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……オレが昔、軍にいたのは知ってんだろ。
その時もな?お前らほど大々的じゃねぇが、自分たちのいいたいことを言うヤツってのはいてやっぱり治安を乱すって理由で軍と衝突することもあった。
そんなことを繰り返してるうちにな、段々自分のやってることは自分のやりてぇことかってわかんなくなっちまったんだよな。
そんで軍を離れてこっちに来て……。
で、たまたまここの軍学の教員が欠員で探してるって噂を聞いて学館に来てみてさ。
ちょうどお前の親父さんがここの館長になったばっかの時だ。
そん時自分の考えてることとか、親父さんに話してな。
そしたら、戦い方を教える代わりに、オレもここで色々学べばいいって言われてさ。
だからまぁ……ちょっとした恩もあるんだよ。
いつもお前らに言ってることと、矛盾してるなんざわかってるけどよ。
オレは……わかった上でお前らと戦いたいって思ってる。
馬鹿力しか頼りになんねぇかもしれねぇけどな。
― ベルサリス学館 ―
はっ……?
ば、馬鹿、何言ってんだ。
こっちが照れんだろうがよ。
あー。いや。気持ちは受け取っとくけどな。
[クロードが今の話を聞いてどう思った>>177かわかるはずもなく。
思いもよらなかった言葉を口にされると狼狽えてしまうが]
馬鹿か!
[拳は飛ばさなかったものの、声を荒らげてしまった]
お前は大将だろ?
その大将が確信をもたないまま行動してどうする。
オレがもし断ってたら、自分は間違ってるかもと思いながら戦ってたのか?
そうじゃなくて自分がそれが正しいと思うなら、オレがどうしようとそれをしっかり貫け。
ったく本当に世話の焼けるヤツだな……。
[そういいながらも、下げた頭をぽんぽんと叩く]
[そうしてクロードの計画を確認すると]
んじゃ、オレは海から出て人集めをするか、襲撃を掛けるほうにまわるか……。
どっちの人手が足りない?
[そう尋ねた**]
― ベルサリス学館・クロードと ―
そりゃ、お前とガートルートが怒られるようなことばっかするからだろうが。
全くハゲなんて張り紙を背中に貼られた時にゃ、ホント腸が煮えくり返ったぜ。
[事が発覚したあと二人を追いかけまわしたのも、今となっては懐かしい思い出だ]
ま、オレを見習うってこたぁいい心がけだ。
こんないい先生をもったことをお天道様に感謝しろよ?
[いつものように戯言を言って豪快に笑う。
そうしながらクロードの顔を見て直感で思う。
コイツは大丈夫だ――と]
お前なぁ……顔のことは言うなよ。
[さすがに顔のことは否定出来ないのか反論もせずに]
おう、襲撃のほうだな。
人が増えりゃそんだけ物資もいる。
ならば狙うのは軍の工廠……だな。
オレに任せとけ。
早速、準備してくるぜ。
[そう告げるとその場を離れ、襲撃の準備をはじめる*]
― シュビト ―
[クロードと別れた後、襲撃隊と合流し、目的地及び、武装の確認、それから物資を運ぶ荷車とそれを隠す為の大きな布の手配、等の打ち合わせをする。
街を出るまでは各自バラバラに、荷車を運ぶ係のものは農民を装い近くまでの農園まで収穫をするという名目で出ることにした。
さきほどの襲撃で王府の人間が紛れ込んだ場合、また近くまでやってきているという王府の本隊を警戒してのことだった]
[さすがに今度は自分も丸腰というわけにはいかない。
軍時代に給料を貯めて自分のために買った愛用の剣を持ち出す。
そうして自らも街の裏手の門から抜けだした]
……すまんな。お前ともう酒は呑めそうにないな。
[子供が生まれたら祝杯を>>211
そう言葉を交わしたのが、今では嘘のようだった]
[街を出て暫くして、もうすぐ工廠に着くという頃。
襲撃隊は辺りを注意深く確認しながら再合流をする。
そこでもう一度簡単に作戦事項を伝える]
いいか。こういう工廠にはすぐに武器を出せるように、工廠の側にも通用口がある。
ここが街の表だとしたら、ぐるっとまわって……ここだ。
[地面にさらっと見取り図を書きながら、かつて訪れたことのある場所の説明をする]
で……あれから配置が変わってなけりゃ、ここが武器、そんでここに他の物資がある。
オレたちの目指す場所はそこだ。
当然、軍の施設だから見張りはある。
そいつらはオレが殴って眠らせる。
それから様子を窺って、オレが合図を出したら突入だ。
それまでお前らは、ここらへんで身を隠して待機だ。
思ったより警備がやばそうなら、少し様子を窺おう。
[だが工廠につくとどうも様子がおかしい。
工廠に潜入したが、明らかに人数が少ない]
ちっ……
[敵の目をかいくぐりながらようやく武器保管庫までたどり着くが、そこはすでにもぬけの殻で、まるで襲撃を予測していたようだ。
襲い掛かってきた残った兵を剣の柄で打ち付けて、事情を聞くとどうやら先走ってゲリラ攻撃をしたものがいたようだ]
何やってんだ。馬鹿が……。
[十分な準備も出来ずに、ただ攻撃だけ仕掛けたと判断せざるを得ない味方の失態に思わずため息をつく。
首を振って工廠を抜けると]
作戦は失敗だ。
仕方ねぇ、とりあえずシュビトに戻るぞ。
[そう襲撃隊に告げた]
[事情を聞き出した兵は、武器を何処に運んだのかは口を割らなかった。
だが、たとえ聞き出せたとしてもそれ以上の深追いはしなかっただろう。
なにせこちらは所詮は数十人にも満たない集団。
北へ運ばれようとする物資に手を出せるわけがない。
むざむざ敵地に乗り込むようなものだからだ。
殴られて情報を聞いた兵には、申し訳ないがもう一度寝てもらって工廠の外に運び出して木に括りつけておく。
情報が伝わる時間をなるべく遅くするためだ。
心配しなくとも、起きればそのうち自力で脱出するだろう]
[シュビトへ戻る道。
同じく外に出ていた同士に出くわすと、新たな兵がシュビトに向かっているとの報告を受けた]
そうか……。
その報告、クロードかガートルートには、いってんのか?
