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もちろん、無理はしないつもりさ。
[一呼吸置いて]
……僕は軍人じゃない。戦場に立つのはさっきが初めてだった。
あの時、指揮を取っていて何度も不思議な高揚感を覚えたんだ。
もしまた、同じような高揚感に包まれた時、冷静さを保っていられるだろうかと不安だったんだけれど――君の言葉を聞いて、なんとかなりそうな気がしてきたよ。
ありがとう、もう僕は大丈夫だ。
準備を整えたら、船団を率いてカトワールに出立する。
君の方こそ体には気をつけて、充分な休息を取るようにな。
― ハールト ―
……ふう、大した情報は得られなかったか。
[捕虜の尋問を終え、少しばかりの休息をとる。
それにしても、相手が口の軽い人間でよかった。
手荒な真似は"少ししか"必要なかったから。]
魔王の腹心らしき幽鬼の男に、影と呼ばれるエルフの存在。
そして……エディ。
[カレルとは古いつきあいで、おそらく僕よりもずっとカレルのことを知っているエディが、敵の軍門に降ったなど信じがたい。
けれど、捕虜から話を聞き出せば聞き出すほど、彼で間違いないのだ。]
人質でも取られているのか、それとも……
[彼が敵側につくような理由を考えてみるが、要領を得ず。]
どちらにせよ――彼が、僕らの道を阻むのなら。
その時は、排除するだけだ。
[そう思い直して、指輪を使ってカレルと簡単な軍議をするのだった。]
[そして相談は終わり。]
副官、我々はカトワールに出陣することになった。
[大軍に対して当たる際の基本は各個撃破である。]
乗せるのは弓隊と水夫だけだ。
ただし軍船は全て使用していくぞ
[そこで、船団がカトワールを攻撃している間に、カレル率いる本隊が敵を撃破していく。それが今回の作戦だった。]
船に岩を積み込んでおけ。これは投石にも使うが、もう一つ。
あたかも大軍が乗り込んでいるかのように見せかける為だ。
[カトワールは敵軍にとって重要拠点。
兵を割かずに入られないだろう。]
出陣は明朝。この陽動部隊に参加する者は
準備を終え次第しっかり休息を取るよう伝えよ。
[もちろん、これっぽっちの戦力でカトワールを落とすのは難しいだろう。
これはあくまで陽動なのだから、それが達成できればいいのだけれど……]
(……ハールトの時のように、相手次第では落とせるかもな。)
[戦果があるに越したことはないなあと考えながら、再び各所への指示に戻った*]
― 出陣前 ―
……噂?
[出発前に斥候から、義勇軍が民衆を射殺した噂についての報告が寄せられる。
なるほど目撃者がいたのか。もう少しちゃんと確認して始末しておくべきだった。
これ以上噂が広がる前に、その生き証人とやらを消すべきか。]
いや、待てよ?
[一度広まった噂を消すのは難しい。
それなら、その生き証人を逆に利用してやろう。]
斥候、その生き証人の後を追え。
そしてこれを持っていけ。
[渡したのは魔軍の人間がつけていた武具と、いくらかの金。]
その人間には手を出さず泳がせておけ。
そして、魔軍のフリをしてこの金を与えてやれ。いいな?
[確かに目撃者を始末しそこねたのは失策だった。
しかし、ただでは転ばない。]
他は斥候のついでに、その男は魔軍から金をもらっている、という風聞を流しておけ。
[これで全ての噂が静まるとは思えないが、それはそれで構わない。
必要なのは、敵に情報戦をするつもりがあるのかどうか。
そして、その目撃者をどう処理するか。その情報が欲しい。]
[僕の推測で言えば、魔軍は苛烈でありながら常に筋が通っている。
効率と結果を重視し、場合によっては味方の犠牲すら厭わない。
そんな魔軍の取る戦術には、個人的に尊敬と共感すら覚える。]
だからこそ、相手の手の内を探る必要がある……。
[その一端にでもなればいい、と思った。]
― 出陣の時 ―
全軍、準備は出来たな?
[自分は旗艦に乗り込み、号令をかける。]
カトワールでの戦いは今までのような海上戦ではない。
おそらく河川上での戦いになることが予想される。
前回と勝手が違う分、操舵には特に注意せよ。
――それでは、出陣!
[大船団に見立てた陽動部隊が、ハールトを発った*]
/*
おっ!魔王さまこっちになにか仕掛けてくるー?
実は次の作戦、陽動部隊は負けようと思ってるからいろいろ仕掛けてきていいのよ!!!
ほら、ベネディクトくんも一回くらい大敗を経験しておいたほうがいいかなって。
― カトワールへ向かう途中・船上 ―
[移動途中であっても様々な事務仕事は舞い込んでくる。
物資の差配といった仕事から部隊の指揮まで、ベルガー島からずっと働き詰め。さすがに疲労を感じてしまい、甲板に出て休息を取っていた。]
……そういえば、船に乗ってどれくらい経つだろう。
[思い返せば、ここ最近はずっと船の上に居る気がする。
ベルガーで船団を率いた後、ハールトに滞在したのは僅かな時間で、いま再びこうして船に乗っている。
職業柄、船での移動は慣れているとはいえ、これほど長い期間乗っているのは初経験だ。]
そもそも職業で言えば、僕は軍人じゃないんだけどね……。
[時々忘れそうになるけれど、僕の本職は商人だ。
今は商会の方を弟に任せているけれど、この戦争が終わり次第、再び商人として復帰することになるだろうか。]
……いや、待てよ?
