[そんな軽い調子で体よく事務仕事からは抜け出したものの]
『ノーラ叔父様! お客様? お客様よね? ミーネも一緒にお出迎えする!』
[執務室を出て三歩も行かない内に、姪に捕まった]
あー……まあ、いいか。
兄者の御友人からのお使いだから、失礼ないようになー。
『それは叔父様こそ、なのだわ!』
……はいはい。
[そんなやり取りをしつつ、出迎えた使者は予想していたよりも歳若い青年。>>110
見るからにわくわくとした様子に、旅暮らしをしていた頃の自分がちょっと被ったりもしたのだが]
ようこそ、リンザールへ。
遠路遥々、ご苦労様です。
俺は、当主のレオノラ、こっちは、姪のミーネ。
ま、立ち話もなんですし、まずはこちらへ。
難しい話は、休んでからの方が効率いいですからねぇ。
[当主と言うにはやや砕けた態度は青年の目にどう映ったか。
一緒に出迎えた姪はちょっと呆れたような空気を醸しだしつつ、それでもすぐにそれを飲み込んで可愛らしく挨拶をしていた]
[齎された二つの手土産、一方は領地の治水関連問題の解決に役立つもので、もう一方は家の女性陣に大変評判が良かった。
何より、青年の気質は自身としては好ましいものだったから。
騎馬弓兵の鍛練や演習が見たい、と請われたならば快く応じたりして]
馬?
あー……そういや、まだ引き取り先が決まってない仔がいたな。
正式な訓練は始めたばっかりだが、ウチでも屈指の名馬の初仔。
相性が悪くなさそうなら、連れてくかい?
[そろそろ出立するか、という頃合いのお強請り>>111も、さらり、とこんな調子で受け入れていた。
ちょっと渋い顔をしていた者もいなくはなかったが、そちらは滞在中にすっかり懐いた姪が笑顔で押し切ったという説もあるとかないとか]
― マルール王国軍野営地 ―
……そういや、あっちの若様はどうしてんのかね。
[ふと思い出した彼は今、どうしているのか。
そんな事を考えながら、支度を整えて幕舎へと向かう]
レオノラ・リンザール、参りました。
いつでも出立可能です。
[それでも、幕舎に着けば自然と意識は切り替わり。
向けるのは騎士としての、礼。**]
― 中央平原 ―
[陣を巡っていた司令官が戻って来た所で、偵察と言う名の遠駆けに出発する。
駆けだして間もなく、率いていた隊の者たちは4人ずつの組を作って別方向へと散って行った]
ああ、あいつらには別角度を見て来てもらおうかと。
同じ場所でも、見る角度によって色々違ったりしますから。
[別行動の意図を明かす口調はさらりとしたもの。
駆ける最中に感じる風の感触に目を細めつつ、その鋭さは失われてはいない]
……話には聞いてましたが、実際に見るとまた、違ってきますねぇ……。
[広がる風景に口をつくのはこんな呟き]
北と南は農地で、真ん中が牧草地、か。
穀倉地帯は荒らしたくないってのは、皆考えるでしょうし。
騎兵主体の編成なら、やっぱり
余計なものがない分、動きはほとんど阻害されないでしょうし。
馬……ってか、家畜に害をもたらす物も、拓いた時点で取り除かれてると考えて良さそうかなー。
[農地として拓かれた時点で、石や毒性のある植物などの危険はほとんどない、と見ていいだろう。
そんな分析を巡らせて]
なんにせよ、ここが主戦場になるなら、俺らは動き易いですかね。
穀倉地帯とかはほんと、踏み荒らしたくない云々以前に、走り難いったらないですから。
[実際にやってみた事があるかのような物言いで、さらりと告げる。
そこを突っ込まれたら、ちょっと罰悪そうな顔をしつつ、何やら楽し気な同行してきた二人の兵を物言いたげに睨んだりもするのだが。*]
/*
てかまあ、あちらはみんな揃ってたし、気持ちはわかるが。
朝更新は宵っぱになり易いんだから、ちゃんと健康しまようぜ!
