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― 『聖都市』近辺・スラム街 ―
―――待てっ、この、食い逃げ野郎ー!
[街の表通りにある、こじんまりとした食事処兼酒場。
その裏手から飛び出した人影が叫ぶ。
先に同じ場所から飛び出した身なりの良くない男に向かって叫ぶ。
少女と呼ぶに差し支えのない人影は身なりの良くない男――食い逃げ野郎を追うべく、
道歩く者達の間をすいすいと駆け抜けていく。
小柄な身に対しやや長めの茶色い尻尾を揺らしながら]
[先に叫んだのが功を奏したか、少女が通りやすいよう道を開けていく動きも多少はあり。
すんなりと食い逃げ野郎の逃走する姿が見えるようになれば、
追いすがるように背中へ向け手を伸ばす――]
……っ!
[――突如、体勢を崩す食い逃げ野郎。
まるで“見えない何かに上から押し潰された”かのように。
追う少女からすれば実際その通りにしてやったまでのこと。
足を止めてやった食い逃げ野郎につかつかと近付くとその首根っこを引っ掴んで]
………捕まえた。
[短く呟く。
食い逃げ野郎がじたばたともがいて何か叫んでいるが聞く耳持たず]
じきに店主が呼んだ自警団もこっちに来る……。
勘弁しなよ。
[深いため息と共に宣告する]
……あと、こんなけち臭いことしなくたって、
金がないって最初に言っておけばそれ相応の措置はしてくれた……かもしれないんだから。店主が。
[数拍間を置いて告げたのはそんなこと。
驚き顔の食い逃げ野郎の心境は察するに余りある――おおかた「そんな話聞いてねぇよ!?」といったところだろう――が、
そんな表情もさらりと受け流して]
……今考えついた。
食べてた時、結構いい顔してたから、店主が気にかけるかもしれないって。
[久しぶりの食事だったんだろう――とつらつら考えている間に自警団が到着。
食い逃げ野郎の身柄を引き渡す]
美味かったのなら、また来てくれると嬉しいかな。
……今度は食い逃げなんてしないで。
[それだけ言って踵を返す。
視界の端の男は何か言いたそうにしていたが聞かないことにした。
あんまり深入りすると同情的になってしまう――そう思ったから]
…………。はぁ……。
[店へと戻る道すがら、深いため息、再び。
これで5日連続何らかの事件が起こっている。
食い逃げなんてまだ可愛い方。客同士のいざこざを仲裁する方がよほど疲れる。
少女としては喧嘩両成敗ということでどちらもぶっ潰せば済むじゃないかと思うのだが、
店主の方針として“客への暴力は禁止”というものがあるためそうはいかない。
なお食い逃げ犯は客の範疇に入らないのでセーフである。
表からも裏からもそれなりの客を集めている安くて美味い食事処兼酒場だが、
最近また表にいなさそうな客の割合が増えている気がする。
これもスラム化の進んでいる影響だろうか]
[今から半年前。
聖都市間近のこの街のこの店の前で、
疲労と空腹から行き倒れていたのを、店主に助けてもらった。
美味しいご飯と、暖かい寝床の恩。
それを返すのと、極貧状態をなんとかするべく、
店の用心棒兼ウェイトレスとして置いてもらうことにした。
最初は気配を消してひっそり注文の品を置いて去っていっては、
客に驚かれたり店主に「そうじゃない」と突っ込みを入れられたりもしたが、
どうにか慣れつつある――と思う]
[そうして半年。つまりは主と行動を別にしてしまってからもう、半年。
『聖都市』で落ち合おうという約束は、いまだに果たされていない。
たまに『聖都市』まで出て主を探しているのだが、
手がかりが見つかったためしは今のところ、ない]
―――――……。
[主は、今どこにいるのだろうか。
いつも考えていることを今も、思い、燻りながら歩く。
そんな少女の目に、街を覆いつつある異変の一端が映ることはなく。
大きく塗り替わった“いつも通り”の日常が待っていると思っていた――この時は、まだ**]
/*
肩書に獣要素が入ってないことをおゆるしください……
以下肩書候補
・翔円刃
・円刃鼠
・孤刃隠
まだあったかもしれないけどわすれt
/*
今回のコンセプト
・忍者! 忍者!!
・主なき従
・デフォ表情は半目
服装も軍服ではなくとある音ゲーのポスターでキャラのひとりが着ている着物改造忍者装束的なあれから腰帯を短くした感じのやつになります。
腰帯の代わりに尻尾をひらひらさせたい
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そしてねんがんの崩壊世界系初参加ですよ! ねんがんの!!!
