情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 エピローグ 終了 / 最新
碧眼 シルキー は 薔薇の香り ローズマリー に投票した(ランダム投票)
碧眼 シルキー は、夜盲 ジャン を護衛している。
[兄の美しい「自己犠牲」の言葉。
少女はその瞳に複雑な感情を窺わせた。]
――やめて。
……ああ、いいえ、気持ちは嬉しいのだけど、……
私、さっき初めて「自分が怖い」と思ったわ。
制御できない本能が怖い。
誰かの手によって理不尽にあなたを奪われるよりも、
自らの手によって永遠に喪ってしまうことの方が。
ずうっと恐ろしかったわ。
[握られた手に、少女もぎゅっと力を込めて]
はやく出ましょう、こんなところ。
……あまり離れたくはないけれど、手がかりを探すためにはきっと手分けしたほうがいいのよね。
[目を伏せて迷いを見せた。]
/*
RP村に飛び入りするときは、あんまり灰を埋め過ぎないほうがええんやでってお友達に教わったから控えてたけど、私もアルビンさんみたいにネタりまくって!いいのかな!?
そんな余裕あんまりないけど!
うん、"約束"。
[絡んだ小指はすぐにでも解けてしまいそうで、それでいてとても強固に思えるもの。]
は、……針千本じゃ、許さないわ。
[喉の奥をせり上がってくる涙の波。
いいえ、泣くのはこのお城を出てからでいいわ。
少女は涙を押しとどめるべく鼻をすすって、
きっと目線をきつくした。]
ええ、二手に別れましょう。
あなたが危ない目にあったら、きっと駆けつけるわ。
[強がるように笑う。
そこでふと思い出したように、かぶっていた帽子を脱いだ]
……これ。
ごめんなさい、罠にかかった時に壊してしまったの。
[申し訳無さそうに帽子を差し出す]
[すっかり綺麗になった帽子を被りなおして背を向ける大切な兄を、少女は見えなくなるまで見送った。
見えなくなってから、すう、と息を吸い込んで目を閉じれば。
確かに遠ざかる彼の気配を確りと感じ取ることができた。]
……は、ぁ。
[気が抜けたからか唐突に襲い来る疲れに、少女は耐え切れずに壁に寄り掛かる。体の疲れは然程でもないが、思った以上に精神が疲弊しているらしい。
重くなる瞼を必死に持ち上げて、少女は呟いた]
すこしだけ。
すこしだけ、仮眠を取りましょう。
[そうして少女は頼りなげな足取りで歩み、客室らしき空き部屋へと入る。綺麗にメイキングされたふかふかのベッドを見ればもう我慢の限界で。
少女はベッドの上にどうと倒れこみ、丸まって寝息を立て始めた*]
碧眼 シルキーは、ランダム を投票先に選びました。
―???―
[――そして少女は目を覚ます。
時間にして数十分も経っていないはず。
目を開いても何も見えない。純粋な暗闇が広がっているだけだった。
おかしい。異形の視力で見えぬほどの暗闇など、そうそうある筈がない。
真っ暗闇の中、少女が身じろぎをすると。
そこではたと気付く。
両腕両足が紐状の何かに拘束されていることに。
闇が見通せないのも、手足と似たもので目を覆われているからであるらしいと。]
だれ?
ここは何処?おにいさま、っ、ん、――――!
[漸くただごとではない何かに巻き込まれたのだと認識し、少女は力の限りに拘束を振りほどこうと暴れ、声を上げる。
が。兄の名を呼ぼうと口を開いたその時に、何かが口の中に突っ込まれて。
意味のある言葉を発することはできなくなる。
それでもくぐもった声で不明瞭に何事かを叫べば。
ひやり、
頬に霧のように冷たい何かが触れて、]
『―――――――。』
[耳元で囁かれました。
少女は闇の中で目を見張らせて尚も抵抗を示しますが、]
っん、――!
[ふかく、ふかく。牙が突き立てられれば。
少女は一声呻いた後、拘束された体をびくびくと痙攣させる。
先ほど兄に許した時とは比べ物にならぬほど深く、容赦なく、少女の命の水は奪われてゆく。
僅かに動く指先はがりがりと床を引っ掻き、
足の爪先は宙空にぴんと伸ばされる。
……嗚呼、空になる。]
―中庭―
[少女は意識を失った状態で"振り出し"へと戻された。
可憐な花がそこかしこ咲き乱れる中庭の真ん中で、
少女はうつ伏せで眠る。
彼女が人の姿を保っていられたのはそこまで。
花弁が散るように少女の体はほどけてゆき、
ひらり、最後の1枚が地に落ちた時。]
ぴぃ、ぴぃ、ころころ。
[そこには掌に乗るほどの金糸雀が佇み、さえずっているのだった]
[少女はヒトが好きでした。
殆どは写真で見たり聞きかじったりしただけの実のない知識でしたが、少女の心はいつでも外の世界への憧れできらきらと輝いていたものでした。
市場というものに行ってみたいわ。
美味しそうな果物をコインで買って、恰幅のよいおばさんにひとつおまけしてもらいましょう。
海というものを見てみたいわ。
陽の光に反射する広い海で、小さな子供達がきゃあきゃあとお水をかけあってはしゃいでいるのでしょうね。
お姉ちゃんも一緒に遊ぼう、って誘われたりしてね。
学校というのも興味深いわ。
じいやみたいな先生のお話を、沢山の友達と聞くのだわ。たまに退屈で寝てしまうかもしれないわね。]
[しかし、異形となった少女はある時気付いてしまうのです。
『お父様』が何処からか攫ってきたらしいヒトと二人きりの暗い小部屋。怯えているそのヒトに外の世界のお話を聞かせてもらって、お礼を言って。
――そうして、喰らった。その時に。
私はもうとっくにヒトではないのね。
ヒトのことは大好き。その気持ちに嘘はないけれど。
これは、酪農家が飼っている牛を可愛いと思うのと同じ感情なのね。
何処まで行っても、被食者と捕食者でしかないのだわ。]
―現在―
[今思えばその時だったのだろう。己がどうしようもなく異形であることを本当の意味で受け入れたのは。
だから少女は、いや、一羽の金糸雀は、仔牛を求めて彷徨う。
くるくると喉を鳴らせば、美しいさえずりがあたりの空気を震わせた。]
ぴぃ、
―温泉―
[そうして本能の赴くままに飛んでたどり着くのは、浴室。脱衣所でうねうねと暴れるスライムには目もくれず、すいすいとその攻撃を避けて温泉の中へと。
湯船に浸かる女性と兎を見つければ金糸雀は]
ぴぃ、
[こんにちは、こんにちは。
一声啼いてご挨拶。可愛らしく湯船の縁に止まって首を傾げる。]
ころころ、
[ねえ、あなたは食べてもいい人間?