宮仕えというのも悪くはないか。
[軍人はともかく官僚ならば性に合っている気もしないでもない。
それに、カレルの近くにもいられる。]
いっそのこと、宰相にでもしてもらおうかな。
[これはいくらなんでも冗談だったが。
戦後処理のことまで考えれば、まだまだ商人に戻れそうもない。]
っと、さすがに気が早過ぎるな。
まずは目の前の戦争に勝利することを考えなくては。
[休息らしからぬ休息を終えると、再び船室へ戻っていった*]
/*
死亡フラグ……ではありません、あしからず。
ところでこの世界の船って帆船だよね?ガレー船じゃないよね?
とすると、どうやって橋を通行するんだろう…相当高い橋なのかな?まさか可動式でもあるまいし。
あれか、こまけぇこたぁいいんだよ!って奴かな?
― 河口 ―
[海から河口に入り、橋を通ってカトワールを目指す。
ここの河幅は、二隻くらいなら横並びになれるほどだろうか。]
後方の船に、速度を落として単縦陣形をとるよう合図しろ。
先頭が嚮導するのに従って慎重に通行せよ、ともな。
[座礁しないよう、端に衝突せぬよう慎重に航行する。
ただでさえ岩を積んで重量を上げているのだから、浅い所に行けば竜骨が削れかねない。
それに、船の側面に施している金属の細工のこともある。]
小回りの効く船でもあればよかったのだが、な。
[橋まではもう少しだ*]
/*
あっ、いいこと思いついたんよ。
この戦闘は今日中には終わらないだろうし、負け戦なところをメンターおばあちゃんに助けてもらえばいいんじゃないかな!?メンター落ちる理由付けできないかな!?
― グランツェルツ橋 ―
[先頭にいるのは自分の乗っている船。
その後方に距離をとって何隻かの船が続く。]
橋が見えてきたか……。
[こちらの動きは既に敵に知られているはず。
となれば、そろそろ攻撃を受けてもおかしくはところだ。]
全兵、警戒態勢に移れ。
それと見張りの人数を増やしておけよ。
[そのまま、ゆっくりと橋へと進んでゆく。]
……水位が普段より高いだと?
[それは、このあたりの地理に詳しい兵士からもたらされた報告。
これは一体どういうことだろう。なにか、嫌な予感が――]
――ッ!? どうした、座礁か!?
[突然、船底に何かがぶつかったような衝撃。]
後方の船に足を止めるよう合図を出せ!
それと急いで状況の確認に…
…いや、全兵、周囲の状況に気を配れ!
[まさか、敵の策か?*]
全員、楯に隠れろ――!
[突如、こちらへ向かて飛んでくる矢雨に驚きながらも、船に備え付けの壁楯に隠れ斉射をやり過ごそうとする。]
くそっ、奇襲か……忌々しい!
[この斉射で射殺された兵士の数は確認していないが、きっと少なくはないだろう。
そうしているうちに矢の雨が止み、係留索が投げかけられウルフライダーが飛び込んでくるのが見える。]
[左側から飛んできた係留索の幾つかは弾き落とされた様子。
火矢を防ぐためにと思って取り付けた金属板が、ずいぶん思わぬところで役に立ったようだ。
それでも、かなりの数の狼が切り込んでくる。]
接近戦に持ち込むか!
だが丁度いい、それなら弓は使えまい。
総員、抜剣――!
[敵の位置も数も不明だが、後方のまだ被害を受けていない船に敵の潜んでいそうな場所へ向けて射撃をするよう伝えたい。
しかし――]
突然のことで指揮系統が乱れてるか……!
[後方を撹乱しているチャリオットのせいもあり、まともに指示を出せる状況では無さそうだ。]
[それでも弓隊の多くは鍛錬を積んだ兵。各自で柔軟な対応をしてくれるだろうし、いずれ混乱も収まれば指揮系統も回復する筈。]
……今は、目の前の攻撃を耐えるしかないな!
[クロスボウを構え、自分も戦う。
王城へと突入してから二年、僕だって自分自身を鍛えなかった訳じゃない。]
――エディ、なぜそこにいる!
お前にとって、カレルは光ではなかったのか!
[それでも再び言葉をぶつける。
得意とする交渉でも何でも無く、ただただ疑問だけを。]
カレル、報告だ。
現在、グランツェルツ橋の所で敵の奇襲を受けている。
今は指揮が混乱はしているものの、次第に落ち着くだろう。
作戦自体にはそれほど影響もなさそうだ。
ただ――
[一瞬、言い淀んだけれど。]
――敵の奇襲部隊の指揮官は、エディだった。
直接この目で見た、間違いはない。
/*
ところで、エディは最終的に再び王子の部下に戻るのか。
それとも改心?するけど死ぬのか、ただ敵として死んでいくのか。
どれなんだろう?戻るのであれば交渉したい。
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