wikiで機械技術のこと質問したのはわたしですがあれは機械制御系能力者をやろうかなとちらっと考えていた名残です。結局ボツになりましたが
/*
あなたは落胤を希望しています。ただし、希望した通りの能力者になれるとは限りません。
ぺたぺた
なお苗字の由来は陰暦5月の異名「橘月」。
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XINOBIKILLはなかったけどこっちは音源動画出てくるのかー
t+pazolite - OTENAMI Hurricane
まあサイバー要素薄いしこっちでもいいといえばいいのだが
過去編と目してる曲は隠し曲だからサントラ音源まだないし……(よくあること)
[主は狐の獣人である。
完全獣化した時の毛の色はとってもきれいな琥珀の色。
能力を使う時そこに緋色が混じるのもまた美しい。
とある獣人の村を収める役職についており、
一族ぐるみでかなりの力を有しており、
―――それゆえに“やつら”を危険視もしていた。
『獣の神』を造り出すべく、獣の特徴を持つ者達を求める組織のことを。
捕まって実験材料にされるなど、
まっぴらごめんだと主は言っていた。全面的に同意である]
[だが、“やつら”は自分達の住む村にもあっさり狙いを定めた。
出稼ぎで男手の少ない時期をピンポイントで撃ち抜くかのような、
“やつら”の襲撃を受けて。
主は――いっとき村を捨ててでも逃げ延びることを選んだ。
だから従者たる少女は一緒に逃げた。途中まで。
本来、己が身を削ってまで主を逃がさなければならないのに、
結局、逃がしてもらったのは少女の方*]
― スラム街 ―
…………。
[食い逃げ野郎を追う最中飛び出していた丸い耳と眺めの尻尾は、
今はきちんと引っ込めてある。
只人とは変わらない出で立ちで歩く。
スラム街と表側との境界ともなる曲がり角をめざしていたのだが、]
………?
[視界の中にいつまでたっても曲がり角が入ってこない。
相当歩いたと思うのだが]
道間違えたかな……? いやそんなまさか。
[いくら流れ着いて半年とはいえ、
店へ続く道を間違えるほどのドジをやらかすなんて……とそう思う。
ならばどうしていつまでたっても曲がり角にたどり着けないのか]
わかんない。
[首を傾げはする。しかし表情に焦りは見られない。
なぜなら今現在の少女の状態は“休憩中”だ。
(その状態で食い逃げ犯を発見してしまったのは運が悪かったとしか言いようがない)
夜の勤務までまだ時間はある。
今すぐ店に戻れないからといって困ることはない。
食い逃げ野郎に出くわす前に腹ごしらえは済ませてあるし]
んー……ちょっと遠回りになるけど、
向こうの方から抜けてみるかな。
[表通りへと続く曲がり角は別に一つだけじゃない。
少女が当初目指していたのとは別の外縁を目指すべく、
踵を返して歩き出す]
[そうして、歩きつつ、少女は背に負っている得物の感触を確かめる。
直径40cmほどの円型の武器が、
同じく円型をした防護用のケースに入れられた状態でそこにあるのを。
本来はもっと小型で投擲に適している円月輪という武器を、
大きくして、振り回せるよう円の一部に握りの部分をつけたもの]
……よし。
[この足で逃げ切れる自信はあるが万一ということはある。
いつでも抜けるよう心の準備を整えて―――]
別にぶっ潰してもいいんだけどね……一人や二人なら。
[だが裏通りを歩く“やつら”の数は一人や二人ではきかない。
ならば逃げるが得策。そしてそのために有効な方向を少女は知っている。
すなわち―――上だ。
身を隠していた建物に手をかけ、上へ上へとよじ登る。
楽に登るために両手足だけが獣化した状態で。
くしくもそれは、先に“やつら”を撒いた獣人の手口と重なるもの]
よっ……と。
[とん、と足音立てて屋根上まで到達すると、
その場に伏せて息を潜めて“やつら”が通り過ぎていくのを待つ**]
…………。
どっかいった、かな。
[地上で騒ぐ“やつら”の気配が遠くへ去った頃、
屋根に伏せていた状態から身を起こす。
風が吹き抜けてスラム街の埃っぽい香りをわずかに運ぶ中、
民家の壁を伝って半ばまで降りると、
樹から樹へと飛び移るかの如く、隣の民家の壁へとひらり、
身を躍らせて、飛びついて、また屋根に登って周囲を確かめて。
飛び移れそうな建物があればまた壁から壁へと場所を変える。
“やつら”から離れようとしつつ、スラム街の奥まった方へ足を踏み入れている形]
[やがて、飛び移れる建物が近くになくなればするりと建物から降りる]
ここは………うーん。どこだろ。
しまったなあ。テキトーにまっすぐ動き過ぎた。
[朽ちかけた建物が立ち並ぶ区画は記憶にある場所ではない。
すでに表通りの喧騒も遠い。
不安とわずかな好奇心とがないまぜになった心境で辺りを見回している**]
[見たところスラム街までわざわざ肝試しにやって来るような手合いには、あまり、見えない。
ならば住人だろうか、と首を傾げているうちに]
ていうか、あなた……、
どこかで会ったことない? わたしと。
[古式ゆかしいナンパの決まり文句にも似たようなことを問いながら、
傾げた首はさらに角度を増した]
/*
ほとんど村から出ず主以外に友達いなかったんじゃね系モモンガなので こう ……珍しくコミュ障の予感(でも話は通じると思う)
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