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詐欺師 カナン は、劇団員 ジル と 教師 ユーリエ を愛の矢で結びつけた。
[アヴェからのメモには拙いローマ字が並べられている]
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kanan
h
a miryokuteki na otoko dayone
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―廊下―
カナン君。ちょっと、いいかな。
[唯一、…と肩を並べられる相手。口元からほど遠くない耳に、耳打ち。カナンを応接間から外へと誘い、廊下へと呼び出した。
ただでさえ目立つ、一際年齢の高い…と、モデルのような容姿のカナン。
仕方ないので、皆が酒や酔ったナネッテに夢中になっている間に、堂々と連れ立って応接間を出た。
後ろ手で、扉を閉める]
呼び出した理由は、見当がついているかい?
[君が。誰と結ばれることを期待していたのか、私は知らないが。
でも私は、君のことをとても美しいと。一目見た時から、そう思っていたんだよ。
カナンの肩に手をやり、そっと扉脇の壁に、彼の背中を付けるようにする。
僅かばかり、彼より高い身長。ほんの少しだけ見下ろす形で前に立って、彼の視界を自分の姿でいっぱいにしてしまう]
君。私と恋愛しなさい。
[相手の顔に、息もかかってしまうような距離。
こちらの視線の中も、美しい彼でいっぱいなのは同じ。
囁くような声音で、けれどはっきりと。告げた]
/*
あ、ちょっと待って。
寺脇さん格好良すぎませんかね?
蕩けてロル書けなくて、フリーズしてるんですけど。
中の人がね。
/*
あのね、薔薇やったことないの。
初めてなの。頑張るけどね。応援してね。
脳内に「はじめてのおつかい」のテーマソングが流れてるくらい、初心でごめんね。
残念ながら、謎の方はまったく。
私はそこの名探偵のように頭の回転が速くなくてね。
[メレディスに話しかけられれば>>1:111。
寺脇にチラリと視線を送った後、上品に微笑んだ。
す、と目を細めて、メレディスを見遣る。
謎を解くことにさして熱意があるようには感じられず、
会話を弾ませるスパイス程度に割り切っているように見受けられた。
ぽんぽんと見合い会場の人々に話しかける姿は社交的で。
もしかしたら、自分と同じように。
そういう自分を「作っている」側の人間なのかもしれないと感じた]
メレディス。キミは学生なのに、あまりはしゃがないのだね。
[詐欺師の視線の先には、泥酔するナネッテの姿。
同年代とは思えぬ光景に、くすりと微笑みを浮かべた]
……それでは、私は白ワインを。
[ウェイターに酒を注文すると。
寺脇に促されるように、乾杯のポーズを。>>1:125
冷酒を煽る寺脇の仕草>>13は、やはり落ち着いた大人のそれだ。
長い年月を経て培われた寺脇の所作のひとつひとつが。
急ごしらえの紛い物の自分との対比になっているように感じられて。
ひどく惨めに思えて仕方がないのだ]
また、謎かい。
私を褒めてくれているのは嬉しいのだけれど。
[やや苦笑を浮かべながら。
自分に渡されたメモをそっと皆に見える位置に置くだろう**]
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kanan
h
a miryokuteki na otoko dayone
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詐欺師 カナンは、詐欺師 カナン を投票先に選びました。
― 廊下 ―
ずいぶんと大胆なのだね、トオルは。
少しびっくりしてしまったよ。
[そっと寺脇に耳打ちされ、廊下へと呼び出される。
逸る心臓とは裏腹に、その表情は紳士めいた営業スマイルのまま。
己の内を悟られぬよう、詐欺師は必死に外面を取り繕っていた]
そりゃあ、まあ。
当然、見当はついていますとも。
[トントン、と自らの胸を差して。曖昧に微笑んだ。
恋矢の刺さった心臓は、今にも飛び出しそうなくらい鼓動が速くて。
初めての感じる淡い恋心に、気持ちの整理がついていかない。
はっきりと分かっているのは、目の前のこの初老に近い男に対して。
抗いがたいまでの魅力を感じているということ]
困ったな。女性に好かれた経験は数多あれども。
男性に好意を向けられるのは初めてだ。
[冗談めかしてすくめた肩を、寺脇が掴んだ]
……トオ、ル。
[息が詰まった。抵抗できない。壁に追いやられてしまう。
寺脇の顔が。息がかかるくらい近くにあった。
なんでも見抜いてしまいそうな、その寺脇の瞳を前にしたら。
何も隠し通すことはできないだろうと、詐欺師は悟った。
否。彼を騙し続けることへの、罪悪感に。
自分が耐えられそうもない]
私は、あなたが思っているような人ではない。
あなたと、釣り合うような人間じゃあないんです。
[ついには観念したように。
泣き笑いのような顔で、詐欺師はそう言った。
そこにあったのは上流階級の紳士ではなく。
ただ思いの丈の吐露する、惨めな若者の姿だった]
本当の私を知ったら、きっと貴方は幻滅してしまうと思うから。
……だから。私は。貴方と、恋愛をする資格なんて。
[見合いに来たというのだって嘘なんだ。
カナンという名前も、宝石商という身分も何もかも。
虚飾にまみれた自分という存在が、寺脇と釣り合うはずもなくて。
詐欺師は、言葉を詰まらせた]
へえ。そうなんだ。
[『男性に好意を向けられるのは初めて』というカナン。
その瞳が、…を見ている。
鼓動が高鳴っているのは、…も同じ。きっと、彼も。
例え矢のおかげ。まやかしの恋だとしても。美しいこの男の視線を一人占めできるなんて。どろどろとした征服欲が、胸の内に巣食う]
意外だな。君はこんなに、美しいのに。
……気が付いていないだけじゃないのか?
