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― 宿屋談話室・早朝 ―
[いつもと同じように暖炉で部屋を暖める。
別れの挨拶を終えたと判断したあと、パメラも昨夜の内に倉庫に運んだ。
しかしヨアヒムの部屋を掃除したとき、天井板の隙間に隠した”滅びた村の記録”>>4:98は見つけることができなかった。そこまで捜索することは思いつかなかったから。
オットーが起きてきたら、”今朝も朝飯の支度を頼む。”とお願いして手伝ってもらう。
ソーセージと豆と人参のスープ、ポテトサラダ、瓶詰めにしてあった梨のコンポートとパンを出した。
それからふと思いついて紅茶も淹れた。”ご自由にどうぞ。”のメモを添えて、一息つく。
さて今朝は全員の無事を確認できるだろうか。
それとも、また誰かが欠けていまうだろうか――。**]
[従業員部屋に戻った直後、拳銃の弾を一発だけ補充した。
白銀の村に来たあとは、手入れこそこまめにしていたものの、銃は全く使用しなかったのに。やはり体で覚えたことは簡単に忘れられないらしく、すぐ手に馴染む感触がした。]
……。
[服の上から拳銃をそっと確かめる。
既に自分が銃を持っていることは皆にばれてしまったのだから、隠す意味はほとんどないようなものだけれど。昨日硝煙の臭いが談話室に漂ったときは、違和感を覚えたので、堂々と持ち歩く気にはなれなかった。]
[声をかけてきたヤコブ>>4に無言でこくりと頷く。
客商売である宿屋を手伝っていることもあり、レジーナの特訓の元(ある意味軍隊のそれよりもきつかった)で何とか村に馴染むよう努力した。
それは、戦場は村での日常生活とはほど遠い存在であるからに他ならない。逆に言えば、”ためらいなく人が殺せる。”と言ってすぐ納得できる相手は、村の中にほとんどいないと思っている。]
――できれば、こういうところは見せたくなかったんだが、な。
[ヤコブが呟く感想の意味も、内心何を考えているかも理解できる範疇ではある。
だが、昨日パメラに歩み寄って泣くリゼット>>2>>3を反射的に思い出してしまったせいか、いつになく弱気な口調で返事をした。]
[今朝はエルナの起床が遅い、と洗顔から戻ってきたリゼット>>11が指摘した。
その焦れたような口調にそうだなと頷くと、エルナが宿泊している三階に視線を向けた。]
俺が見に行ってくる。何かあったらすぐ皆を呼ぶから、ここで待っていてくれ。
[一人でも十分だと言外に告げて、談話室を出るとエルナの部屋に向かった。
ノックをして返事のないドアを開ければ、すぐに不在だと分かる。談話室に戻ると皆に知らせた。]
エルナはいない。ベッドには寝た痕跡もないし、何処に行ったのか、手がかりになるようなものも残っていなかった。
気になるから、朝飯を食べたらすぐ探索に出かけよう。昨日リゼットからニコラスを探すという提案も出ていたしな。
[そう告げるとソファの定位置に腰を下ろして、静かに食べ始める。]
[ヤコブへは短く”嗚呼。”とだけ答えて会話を終わらせる。
もし内心の疑問を、「できるなら見せたくなかった」という言葉はためらいがあるから出たのではないかと直接言われていたとしたら、微妙に違うと首を横に振るだろう。
自分としてはためらいは”ある”というよりは、”思い出した”感情と表現した方が正しい。]
「人に手にかけることで、命を奪われた者を大切に思う誰かが悲しむ。お前はそう言うが、そんなのは只の感傷だ。そんなことのために仲間の足を引っ張る奴は、今すぐ此処を出て行け。
それにいいか。戦場は常に死と隣り合わせの世界だ。一瞬のためらいが命取りになる。
強くなれ。死にたくなければ。殺されたくなかったら。」
