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[ 膝を開かされ、折り敷かれて、檳榔卿の隆々たる肉の楔が、シェットラントの中へと呑まれてゆくさまを見せつけられる。
その光景が、濡れた音が、熱が、官能が、身体の内側から認識を塗りつぶしてゆく。]
ゃめ… っあ、
[ 突き上げる動きにのけぞり、陵辱の苦痛を緩和しようと、彼の背中に足を絡める。
意に反して身体が弛緩し、奥深くまで受け入れて痙攣した。* ]
/*
ふふふふふ、くっころがダダ漏れだった♪
がっちり受け止めてくれるハニーに感謝してる♡
[ 紅の帳がシェットラントの視界を覆い、唇が深い接吻けに塞がれた。
檳榔卿は強引に歯列を割って舌を送り込む。
もはや、抗っているのは使命感だけで、身体はそうではないことを認めないシェットラントの理性に直接、働きかけるかのように、檳榔卿は舌を舐り、体液を混ぜ合わせる。それは甘美な毒にも似ていた。]
んン…ッ
[ 上からも下からも侵され、彼だけしか見えない。
檳榔とは、人の精神を酔わせる植物の名であった。
その色に染めあげられてゆく。]
っは…! ああ、 あァ! や、
[ 喉で封じられていた声は、淫らに糸引く唇が離れるや、溢れ出した。
切羽詰まった息の温度は、限界が近いことをはからずも伝えている。]
[ わかるだろうと問われたが、わからない。ただ、感じてしまうだけだ。
狂おしく解放へと導かれ、頭の中が真っ白になる。
身体が跳ねて、精を吐こうとした。
けれど、行き場を塞がれたままでは、無理だ。
そこへ最後の一押しを加えられた。
最後の障壁が突き破られる。]
──っぁ、 あ
いい ──… っっ…!
[ 身体を硬く張り詰めさせ、震わせながら、その時を迎えた。*]
あっ… あっ、 あァぁ! ぅあ…ぁっ
[ もはや抑え難く、蕩けた声が迸る。
これが達くということなのか。
体の芯が脈打ち、虚空に吸い込まれるようだ。
ひどく鋭敏になっていて、一撫でされるだけでまた昇り詰めてしまう。]
…っう、 あ、 そんな──ッ
[ 手首を押さえ込まれ、その拘束感にいっそう喘ぎが昂まった。
繋がれて、見つめられて、拓かれて、
檳榔卿が動き続ける間中ずっと、止まらない。]
や…、 また くるッ もぅ──、 っアぁぁ…っ!
[ 幾度も絶頂を迎えてなお、彼に届かず、潤んで見開かれた双眸から滴が落ちる。
檳榔卿の言葉は真となり、この体は、彼の手に堕ちてしまったのだ。*]
[ 果てることない淫楽の調教の中で、再び彼から求められた。]
あなた の、 ものに…── ?
[ シェットラントにとっては、今や、別の意味も持つようになった言葉だ。
この先、彼なしではいられないと認めるだけで、体の芯が蕩けた。
焦らすような浅い律動に震えが走る。]
っあぁ…、 も っ
[ 肉体の痛みになら耐えられると覚悟を決めていた。
けれど、身体のつながりは理性を麻痺させ、優先順位を覆してしまう。]
…し て、 欲しい わたし、 を ──
[ 陶酔の呻きに、わずかに苦いいろが混じる。]
── 姫… 、
[ ただひとつ心に残る柵。*]
/*
おはよう
眼福バトルいいね。
メルヒオルとは騎士同士、面識もありそうだなと思いつつ。
清くカッコいい方面は任せたぞ(
[ 快楽に繋ぎ止められていた身体が解かれ、中を埋めていた躍動が抜き去られた。]
あァ…、
[ もどかしいような声が漏れ出てしまう。
「入れてください」──もう一度、そう言えばいいのだろうか。
とりとめなく乱れた思考の中で、記憶を拾い集める。]
──…っ!
