情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
― 書庫へ ―
[黒衣が風をはらんで翻り、硝子の天蓋の許から消える。
後には滑るように飛ぶ鳥が一羽]
[声は途切れたが、恐らくアイリスは書庫だろう。
城館の内に、他に異変がないか視線を遣りながら
蔵書の保護のためだろう、厚い扉に手を掛けた]
……ッ
[金属製のドアノブが異様に冷たい。>>390
室内の温度を想起させた。
もう制御出来ていないのか――!]
アイリス。
[躊躇は無い。
扉を引き開ければ、ぶわりと強い冷気が頬を叩く]
― 現在 ―
コンラート、状況は見えているね。
彼をお願い。それと……君自身の事も。
[友人の身に何かあったら、後で苦情を入れよう。
――友人本人にだが。]
― 回想 ―
[まだ外見どおりの幼さを残したエレオノーレに、ほろ苦く微笑し、血親はいない、と答えた。]
多分、死んだんだと思う。はっきりは憶えていないけれどね。
人が目の前で燃えるイメージがあるんだ。
それが僕の血親じゃないかな。
[穴だらけの記憶の、おそらくは最初の欠落を、コンラートはそんな風に語った。
その当時で既に数百年以上は生きていた。
何もかもが自分のものでない宛がわれた家で、性愛の代償に与えられる庇護だけでは満たされない何かを埋めるように、少年を愛しんだ。
火傷が癒えたエレオノーレが去る時には、翼を傷めて保護した小鳥が飛び立つを眺めるような気持ちになったものだ。]
彼のことは心配しなくていい。
僕が何とかするから。
[自分のことは一言も言わず]
いわずもがなだけど、
ディークがいつか彼女に会えるよう、彼女を守ってやって。
[恐らくは自分と同じ危機に遭遇しているであろう古い友人に、励ましともつかない短い返答を返した。]
[薄らと透ける白色に染められた部屋。
キリキリと引き絞られたような空気。
切れぎれの声>>400]
そうだね。
[霜の上にひとつめの足跡を刻み]
では、先に君の話を聞こうかな。
― 回想 ―
[血親は死んでしまったのだろうと聞いて、幼い吸血鬼は
今よりは多少素直に消沈して見せた。
つまり、コンラートは助けてくれる者を喪ったのだ。
ならば、一緒に自分の血族の所に行こう、と誘った事もある。
もっとも、それを血親に念話で嘆願してみれば、
青年の来し方を理由に、ならぬと禁じられたのだが。
今は有限の交流と知ってから一層、別離の時間まで
エレオノーレはコンラートに情を向けた。]
……また会おうね。
[癒えて飛び立つ月夜は未だ少し名残惜しく、頬に親愛の印*]
……そう。
[幾度も染み込まされるように、彼女から聞いた言葉だ。>>405
耳に届き、胸に至り、呑み込むまでの間があった。]
続きを聞こう。
[二歩と三歩、書架の間に踏み入る]
正面から衝突すれば、そうだね。
[事実として応じた。>>409
小さな破裂音は、微細な水分が凝固し罅割れる音か。
書庫の奥行きを半分以上潜った。
後はほんの数歩で手が届く]
[己の口を差し挟む事も、出来なくはない。
だが、彼女の抵抗の時間が延びる事で、
削がれるのは彼女自身だ]
……言ったよ。
[差し出したものは全て己が望んだ事だ。>>412
言葉、心、掌、時間のすべて]
[がくりと糸が切れる娘の身に、
最後の一歩とともに右手を伸ばす。]
だとしても、
[黙って甘えたままでは嫌だと聴いたから、
共にいる時間を幸せだと言ってくれたから]
――君にこれ以上喪わせることはない。
/*
ヤンデレ顔に中の人歓喜
やっぱり村内で色々な顔見たいよね!
