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― 宇宙船の傍 ―
[ゆらりとした歩みが止まる。
首がこてり、と傾ぎ、長く伸ばした銀の髪がさらりと揺れた]
……んー?
これはまた……なんとも、不可解な。
[呟きと共に廻った真紅は、こちらを見つめる姿>>141で止まる]
近しいようで、遠きもの。
はてさて、きみは一体なんだい?
[吟ずるような口調で問いかけながら、影はそちらに歩みを進める。
こちらは未だ、己が刃に触れる素振りもなく。
近づく歩みは、一見すると無警戒。*]
― 宇宙船の傍 ―
[ふわり、舞い上がる純白に目を細める。>>153
純白と、それを掴んだものから感じる気配はやはりどこか近しく思えた]
……天に近く、しかし、天に非ざる、といえば伝わるかい?
[最初に返すのは、どこまでも謎かけめいた物言い]
この船の……ふむ、なるほど。
やはり、足を運んだのは正解だったか。
[ちら、と残骸に視線を向けるは刹那。
真紅はすぐに、対する者へと向かい]
……俺の在り方を問うならば、対価にきみの名を請おう。
[言葉と共に、周囲でしゅるりと影が蠢く]
俺は、告死の影。
天の光の下、影刃を振るう者。
[影の揺らぎと同時、零れ落ちるのは月白色の微かな煌き。*]
― 宇宙船の傍 ―
そうか。
[繰り返される判らない、という言葉。>>160
ならば論じるは無為、とばかりに短く応じ]
……コンラート・フリーデル。
それがきみの名か。
[独りごちるように呟いて、片手をすい、と天に翳す。
月白色の光が舞い落ち、それは花の形を象った]
……この船に深く関わる者に与えるべきは唯一。
[言葉と共に放り投げたのは、煌めく待雪草]
……告死天使シメオン・シュネーグレックヒェンの名において。
きみに、
[宣と同時に地を蹴り、かける。
すい、と横に伸ばした手には、月白色の刃を持つ短刀が一振りずつ握られて。
距離を詰めるに至るなら、両の手の刃がそれぞれ横一閃に振るわれる。**]
/*
待雪草をぶん投げる=死んでくれ、という遠回しのあれそれ。
ちなみに、姓はスノードロップの独語ですよ、と。
ていうか、まあ、バレてますよねー、中身w
隠すなんてしてないから仕方ないけど!
― 宇宙船の傍 ―
[不意に視界に舞い散る純白。>>166
刃によって断たれたそれが小鳥に転じる様に、真紅が僅か、見開いた]
……おおっと!
[振るわんとした刃に纏いついた純白が弾ける。
思わぬ事態と、そして、もう一つの要因から、影が選んだのは後ろへと飛びずさり一度距離を開ける事]
……驚いた。
いやいやいや、こいつは驚いた。
[両手に刃を提げたまま、影はその言葉を繰り返す]
きみたちから、『勝手』などという言葉を投げつけられるとは。
いや、こいつは驚きだ。
他の存在の領域に断りもなく、それこそ『勝手』に踏み入ろうとしていたきみたちから、そんな言葉を受けるとは。
さすがの俺も、予想はしていなかったなぁ。
[はっはっは、という妙に爽やかな響きの笑い声と共に言い放つ。
心底楽し気な笑顔とは裏腹、その足元では影がしゅるり、しゅるしゅると物々しい雰囲気で渦を巻いていた]
……まあ、いい。
いずれにせよ、俺が為すべきが変わる事はない。
きみからは、近しきなにかを感じなくもないが、知らぬ存ぜぬと言うならば、主命を第一とするのみだ。
[一転、静かな声音で綴る宣。
手にした刃が纏う月白色の煌きは、どこか冷たく、冴え冴えとしていた。*]
― 宇宙船の傍 ―
おやおや。
『わからない』ではなく、『わかりたくない』んじゃないか?