って、すげーいいたくなった俺がいる。
― 十数年前 ―
[リンザール領では毎年、自然の恵みに感謝する祭りが行われる。
その際には腕に覚えのある者たちが自身の武芸を披露し、それぞれの技量を称え合う競技会が開かれていて。
お祭り好きな気質と、自分の技量を試したい、という欲求から、十を過ぎた頃から参加するようになっていた]
よっしゃあ、いい調子!
[連続して的を射落とした後、上がるのははしゃいだ声。
若は少し加減しろ、なんて揶揄にやーだよ、と軽く返したりしつつ、競技会を終え。
支度を整え直した所で父に呼ばれ、訪れていた客人と引き合わされた]
……は?
[何やら逡巡するような空白を経て、向けられた言葉。>>159
思いもよらないそれに、ついうっかり惚けた声が上がっていた]
……あー、えーと。
[それでも、戸惑いの時間は短いもので]
俺、ほとんど我流だけど、それでもだいじょーぶか?
[正式な弓術も習って身についてはいるが、本領はそこからの我流アレンジ。
それが変則的なものなのは周囲─主に長兄から─の指摘で理解はしていたが。
馴染むんだからいいだろ、で押し切っていた頃。
申し出の裏の真意には気づく事無く、明るい調子でこう返していた]
[そんな出会いの数年後には、こちらは放浪の旅に飛び出して。
それから、思わぬ事態で国に帰るまで会う事はなく、戻ったら戻ったで、こちらの余裕のなさからのんびり話す機会もなかったのだが]
挨拶する暇くらいは、あるよな。
[今回、軍団長として参戦すると聞いて、最初に思ったのはこんな事だった。**]
― 中央平原 ―
……華ですか。
ま、確かにここなら王都からも良く見えるのは確か、か。
[ふい、と北へと視線を逸らした後、また戻し]
ええ、亡き兄もよくそう言っていたと聞きました。
[直に言葉交わす事はできなかったが、父や義姉からその辺りは聞かされていた]
[戦場に咲く大輪華、それを開かせるための術。
ただ雑に攻めるだけでは決して叶わぬもの。
それを支える一因が、亡き兄だった、との言葉>>238に、自然と背筋が伸びるような心地がした]
……負けない戦の名手、ですか。
[寡兵を持って多勢を押さえる、と言うのは、言うほど楽な事ではない。
それでも、それをやり遂げ続けてきたのが兄の在り様だったという]
…………。
[流される視線に、しばし、沈黙して]
……俺には、兄者のような立ち回りはできない……というか。
根っこが真逆ですから、同じような動きは多分、できないでしょうけれど。
負けない戦を志す、っていうところは、同じかも知れません。
[寡兵を持って多勢相手に機動力を武器に立ち回る。
そんな戦い方を好むのは、既に知られていたか。
立ち回り方は兄とは真逆だが、為さんとする所は同じである、との意を含ませた言葉は、物言いはやはり軽いもの。*]
― 中央平原 ―
[『英雄』と『勇者』、それぞれが誰を示すかは自明。
それに続けて紡がれた言葉>>276には、緩く、肩を竦めた]
さてさて、どう呼ぶのが相応しいやら。
[軽い口調で言いながら、同じように馬を止め。
続けられた言葉>>281に、ひとつ瞬いた]
やれやれ、随分と唐突な事で。
[吐息と共にぼやきめいた言葉をひとつ、落とし]
裏方に回る事の方が多い騎馬弓兵、先鋒の誉を戴けるというならば、拒絶する理由はありません。
……求める
[真面目な口調でこう返し、それから]
ま、とはいえ、ここだけで通せる事でもありませんし。
ここらもう一巡りもしたら、戻りましょうか。
[一転、軽い調子でこう告げる。
いきなり言われた事には驚いたが、こういうのは嫌いじゃない。
そんな思いの滲んだ笑みは、ごく自然に浮かんでいた。**]
/*
こんにゃろう、わかってぶっこんできてるよなコレwwwww
と、突っ込みつつ。
……いい加減寝ないとしぬぞ、俺。
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