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[先ほどはヤコブに絶句して言い返せなかったが、ふと思いついた言葉を返した。]
僕はいいんだよ!だってヤコブに不意打ちするのが好きだからな。
それにヤコブを慌てさせると可愛いしー。
[さらっと囁くと、フヒヒといたずらっ子みたいに笑った。]
風花の農夫 ヤコブは、風花の青年 ヨアヒム を投票先に選びました。
[賑やかな話声に耳を傾けながら。
野菜のスープをマグに入れて貰い、両手を温めながら飲む。]
やっぱりマシュマロばかりだと喉が渇くね。
食事はこういうのがいいや。
[温かさにほっと息を吐いて、もう一口飲もうとした時。]
……ヨアヒムはもう。
確かにさ、僕が居ないとあっという間に雪に埋もれて遭難して死んじゃいそうだけど。
[冗談めかして照れ隠しをする。
その服装はいつの間にか 軍服 に変わっていた。]
え?パメラ?
[誰かが呼んだ名にはっと顔を上げる。
パメラと呼ばれたシスターの服を着ていたので別人かと
聞こえてきた声は確かに彼女のもので、何故か胸がいっぱいになって視界が潤んだ。]
……あ、あれ?
[滲んだ涙を拭おうとして、異変に気がついた。
きっちりと締めた深緋のネクタイに灰色のシャツ。
その上には追っている黒いスーツは、図書館の資料で見たことあるような何処からどう見ても軍服だ。]
なにこれ?
[周りを見渡せば、皆の服装もいつの間にか変わっているようだった。]
なんか。
ヨアヒム以外もややこしいな。
[普段のように、こわいという感情は浮かばなかった。
こういうもんなんだと納得をすると、やがて始めるもう一人の器用な方のヨアヒムがバイオリン演奏に耳を傾けた。**]
[また不意に囁かれた言葉に今度はお茶を噴きそうになりつつ。]
…………。
まあ、ヨアヒムのそういうところも好きだけどね。
[聞こえるいたずらっ子のような笑い声に振り返らずに言い返してから。
お返しだよと言わんばかりに、口の端を微かに上げて、笑って見せた。]
けふけふけふ。
[ヤコブに囁き返したあと、思い切り油断してマシュマロを齧ろうとした瞬間に言い返されたから、思い切りむせた。]
・・・。
[頬を染めて、笑う幼馴染に少し恨みがましい視線を向ける。]
お前、いつの間にそんなにずるい言い方覚えたんだ?
・・・まあ、でも。そういうのも嫌いじゃないっていうか。す、好き、だけど、な。
[途中で照れ隠しに視線を逸らせながら答えた。]
…………ヨアヒムには敵わないよ。
分かってたけど。
[意趣返しのつもりが藪蛇だったと。
少し赤くなりぷいと顔を背けた。]
クララさん?
[いつの間に混じる新しい声に少し驚いたけれど。]
うん、クララさんの『声』だ。
よろしくね。
[心地よい空間に更に声が増えて。
ふふ、と嬉しげに笑った。]
フリーデルさん……。
あ、なんか頭痛くなってきた……。
[ふと聞こえてきた名前にこめかみを押さえる。]
窓枠そんなに美味しいんですか?
折角だし僕もどこか食べてみようかなあ。
暖炉の辺りなんて焼き菓子かもしれないし。
[思い出してはいけないような思い出したくないような記憶を追い払うように、再生する不思議な窓枠や談話室内の壁に視線を走らせる。]
あれ、もしかして。
机やカップも実はお菓子なんじゃ……。
[スープを入れていたマグの取っ手を摘んで力を込める。
ぱきん、と音を立て取っ手は簡単に折れた。
なんということでしょう。
先程まで普通に使えていたマグも飴細工でした。]
というかマグは飴細工なのにお皿はチョコレートなんだ。
ちぐはぐだなあ。
折角だし他のものも試食してみようか。
[言うなり談話室にあるものをあちこち物色し始め。
目に付いた丸いクッションを手に取ると。]
これ、巨大マカロンだ……!
ほら、パース。
[ヨアヒムに向かって投げた。
だが、狙いは逸れて巨大マカロンは<<樹海の少年 ペーター>>の方へと飛んで行った。]
あ!危なっ……!!!
[軌道の逸れた巨大マカロンは見事にペーターの顔面へとぶつかって行った。]
ご、ごめんんさいっ。
大丈夫、ですか?
[つい癖で丁寧語になりつつ、慌ててペーターに駆け寄った。]
ヤコブ、ごめん。僕は約束破るつもりはないから。それは信じて。
[それを告げたときの顔を見るのが怖くて、耳元で囁くのが精一杯だった。]
よかったら、マカロン切り分けようか。
お茶も淹れるから。
もう一度だけ――。
[声を聞かせて欲しい。
願いはどうしても、口に出来なかった。]
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