[ 意識がはっきりしてくるにつれ、惑乱の中で口走った言葉も思い出した。]
…あのような 卑劣なやり方で、わたしに──
[ 憤激とやるせなさが錯綜して、拳を握り締める。
距離をとろうと思う端から、背後から抱きついてくる檳榔卿の手の感触に身体の芯が熱くなった。
屈してしまったのは、夢でも嘘でもなかった。]
[ 姫の身柄について語られ、気持ちは揺れる。
それさえ保証されるのであれば、護衛として最低限の務めは果たせたと言えよう。
記憶に残らないというのも、姫にとってはきっとその方がいい。
彼女を助けるために近衛が陵辱されたと、そんな責任を背負わせて、姫を苦しめてはいけなかった。]
そう…だな。 それで、いい。
[ 努めて冷静な声で答える。
約束を守るからには、彼は愉しんだのだろう。]
あなたが去れば、わたしは修道会に入る。
あなたが、これ以上、人間に害をなすことのないように、それだけを想い願おう。
[ 街の教会が現状どうなっているか知ることなく、穢された身の処し方を選ぶ。]
── だから…っ
[ 再び彼が動き出すのを察し、身体を硬らせる。
また、あんな風にされたら、自分は、]
もう ──…
[ 伸ばした指の先が、闇に包み込まれた。*]
[ 上も下も曖昧な闇に包まれた浮遊空間で、騎士の運動神経は姿勢の安定をはかろうとするけれど、中から外から掻き回され虚しく宙に架けられる。]
…や、 あァ…
[ 声は籠もり反響して、浴室での狼藉を想起させた。
あの時と同じように後ろに彼の存在を感じる。
しなやかな指が男根を握り込んでくることで、自らの熱を感じた。]
そんな 、 ところ ッ
[ 他人に触れさせるような場所ではないと、腰を引けばトロリと濡れた感触で滑り、わずかな摩擦に快感の電流が走る。
濡れた音のもとが彼の操る粘液なのか、自分の溢した体液なのか、知る由もない。]
ンあ…っ
[ 誘い誑かす言葉に、脳幹が痺れた。
拒むように首を左右に振るも、腰はもう、今し方の快感を追って、彼の指に自分の熱を擦り付けるように動いていた。]
っう、 は、ァ ── や、 出る…
[ 快楽に抗えない自分を恥じて咽び泣きながら、瞬く間に昇り詰めて、精を吐き散らす。
眠っている間に自然と起きてしまうそれとは違い、明瞭で濃縮された快感だった。
後ろめたさを覚えながらも、甘美な余韻に身を任せてしまう。
先ほどの、果てのないような痙攣とこれは、似て非なるものだ。
もしあれと合わさったら── ]
あなた も…、
[ 自分の考えの疾しさに、シェットラントは喘いで、手で口を押さえた。*]
[ 愛欲にまみれた言葉を、檳榔卿はそっと掬い上げて肯定する。]
──っ な…
[ 再開された侵略は、先ほどまでとはその様相を異にしていると感じてしまうのは、シェットラント自身の変化だろうか。]
わ… たしが、 求めて も、 いい …のか
[ 喘ぎに紛れた問いかけは、指示の形で戻される。
教え導く声のままに、ぎこちなく腰を揺らし、足を絡めれば、戸惑いなどすぐに蕩けてしまった。]
あ、 っはぁ… あぁぁ ッ や、
おかし く、 なる…、
[ 身も心も、彼だけで埋め尽くされ、狂おしく歔欷する。
こんな自分は知らない。
けれど、いってしまう。]
あなたのもの ── です
いっぱ い く、ださい …っ
[ 呼び求める名を知らず、闇を掻き抱いた。*]
[ たとえ闇の帳に包まれていなかったとしても、彼の他に何も目に入ることはなかったろう。
檳榔卿に抱かれ、愛され、飛翔する。
これまで生きてきて、愛のなんたるかを知らぬと言った。
これからは、彼が教えてくれることがわかっている。]
── シン …、
[ 教えられた名は、脈拍ひとつ分だけの時間を彼に捧げるものだった。]
[ これからは、その名を呼んで達くことができると思えば、歓喜が血を熱くする。
彼に噛まれた跡が繰り返し甘く疼くように、その名は魂につけられた烙印だ。
返す名前を求められ、彼の唇の横に接吻ける。]
…シェリ、と。
[ 結合を解かれ、存分に満たされた情欲が鎮まれば、恋人同士が呼び合うような、そんな愛称を伝えたことに狼狽してしまう。]
わたしは、シェットラント・アラディーンだ。
[ 取り繕うように訂正した。*]
[ 紅の魔性ことシンが教えた名を繰り返す。恋人呼びの方を。]
わざとだな…!
[ やめろと言っても、聞く耳を持たない上に、所有格までついた。
確かに、彼のものになると言いはしたが、恥ずかしい。
実力行使されれば到底、抗えないのは経験済みだけれど、]
しばらく、その口、噤んでいてもらおう。
[ 正当な理由なしに、甘やかしたりするものか。
抱擁してきた相手の顔を、生真面目に引き寄せるのだった。*]
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