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[しかし、次の瞬間……。
ぴたりと彼の足が止まる。
訝し気に眉を顰めたのもつかの間、自分の名を呼ぶ、聞きなれた柔らかい声色と変容した姿に大きく目を見開くだろう。]
……そ、まり?
[自分の目には、ガルーを押し込めて理性を取り戻したように映る。
先ほどの頭痛が、内からの叫びで引き起こされたのだと、常に自分を助けようとしてくれていたのだとは気付けないものの。
このタイミングで起こったことに、どこか直感的に感じるものはあった。
その意識が……"ソマリ"とソマリが……混じっていようとなかろうと。
いまこの場で、"カサンドラ"と、名を呼んでくれるのは……きっと。]
……おはよう、ソマリ。
[にこり、とそれはごくごく自然に浮かぶ笑み。
場違いだとは分かっていても、ホッと息を吐き、懐かしささえ覚えた彼の声を噛み締めた。]
/*
>スノウちゃん>おおかみーず
大変申し訳ございませんでした……煮るなり焼くなりいかようにもしてください……。
スノウちゃんの秘話のあと、めっちゃ呑気に更新してるんだよ……ううっ……穴があったら埋まりたい、むしろ埋めて欲しい……
/*
あああああ……そまりぃぃぃ……
もう、泣き過ぎて、胸が苦しい……。
どうしてくれるんだ、もう!!
大好きだばかー!!!
/*
ぐっずぐずに泣いてるんですが、もう。
外で確認しなくてよかったよ……。
はぁぁぁ、ソマリぃ……そまりぃ……(言葉にならない)
調合師 カサンドラは、『ガーディアン・システム』 スノウ を投票先に選びました。
調合師 カサンドラは、管理部 ソマリ を投票先に選びました。
― 回想:約束のとき ―
[Nルームでいいよと答えたそのときに、思い出されるのは例の約束のことだった。
人間は本当にちっぽけで、星と人は似ているという彼に頷いたのだったか。>>101
ソマリに、来客対応時に毎回するのだという星の話を聞ければ、興味深そうに目を細める。>>1:138>>1:139>>5:229]
落ちれば二度と、元の姿には戻れない……
[脳裏に浮かんだのは、"人狼"に近づいた自分の姿。
未だその爪を振るったことも、牙で噛みついたこともないけれど。
きっとその一線を越えてしまったらならば、もう元には戻れない。
そう思ったのは一瞬。
目の前にいる男のためであったなら、それでもいいと、本当にそう思ったから。
でもそんなことは言わないで、にっこりと笑って了承を告げる。
隠しているつもりかもしれないが……嬉しいと考えていることは、口元を見ればすぐにわかるということを、目の前の男は気付いていない。
そんなところも、愛おしく。]
そのときは、エスコートしてよね?
[そう普段のように軽口を叩き、場違いにも幸せな気分で、笑ったのだったか。
彼の最後の言葉には内心首を傾げたものの、はぐらかされて終わった気がする。
しかしその約束のあと、胸には確かに、安堵の感情が広がっていた。]
[おはようと、彼が告げたとき、無性に泣きそうになった。>>171
状況が好転したとは確信できないにも関わらず、カランと音を立ててナイフが手から滑り落ちる。
それは無意識に、……というよりは感覚や本能に近しいレベルで、もう大丈夫だと判断したから。]
……おはやく、ないわよ。
ばかソマリ。
[力尽きたように座り込み。
ごめんなと揺れる目に気付いたから、そう軽口を叩いて笑った。>>171
普段のように、気安い言葉を口にする。
きっと、ごめんなと、口に出してたら、血まみれの手で一発叩いていたところ。
私が決めて、私がしたこと。
ソマリは何も悪くない。
むしろ、あのままだったら殺すという言葉すら守れそうになかったことに、ごめんと言いたいのは自分の方だった。
そのまま抱きかかえられたなら、体を預けたことだろう。
連れて行かれるのは未使用のコクーン。]
[医療モードのスイッチが点灯し、出血の酷い右腕の治療が始まった。]
……ふっ、そんな顔しなくっても
……大丈夫だから。
握ってくれてるから……
手、あったかいしね。
[まさか彼が自分の腕を掻っ切って、輸血しようかと考えたとは知らず。
不安です、心配ですと顔に書いたような彼>>172に、横たわったままで微笑んだ。
血を失ったせいで顔色が悪く見えているのかもと、普段より口角を持ち上げて。
止血と縫合、おそらくそれくらいのものだろうが、血が出続けるより良いに決まっている。
その間中、両手を握ってくれていたことに、じわりと胸が温かくなるような幸せを感じながら。
あったかいなぁと、目を細める。
彼の手は人にぬくもりを与えられる手だ。
その手が血色に染まっていようと、唐突に聞かされて驚いただろう自分の過去に、真摯に向き合い頭を撫でてくれた優しい手だ。
そう思うことは、セルウィンや他の犠牲者たちに非難されるのかもしれないけれど……。
今、この時、この瞬間は、そう思うことを許して欲しい。]
[そして、ポツリポツリと言葉を交わす。]
ふふ、何それ……。
"お願い"って言ったじゃない。
あーあ、頑張ったのになぁ……
[それは非難するような声色ではなく。
湿っぽくなりそうな空気を、明るくするような響きを持つ言葉。
にっこり笑って言ったから、その意図は伝わっているだろう。]
それに……
殺そうとした相手に、嬉しかったって……
……頭おかしいんじゃないかって思われそう……。
でもね、……私も嬉しかったのよ。
一緒に宇宙へって言ったとき、頷いてくれたでしょう?