……理解してしまえば、己が非を否定する事が出来なくなる。
自己正当化ができなくなる事を、きみたちは畏れる傾向にあるからねぇ。
[子供じみた物言い>>187に、く、と低い笑みが零れる。
微か届いた言の葉に、真紅が瞬くは一刹那]
……まあ、知らぬというならば、それでもいいさ。
だが、我らはきみたちがこの地に満ちるより先に、天に在った。
それは変わらぬ事実だ。
古い物語とやらにも、俺たちは語られているのだろう?
それでもなお、知らぬを盾に拒むというならば、無知の罪を問う……というのは、まあ。
俺の仕事じゃないんで、他に任せるとするが。
[その辺りはどうでもいい、と言わんばかりに軽く言い放ち]
……まあ、そういう事だ。
[何が何でも殺すのかと問うならば、影が返すのは、是。>>188]
告死の影として、手向けの一華を捧げて宣した以上。
それを違える事はできんのでね。
[応じる言葉に合わせて影が蠢く。
それはゆっくりと上がる右の刃に導かれるように、しゅるり、と持ち上がった。
純白の一片が風に舞い、言霊が紡がれるのは、それとほぼ同時。>>189]
……っ!?
[投げつけられたサーベルが、蠢く影を貫く。
無形にして有形たるもの、影翼が手繰る事で多様に変質するそれへの干渉が叶う者などない──少なくとも、只人であればあり得ないはず、だった]
俺の『影』に、干渉した……だと?
[にも関わらず、投げつけられた刃は影を貫き、その場へと縫い留めた。
予想外、否、完全に想定外の事態に反応は遅れ、その間に対する男は身を翻す]
ちっ!
[舌打ち一つ、振るうのは左の刃。
本来ならばその動作で生じるはずの影の刃は、一片の羽根の如き矢となって駆けるに止まる。
正確な狙いを欠いた一閃は届いたか、否か。
何れにせよ、影はその場に留まり、遠ざかる赤毛を見送った。*]
/*
こういう状況って、とにかく辛いのだよな……。
[村建て様もふもふぽふぽふ]
[終わるまで見えませんけどね!]
― 宇宙船の傍 ―
[己が務めのため、感覚は最大限に研ぎ澄ましてはいるものの。
走りながらの言葉を拾うには、今は多少、余裕が足りない。
届いたら届いたでまた、笑いながら抉ろうとするから、ある意味では幸いだったか]
……届いたか。
ま、今はそれで良しとするか。
[最後に投げた矢が散らした彩。>>202
それに小さく呟いた後、短刀を何処かへ収め。
それから、己が影を縫い留めるサーベルを引き抜く]
……コンラート・フリーデル……とか言ったか。
[請うて得た名を繰り返す。
微か上がる口の端が象るのは、笑み]
中々、面白いモノがいるもんだねぇ。
[ぽつり、落とした声音に宿る響きはどこか楽し気なもの]
……ま、何れにしてもだ。
今は、主命のためになすべきを為さんとなぁ……。
[ふ、と上げた視線の先。
黙示天使もまた、己が務めのために動き出している様子。>>199
なれば、己も己が在り様のまま、務めを果たすのみ]
……地に在る者は、俺の管轄だからな。
[先に交わした言の葉>>154を思い返しつつ、影はゆらりと動き出す。
引き抜いたサーベルは、揺らめく影の中へと落とし込んでしまい込んだ。*]
/*
やべえ、意識が落ちかけてる……と思いながらりろーどしたら、なにか飛んできてますよ……!
