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冒険者 シェットラントは、闇を綴りしもの を投票先に選びました。
◇2dイベント
[頭の中に妖艶な声が届く。]
「 おやおや、このままではおまえはいいようにされてしまうよ。
少しの間、私に身体を貸してごらん。状況を打開してあげよう。 」
[いいように。この、腕のなかで脳裏に響く声に怯え小さく頭を抱えている少女が?あり得なかった。
突然頭に響いてきたとろりと甘く滴るような声よりも、目の前の子供のように怯える少女を信じたい。
甘言のようでいて、真意は別のところにあるような…そんな気持ち悪さに知らず顔を顰めていた。]
ふ……ざ、けるな…っ!!
僕はそんな言葉にはのらない!穢らわしい魔のものになど、体を明け渡すつもりはない!
[ぎり、奥歯がなる。そして、虚空へと顔をあげ大きく叫んでいた。否、と。]
「 強情な心よ。 いつまで続くか楽しみだ。 」
[本性を現した邪悪な霊が力づくであなたの身体を奪おうと仕掛けてくる。
抵抗し続けるならば、やがて悪霊は諦めて去るだろう。
もし抵抗虚しく乗っ取られてしまったなら、悪霊はあなたの身体を操って、放埒に振る舞う。
あなたが力を振り絞って追い出すか、あなたの身体で遊ぶのに飽きてしまうまで。
(このルートなら憑依ロールをどうぞ)]
シュテラ、落ち着け、シュテラ…!
[声をかけても、戸惑う少女は弱々しく暴れ続ける。それと同じく、風の嵐もまた、止むことを知らなかった。周囲で鳴り続けるゴウゴウとあう風の音に声もかき消されそうなほどだ。
不意に怯える少女に訝しげな表情を浮かべるものの、守るように抱く力を強める。
だが、自らにも聞こえてきた声に、男もまた虚空に向かって叫んでいた。]
ふ……ざ、けるな…っ!!
僕はそんな言葉にはのらない!穢らわしい魔のものになど、体を明け渡すつもりはない!
…………っ?!
[叫んだ言葉は、少女にはどう届いていたか。だが、視線は明らかに少女以外に向けられていた。
答え終えると共に再び聞こえてきた声にびくり、体を揺らす。
瞳は揺れ、片手で顔を覆い、俯いた。体を奪おうと間断なく襲いかかる得たいの知れないものに全力で抗う。]
や、め………っ!ぐ…っ!
シュ、テラ………っ、にげ…………!
[もし、負けてしまえば。一体どうなるのか予想もつかなかった。必死で抵抗しながら、せめて少女は逃がそうと声を絞りだし促していた。]
[邪霊の支配せんとする力に、必死で抵抗していた。それは、少女の自らを呼ぶ声が届かないほどに。荒い息を吐きながら、何とか少女へと向けた忠告はあっさりと拒否されてしまった。
眉根を寄せながら、しかし共にここから出るのだろうと言われてしまってはそれ以上逃げるように言い募ることは出来なかった。]
だが………このままここにいるわけにもいかない、だろう……
[邪霊は諦めたのか。支配しようと暴れる力は徐々に弱まり、話す余裕が出てきた。
渾身の力で抵抗したせいか、わずかに汗が滲む。ため息と共に髪をかきあげ、少女にされるままに抱き締められていた。]
シュテラ…、もう大丈夫だ。
[いつのまにか荒れ狂う風も収まり、相手にかけてもらった風の魔法のみが残っていた。少女もまた誘惑を退けたのか。
緩慢なしぐさで相手をみやる。]
シュテラ…?
[未だ力が込められたままの腕に、問うような声音で名前を呼ぶ。
小さな詠唱と共に新たな風が体を撫でれば、煙るような血の匂いはこびりついた血と共に風に散っていった。]
ああ、心配するな。少々…疲れただけだ。
たしかに瘴気は強いが…、いつまでも飛び続けているわけにはいかないだろう。魔力がつきれば本当に動けなくなるぞ。
………シュテラ。お前だけなら、あの結界は破るなり通過するなりできるのか…?
[本意は告げないまま、可能かどうかだけを問う。正直、内面での邪霊との攻防で精神的にかなり疲労し魔法を使うだけの集中力などつきかけている状態だった。
このままでは共倒れ必至。ならば、とあまりまとまらない頭で考え始めていた。
相手の笑みは、男を安心させていた。それゆえ、少女を護る風がいつの間にかなくなっていることも気付かず。]
………いいのか?
僕は…、お前の意思に関係なく無理矢理契約したのに。
[もちろん、相手が対等な関係を望んでいることは先のやり取りでわかっていた。それでも。
怪しげな道具まで使って少女を繋ぎ止めようとした自分のそばに、まだいてくれるのかと思えば知らず小さな笑みが浮かんでいた。
忘れてほしい、そんな言葉に首を振り]
駄目だ。僕は…お前に側にいてほしい。首輪がなくなった今、それでも契約して側にいてくれるのなら……。
いや、契約、してくれ…シュテラ…。
[気だるい体で相手を見つめ告げる。命令でなく、懇願という形で告げるのはもしかしたらはじめてのことかもしれない。
魔力が溢れていると聞けば、納得。それでも、少女の回復はまだ済んでおらず、自分のそれを分け与えることもできない。
自らを包む風を維持することで、回復を妨げているのだろうと思えば自己嫌悪で表情は苦いものとなった。]
いや…お前はお前が最善だと思う選択をしたんたろう。
それに…僕だけが助かっても意味はない。だから、それでいい。
[相手が姿なき声から何を言われたかはわからない。だがそれはきっと、自分に囁かれたあの甘言と同じようなものなのだろう、と。そうであるならば、助けると言った言葉も本当であるかどうかすら怪しいのだ。きっと、少女の選択は正しかった。
そう信じ、告げていた。]
さっき、契約し直すといったじゃないか…。
僕は…、初めてお前を見たとき、とても綺麗だと思った。
お前は力を使いきり、倒れてから僕が通りかかったと思っているが、実際は違う。
ほぼ暴走が終わりかけてはいたが、倒れる前に居合わせていた。
風を操り、敵を切り刻む姿は…
汚れていたあのときでさえ、綺麗だと思ったんだ。
あんな風に、道具を使ってでも側にいてほしいと思ったのは初めてだった。
これから先も、たぶんない。
おまえだけだ、シュテラ…。
[元々女は苦手だった。それでも何故か相手を初めて見たときから綺麗だと思い、どうしても側て見ていたいとおもったのだ。
従属に失敗し、今度は自分が切り刻まれることになろうとも本望だとすら思った。
これ以上の想いなど、おそらくない。もしも、まだ側にいたいと少しでも思ってくれるのなら。
今度は自分が従属してもいい。それも本音だった。
それゆえ、拒否されたことに強い胸の痛みを覚え。思わず、目を閉じてしまっていた。]
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