置いて行かれないってホッとしたの。
死ぬのが分かっていて、嬉しいなんて、
……私も頭おかしいのよ。
.
どうして生き残ってしまったんだろう……って
そう思ったことは……何度も、あるわ。
その度、親友の顔が過るの。
その子がね……花屋になりたがっていたから……
私は花屋を始めたのよ。
[その人たちの為に生きようとしたというソマリには、頷いてフローレンスの話を軽く話しただろう。]
私も一度は死のうと思ったけれど、親友のために生きることを決めたのだと。
だからこそ、ソマリの気持ちが手に取るように分かった。
生かしてくれた人に顔向けできないと、気を張って。
生きるという目的のためにのみ、生きる日々。
少し疲れた、という彼には頷いて、握ってくれる手を握り返す。
彼との気安い関係が心地よかった。
花を選び、お茶を飲み、ジョニーを揶揄い、話をしながら、笑ってふざけて。
だからこそ、疲れたという彼に。
もういいんだよ……と、伝えたかった。]
[行こうかと差し出された手を、迷うことなく掴み。
コクーンを降りる。
少し血が足りず、ふらっとしたものの、動くことに支障はなさそうだった。]
それは楽しみね……。
久しぶりに外にでるから……
心臓がうるさくってたまらない。
[いつもより気障ったらしい笑顔と、言葉回しに可笑しくなって、くすくす笑うも否定することはない。
最期だからと、目を細めて。
(ああ、幸せだ……。)
……そう思った。
これから死ぬということは分かっているのに。
彼が笑っていること。
手に彼の温度があるということ。
たったそれだけのことだけれど……。
どうしようもないくらい……幸せだった。**]
[その後、ソマリに手を引かれるように廊下を進む。
気遣うような言葉には、大丈夫と返しながら。
見慣れた廊下を一歩一歩。]
こんなにドキドキしながら、
船の中を歩くの……
初めてかもしれない。
[どきどきするのは、この先の期待か恐れか。
それとも、ソマリに握られた手から伝わる熱からか。
当然、全く怖くないと言ったら嘘になるけれど。
握られた手がポカポカと温かくて、その恐怖を消してゆく。
積もるのは、純粋な好奇心。]
― 緊急脱出口 ―
[手際よく準備を済ませ、こちらを向くソマリに笑みを向けて。
手を差し出そうとしたそのとき……。]
きゃ!!
[正直びっくりした。
だだだって、お姫様抱っこなんて、そんなそんな……。
驚いたような顔をして、おそらく耳まで真っ赤に染まる。
でも、降ろしてと言わなかったのは、きっと……嬉しかったから。
……よろしくね、と、照れながらもそう言って、彼の首に手を回そうか。
さぁ出発だ。
イタズラっ子のような笑みを浮かべて、彼にこくりと頷いて、ソマリの浮かべた自然な笑みを、ふふふ、と笑って受け止めた。
カレル、クレメンス、ヴィクトリア、ツェーザル、ロー……。
残った人の顔を思い浮かべ、心の中でさようならを。
そして、もう。
どきどきと高鳴る胸を隠すことはしない。
いざゆかん、宇宙の旅路へ。
きっと……
振り返ることはないだろう……。*]
[一歩踏み出した先は、最果ての無い無限の宇宙空間。
"船"の"外"だ。
ソマリの顔を確認し、体中に笑いが溢れた。
混沌とした真っ暗闇の中。
船外をふわり、ふわりと、闊歩する。
「ありがとう。」
真空は震動を伝えない。
だから声として伝わることはないのだけれど。
酷く嬉しそうに笑って、そう口を動かした。
目からあふれる涙が、落ちる端から凍って宇宙空間を漂う。]
[次に目を開いたときは、そこにはキラキラと輝く満点の星々。
その中には、亡きフローレンスの姿も確認できて。
一瞬目を見開いて、笑うだろう。]
久しぶり。
[今度はちゃんと声が出る。
そこにはソマリの姿も、もしかしたら彼の両親の姿もあっただろうか。
もしかしたら、亡くなった者たちの姿もあったかもしれない。
そして、煌めく星々がひとつ、ひとつ異なった表情を見せることに気付くだろう。
水が豊かで自然が多い星。
砂漠に覆われた土の星。
火山が噴火する星。
見たこともない生物がすむ星。
"ガルー"の星。
フローレンスと話しながら、星々を眺める。
それはひそかにあこがれを抱いていた、宇宙旅行。]
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