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7人目、彷徨える貴人 ファミル が参加しました。
彷徨える貴人 ファミルは、誘惑者 を希望しました(他の人には見えません)。
[その噂は誰から齎されたものだったか。
『失踪したピアニストがダウンタウンに居るらしい』
その全盛期には幼かった少年でも知っていた“天才”の名は、好奇心をくすぐるには十分すぎた。
窮屈な決まり事ばかりの家を隙を見て抜け出して、都市の裏側へと足を踏み入れた。
そうして彼も例に漏れず、二度と戻る事は無かった。
その数日後、彼の家の者も一人残らず消えてしまったけれど、その原因を知る者は少ない]
― 西五区 ―
こんにちは、はじめまして。
昨日はよく眠れましたか。
今日は何を食べましたか。
[都市の“裏側”の住人にしては身形の良い少年の、抑揚のない声を向けられるべき相手は、その場には存在していない。
だというのに、まるでそこに誰かがいるかのように言葉を紡ぐ。
視線は何処を見るでもなく彷徨い、無表情なままで]
私は ……、
[不意にびくりと身体を震わせて、口を噤み]
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Q:何故入村に時間が掛かったのか
A:肩書き考えてなかった
キャラも色々と未確定部分多かったのですが、とりあえずソマリさんの設定に食いつかせて頂く形にしてみた。
そんなこんなですがよろしくお願いします。
― 西五区 ―
……。
[咄嗟に攻撃から庇うように前に出た左腕から赤い血が滴る。
虚ろな視線は一度それを捉えてから、再び目の前の“異形獣”を見た]
はい、そうです。
私は行かなくてはいけません。
呼ばれています。
[ぶつぶつと呟きながら、左腕を高く掲げ、振り下ろした。
散る飛沫が一瞬のうちに鋭い睡へと変化して、此方を狙って伸ばされた棘だらけの蔓を切断した。
植物のような形の異形から、甲高い悲鳴が上がるのに紛れ]
あの方もきっといらっしゃるでしょう。
[そう口にした途端、笑みのようなものが浮かんだ]
私は幸せ者です。
[もう一本あった蔦がその頬を打つ。それを素手で無造作につかみ取った。
当然棘が刺さるが、痛みを気にする様子も無く更に深く握り込んだ。
流れ出る血がやがてはその本体近くまで滴って]
やっと抜け出せたんです。
あの方のお陰です。
前から憧れてて、だからますます嬉しいんですよ。
[止まる事の無い語り口は最初と違い、少し興奮したように変化して。
蔦を握る手に力を込めた刹那、硬化した血液が蔦を締め付け粉砕する]
だって、ずっと思っていたんです。
[それから異形の、本体の方へと目を向けて]
[異形の影がぶれ、跡形もなく霧散した後で、残ったのはその核。
それを拾い上げてから、はたと瞬きをして]
…… ごめんなさい。
急ぎます。
[ぽつりと呟く表情も声も何時も通りに戻る。
掌と左腕と頬と、傷の痕は未だ残っているが、流れていた血は何時しか止まっていた]
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