とか言いつつ(真顔)とか(目閉じ)とかしか使ってないg
*/
[首筋に咬牙の刺す痛み、溢れる鮮朱
歯噛みする一瞬、両手を拳にして握り締めれば、
自らの掌に爪が食い込み、血が滲む。>>426
血親による強制力は、抗えば子を砕く程に辛辣だ。
初めて会った夜から、彼女はそれに逆らえなかった]
愛しいアイリス――
[子猫のように甘く、蠱毒のように深い]
ッ―― あ、ぅ
[一度ならず繰り返して噛み破る牙は、
やがてぶちぶちと首筋の膚と肉の傷を拡げる。>>432
一際多くの血潮が溢れると同時]
さあ、……これ以上は、っ
[ジャラ、と摩擦音を立てて、両掌から蛇が踊る。
縋る娘の腕を絡め取り、引き離す為に]
自分で糧を摂れるようになったね……良い子だ。
[黒衣の襟に血を染み込ませながら、口端を引き上げる>>441]
……さあ、アイリス。 頃合いだね。
狩りのレッスンを始めようか。
[この身を餌に、己を勝ち得る為に]
[蛇はすぐに緩む、代わりに床を蹴って飛び退る。]
君はもう一度僕を捕えて血を吸えれば勝ち、
その前に取り押さえられれば僕の勝ちだ。
どう?
/*
くっそおおおおおお噛んでくれたからバトれるヒャッハー
と思ってたら駄目だったオチ
と言うかこの展開だと、
>>451が凄い空気読まな過ぎる発言だから削除したい
したい
*/
[鮮血を晒して臥すアイリスに歩み寄り、
その横に膝をついた。>>455]
……君にとっては、これが最後か。
[評議会からの密命にある以上、ここでの養い子の死は
養育の失敗を意味するだとか、結局己の存在は
死を引き留める何者にもなれなかったのだとか
そんな事はどうだって良い]
……申し訳ないけれど、
[ぞろりと傷口に這い上る血織りの蛇]
もう少し生きて貰うよ。
[僕の都合で。説得も何もなく]
[傷口に到達した蛇――血の鞭は、胸の刃に絡む。
そして、青白い魔力の氷を引き抜くと、
代わりに先端を織り直し、傷口に食い込んで塞いだ]
……バランの心臓を追うには、
他に手掛かりを求める必要があるが。
[娘から目を離す訳にも行くまい。
執行人を始め、他の血族に任せる事になりそうだった*]
……ごめんね、マスター。
咄嗟にこれしか、思いつかなかったの。
ごめん、…さ、い。
……僕は良いけど、コンラートとディークには謝りなね。
[理由はどうあれ、アイリスの身を案じた友人と、
本来彼女を守るべき任の男に]
……あ、そうそう、
ディークは大分回復してきたそうだよ、
コンラートが教えてくれた。
いずれ君とも会えるようになるから、もう少し待ってって。
[腕を背の下に差し入れ、傷を刺激に配慮しながら
娘の体を抱き上げる。>>479
震える唇にひとつ瞬きをして]
……動かないでね。傷に障るよ。
[混ざった血の量は体内の総量と比べるべくもないし、
口にしたものがすぐに体を巡る訳でもない。
これ以上、血親が彼女に強制力を持って働くようなら
本格的に無力化する手段を講じる事になる]
[ともあれ、傷付いた体を寒さから遠ざけた方が
今は良いだろう。]
[エレオノーレからの質問に対し、評議会からの回答は簡潔なものだった。]
心配無用。
仔細構わず、指示を遵守せよ。
[それは、なんらかの裏事情があると推測可能な対応であった。
例えば、君自身が容疑者のひとりであるとか、
あるいは、評議会中枢に容疑者がいるとか。]
[コンラート。ディークの血親の名。
騒乱の夜に垣間見て以来、言葉を交わすことのなかったその人。
何故ディークと並び挙げられたのかは解らなかったが、
微かに瞼を動かす]
……、
[二君に仕えぬだろう彼に、無用な混乱を引き起こしたくはないと
遠巻きに窺うだけで今日まで避けてきた。
彼は、今。――どうしているのだろう。
思考は途絶え、反響する思念と血の消耗が、昏い眠りを齎す*]
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新