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[一人静かにお風呂を堪能している。]
ああ、気持ちいい……。
[腕にお湯をかければ、弾かない肌へむう、と眉間に皺を寄せてみたり。]
[彼がお見舞いに行かされると知るのは、もう少し後のこと――。]
保育士 フレデリカが「時間を進める」を選択しました。
保育士 フレデリカは、神父 アルビン を投票先に選びました。
[髪を乾かして浴場を出ると、自警団員から告げられた事実に顔が青褪める。]
え、神父様一人って、ど、どういうことですか!
[思わず目の前の自警団員に詰め寄るも、彼らに出来ることはない。
ただ首を横に振られるだけだった。]
そ、そんな……。
[ふらり、くらり。目の前が歪んで見える。
思わず、胸に仕舞ってあるロザリオをぎゅう、と握った。]
……。
[茫然自失といった状態で、自警団員の声も耳に届かない。
足は自然と自室へと向かい、ベッドに横たわる。]
[眠ることなど、出来るはずもなかった――。]
神父様、ど、して……。
[自室のベッドに一人きり。
掠れた声が僅かに零れて。]
嫌、です。
離れたくない……。
[どうしてこんな、残酷なことをするのだろうか。
苦しくて、胸が痛くて、溢れる涙を止めることが出来なかった。]
私の、幸せ……。
[どうしてこの人は、分かってくれないのだろう。
そのことがもどかしく、同時に愛おしいとも思った。
愛されることを知らない、幼子のような心を守りたい。]
心の赴くままに。
[そんな時ふと思い出したのは、妹のような彼女の言葉。
約束したのだ。自分の気持ちに嘘は吐かないと。]
ありがとうございます。
私は私の幸せを、必ず選んで見せます。
[決意に満ちた声はどこか清々しく。
涙は流れたままだったが、微笑みすら浮かべていた。]
― 翌朝/自室 ―
[結局、一睡もしていないに等しく、顔色も悪いままだった。
けれど瞳だけは決意に満ちて煌めき、胸元のロザリオを握り締めている。]
心の赴くままに――だよね、ヴィアちゃん。
[気丈に振る舞っていた彼女の姿を思い出して、宙に声を投げかける。]
私、自分の気持ちに素直になるよ。
[最初はただ、守りたいと思った。庇護欲に近い感情だったと思う。
けれど今は、離れると思うだけで胸が引き裂けそうで、もう涙は流すまいと、ぐ、と歯を食いしばった。]
だって、好き、なんだもの。
……離れたくない。
[言葉にすれば、想いはより形を成していく。
身支度を済ませると、ドアを開けて部屋を飛び出した。]
私も、病院に連れて行ってください。
[唐突に自警団員に声をかければ、皆の表情が固まるのが分かった。]
連れて行ってくれないなら……ここで、喉を刺します。
[台所から拝借してきた果物ナイフを手に宣言すれば、空気が凍る。
ローゼンハイムの怪我は、彼らにも傷を残しているのだろう。]
(ごめんなさい……)
[心の中で謝罪をしながらも、喉元にナイフを突きつける手は緩めない。]
もう一度言います。
私も、病院へ連れて行ってください。
[それから了承を得るまで、どれくらいの時間を要しただろうか。
アルビンの報から遅れて、自身がお見舞いに向かうという件も、自警団員の口から聞くことができるかもしれない。]
/*
先に神父様説得してついていくパターンもあったけど。
こっちの方が良さそうな気がしたのでした。
事後承諾万歳。
― 中庭 ―
ふう……。
[中庭の片隅、木々で丁度隠れる場所。
ひっそりと置かれているベンチに座る。]
うん、後悔はしてない。
[自警団員の人たちの心を傷つけたと思うと、少し胸が痛む。
けれど自分の気持ちに正直になると約束したから。]
ふふ、怒るかな、困るかな。
……嫌われちゃう、かな。
[寂しそうに目を細めて、燦々と降り注ぐ日光に瞼を閉じた**]
[胸に響く声に、びくりと肩を震わせる。]
(ああ、怒らせてしまった……)
[そう思えば思う程、心が凍りついてしまうようで。
彼を守りたいと思った。
幼いままの心を持った彼の手を握っていたいと思った。
けれどそれだけで、こんなにも胸が痛むものだっただろうか。
こんなにも想い焦がれるものだっただろうか。]
ごめん、なさい……。
[未知の感情に答えを返すことは出来ず、漏れたのは弱々しい声だった。
それ以上向き合うことが出来なくて、声が彼の元へ届くことはなかっただろう。]
― 中庭 ―
[ひなたぼっこなんてするのはいつ以来だろうか。
子どもたちの世話を焼いていると、落ち着く時間が減ってしまうのは事実だ。
少しでも目を離すと寄り道をしていたり、果ては迷子になってしまったり。]
そういえばあの時も……。
[孤児院の子どもたちと遊んでいた頃、一人の女の子が迷子になってしまって。
シスターや他の子どもたちとも協力して、無事見つけられた時には随分安堵したものだ。]
ふふ、神父様が一番おろおろしてたのよね。
[それだけ子どもたちを大切に思っているのだろう。
心優しくて、それと同時に脆い人。
小さく零れた笑みには、慈愛が混じっていた。]
アルビンさん!
だ、大丈夫ですか……?