喉を鳴らして、女性の肩口にとまった。]
[おや。
兎が妙な挙動をして自爆し、それを女性が助け出す一部始終を不思議そうに見守りながら金糸雀は思案する。
どうも私の言葉が通じているらしいと。
これは僥倖。
鳥の言葉が通じるなら少なくとも"ヒト"ではないのだろう。ならちょっとやそっとじゃ壊れてしまわない筈。
金糸雀は歌いながら小鳥の言葉で喋りかけた。]
ぴるぴる、ぴぃ、ぴぃ。
[おねがい、おねがい。
しぬほどお腹がすいているの。]
くるくる、ぴぃぴぃ。
[たすけて、たすけて。
たべつくしたりはしないから。
懇願するように歌って、女性の首もとへと頬ずりをする。]
ぴぃ、
[金糸雀は、ハチドリのようにストロー状になった嘴で軽く女性の首元をつつく。飢えに乾いた金糸雀には、その白い首筋がさながらフルコースのように見えた。
どうやら、もうあまり我慢が保ちそうにない。
ヒトの形を取っている時よりもずっとずっと非力になってしまった鳥の体では力ずくで血を奪うのは難しい。だから「媚びて」油断を誘わなければならないのだが、――]
ぴぃ、ぴぃ
[その間にも食事を求める本能は五月蝿く悲鳴を上げ続ける。
(無防備に肩に乗せるなんて、不用心な子。)
(今なら首筋は目と鼻の先。きっと、間に合う。)
だから金糸雀は、女性の質問>>164には答えずに。
その針のような嘴を首元に突き刺そうとした。]
ぴぃ、ぴぃ
[はなして、はなしてったら。
首根っこを摘まれてしまえばもう主導権は向こう側。金糸雀はきぃきぃと喚き、じたばたと翼を動かす。]
ぴぃ、ぴぃ、くるくる。
[せっかく上品にごあいさつしたのに。向こうにいるスライムだって、追い払ってあげないんだからね。
小鳥の言葉で悪態をついて。
実際に追い払うことができるのかはさておく。
(もう、こんどヒトを襲うときは挨拶なんてしていないで、)
(ふいうちしてやるんだから。)]
くるくる、ぴるぴる。
[おなか、すいた。ひからびてしまいそうだわ。
尚もじたばたと暴れれば、女性の手から逃れることはできるだろうか。]
[己を掴む女性の力が緩んだ瞬間を逃さず、金糸雀はするりと手から抜けだした。未だ吸血を諦めきれぬといった様子で、その場を何度かくるくると飛び回ったが]
ぴぃ、ぴぃ、
[お、おぼえていなさいよ!
漸く諦めがついたのか、そんな三下の悪役みたいな捨て台詞を吐いてみるのだった。そして腹いせとばかりに翼で湯船の表面を叩いて、耳を庇う女性の顔の方へとお湯をはね上げた。
相手にきちんと湯がかかったかどうかも確認せずに身を翻して、金糸雀はいまだ蠢くスライムの横をすり抜けて逃げ出した。
ヒトの姿を取っていたならばきっと半泣きだったに違いないが、生憎金糸雀の姿。その表情を理解するものはきっといまい。*]
ぴぃ、
[羽ばたきながら金糸雀は思う。
そうだわ、こんなとこさっさと出て、おそとでヒトをさがせばいいんだわ。
こんなことにきづかなかったなんて。
我ながらいい考えだと満足して、とりあえず建物の外へと出ようと試みる。が。]
ぴぃ、きゅるる、ぴぃ。
[なんだっていうのよ。
金糸雀は苛立って悪態をつくが、それは美しいさえずりとなるだけ。
建物の外へ出よう、そう考えた瞬間に。
進めど進めど城の中心に向かってゆくようなのだ。
やがて一度通ったような気がする道ばかりになって。――金糸雀の忍耐は限界に達していた。
乾く。どうしようもなく乾く。
はやくしょくじを、はやく。]
――!
[考えが変われば、城はそれに応じて形を変える。
そして小鳥は<<青銀 エレオノーレ>>の姿をその視界に認めた。
まさに血を奪い合えと言わんばかりのタイミング。しかし金糸雀には既にそこまで頭を回しているほど余裕がなかった。
サファイアの瞳を怪しげに光らせ、背後に忍びよった。]
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 エピローグ 終了 / 最新