情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新
[駆ける最中、ガートルートが戦鎚を後方へと引く>>*38のを見る。
相打つ形になるとは理解せど、駆ける勢いは止められない]
ふっ!
[地面スレスレを走る戦鎚の軌道を見て、擦れ違い様の殴打は一旦諦める。
代わりに掬い上げる軌道の戦鎚に対して、跳ね上がりながら掲げていた左袖を振り下ろした。
袖の奥、平手に宿るのは渦巻く闇の塊。
それを戦鎚の面へと叩き付け、直接叩かれぬよう壁の役目と為した]
ッ、くぅ…!!
[しかし雷纏う戦鎚の威力を相殺させることは無理で、ナネッテの身体は戦鎚により上空へと跳ね上げられてしまう。
ビリビリと、防ぎきれなかった雷と、己の意思ではなく宙を舞う身体に走る空気抵抗が体勢を整えることを阻んだ]
[強い衝撃で意識が飛びそうになる。
そこに滑り込むように染みてくる、蒼月からの熱]
ッ、 こん の …!
[思わず零れた声は蒼月にも届こうが、それは抗う意思を持つもの。
熱の侵攻を利用して意識を保ち、それ以上の侵入を阻んだ]
─── んの程度でっ…!
[じわりと身を蝕む熱が意識を戦いへと引き戻す。
戦舞台の遥か上空へと跳ね上げられた身体を強引に回転させ、草履の裏に花弁を沿わせた]
墜ちるもんか!!
[ひとつ、ふたつ、みっつ。
上空から真直ぐに、三度踏み込みを行い、落下速度を加速して行く。
眼下にただの点であったものが徐々に緋色を示し行き。
袖から出した両手を頭上で合わせ握り込むと、彗星の如き勢いで駆け落ちて、ガートルートの頭を狙い振り下ろした。
ただ、実際は狙いの精度が高くないため、握り込んだ両手は彼の左肩へと落ちる*]
………ッ、ん のっ!
[両手を顔の横の地面に添え、草履で地を強く蹴る。
腹筋も使って逆立ちの要領で跳ね上がると、その勢いのままガートルートの顎を蹴り上げた。
助走や溜めが無い分、威力は然程ではないだろう。
跳ね起きて後は、宙をくるりと回転し、足から地面へと着地する]
間合いだからなんだってのよ。
互いの間合いなら、殴り合うだけでしょ!
[体勢を整えるのは向こうが先か。
戦鎚の動きを警戒しつつ、至近にあるうちに追撃せんと掌底を相手の胸目掛けて繰り出した**]
……っは。
ああ……まったく、まったく。
[知らず、零れ落ちるのは嗤う声]
……楽しゅうて、仕方ない、な……!
[声に乗るのは一際強い狂気と熱。
その響きは、艶やかささえ帯びるもの]
/*
強撃より先に蒼月の発言見えてガン見したわけですが(笑)。
とりあえず後でどうなるか楽しみにしてようw
さて、狂気溜め込まなきゃな(
[何する気だ]
[戦鎚の間合いの内側で繰り出した掌底は、ガートルートの素早い反応>>*56により外へと払われる。
胴を掠めたそれは彼の軍服を打ち破るに至った
ち……!
[伸ばした腕を引き戻しながら、ナネッテは舌打ちを零す。
距離を取ったガートルートが楽しげな表情で左手を振るのが見えた]
効いてるのかさっぱりだわ…!
[打撃は確かに届いている。
左肩への一撃然り、胴への掠り然り。
彼の身体は一体どうなっているというのだろうか。
肩で息をしながら睨むように見遣れば、左肩の肌が露出しているのが見えた>>*57。
そうして注視していたためか、そこに小さな違和感を覚える]
…── 肌、の下に、何か…?
[罅割れている、と気付いたところでガートルートの声>>*58が上がった]
くっ!
[意識を取られていたことが徒となり、戦鎚の間合いへと駆け込まれてしまう。
飛び退るには時が足りず、ナネッテは両手を前方へと突き出した]
お願い、耐えて…!
[突き出した両手を左右へと開く。
その間に広がるのは宵闇と、その中に舞う桜の花弁。
右手を左へと流し、宵闇の後ろで一閃すると、宵闇の中に舞う桜が右へと流れ、夜桜舞の壁を作り為した]
[右へと流れる夜桜舞に戦鎚の一閃が襲い掛かる。
ガリッ、と戦鎚が夜桜舞を削った直後、恒常的に帯びている雷とは異なる稲妻が、夜桜舞を貫きナネッテを襲った]
アアァアァッ!!
[駆け抜ける電撃に声を上げ、即座にぎり、と歯を食い縛る。
左腕を右へと流し、一閃することで再び夜桜舞を作り出すが、戦鎚の追撃は容赦無く防御を削り、稲妻を通してくる。
歯を食い縛り続けることで上がりかける声を押さえ込み、次いで右腕を下から跳ね上げ、左腕を上から振り下ろすことで続く二撃に対しても夜桜舞をぶつけ続けた。
戦鎚が振り抜かれる反動で身体が後ろへと飛ばされる。
草履で地面を滑りながら右手を開き、後ろへと叩き付けると、舞い上がる花弁が背に添い、それ以上下がるのを押し留めた]
[声と共に増加する蒼月の狂気と熱。
衝撃を受け続けている状態では、ともすれば流されそうになる]
ンァッ…!
[熱を押し留め、狂気を抑えようとするが、無言ではやはり耐え切れなかった]
Shut up…!
