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― それから暫くして ―
っ、あの……泣いてしまってすみません……。
[大人気もなく泣き叫んでしまったせいで掠れた声で、恥ずかしそうに謝罪する。
顔が見られない。
恥ずかしそうに俯いて、服の上から十字架を掴んだ。]
[瞬きをすれば、その上に涙が一粒落ちて。
微かに、握り締めたそれが暖かく瞬いた気がした**]
神父様の力になりたかったのに……。
いつも頼ってしまってごめんなさい。
貴方にもどうか、寄りかかれる場所が見つかりますように。
[心の中で目の前の彼に話しかける。
普段よりも声が胸に響く気がした。]
[ふと、心で思ったことへの答えが聞こえた気がして。
気のせいだろう。だけど、黙っていることなど、出来なかった。]
私なんか、なんて言わないでください。
神父様は私の、大切な人なんですから……。
[家族、子どもたち、友人、神父様。
誰が欠けても駄目だった。
それくらい、掛け替えのない人たちだったから。
想像以上に柔らかい声が零れて、そっと微笑んだ。]
ローゼンハイムさんが、怪我……?
だ、大丈夫なんですか!?
[自警団員が語る言葉を現実と認めたくなかった。
しかし握り締めた拳に食い込む爪の痛みに、紛れもない事実なのだと思い知らされる。]
そ、それにフィオンさんとヴィアちゃんまで……!
[再会できた大切な妹と、絵を見せてくれる約束を交わした優しく穏やかな人。
仲良くなれたと思っていたからこそ、その名前にくらり、眩暈がした。]
どうにかならないんですか……?
わ、私が代わりに……!
[目を閉じて首を横に振る自警団員を見て、目の前が真っ暗になるような気がした**]
/*
フィオンさんは広間メモメモ。
アルビンさんとの展開がどうなるか分からないけど、とにかく広間に探しに行くのはあり得る展開。
ヴィアちゃんにも会えるかなー。タクマさんとのお邪魔はしたくないんだよね…。
でもぎゅうってしたい。女の子可愛い!
/*
皆積極的ですごいなあ。
え、私が遅すぎるのかな…ちゃ、ちゃんと恋愛する気はあるんだよ!
面倒な設定にした自覚はある!
[自警団員が告げた言葉を、アルビンは聞いていただろうか。
どちらにしろ、立ち止まってなどいられなくて、無意識の内に駆け出していた。]
わ、私、二人を探してきます……!
[アルビンは着いて来ただろうか、否か。
彼女の姿は、人が多く集まるであろう広間へと消えて行った。]
― 広間 ―
[迷子の時のように手当たり次第、部屋を訪れる訳にもいかない。
今探しているのは、特定の二人なのだから。]
あ、フィオンさんもヴィアちゃんも……!
[二人の姿を運良く見つけることができた。
しかしどうやらヴィアはタクマと歓談中のようで、話しかけることが憚られた。]
いい雰囲気……素敵な人と出会えたのかな?
[ヴィアの姿を慈愛に満ちた瞳で見つめて、そっと微笑んだ。
頑張れー、と小さく囁いて、そのまま目を逸らす。]
フィオンさん……!
[一方、彼はどのようにしていただろうか。
声をかけずにはいられなくて、ぱたぱたと駆け寄る。]
あの、お見舞いに行かされるって聞いて、それで……!
[焦れば焦る程、言葉は上手く出て来なくなった。
視線を震わせながら眉根を下げて、彼の瞳を見つめる。]
[フィオン>>95の手が頭にそっと触れる。
どうして皆、優しくしてくれるのだろう。
力になりたくて、頼って欲しくて、けれどその力がない。
頭に浮かぶのは二人の姿。涙を堪えるように、眉根を下げた。]
――もし。
[今は笑うべき時だ。
それなのに、上手く表情が作れない。
恋人がいない人にアーヴァインがどんなことをするのか、想像しただけで身体が震えた。]
もし、皆さんへの挨拶が終わって時間があったら。
約束していた絵を、見せてくださいますか?
[出来るだけ、彼に救いの道を残したくて。
一歩、距離を取る。
どうか彼に、手を繋いでくれる人ができますようにと。
――恋を引きずったままの自分では、彼の手を取る資格がなかったから。]
/*
うわあああ、何だこの状況…!
