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ヒッツェシュライアー教官、アークが知らない土地でちょっと落ち着かないと思うんで、僕は今夜はあっちで寝ますね。
[ そして、その夜は、アルビンに断りを入れて、相棒の風竜の側で眠った。 ]
あれが、ユウレンの姫騎竜師様か、凛々しくて可愛らしい人だね。
ここは、ああいう王族の人たちが守って、護られている国なんだなあ。
[ 風の気配を感じながら、互いに見た事、感じた事を、アークと語り合うのは、カレルにとって、この一年の間に身についた習慣だ。初めての場所での儀式と言ってもいい。 ]
気持ちいい風だね...うまくいったら、後で、ちゃんと......許...てもらわない、と......
[ 話しながら寝落ちてしまうのもまた、よくある話だった。** ]
― 風龍峡入口 ―
[ 一夜明け、向かった風龍峡の入り口に差し掛かってすぐに異変は起こった。>>25 ]
うわあ、どこかで見たような展開だね。
[ 一年前を懐かしく思い返し...ている場合ではもちろんなく。 ]
行くよ、アーク!
[ これはもう、間違いなく問答無用の殴り合いであろうと判断するや、風竜と共に空を駆ける。 ]
[ 高く跳躍して飛びかかって来た魔獣を風の刃が両断し、その形が崩れ去る ]
まあ、そうだよね...アーク!右だ!
[ 相手が生き物ではないことも一目瞭然だったから、そこにも驚きはなく、素早く右へと旋回する。後を追うように、守護の気配が身を包んだのを感じ>>38ちらとアルビンへと振り返って一度だけ目礼を送った。 ]
[ 固まっていた魔獣は、ブレスを避けて四方へと散る ]
すばしっこいな、まあ、そう簡単じゃないか。
[ 呟いて手にしたのは馴染んだ小弓 ]
[ 放った矢が魔獣の目に刺さると、やはりそこから、その姿は崩れて消えた。 ]
当たれば消えるなら...数打てば、かな?
[ 小さな笑みがカレルの唇に浮かぶ。 ]
うわ、腕落ちたかな?ていうか、すり抜けた?
[ 同じ攻撃を続けたことで躱されたのか、あるいは特性の問題だろうか?と、カレルは少し悩みながら、再び今度は離れた場所の影へと矢を向ける。 ]
―風龍峡入り口―
アーク!周りを押さえるよ!
[ 大きいのが来る、と、いうアルビンの警告を受けた瞬間>>103カレルは高度を上げ、風刃で広域を牽制する動きをとった。感じている影の魔獣の相性の悪さと、他のメンバー...特に、アイリを囲むユウレン勢の実力か援護と、もしもの時の救援を、自分の役目と見切ったからだ。
考えた通り、コンラートと炎の精霊の連携による思い切りのいい...些か良すぎる一撃が巨大な影を制するのを見届ける。>>115 ]
うわあ...
[ そうして、戦いが一段落した直後に落とされた、本日最大級ではないかという一撃に>>140思わず声を漏らす。 ]
[ やがて、舞い降りたのは、こちらも必然のごとく恩師の傍>>147 ]
教官、支援ありがとうございました。僕はちょっと締まらなかったですけど。
[ 苦笑しながら、視線はアイリとコンラートのやりとりに向く ]
なんだか微笑ましいですねー。
[ とても呑気な感想だった。* ]
―風龍峡入り口―
あはは、動かないと、僕じゃなくなっちゃいますから。
でも、今はまだ色々足りないなって思いますよ。
[ そう言葉にしながらも、カレルの表情に暗さは無い。そうして、続けて投げられた問いに、>>171少し首を傾げ ]
そうですね、ここの風は気持ちよくて、いろんな熱や今まで感じたことのない力も感じます。
とても違うと言えば、違いますけど...