おおう、これはちゃんと覚醒した頭で返したい。
故に、無理せず沈もう。
― 静観の刻 ―
[裁きの後。
宇宙船やその周辺施設に残っていた者の多くに裁きの刃を与えた影は、引き続き身を地上に置いていた。
空行くものへの裁きは黙示天使に任せ、務めたのは地に潜まんとする者たちへ裁き齎す務め。
研究所や造船所、そう言った部分への強襲は影の本領と言える──のだが]
なるほど、引き際は徹底させているか。
[ある時は地から湧き上がる無数の刃、ある時は四方八方から不規則に放たれる影の矢雨。
そんな初撃を凌いだ者たちは交戦よりも退避を優先していた。>>252]
引くを追うは容易いが……効率が悪いばかりで大した益もなさそうだしな。
[そんな呟きと共に深追いはせず、代わりという訳ではないが、設備の破壊は徹底する。
そんな日々を送る反面]
……天は無慈悲なものではないよ。
正しく祈り、信じるものには必ずや救いが齎される。
[抗いはせぬが、在り方に迷う者。
そう言った者に対しては、祈りを促す。
そんな事も繰り返していた]
天を信じ祈りを捧げるならば、教会へ向かうがいい。
……導き手が、きみたちを受け入れるだろう。
[そう告げて、伝え聞く導き手たる青年の元へと向かわせる。
ただ、破壊だけを齎すのは意に沿うまい、と思うが故に。*]
― 回想 ―
[それは、始まりの刻から異端と称されていた。
金糸ではなく銀糸の髪。
底知れぬ深みを持つ真紅の瞳。
白ではあるが白ではない、月白色の翼。
光手繰れど応えはなく、その意に応ずるは薄墨色の影。
光り輝く天界においては異端の影翼。
己が強き光に疎まれると知るが故に、影は他者との関わりを持たずに密やかに存在していた。
──そんな、ある種の心地よい静寂は、思わぬ形で破られた]
……は?
[大天使と呼ばれる、輝かしきもの。
それが己を呼んでいる、との報せを受けた時に零れたのは惚けた声だった]
…………何の冗談だ?
[つい、そんな言葉を口にしたら、冗談とは何事だ、と使いに叱責された]
[他者の命に従わぬは、その頃からの常。
けれど、その時は──その時だけは、好奇心が疼いた。
強き光に疎まれるばかりの影を、わざわざ呼び出すとはどういう事か。
そんな思いから対面に臨み]
──……っ!
[こちらの名を呼び、己が名を告げる光。>>218
これまで遠目に眺めていたものたちとは違う、と。
それは直感的な理解であり──影をその傍に留まらせるに十分すぎる理由となった]
……時に。
あなたは、俺を光に染めはせぬのですか。
[ふと、そんな疑問を口にしたのは、他者のいない場所での出来事。
時を置けば、召された理由も耳に届く。
伝え聞いたそれから浮かんだ疑問、それをそのまま投げかけ]
………………。
[返された言の葉>>219と、笑み。
真紅が数度瞬き、そして]
……まったく。
あなたは常に、俺の予測の先を行かれる。
[零れ落ちたのは、どこか呆れたような響きを帯びた声]
だが……俺の在り様を、在るがままにと望まれるならば、その様に。
影故に為せる技にて、あなたの光を輝かせよう。
[雪白の内より開く一華、その名を持つ影が。
己が名を持って宣する務めを受け入れしはその時より。
ただ、その刃は己が在り様を認めし光の心に添うために振るわれて]
― 静観の刻 ―
……。
[ふ、と、真紅が空へと移ろう。
見やる先には、光の船。
己が主と唯一認めるものが座す場所。
そこで零れる呟き>>220は届かぬけれど。
その輝きの気配は確り、感じ取っていた。*]
……さて。
そろそろ、動きそうな頃合いか。
[降臨より日は過ぎて。
地上の者も、何もしていない、というわけではないようだが、容易く動きを掴ませる事もない]
コレも叩き返してやりたい所なのだが、中々どうして隠れるのが上手い。
[ちらり、足元に蟠る影に視線を向ける。
薄墨色の影の内、浮かぶのはいつかそれを縫い留めた刃。
それ自体は、特別な力を持つわけでもないように思えるのだが]
……告死の一華の件を抜きにしても。
アレとはまた、見えておきたい所なのだがな。
[微かに感じた気配、羽を用いて放ってきた術。
それを想えば只人と見るのは楽観に過ぎよう]
……ま、取りあえずは。
一度は、導き手の様子を見ておくべきだろうかね。
[迷うものを数名向かわせたが、その後はどうなっているか。
気にならぬという事はない]
……つまらない横槍を入れられても、困るしな。
[そんな呟きを漏らしつつ、影はゆらり、動き出す。*]
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