[暴れまわらんとする狂気に対し、思わずぽつりと呟く。
膨れ上がるばかりの熱と狂気は、大きな奔流となり始めていた]
、 ッ ァ フ 、 ゥ ック、ァ
[戦鎚の直撃は凌いだものの、受けた稲妻の四連撃は大きくナネッテの体力を奪った。
身に纏う白単衣と蒼の袴はところどころ焦げ、直接稲妻を受けた袖は衝撃で破けた箇所さえあった。
先に胸倉を掴まれたことで乱れた合わせは更に崩れ、谷間が分かるほど大きく開いてしまっている]
…、ほんっと、殺す気で行かなきゃ、殺されるわ。
[背を曲げ、項垂れる形で息を整えていた状態から、ゆらりと上体を揺らしながら顔を上げる。
呟きながらも、浮かべる表情は笑み。
乱れる髪の間から覗く瞳が、薄蒼から紺青に近付いていることに相手は気付いたか]
壁が高くて難易度が高いほど、燃えるってもんよねぇ。
[笑みはそのままに、ナネッテはタン、と軽く地面を蹴る。
距離を詰めようとする進路。
けれど次に地を蹴る時は、垂直に飛び上がり、ガートルートの頭の高さまで来ると、再び前方へと宙を蹴った]
ホント、難しいったらありゃしない。
[細かく二度宙を蹴り、速度を上げて、ガートルートの額を草履の裏で蹴りつける。
成否に関係なく即座に宙を蹴り、上方へと身を持ち上げると身を縮めてくるりと宙を回転]
ここまで難しいのは初めてよ!
[身体の位置をガートルートの後方へと運びながら、脳天目掛けて踵落としを繰り出した*]
[押し止める事なく解き放つ狂気と熱、その最中に響く声。
ただ飲まれまい、と。
抗う意思は、初めて触れるもの。
過去の従華は皆、狂気に飲まれ、それにより強き力を得たものの、制しきれぬ者が続いた。
それ以上狂気に触れては完全に深淵に堕ちかねぬ、と。
それと気づいた魔は選より引き、隷属を解く事で従華が堕ちるを未然に防ぐようになっていた]
……ふ。
[微か、零れるのは笑み。
従華を案ずるあまり、選そのものにも退屈を覚えるようになったのはいつからか。
そんな退屈にも、背後への懸念にも囚われる事なく舞える事。
それは『狂い桜』の内にある、戦神の熱を更に強く高め行く。*]
[防がれるかと思った額蹴りが通り、ガートルートの顎を浮かせた。
間髪入れずに繰り出した踵落としもまた妨害なく一撃食らわせるに至り、ナネッテは蹴り足の反対で宙を蹴り再びくるりと後方回転を行った。
ガートルートの後頭部を蹴らんと、彼の背後で宙を蹴る心算だったが、着地直前に赤灼の髪から放たれた稲妻が胴を貫いた]
カハッ!
[焼けるような痛みが身を襲う。
白単衣の腹部が黒く焼け焦げ、その奥に衝撃と熱を与えた。
堪らず膝から地面へと落ちる]
[タン、と地を蹴り距離を取ろうと思ったが、速度を増した獣の方が一歩早く。
横に薙がれた爪がナネッテの胸の上を走った。
白の下から紅が飛び散る]
ッ──ァ ッ!
[胸に走る三本線。
紅に彩られたそれは白に良く映える。
辛うじて繋がる白単衣の合わせは、紅色と共に零れんばかりの際どい光景を作り出していた]
[身体が外側からも熱さを得る。
内に在る熱がそれに同調し、ナネッテへの侵攻を加速させた]
ッッ、
[熱が広まれば狂気も広まる。
ただ耐えるにも限界が近い。
けれど、ナネッテはまだ諦めていなかった]
[胸に走る傷は思いの外深い。
はたりはたりと、零れる紅はすぐには止まりそうになかった]
─── ホントに化け物だったなんてね。
[愉しいと哭く獣を睨め、笑いながら後ろへと距離を取る]
本当に
[一度深く深呼吸すると、ナネッテは右手を持ち上げ、右耳の耳飾りに触れた]
壊されそう
[手の中でしゃらりと音が鳴る]
でも……
──── いい加減にしなさいよ。
[零れた声は低く、身を支配しようとする
……お?
[低く零れた声が、ふと、『狂い桜』を引き戻す]
ああ、すまぬすまぬ。
何分、久々の事なのでな。
制御が飛んでおるようだ。
[笑って言う事じゃないはずだが。
届く気配は楽しげなものを帯びて]
文句は後でまとめて聞く故。
……いまは、眼前に酔わせておくれ。
[楽し気に笑む気配と共に伝えた後。
『狂い桜』が僅かなりとも鎮まる気配は伝わるか。*]
良いわよ、好きにやんなさい。
…私も好きにやるわ。
[紡いだのは先とは逆の意を乗せたもの。
次いで、何かを思いついたかのような声。
ゆらりと、己が身に流れ込み溜め込んだ熱を、誰かさんの首根っこを掴むように意識で握り込んだ*]
溜めきれないなら吐き出せば良いのよ。
[耳飾りから右手を離すと、瞳を瞑り、ナネッテは左頬に指先を添える]
そんなに暴れたければ…
[次いで耳飾りが下がる右耳の耳朶に触れ]
暴れさせてやるわよ。
[最後に額に右手の指先を当てた]
存分にね……!
[ドクン、と身を蝕んでいた熱が胸へと集まり始めた。
零れ落ちる紅が、ひらり、はらり、と薄紅の花弁へと変わる]
この程度で潰されると思わないで……!
[目の前の獣ではなく、何か別のものへ語りかけるような声。
零れ落ちた薄紅の花弁はその数を増し、ザッ、とナネッテの周囲をうねり取り巻いた]
私は………負けない!!
[言って、キッと目を見開く。
荒れ狂う花弁の奔流。
それはまるで『狂い桜』の如し]
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新