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[ 剣というものはそういうものだと、頭では分かっていた。
戦いというなかで、そういうこともあるのだと、分かってはいた。
でも、信じられなくて、立ち尽くして。 ]
……あ、あ……。
[ アデルがいるから、癒して貰える……、
いや、でもここまでの大怪我を、元通りに治せるものだろうか。
もし治せたとしても、風精はどうなるのか。
あの腕は……剣技の腕というだけではなくて、
使徒としての能力を使う腕だったはず……。 ]
ばるた……、
[ そして、刺し貫かれるバルタザール。
ユーリエには、どこまでの怪我で、人が死ぬのかは分からない。
でも、ただでは済まないだろうと思った。
吸血鬼を斃す方法のひとつは、
白木の杭……聖別された武器を心臓に刺すことだと聞いた……。 ]
バルタザール……。
[ 違う。彼ではない。
使徒としての彼はもうとっくに死んでいたのだ、と思うのに。
……でも、こぼれた名前はそれだった。 ]
お姉さま来れないのね><
残念。
じゃあ、ばるたんのとこ行こうかしら。
その方がクレスんもソマリんの方に行きやすいはず。
[ 戦いは終わったのだろうか。
おずおず、と近づく。
わずかに迷って、バルタザールの方へ向かった。
アデルもクレステッドも、ソマリへ向かうだろうと思ったから。 ]
……バルタザール。
[ 誰の物かもわからない血で、白い服が汚れるのも気にせずに両膝を着き、その頭を膝に抱いた。 ]
ごめんね。
私、何も出来なかった。
いちばん、つらいことをソマリにさせてしまった。
バルタザールはあなたの……。
ごめんなさい。
[ バルタザールに言いたいことが一杯あった。
感謝したかったし、
これで良かったのか聞きたかった。
でも、ろくに言葉にならず。
ただ、涙がこぼれた。 ]
謝らなくて、良い。
―――ユーリエ、
[全てを救える存在を。
自分では成れない、遥かなる存在に。
掻き集めた希望を以って。]
[ 涙で歪んだ視界に、バルタザールの唇が動くのが見えた。 ]
……っ
[ 思わず顔を近づける。
涙がバルタザールの顔に落ちたが、何故かそれは魔を焼かなかった。 ]
ソマリ?
ソマリって言ったの?
[ 手を握ろうとしたが、それはもう灰になっていてかなわず。 ]
ソマリになんて、
なんて伝えればいいの?
[ 必死で読みとろうとするが、読唇など知らず。
ただ、バルタザールの表情から、それは憎しみではないように感じた。 ]
……救世主……?
神子を、アデルを守れというの?
それともまさか……、
私に救世主になれ……と?
……そんなの無理よ……。
私は、ちっぽけで、弱くて、子供で……。
無力だわ。
諦めるな、ユーリエ。
どうか、諦めないでくれ。
お願いだ、ユーリエ。
―――後生だ。
全てを救う救世主を。
――――何もかも、救える力を。
[熱に浮かされるように、小さな肩に重責を掛ける。
彼女に科せられ続けた期待ではない。
友を失った男が吐いた、希望を預けた。]
■カウンターLvMaxからスキル変化
■完全恩赦<Amnesty>LvMax
全ての魔物を苦痛なく浄化する。
聖女の涙が必要。
だって、
だって私は……、
[ 無理だ、と言いたかった。
ユーリエは、ただの……、
「 量産型聖女<クルースニク> 」
に過ぎないのだから。
でも。
……救いを求めて来るものを、
分け隔てなく、差別なく救うと決めた。だから。 ]
分かったわ。
……私の命が続く限りは、
救いの手を差し伸べ続ける。
約束するわ。
[ クレステッドに叱咤され、
目の前でバルタザールの死と終わりを見て。
ソマリの、悲痛な囁きを聞いて。
教義とか聖書の解釈とか、そんな事ばかり勉強してきた自分が、
愚かしく思えた。
ユーリエの願いは、「赦し<アムネスティ>」。
滅びを望む者への、苦痛なき完全な浄化。
司祭たちは、
魔物は罪に濡れた者だから何をしてもいいとしか言わない。
だから、間違った解釈なのかもしれない。
でも。
救いを求める者を、分け隔てなく全て救いたい。 ]
ユーリエ…
救いって――、なんだろう。
許しって――、なんだと思う。
[全てを許し。
全てを救い上げる神の慈悲は、人だけにしか与えられないのだろうか。]
あっ……!!
[ 頼れる「盾」であるバルタザールは、一握りの灰になってしまった。
聖将軍は戦える状態ではない。
「剣」であるクレステッドの背を見て、アデルを見た。
野茨公はどのくらいの強さなのだろうか?
少なくとも、あの氷の魔物よりは強いに違いない。
自分とソマリを背に庇ったまま、
クレステッドは戦えるのか……? ]
[ その質問は……、
教会に居た時ならば、聖書通りのきれいな返答が出来ただろう。
でも、今は。 ]
「くるしみ」から解き放たれる事だと思うわ。
[ 聖書と違う事をいうことを、迷わなかった。 ]
こころや、
からだのくるしみから……。
それがどんな形なのかは、その人によって違うと思う。
……それがひとじゃなくて魔物ならば、
「滅び」も救いのひとつだと思う。
[ とても長く、喋った。 ]
うーむ。
クレスんの敗北を知ってるPL的には、
ここはアデルんと一緒にソマリんを連れて逃げるのがいいけど、
PC視点では、前衛クレスん、後衛アデルん、支援ゆりりんで戦うのがベストだなぁ。
クレスんが逃げろって言ってくれるのがベストだけど。
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