君に惹かれる男は、多いと思うよ。
[君自身だって。
どんな目的であれ、人を惹き付けることを快楽としていたんじゃないのか?
女性陣に対するあの態度。>>0:95>>0:97
今思えば、彼に対する好意の兆しをはっきりと自覚したのは、あの時かもしれないなと、…は思う]
どうした。カナン君。
[名を呼ばれれば、こちらも。
自分で呼ぶように頼んだ、ファーストネーム。
カナンの口から発せられれば、甘い響きで…の胸を締め付けた]
君は、シートにフルネームを書いていなかったね。
……教えてくれないか。
[カナンは、苗字だろうか。名前だろうか。そういった意味で告げた、質問。
カナンはどんな受け取り方をするだろう。
偽名だとまでは、…は気付かない。
聖書での『約束の地』という意味のその言葉が、名付けにはあまり用いられないということだけは、分かる]
資格、なんて。
君は随分と色気のないことを言うんだね。
[泣き笑いの顔で、辛そうにしているカナン。
眉間によるその皺さえも、愛おしく、美しく見える。
彼の手を、そっと取る。抵抗されなければ、そのまま…の胸に]
……ほら。
[せわしなく、動きを速めている心臓。
君を見て、こうなっている。生きている、ここで。
圧倒的に君より先の短い心臓が、血液が。…の体に、巡る]
おじさんでも。こんな風になるんだよ。
君ほどこの先長くない私への慰めとして、恋愛ごっこに付き合ってくれ。
[荒れて、ごつごつと骨ばったカナンの手。
どうしてとか、なんでとか。そういった無粋な問いはしないし、頭にも浮かばない。
爪の脇にめくれ上がったささくれが、愛おしい。
…の乾いた唇で、そっと口付けようと*]
[指への口付けが許されたなら。
慈しむように、そっと。
唇を離し、壁に押し付けるようにしていた手も離し。カナンから、距離をとる]
ここでは、ゆっくりできないから。
二人で、出ないか?
[ちらりと、応接間への扉を一瞥。
中にいる、若い人々は、謎に酒にと盛り上がっていることだろう。声が微かに聞こえる。
せっかく主催者が用意してくれた、謎。酒。料理。
でも、今は。
もっと静かなところで、君と。ふたりで]
……フルネーム。
[寺脇の言葉を、鸚鵡返しのように繰り返す。
ずきん、と胸が痛んだ。「カナン君」と自分を呼ぶその声が愛しくて。
だからこそ、その甘い囁きで。
本当の自分の名を呼んでほしいと願った。
詐欺師は、詐欺師であることを。やめた]
嘘なんだ、全部。
カナンなんて人間は、いないんだ。トオル。
[どうなっても構わない、と思った。
自分が薄汚い人間だということを晒すことへの抵抗感が。
詐欺師の声を小さく震わせる]
……あ。
[そっと手を握られて。彼の心臓の鼓動を感じた。
寺脇の温もりが。鼓動が。じんわりと胸の内に広がっていく。
繊細な指だなと思った。年月を重ね、皺を刻んだ寺脇の掌。
育ちの悪い、ごつごつとした自分の手とは明らかに違う。
その美しい指先が自分の手を掴んでいるという事実が。
詐欺師の顔を熱くさせた]
[恋愛ごっこ。寺脇の口から出た言葉に、チリと胸が痛んだ。
ごっこ。ニセモノ。
それじゃあ今まで自分と。まったく同じではないか]
……ごっこ、じゃ。嫌だ。
トオル、私の。本当の名前は―――
[言いかけた言葉は、寺脇の唇によって塞がれてしまう。
驚きに碧眼を大きく見開いて、その永遠とも思える時間を過ごした。
つ、と唾液が細い糸を引いて。寺脇の顔が離れる。
たぶんその時の自分は。まるで初恋をする少女のように。
初心で、間抜けで、呆けた顔をしていたように思う]
ふたり、で。
[逆らうことを知らない赤子のように。
寺脇の言葉に、こくりと頷いた]
[指へのキスのつもりが、カナンがあまりに可愛い顔をするものだから。
思わず、彼の唇へと口を寄せていた。
目を閉じて、柔らかい感触を唇だけで感じる。
決して深くはならない、優しい接吻。けれど、長く、永遠に届きそうな繋がりだった]
随分可愛いことを言ってくれるんだね。
[『ごっこじゃ嫌だ』なんて言われたら。堪えきれなかった。
知命を迎える自分の中に、こんなにも若い衝動が残っているなんて、思いもしなかった。
今度は優しく、指へのキスを落とし。少女のように頬を赤らめる彼を見つめた]
嘘だとは思わなかったけれど。咎めたりはしないよ。
君は素直に話してくれたからね。
よく、頑張ったね。
[手に取った、荒れた手を見て。彼を湛えたくなった。
そのまま体を離して。改めて、問う]
君の、本当の名前は?言ってごらん。
[それを聞いたら。二人きりになれる場所へ、行こう]
……はは。
メレディス、キミは口が達者だね。
[さりげなくプレゼントをねだるメレディス>>41に。
はぐらかすような苦笑を浮かべて。詐欺師は思案を巡らせる。
聡い子だ。甘え上手でもある。人の懐に飛び込むのが上手い。
こういう場でなければ、仕事の「相棒」にスカウトしたいくらいだ。
愛嬌や、度胸、そして観察力。
詐欺師に必要な才能は多々あるが。
なるほど、目の前のこの学生は。
それを持ち合わせているのかもしれない]
残念ながら、綺麗な女性相手を相手にした商売でね。
[ひょいと冗談めかして肩をすくめる。
フェイクの宝石を渡したところで、何かを勘付かれても拙い。
学生相手に媚びを売っても、金には結びつかない。
危険な橋は渡らないに限るのだ]
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