[同じ年頃の仲間が初めて人の命を奪って衝撃を受けていたとき、部隊長からかけられた言葉は今でもハッキリ思い出せる。
自分は焼きが回ったと反省すべきなのか、それとも一応人間の心が残っていたと歓迎すべきなのか。正直微妙に思っている。]
[朝飯を作っている間、オットーに昨日言いかけて止めた質問>>5:77をしてみた。
”人狼が誰かとか、真実が気にならないのか?”と。]
人狼探しもどうでもいい、か。
[オットーの回答>>5を貰うと、本当にどうでもいいのか?と疑う気持ちが半分、やはりそうだったかと納得する気持ちが半分。珈琲にミルクを入れてかき混ぜたときのように、ぐるぐると渦状になって混ざり合っていく。どう反応したらいいか分からなくて、そのあとは言葉が続かなかった。
疑ってしまうのは、人狼を見つけない限り自分はいずれ騒動がきっかけで死ぬ―疑われた人々の手にかかるか、人狼に襲われるかの違いこそあれ―に違いないから。その恐怖がオットーにはないのだろうか?と思ってしまうのだ。
いずれにしてももう時間はない。
オットーの意図を掴むべく観察を続けてきたが、結論を出さねばならぬ時期が来たことを悟る。]
そう。リゼットの言う通り、拙い事態なんだ。
だから片手間ではなく、しっかり探しに行く必要がある。
[エルナの能力が信じられるかどうかで、昨日ヤコブとやりあったとはいえ、ニコラスの証言と合わせて情報を提供してくれたことは確かだった。
しかも証言などから推測すると、どうやらエルナは亡くなった者の正体を知ることができる能力を持っているらしい。だとしたら、パメラの正体も分かるのではないか。]
オットー、一緒にエルナを探すの手伝ってくれ。
[いつものようにオットーへ探索をお願いするを申し込んだあと、リゼットとヤコブの顔を交互に見つめて、”どうする?”と問いかけた。]
俺は人間なんでね、その仮定は必要はない。
[不遜な態度を隠さないオットーの言葉に乗っている殺意>>22を読み取りながらも、軽く受け流した。まだ騒動が始まる前、平穏な空気の中で軽口を言ったときのように。
何故ならオットーが本気だと思ったから。普段通りの様子でありながら、明らかに殺意が一介のパン屋とは思えないものであることで。但し此処では殺意の応酬をする気はないし、する意味もないので、いつもと表情を変えずに答えた。
それでも目には隠そうとしても隠し切れない好奇心が浮かび上がる。
自分の意思がないと評価した青年が初めて大切と告げた内容と、人狼をも恐れないと放つ殺気に強く興味を惹かれた。
なるほど、その基準が“僕に仇なす者があるかないか”ならば、確かに相手の正体とは無関係だ。今回の騒動で誰かの命を奪ったのは、人狼だけではない。他ならぬ自分もそうであるし。]
……。
[次の瞬間、殺意が完全に消えたように感じるオットー>>23をじっと見つめた。何を言い出すのかと内心楽しみにしながら。最後まで話を聞くと、ひとつだけ首を縦に振る。]
中々面白い話だ。これについては少し考えさせてくれ。
[オットーのことをより理解したいとの思いから、猶予を申し出た。
そのあとヤコブやリゼットとのやりとり等を経て、エルナを探すため談話室から廊下に出た直後に再び口を開く。]
お前に”生き続けろ。”と願ったのは、もしかして少し前に”人殺しに慣れた人間なんて殆どいない。>>4:54>>4:55”と言った人と同じか?
[交流の多寡に個人差はあれど、何らかの影響を受けたと自覚できる相手というのは、大抵の人間では然程多くないと思っている。ましてやそれが、オットーのように己の根幹を為すほどの強いそれなら尚更だ。
おまけに共通する”あの人”という表現が妙に気になってしまったのだ。]
そしてお前は、俺と一緒にゲルトを発見したあと、自分の命が危険に晒されていると自覚したことはあるか?