[ 相棒の首を優しく叩いて、カレルは楽しげに微笑みを浮かべる。 ]
でも、飛べば繋がる同じ空ですから。
[ 見上げる瞳は、遥かに遠く、その空の繋がる先を追っていた。* ]
―風龍峡入り口―
[ クラリッサから声をかけられると、やはり笑顔を向ける。>>173 ]
お疲れ様。すごい活躍でしたね。
[ アイリの一撃と合わせて、ユウレンの女性はやっぱり凛々しいなーと、思ったのは、とりあえず内緒だ。* ]
[ 元々、空には特別な思いがあった。自由に飛べさえすれば他には何もいらないと思うほど。だが、今は、それよりも深い思いが胸にある。
カレルが主と定めた人は、今の世に生きる人ではなく、出会ったのも、世界の裏側のような場所だった。けれど、確かに同じ空を飛んだのだ。 ]
―風龍峡入り口―
空には限りも、境もないですから。色々なところを飛ぶようになって、それがますます解って来た気がするんです。
[ アルビンの内心は知らぬまま>>184そう言葉を繋いで、カレルは声を上げたシエルを、そっと撫でた。* ]
―翡翠ヶ淵―
[ 休息の後、進んだ先に、響き渡る咆哮。>>190反射的に身構えたものの、今度現れたのは ]
んん?お知り合い?
[ アイリと白狼の会話は、不穏ながら、どこか親しさを感じさせるもので、カレルは飛び出そうとした動きを一度踏み止まる。 ]
(あちらさんの理屈も、分からなくはない、けど)
[ 多分、あの白狼は、この地を守る存在なのだろうとの予測はつく。そうして多分、守るものの中に、アイリも入っているからこその頑迷とも言える拒絶なのだろうということも。 ]
でも、信じてもらいたいよね、ここは。
[ 押し通る、という、アイリの気概に応える形で、今度こそカレルは相棒と共に飛び出した。
きっと、信じてもらうには、少々乱暴にでも届かせるしかないのだろう。ならば、それを助けよう。 ]
行くよ、アーク!
[ 風のブレスに切り裂かれて小鬼が霧散する。 ]
まず、ひとつ...手応えはさっきよりまとも、かな?
[ 普通の生き物とはとても呼べないが、先刻の影のような魔獣と比べ、この小鬼には、質量のようなものを感じる。術系統のものを使えないカレルにとって、幾分かは戦いやすい相手と言えた。 ]
よし、アーク、できるだけ先行して道を開こう!
[ 誰よりも前に、空を駆け、道を開く。それが、風の性だと、最初に教えてくれたのは誰だったか]
[ 打ち振った翼の周囲にも風の刃が舞い、飛びかかって来た小鬼が引き裂かれて消える。 ]
アークに、翼狙いは、通じないよ?
[ 小さく笑って、旋回し、誰かを狙っている小鬼に向けて、今度は短弓を構えた、 ]
[ 矢は小鬼の足を縫い止めたが、それを抜いて、小鬼は狙いを変えたかこちらへと向かってくる。 ]
鬼さん、こちら、ってとこか、な!
[ やはり動きの鈍っていた小鬼は、続く矢に貫かれて消えた。 ]
ピュルルーッ!
[ 注意を促す風竜の聲が響いたのはその直後。背後から飛びかかった小鬼の爪が間近に迫っていた。 ]
うわっ!
[ 矢は小鬼を掠めたものの、一瞬遅く、がりり、と爪がカレルの右肩を裂いて、朱を散らす。 ]
っ!アーク!
[ 声に応じた風竜が、ぐるりと振り回すような旋回をしたことで、小鬼は宙へと投げ出されて地に落ちた。 ]
...はあ...そろそろ弓だけじゃ限界、かな?
[ 携帯している血止めの布で肩を縛りながら、カレルは、騎竜の背に括り付けたツーハンドソードに、考え込むような視線を向けた。** ]
みんな凄いね。特にコンラートだっけ、段々人間離れしてきてるような...?
[ 一度上空を旋回し、戦況を確認して、カレルは軽く首をかしげる。人外のそこそこ存在する一団の中だというのに、どう見ても人間のはずのコンラートに、そう感じてしまう理由は、カレル自身にもよく分からない。 ]
おっと...!
[ とはいえ、そのまま考え込む暇はなく、白狼の咆哮と共に小鬼の姿が空気に溶ける。>>267 ]
うん、予測通りというかなんというか...よし!
[ ぼやくような口調と裏腹に揺らめく強い気配に、カレルは一つの決意を固めて、ツーハンドソードの柄と鞘の間に封じるように掛けられた細い金色の鎖の輪を外した。
そのまま自らの首にかけた鎖の中央には艶やかな白銀の輝きが揺れている。 ]
...アイリ殿
[ 騎竜をアイリの傍に一度近付け、呼びかけたのは、王女としてではなく、騎竜師として。彼女の最初の名乗りと、これまでの姿を見ていると、そう呼ぶことがふさわしいと、カレルには、思えたからだ。 ]
怪我をした人も多いし、僕に先陣を任せてください。
その方が多分、遠慮なく殴りあえますし。
[ カレルはユウレンの民ではなく、あの白狼の知り合いでもない、だから、と、笑って ]
ただ、本気で殺されそうになったら、説得はお願いしますね。
[ 弱気とも取れる言葉を、その笑顔のまま預けて、答えは待たずに前へと飛翔する。 ]
アーク!