どこかお身体の調子でも悪いんじゃ……。
[地面に座り込んでしまったアルビン>>67の元へ駆け寄ろうとして、彼>>69の言葉に足が止まった。
痛みを誤魔化すように、ぎゅう、と胸元のロザリオを握り締める。
誰かから話を耳にしてしまったのだろう。]
怪我は、していません。
[気遣うような視線に、やはりこの人は優しすぎると思った。
人の痛みすら自身の痛みのように感じてしまうのではないか。
安心させるように必死で笑みを作る。上手く出来ただろうか。]
私は、私の心の赴くまま、行動しただけです。
[自分でも上手く説明できない感情を、どうすれば伝えることが出来るのだろうか。
困ったように微笑みながら、静かに言葉を紡いだ。]
……っ。
[分かってはいたけれど、アルビン>>74の口から直接あの人との結婚の話をされると、心臓が砕けそうな程に痛んだ。]
勝手なことばかり言わないでください……!
[沸々と身体の内で何かが燃え滾る音がする。
ゆっくり歩を進めれば、アルビンの前に膝をついた。
汚れることなど厭わない。それよりも大切なことがあるから。]
どうしていつもいつも、自分を犠牲にしようとするんです!
そんなことされたって嬉しくない! 幸せになんてなれない!
[痛い、痛い。叫ぶ喉も悲鳴を上げる心も、軋むようだった。
彼を繋ぎ止めるように、そっと手を伸ばす。指先で彼の手に触れた。]
アルビンさんが傍にいてくれなきゃ、嫌なんです……!
[声は弱々しく、消え入りそうな程だった。
拒まれたらどうしよう。その恐怖が指先をも震わせる。]
私は強くなんかないんです。
弱くて、情けなくて、我が儘で。
自分一人じゃ歩くことも出来ない。
[幼い子どもに言い聞かせるように優しく、暖かな声で紡ぐ。]
だから、傍にいてくれなきゃ嫌なんです。
[胸にじわじわと湧き上がる感情がある。
その名前を、自身はきっと知っている気がした。
彼にも伝わるだろうか。
伝わらなくてもいい。結局これは、自身の我が儘なのだから。]
他の誰でもなく、神父様でもなく。
――アルビンさんに、傍にいて欲しいんです。
――っ!
[気が付けば、アルビンの腕の中にいた。
暖かな腕に包まれれば、少しずつ震えも収まっていく。]
私の我が儘なのは分かってます。
でも、どうしても、離れるのは嫌なんです……。
[胸が高鳴るよりも、どこか安心するような温度だった。
それは家族のような、友人のような、しかしそれとは異なる何かを持ったもの。
そっと彼の背に手を添え、頭を肩へすり寄せた。]
我が儘で、ごめんなさい。
今だって、いつだって、アルビンさんは私を守ってくれています。
[彼の優しさには救われていた。
子どもたちに向ける柔らかな眼差しも暖かな声も、全部が全部、胸にゆるりと染み込んで。
どんな人の前でも泣ける年ではなくなってしまったというのに、アルビンの前では自然と笑みも涙も素直に溢れた。]
私はアルビンさんと、お互いに守りあえるような関係になりたいです。
……それを、何と言うのかは分かりませんけれど。
[強い言葉に胸を貫かれれば、こちらも素直な願いが零れた。
守るだけでも守られるだけでもなく、お互いに支え合えるようになりたいのだと、そう思う。]
[今はまだ、名前はいらない。
そう思って、静かに微笑む。]
我が儘でも勝手でもいいんです。
私はアルビンさんの願いが聞きたい。
アルビンさんの望みを叶えたいんです。
[アルビンの言葉に頷く。
これはきっと、神様がくれたプレゼントなのだと、チャンスなのだと思った。]
アルビンさん、アルビンさん。
私はアルビンさんのことが大切です。
だから、ずっと一緒にいてください……。
[照れてしまうのはこちらも同じで、はにかみながら心で唱える。
この想いが名前に乗って伝わればいいと、ロザリオに願った*]
[はっと我に帰ると、慌てて準備を進める。
無茶を言って同行させてもらうのだから、参加者の皆には何も告げずに行くつもりだった。
優しい人たちだから、無駄な心配をかけたくなくて。]
それに、どう言えばいいか、まだ分かんないし……。
[荷物はそんなに多くない。
鞄に一つ一つ丁寧に詰め込みながら、言い訳のような独り言を零す。]
好き、だよ。好きなんだ。
アルビンさんのことが好き。
[言葉にすれば想いは段々と形になる。
けれどそれが気恥ずかしくて、一人頬を真っ赤に染めていたのだったか。]
/*
きっと想いが確かな形になるのはデリカの方が早いと思う。
長く付き合っていた人もいたし、好きっていう気持ちは知ってる。
ただこれまでの誰よりも愛しくて、その強さに戸惑ってる感じ。
― 玄関前 ―
[荷物を持って部屋を出ると、ゆっくりと歩いていく。
玄関へ辿りつくまでどれくらいの時が過ぎただろうか。
自警団員の姿が見えれば、眉根を下げながら腰を折る。]
ご迷惑をおかけします。
よろしくお願いします。
[彼らは困ったように笑っていただろうか。
我ながら無茶をしたなあと思う。けれど後悔はなかった。]
アルビンさんは来てるかな……?
[まだ来ていなければ壁に寄りかかり到着を待っただろう。
来ていれば、はにかみながらそちらへ近づいたのだったか。]
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