[最後の問いは単なるおまけだったのだが、果たしてオットーはこの騒動中に死を意識したのかと気になったので尋ねる。
ヤコブは平然としているオットーに疑惑を向けたとき>>2:166、オットーが殺気を発した>>2:170際の一連の出来事を思い出すだろうか。
そして、場合によってはオットーと殺し合いをしなければならないと考えているリゼットは、どう感じるだろうか。
話をしながらも探索はする。いつものように一階の共有部分を探してエルナの姿がないことを確認すると、宿屋を出た。**]
― 宿屋→
― 広場 ―
[探索中は他の三人に向かって、なるべく一人にならないよう、他の人が何処にいるのか常に確認して欲しいとお願いする。
探索範囲が広いのに人数は大分減ってしまったのだから、効率という点では難がある。しかし一人きりになったところを狙われる可能性がある以上、安全を第一に考えたかった。
人間であれば一番危険だと思っているリゼットは、特に注意を払った。
何故ならヤコブと互いの身の安全を取引したことをまだ知らないから。昨日ヤコブがパメラからリゼットを引き離した理由は、残酷な場面を見せないためと解釈した。]
おそらくこれは人狼の爪による傷だ。
[ヤコブにエルナが見つかったと呼ばれる>>31と、すぐに駆け寄って傷口を確認する。エルナを手にかけたあと広場から何処かに向かったはずの足跡がない>>5:103ため、多少時間はかかってしまったが、ニコラスのように生死不明の状態になったら、今後面倒だったなと思っている。]
[エルナの目を閉じさせたリゼット>>32が、オットーと自分から距離を取る。
自分達を人狼と警戒するその姿は、今までの少女の言動と合わせても矛盾はなく、人間として当たり前の感情だと判断した。
だからこそ――”人狼探しはどうでもいい。>>5”と告げられて、感情を表に出さず自分の意思を持たない青年の個人的な思考だと解釈していた意見に特異性を強く意識した。]
なるほど。リゼットはヤコブを信頼しているのか。
[少女の言葉から推測される考えを口にしながらゆっくり立ち上がる。
今までは自分がどう思われようとも特に気にしなかったし、パメラを失ったリゼットから恨まれても仕方がないと思っていた。
だがパメラを手にかけても騒動が終わっていないと明確になった今。自分が人狼と間違われて、命を奪われることはとてもまずい。これ以上人数が減ったら、おそらくこの場に残っている人間は全て人狼の餌食になる……そんな悪い予感しかしなかった。]
此処で誰が人狼かハッキリさせて、全てを終わらせよう。
[自分は人間だと信じて欲しいという言葉は、信頼を重ねる努力を怠った身としてはあまりにも陳腐すぎて言う気になれなかった。
それでも自分の意思はハッキリと示す。]
[一旦ヤコブを見つめて静かに話し始める。]
さっきオットーに向かって言った問いかけ、願いに応えることを決めたのは自分だろう?>>29という言葉には衝撃を受けた。なるほど、三年前に恋人から託された願いを叶えたいと口にした>>4:47お前らしい意見だと思う。俺は全く考え付かなかった。
[此処で何故それが頭に浮かばなかったのか、理由を思いついたので、深くため息をつく。]
俺はヤコブとは……願いを叶えたい存在がいるお前とは全然違う。
俺は戦場に行くと決めた日から、大切な人を作ることを止めた。今までにたった一人、ジムゾンにこれを告白した頃は、何故そんな風に考えたのか、我ながらさっぱり分からなかった。
けれども今なら理解できる。
もしそんな相手を見つけたとしても、俺は相手を幸せにできない。己の身すら保障できない世界で、他の人を心から思いやるなんて俺には無理だ。
[自分よりもオットーを疑っていると説明するリゼット>>37を黙ったまま見つめる。一旦言葉を切り胸を抑える姿から、リゼットが己に向ける思い>>38を読み取って唇を噛み締めた。
だが、”そんなことが分からない人とは思えない。”>>38と聞くと、流石に苦笑する。]
