情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了 / 最新
画家 マリエッタ は 画家 マリエッタ に投票した。
―病院―
[何しろ引っ越してきたばかりなので、病院に来るのも初めてだ。
田舎に似合わぬ立派な病院を、物珍しげにきょろきょろ見回していると、若い医師が出迎えてくれた。
まさか副院長だなんて思いもせず]
あ、わ、ご丁寧に、ありがとうございます。
よろしくお願いします……?
[病院でなにをどうよろしくお願いするのか自分でもよくわからないが、他に挨拶の言葉が見つからなかった。
通信機を手渡されると、やっぱり物珍しそうにしげしげと見つめて]
ありがとうございます。お借りします。
[お礼を言いながら、病院スタッフと連絡が取れる通信機器って、もしや方向音痴がばれてる?なんて考えた]
……あ。
[おずおずとロビーの一角のソファに腰を下ろすと、モニターが目に入る。そこに映った映像に目を瞠った。
映っているのは、集会場の広間の様子だ。
病院到着までしばし時間がかかったので、幸いオズワルドが壁を破壊したところは見てはいなかったが]
……なんで壁、壊れてるんでしょう。
[すさまじい抵抗の跡のある惨劇の部屋の主とは違い、自分はおとなしく連行されたのに、と首を傾げた]
あら。
[ヴェルザンディから通信が入ったのは、そんな頃。目を丸くして、ああそういえば、彼女は医師だったと思い出した]
はい、私なら大丈夫ですよ。
お見舞いも行かなくていいそうですし。
お気遣いありがとうございます。
[いつもと変わらぬのんびりとした口調で返事をする。けれど、次がヴェルザンディだと聞くと、少し驚いた]
あら、そうなんですか。
全然大丈夫なんですけど、やっぱり一人はつまらないですからね。
えへへ、お待ちしてますね。
それにしても……。
[モニターを見つめながら、ぽつりと呟く]
誰もいないって思い込んでましたけど、このモニター見てたら広間の様子が丸分かりなんですねえ……。
[告白をしたのも、抱きしめてもらったのも、広間なわけで。
一部始終を誰かに見られていたかもしれないと思うと、顔から火が出そうだ]
は、恥ずかしい……。
[そんなことを呟いて、思わずスケッチブックで顔を隠したマリエッタは、アーヴァインの特別病室にはもっとあちこちを映すモニターがあることも、中庭での屋根から墜落お姫様抱っこキャッチ事件までもをアーヴァインには目撃されていることも、知らないのだった**]
―病院ロビー―
わあ、是非是非。
楽しみです。
[ヴェルザンディのお茶のお誘い>>*1には笑顔になった。
ガラスの向こうの食堂にちらりと視線を送る]
お茶でもお酒でも、お付き合いしますよ。
ふふふ。
[美少年はなかなか美味しかったなあ、なんて思っている。
と、モニターの話になって、現実に引き戻された。
向こうの様子が分かることは嬉しい。嬉しいが]
……ってヴェルザンディさん。
その口ぶりは……。
[「広間のマリエッタさんたちの様子は見てなかったと思う」その発言はつまり、ヴェルザンディは広間で何があったのか、おおよそ察しているということではなかろうか]
……なんだか、それはそれでいたたまれないような気持ちがしますねえ。
[ううう、と呻いて、誰に見られているわけでもないのに、やっぱりスケッチブックで顔を隠していたが、モニターにオズワルドの姿が映ると、ぱっとスケッチブックをおろした。現金なものだ]
あっ、オズワルドさん。
[じーっといつものように銀細工を扱い始める様子を眺めていると、溜息を吐き出してオズワルドは作業の手を止めてしまった]
……あら。
なんだか、元気がなさそうです。
[心配させないように、笑ってお別れしたのにな、と思う。
そして言われたとおり、ちゃんとおとなしくしているのに]
心配してるんでしょうか。
[む、と唇を曲げる]
それって私、信用されてません?
[約束したのに、退屈に我慢しきれなくなって、迷子になったり迷子になったり迷子になったり、とりあえず無茶をしていると思われているんだろうか。
なにしろそれでなくてもとても鈍感な上に、男性とお付き合いをしたことが今までなかったマリエッタに、男心はわからない。
信用していたって、理屈じゃなく心配なものは心配という心理を理解するには至らず]
むう。
[とても不本意そうな顔をした]
それにしても、何の話をされてるんでしょう。
[大きな音なら拾えるのかもしれないが、詳細な会話までは拾えないらしい。何を話しているのかはわからない。
まさかマリエッタの話題が出ているとは思いもよらず]
カメラも、もうちょっと寄りませんかねえ。
[勝手なことを言った。
なにしろ広間の様子を一望できるようなアングルのカメラが一台だけ。細かいところはわからない]
[スタッフという言葉を素直に信じる。疑う理由がないからだ]
そうだったんですか。
それはなんというか、お疲れ様です?
ありがとうございます?
[適切な言葉が思い浮かばず、なんだか疑問形になってしまった]
す、好いてるオナゴって。
……でも、病院は別に危なくないですよ?
[キョドりつつも、説明はやっぱりよくわからない。スタッフなんだからご存知ですよね?と首を傾げる]
むしろ、下手に抵抗した方がよっぽど危ないです。
[ローゼンハイムの部屋を思い出して、遠い目]
……ああ、そういえばそうでした。
[クレメンスの言葉>>*4に納得してこっくりと頷く。
確かに、「恋人が出来て結婚対象外になったからお見舞いに行かない」という理屈でアーヴァインの部屋には行かない、という話はしていたが、その理屈で押し通せるかどうかは未知数だった。
病院に到着して、思った以上に病院サイドがこちら寄りだったことに拍子抜けしたくらいだ]
それは心配させちゃいましたねえ……。
[別にマリエッタが悪いという話でもないのだが、なんとなく申し訳ないような気持ちになる]
会えたら、謝りませんと。
[そう呟いて、せめてこれ以上心配させないように、おとなしくしていようと決意を固めた。
まあ、広間の様子が気になって、動けそうにもないのだが]
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了 / 最新