[尋ねたが、彼らに伝わっているかどうかはわからないようだった]
ん。
アイツらのことだ。心配しなくていいたぁ思うが。
急ぐにこしたこたぁねぇな。
[工廠襲撃隊はシュビトに戻る歩を早めた]
[やがて連絡員の告げた部隊が目前に見えてくる>>321
どうやら敵の数は数十名といったところ
ここで叩いておくには悪くない人数だ。
狙いを彼らにきりかえ]
お前は、学館に戻って連絡を。
[合流した連絡員にそう告げて、それから前方の一団に向けて]
待て。ここから先にはいかせねーぞ。
[凄みのある声で呼びかけた]
― 自室(回想)―
……そうか。
大事なモンだもんな。
[シロウの言葉>>213は間違いがない。
確かにこの国は今までも問題がなかったにせよ、概ね安定している。
その安定を壊したくないという心理自体には頷ける。
だからといって自分が。
改革を求めるクロードが間違っているとも思わない。
結局のところどちらともが正しいから、こうして衝突するのだろう]
[拳をあげるシロウの姿>>214を見ると笑顔を見せて]
なんだ。しっかりと治ってんじゃねぇか。
それじゃいくらでも戻れそうじゃねーか。
[やはりシロウは根っこのところで誰かを護る意識というのが高いのかもしれないと思う。
だからこそ、利き腕の麻痺や視力の低下という不運を乗り越えて、また強くなるのだ]
[シロウの質問に答えないことこそが、答えになったのか。
自分が学生たちにどんな思いを抱いているか。
シロウほど長い付き合いなら察していてもおかしくはない]
……そうだな。オレもそう願いたいぜ。
[これ以上戦うなと言うことは、シロウの人生を否定することに繋がるのではと感じたから、その言葉は飲み込んで、同じように呟いた]
ん。なんも大したこたぁしてねぇけどな。
そっちの子も。気をつけろよー。
[子供に手を振り返しながら、部屋を出てゆく彼らを見送って。
それからガートルートに言われたように、学館へ向かった]
ふん、そっちこそ。
相変わらず有能で味方の時は頼もしいと思ったけどよ。
敵にまわすとこれほど面倒なヤツはいねぇ。
[敵を前にして、漏れるのは賞賛の言葉。
この男ならもし襲撃がなくとも、狙われることに気づいて武器を運び出すことくらいやってのけたかもしれない。なんて思った]
……お前が剣を抜かないで大事な家族のところへ戻るってんなら。
それでもよかったんだがよ。
[相手方が武器を構えるのであれば、そうもいかないだろう。
すっと手をあげると、襲撃隊の面々も武器を構えた]
[重数名の槍兵が動いたのを見て取ると]
全員少し下がれ!
[そう命令をして隊を僅かに後退させる。
そして敵との距離が近づくと]
よし、掛かれ!
[再び号令を出すと、隊全員が再び間合いを縮めて槍兵達に向かう。
隊にはどこからかかき集めてたであろう剣を、大事な任務だからといって支給させていた]
[後ろで指揮をとっていただけあって、敵の動きはよく見える。
高台に走る兵を見れば、恐らく弓兵だと悟って]
弓、来るぞ!
乱戦に持ち込め!
[乱戦になって敵味方入り乱れれば、誤って味方を撃つ可能性もある。高台を押さえる人数を出せない以上、こちらのほうが敵の攻撃を封じ込める効果が出るのではと思った。
とシロウが突っ込んでくる。
それを剣で押さえる。
重たい一撃を力でなんとか封じ込めると、そのまま腕を狙って剣先を突き出した]
[シロウとは何度も模擬演習をしたものだった。
――思えばシロウに限らず、アレクシスや、ガートルート。
いつだってどこでだって演習相手には事欠かなかった。
彼らの期待する力を発揮するために、自らもまた努力は怠っていなかった。
だから自分の力は衰えなかったのだ]
[だがそれが却って仇となったのか。
自分でも予想していなかったほどに、剣先はずぶりとシロウの腕に食い込み。
それが故に、シロウの次の一撃の対応は遅れる。
首元目掛けて迫り来る切っ先を振り切ろうと、なんとか剣を引き一歩後ろに下がる。
だが全てを避けることは出来ず、首の先からは血が流れ出す]
(……はっ。ドジったな)
[致命傷なのは自分でもわかる。
だが――このままただでやられるわけにはいかない。
力を振り絞ると、剣をシロウの胸元めがけて突き出した]
[多分、これでしかこの男を倒せなかったのだろう。
命と引き換えに一瞬の油断をつくくらいしか。
だが、これほどの男の腕だ。
引き換えにするだけの価値は十分にあったと思う。
彼の身体から流れ出す血を見た瞬間に身体はあっという間に崩れ落ちる。
あたりが騒然としている。だがその音ももう聞こえなくなってゆく。
連絡員はどうなっただろうか。今頃ガートルートに届いているだろうか]
(学館に……戻れ)
[駆け寄った学生達にそう告げようとしたが、唇を動かすことももうままならない]
[クロードが実現させたいことは叶うだろうか。
もう彼の間近で叱ったりは出来ないけれど。
遠くで見守ることが出来たなら――。
男の意識は急速に失われていった**]
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