それは買いかぶりすぎじゃないか?俺は今までずっと、他人が自分をどう思おうと関係ないと振舞ってきたからな。
第一確実に扱える武器として選択した拳銃を誰に使うかは、最初から人狼と疑った人物と決めていて、性別なんか全然意識してなかった。
[結論を最後まで言わなかったリゼットに向かって、警戒すべきは男性>>39との言葉を否定するように首を振った。
因みにそもリゼットを騙すメリットが存在しないのだから、気遣いすることで懐柔しようとは全く考えていない。**]
確実に言えるのは、俺は間違いなく人間だってことだ。
[オットーから同じ人物のと返事>>40を聞くと、やはりそうだったかと表情を引き締める。]
以前お前に、「人を殺すことに慣れるということは、己の命の価値すら見失うこと。生き残るために成るものじゃない。」>>4:40と告げられたことを思い出していた。それも”あの人”が言った話だったっけな。
あのときは気づけなかったが、確かに俺も自分の命の価値が想像していた以上に軽くなっていたようだ。
誰もが疑心暗鬼になる中で、他人にどう思われても良い・疑われても構わないと振舞うことは、即ち人狼と思われて殺されても仕方がないと諦めることとイコールだとようやく理解した。
[オットーの返答を期待していない口調で告げる。]
[だが”自覚がない。”との考えは想定外だったので、目を丸くした。]
一度も?あれだけ皆が、一体誰が人狼なのか、誰が疑わしいかとやりあっていた中でか?
まあ、確かにそれがオットーの素直な感じ方なのは理解できる。現にお前も、自覚がないから己がこうなのだという意識はあるみたいだしな。
とはいえ人狼への恐れがないように見える点や、全員殺していると簡単に言えてしまう態度からは、他の人との温度差を感じる。そこがお前が怪しく見える点だ。
[静かな口調ではあるが、ここまで一気に喋ると一旦言葉を切った。]
負傷兵 シモンは、パン屋 オットー を投票先に選びました。
[リゼットが振り上げた刃がオットーの体に届く>>60。
即座にオットーからの反撃があると思いきや、意外にも殺気を送り込んだだけで傷ついた青年は姿を消した。]
大丈夫か、リゼット!
[へたり込んだ少女>>62に駆け寄り、声をかける。
ヤコブはどうしているかと一瞬視線を向けたあと、傷がないことにほっと胸を撫で下ろす。]
行先は分かっている。オットーはパン屋に……自宅で怪我の治療をしようとしているんだ。あの様子ではすぐに動くこともできないだろう。
だから決して無理をしてはいけない。目的を果たすためには、慎重に行動しなくては。
[リゼットを安心させるよう、静かに声をかけた。]
[リゼットが一体いつの間に、どうやって毒を手に入れたのか不思議に思ったけれど、今はそれを聞いている場合ではないと考え直す。]
嗚呼、そうだな。オットーがどれほどの能力を持っているか分からない以上、リゼットが言うように今が好機なのは間違いない。
だがお前は大丈夫か?
俺一人でオットーと対峙するのは心もとないので、ヤコブについてきて欲しいが、かといってリゼットを一人にすることは避けたい。
[しゃがんで視線を合わせると、立ち上がれるか?と心配そうに問いかけた。]
さて。ヤコブ、行くぞ。
[表情を引き締めてもう一人の青年に視線を向けながら声をかける。オットーにどのくらいの心得があるかは不明なので、決して油断することのないよう気をつけなくてはと視線で伝えながら。
今朝起きたあとのヤコブの発言を、騒動が発生してからの行動をつぶさに思い返した結果、信頼できる人物であると思った。時折意見が食い違ったことはあったけれど、ヤコブの思考に矛盾は感じないし、いざというときは行動で示してくれると期待もしている。
だから同行して欲しいと頼んだのだ。
懐の拳銃を意識しながら、広場を後にした。]
― 広場→
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