[ 声に応じて風竜が放つのは風刃のブレス。それが僅かな牽制にしかならぬとは、承知のうえで、カレルは、ツーハンドソードを抜き放った。
銀に輝く刃の半ばには、細い暗紫の光が継ぎ跡のように浮かぶ。その昏い光に妖魔の気配の滲むことに、気付いた者もいるかもしれない。 ]
[ 再度の咆哮と共に、火焔が渦巻いて、風刃を受け止め、更に風竜の眼前にまで迫る。 ]
はああっ!!
[ だが、その時には、ブレスの一部が、ぐるりと空を薙いだカレルの剣に纏いついている。
渦巻く風が第二の刃となって炎を斬り開き、風に煽られた炎は、さらに剣を覆って燃え上がる。
巻き込まれ、渦巻く風と炎に包まれた剣はカレルの腕をも燃やすかと見える。しかし、その熱も感じぬように、カレルは強く剣柄を握り、ただ真っ直ぐに、風纏う竜と共に空を駆けた。 ]
これは、返しますよっ!
[ 身を低く構えて飛びかかる姿勢を見せた白狼に向けて、燃え上がる剣を一閃すれば、炎の渦が、剣先から放たれて白狼の鼻先で弾ける。
自らの炎に傷つくことはなくとも、弾けた勢いに、白狼の動きが一瞬止まれば、その隙に風竜はぐん、と高度を上げた。
後を追って伸ばされた爪を避ける事が出来たのは、恐らく仲間の援護のおかげだろう。]
アーク!
[ 風竜が空へと向かってブレスを放ち、その風を巻き込み旋回しながら高く駆け上がると、青白い雷光に似た光が風の中から弾け散る。
白狼が、また咆哮をあげた、その瞬間、カレルは騎竜の背を蹴って宙へと跳んだ。 ]
勝負、です!
[ 風と青白い光を剣に纏わせ落下しながら、迷いなく、真っ直ぐに、白狼の瞳を見つめる青空の色は、どこか楽しげに煌めいている。 ]
うおおおっ!!
[ 応じるように、高く跳躍した白狼の爪が足へとかかる、その一瞬、食いつかんばかりに開いた顎の鋭い牙に向けて、カレルは剣を振り下ろす。
ぴしりと、天を貫く稲妻が光り、白狼の牙をその輝きが貫いたのと、カレルの身体が足に届いた白狼の前肢に跳ね飛ばされたのは、ほぼ同時。 ]
うわっっとっ!!
[ 空に投げ出されたカレルを、見事な旋回を見せて背に受け止めたのは相棒の風竜だった。** ]
― 翡翠ヶ淵 ―
ふう、なんとかなったかな?ありがとうアーク。
[ 妖白狼が、地に降りて、身を震わせるような闘気が解けたのを感じると、カレルは風竜に労いの言葉をかけながら、剣を収めた。 ]
教官、ありがとうございました。おかげで火傷せずに済みました。
[ ようやく事情説明をしてくれる気になったらしい白狼との対話は、アイリに任せる形で、アルビンの傍に舞い降りて、守護術の礼を伝える。
ひらりと振った腕は、無茶を通した割には確かに無事で、或いは、まっさら過ぎると見えたかもしれない。 ]
[ 名を呼んで、声をかけてきたウェルシュに>>300ちょっと驚いてしまったのは仕方のないところ。
それでも、笑顔を向けられれば、同じように笑みを返すのがカレルだった。 ]
凄いのは、貴方もだと思いますけど。
この剣ですか?これは父から授かった剣なんですけど、一度折ってしまって、旅の途中で助けてくれた隠者殿に修繕してもらったんです。
応急処置だから、完全じゃないって言われてますけど、守ってくれるので助かってます。
[ カレルが目を細めて剣柄を軽く叩くと、ゆらりと剣の気配も揺れる。それが確かに混沌司る妖魔の気配でありながら、酷く繊細な組み替えで守護の質に偏っている事は、ウェルシュになら読み取れたろう。* ]
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