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己の意志で、それを悪と知り
他者を貶めたならともかくとして
そもそも何も知らない、それしか知らない
そんな状態で為した事を
永らく反省して、それ以上の埋め合わせを
しようとずっと奔走している人を
責める必要性がどこにありますか?
貴方は知った。他者の痛みを
そして自分からその罪を受け入れた
私はソマリにとってはほんの短い期間しか
ソマリのことを見ていないだろうけれど
貴方はこれからも自分の罪を償うために
誰かに手を差し伸べはするけれど
意図して誰かを傷つける事はしない
……私にはその確信がある
[じ、と目の奥まで見つめて]
でも、よく言えたね
言うの、辛かったでしょ
教えてくれてありがとう
もっと…ソマリに近づけた気がする
[大きな崖なんて、あの村の時からとっくにないのだ
髪をそっと、撫でる。優しく、感謝を込めて]
[しんみり空気を吹き飛ばす為に
ぱ、と顔を上げて、声も明るいトーンに戻し]
まあまあ!
一歩違えば私が
罪人の立場だったかもですしー
ほら家系的に?
主である方が命じればなんでもしますから?
[世間的な価値観とは違う
人外たる主が命じれば…そう
殺しや嘘をついての騙しなどなど平気でするのも
狂人家系と呼ばれる所以でもあるので!]
[自分だけの時は手抜きするのは本人が納得しているならいいが
願うなら、一緒に楽しんで欲しいじゃない?
飲むものは違えど、囲む卓は同じなんだから!]
ん〜なら目玉焼きからとか?
流石に焦がしはしませんよ!
……卵割り失敗して
殻が混入するかもしれないですけどね!
[敵は年齢不詳の吸血鬼
果たして料理で勝てる日はくるのか!
流石に積み重ねた年が違いすぎる気がするぞ!]*
[買い出しだけでは物足りないぐらい
ここでは充実した生活を送らせてもらえているから
手伝いたい!という気持ちが膨れ上がったのだ]
ふふふ。任せてよ!
日光平気なことだけが今のところ取り柄!
皿洗い任せて!
そのぐらいなら寝る時間にも影響ないしね
[一人暮らしの時は全部自分でやっていたし
自由時間を少し削る程度でなんとかなる事
心配される顔に、任せて!と自分の胸を叩いた]*
違う違うそうではない。
[念話からは動揺したような、そんな声が聞こえてくる。
慌てるような照れたような反応もまた愛い。]
そのような反応もまた愛らしいがな?
[アイリの反応に追撃じみた本音もポツリ。
我のことを知るものであれば、
声色が愉快めいているのが分かるであろう。]
嗚呼、確かに我も覚えがある。
「あなたは今までに多くの人に会ってきただろうから
私の様な何も変わりのない人間が
唯一であると思わせるのは難しい」
[どうして自分が何も変わりのない人間だと
彼奴は思っていたのであろう。]
「吸血鬼兄さんは長生きだし、
いろんな人と会ってるだろうから
人を見る目が肥えてるだろうし」で、あったか?
[気のせいでありたいと願う記憶。
自身の記憶から、アイリの言葉をもう一つ思い返せば
自身が我の目に留まることを
最初から思いすらしないようにも聞こえる。]
何、事実であろうが。
我は言える時に伝えるが信条ぞ。
忘れたか?
確かにあの村は個性派大見本市のような
特色揃いの面々であった。
……貴様も相当であったが。
[なお我は筆頭扱いされておった、解せぬ。
だがそれも次の言葉で後頭部を殴られたかの様な
大きなショックが押し寄せて。]
アイリ……幾ら当時の心境とはいえ。
愛する者を卑下する様な言葉は
例え当人からであっても心が痛むな。
貴様にそう思わせた奴らと我を
全員殴りに行きたいと思う程には。
我は……貴様にそんなこと思わせていたのだな。
[確かに吸血鬼達同胞の中にも
喪失感の痛みから深い関わりを持たず
ひっそりと隠れ住む者達も中には居る。
だが、まさか我がそのように思われていたとは
露にも思わなかった。
元々アイリのなりや性格は嫌いではなかった。
完全に我が興味を示した決定的な一言は
「お兄さんの様な格好良いお兄さんに
いつか好きだーって言われて見たい」という
言葉の記憶。
面白い、であればいつかではなく『今』挑戦してみせよ。
貴様の存在が我にとって
どこまでかけがえのない存在になれるのか。
貴様の言葉、受けて立とうではないか!]
[「であれば貴様が我にとって
掛け替えのない者だと思わせる
人間になってみせるが良い!」
ここまで我の気をひくとは……面白い。
娘よ、我の想像を超えてみせよ。!