アルビンさんとフィオンさん、どちらも素敵すぎてどうすればいいかあばばばば。
しかしまだ乗り越えられていないので、今のデリカさんから恋云々はどうにもこうにも出来ないのであった。
グレちゃんとローレルさんも心配だし、タチアナさんも矢印神父様?と思いつつよく読めないしで、あわあわしている中の人でした。
[もしも、と言うフィオン>>102の声は、どこか叶わぬ願いを零しているようで、不安に胸が騒いだ。]
約束ですよ、約束!
[小指を差し出して、出来るだけ元気よく微笑む。]
あ、ヴィアちゃん!
紅茶はすごい嬉しい。
でも、ヴィアちゃんもお見舞いにいっちゃうんだよね……!
[そんな時だっただろうか。
ヴィア>>101が紅茶を持ってきた姿を見て、困ったように眉根を下げる。]
アーヴァインさんに出来るだけ近づいちゃ駄目だよ!
フィオンさん、ヴィアちゃんのこと、よろしくお願いします。
[二人の顔を交互に見て、寂しそうに微笑んだ。
大切な人が離れていく、その痛みを堪えながら。]
心の赴くままに……。
[思わず胸の中でもその言葉を呟いていた。]
神父様、貴女の本当の願いは何ですか……?
[分からない人。
きっと本人ですらも分かっていないのではないか。]
私は知りたいです。
もっともっと、貴女のことが。
[胸にかけたロザリオを握り締める。
気持ちに呼応するように、暖かく点滅したような気がした。]
― 広間 ―
ふう……。
[ヴィアとフィオンから離れると、端のソファに腰を落とした。
小さく息を吐く。]
……?
[ふと辺りをきょろきょろ見渡して、首を傾げた。
しかし目的のものは見つからなかったのか、手にもったアップルティーをゆっくりと口に含む。]
甘い……おいし。
[優しい甘さはヴィアによく似ていた。
満足そうに微笑むと、ぼんやり辺りを見渡している**]
[ふと、声が聞こえた気がして。知りたいと願った人の声が聞こえた気がして。
辺りを見渡しても、その姿はない。
それを残念だと思ってしまうのは、我が儘だろうか。]
神父、様……?
[理由はよく分からないけど、幻聴だとは思いたくなくて。
小さく、そっと呼びかけた。]
おお、私もついに野菜に手を出して……!
[肉々しかったお好み焼きを思い出しながら、端の席へと戻る。
一瞬ぴくりと耳を震わせ、少し穏やかな表情を浮かべながら、カッペリーニを口へ運んだ。]
んー、美味しい……!
[幸せを表情一杯で表現して、舌鼓を打っている。]
[確かに、確かに、彼の声が聞こえる。
知りたくてたまらない、彼の声が。]
び、吃驚しました……こんなことってあるんですね!
[平凡な人生を送ってきた身としては、不思議な事態に目を白黒させるばかりだ。
けれど彼の言葉>>@17を聞けば、不意に胸がきゅう、と締め付けられて。
この甘い痛みは何だっただろうか。よく、分からない。
唯一分かるのは――]
――私も、神父様とこうやってお話出来てすごく嬉しいです。
えへへ、日頃の行いのご褒美でしょうか!
[今分かる気持ちを、彼にまっすぐに伝えて。
照れ隠しのように、からりと笑って見せた。]
/*
フィオンさんはお忙しいのかな?
絵を見せて頂きたかったけどしょうがないかー。
そして神父様は一発ビンタでもせねばなるまい。愛しい。
[時は残酷にも進み、もうすぐ二人と離れてしまう時間がやってくる。]
寂しいな……大丈夫かな。
[喧騒の中に一人でいると、思わず弱い心が表に出て来そうになって、逃げるようにお風呂場へ向かった。]
― 露天風呂 ―
[タイミングの問題か、ちょうど誰もいなかったようで、そろりと足音を潜ませながら露天風呂へ入る。]
……ふう。
泣いちゃったし、目、腫れないといいんだけど……。
[もう若くはないから、むくみやら何やら気になってしまう。
熱いお湯で顔を洗うと、口元までお風呂に沈んだ。]
[休むという彼に頷くも、それでは伝わらないことに気づく。]
おやすみなさい、神父様。
いい夢を……。
[心からそう願って、そっとロザリオを撫でた。]
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