期待と我の興味を引いたことに対する最大級の賛辞。
彼奴の言葉に対する純粋な大声援。
まさか正反対の意味に捉えられていたとは
夢にも思うまい。
むしろ彼奴の言葉、反応、一挙手一投足に
何が来るのか期待すら抱いていたのだ。
そこに拒否の感情など、微塵も無かったのに。
伝え方のせいで悲しい誤解が生じたことなど
当時の我は気付きもしなかった。]
[突如うなだれ、目元を拭うと
拭わなかった方の手でアイリの頭を
ぽん、ぽんと優しく叩く。
セオには目の潤みを見抜かれても仕方あるまい。]
……フフ、フハハハ。
我らは互いにすれ違っておったのだなあ。
我は想いを伝えるのはエゴかと思い、
貴様は1人の人間なぞどうでもよいのかと。
互いに己が恋慕を自覚せぬまま
あやうく生き別れるところであったのやも
しれなかったのか。
[我の口下手は酷いなと自嘲すれば
そう思わせた己の不甲斐なさがやけに苦しい。]
……あの時、きちんと口にして良かった。
[アイリの言葉に、心から思う。
我が口にしたから彼奴は気付けたと、
諦め切れないと感じてくれていた。]
────嗚呼、知らなかった。
何せ我の感情も入り混じっていたからなあ。
寂しさから来るのだと、ようやく気付いた。
[我はいつの間にか心の奥底で封じていたらしい。
喪う虚しさと寂しさを「そう思ってはいけない」と。
初めは不老不死の身の思考としてと推測した。
……今思うと只耐えるための
言い訳に過ぎなかったやもしれん。]
────うむ。
[いざつらい時はちゃんと言えの言葉に
力強く頷く。その心強さに少しばかり微笑んだ。]
[そのことで油断したのであろう。
ついうっかり出てしまった言葉を忘れろ!と
言ったのだが、アイリまさかの拒否!]
ええい忘れろ!!
忘 れ ろ !!
嗚呼もう恥ずかしさの余り
棺桶の中で思い出し蓋ドンしたら
貴様一体どうしてくれる!!
[元はと言えば我のせいなのだが!!
くそう、アイリの声と表情が心なしか
ドヤ顔してる様な錯覚すら感じ始めた!!]
我が見たいと言うのもそうだが。
[再度、アイリのみへの念話に切り替え
変わらぬ態度で飄々と呟けば]
白いドレスを着た貴様の手を引いて
愛を宣言するのも悪く無いな?
[嗚呼、でも文化によっては違う色や
違う服装でもあったかと言い足して]
[そう言うと、先ほどの愉しげな声色を消した
真剣な声で彼奴に語りかける。]
貴様に、伝えたいのだ。
貴様は「ただの」人間でもなく
「何も無い」存在などでは決して無い。
貴様と言う存在はこの世界にたった一人だ。
世界をどれだけ探そうと貴様以上の女はいない。
我は貴様だから惹かれた。我は貴様が良いのだ。
あの村で出会った時から我は思うておった。
彼奴は何故ただの人間などと言うのであろうか?
先ほどの話で思うた。
己を主の手駒である様に思わせる、
家系の在り方が貴様にそう思わせているのかと。
[人間も人外も生まれや環境は選べない。
それは仕方のない部分ではある。]
ドレスやジュエリーなど、美の力を借りて
さらに美しくなった己を知れば
少しは自信がつくかと思ったのだが。
何度でも言うぞ、貴様は我の唯一で
替えが効かない掛け替えのない存在ぞ。
我は、貴様も我に惹かれてると知り嬉しかった。
どれだけ我が貴様に我が救われたと思うておる?
[────アイリ────]
何が貴様をそう思わせているかは知らん。
だが…………頼む。
頼むから、己の存在を。
路傍の石の様に扱ってくれるな。
路傍の石の様に言ってくれるな。
それとも何だ、貴様は我に
「我が愛したのは路傍の石だ」
とでも言わせたいのか?
[最後の言葉は半ば、懇願にも近かった。]
……すまぬ、意地の悪いことを言ったな。
長年の習慣や思考は
癖付いてしまえばなかなか抜けにくかろう。
それをいちいち責めたいわけでは微塵も無い。
いつか、貴様が自分に自信を持てるその時まで。
我が言葉と態度で嫌という程伝えてやる。
だから……待っておれ。
今までなんぞ比にないぐらい
貴様をたっぷり甘やかしてやるからな?
三度の飯におやつに我の褒め褒めタイム、
貴様の魅力再発見計画その他諸々。
ともすれば堕落とも呼べるそれらを駆使し
骨の髄までたっぷり溶かし尽くしてくれよう!
[まるで宣戦布告の様な物言いだが
頭では既に『アイリでろでろ甘やかし計画』が
しっかりちゃっかり綿密にスタートし始めている!]
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