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あれ、テンパランスって…と思ったら、アリーセさん村を出ていたのね。
しかしジャスティスとか、全く似合わないのが来たな。
使いようによっては強力そうだけどいい能力が思いつかないな。
― 住宅地 ―
[ローレルと別れた後、低く空を切る花緑青は、幾らかの住宅が並ぶ場所に辿り着き。
その屋根の一つ向け上昇した後、腰を掛ける]
やっぱりあの子も、持ってるのかしらね?
[明確な答えこそなかったものの、奪うとの宣にはきつい眼差しを向けられた。
自分が窃盗行為を働いた時すら、そうそう見なかったような表情。
覚えておく価値はありそうだ――と思いつつ、顔を上げたその時。
霞色の粒子>>1が、風に乗りふわふわと広がっていくのが見えた]
何かしら、これ。
[手に触れた所ですり抜ける、一見何の作用もなさそうな粒子。
しかし次の瞬間――急にカードが熱を持ったような気がして、慌てて眼前にかざす>>2]
シメオン・シックザール……?
[カード表面に浮かび上がるように、光の文字が綴られる。
まず飛び込んできたのは見知らぬ名>>3。
しかし意識を傾ければ、内容は別の情報へと切り替わる。
自分自身は勿論、先に会話したオズワルドやローレル、ゾフィヤの名もあった]
ふん……便利だこと。
カードの持ち主を教えてくれるだなんて。
[一通り閲覧を終えて、少女は立ち上がる。
視線を肩越しに後方向け]
勿論――あなたのことも、ね。
[紙片を手にした二つの影が、屋根を蹴り宙を舞った**]
― 住宅地 ―
[後ろ向きに屋根上を跳ねるこちらへ向けて、振り下ろされたのは輝く剣]
『ジャスティス』――正義、ね。
あたしを断罪しにでも来たつもりかしら。
[窃盗、器物損壊、他余罪多数。
数えだしたらきりがないので、まずは眼の前の戦いに集中する。
カードの絵柄と全く同じ武器を作り出す辺り、相手の男はかなり直情的な性格で、それは太刀筋にも表れていた。
しかし、後ろ向きに跳ぶというのは、翅の力を借りるにしても余り速度が出せるものではない。
数度の跳躍の後、ついに切っ先が前髪を掠める――]
[真っ直ぐ振り下ろされた長剣と直角に交わる位置に、少女が両手で捧げるように持っていたのは、一本の太い鎖だった。
それは剣の一撃にも断たれることなく、むしろ反動を受けて勢いよく、その一端を跳ね上げる。
先端に繋がる分銅が螺旋を描き、長剣の刀身に巻き付いた]
つーかまーえたー。
[分銅とは反対の端を、少女が引く。
柄の下端が鎖と繋がった、その得物は鎖鎌]
[長剣を絡め取られ突撃の勢いを殺された相手は、空中でバランスを崩す。
少女はそれを悠々とかわすが、次の瞬間、相手の髪が刺々しく逆立ち。
剣から鎖を伝うように、火花を散らし電撃が走――]
[らなかった]
あなたのことは知っていると言ったでしょう――『雷針』
[避雷針と雷神を掛けたのであろう二つ名を口にする。
少女が手にする鎖の先の鎌は、今は石造りの家の壁に突き刺さっていた]
そう、雷を使うってこともね。
[電流を通す武器であることを逆手に取り、電流を逃がすことで攻撃を回避したのだ。
起死回生の一手も不発に終わり、最後まで剣を離さず正々堂々戦おうとした男は、ついに壁に強か体をぶつけて落下した]
これで終わりね。
じゃ、勝った方が正義ってことで、これはもらってくわね。
[男の手からひらりと落ちた『ジャスティス』のカードを拾い上げる。
観念したように動きを止めた男の姿は、徐々に薄らぎ消えてしまった]
これで二枚目。先は長そうね。
[そう呟きつつも、少女の顔はどこか満足げだった]
それにしてもこの武器――初めて使ったけど、悪くないわね。
[絡め取る鎖。断ち切る鎌。
それはまさに、少女が鳥の翼持つ者へ向ける感情を具現したかのよう]
さて、次の獲物は、っと。
[まるで狩りでもしているかのように呟いた少女の向かう先。
西の方角からは、ほのかに花の香り>>28が漂っていた*]
― 西へ ―
[情報を探るべくカードへ意識を向ければ、自分と前後するように二枚目のカードを手に入れた者たちがいるとわかった。
中でもシメオンという人物のカード枚数>>77が突出していたが、経緯を知らぬ少女にはただ不気味な状況に感じられ、即座に後回しを決め込んだ]
他に気配のありそうな場所は……こっち?
[カードは共鳴し、引き寄せられる。
ただしその対象は知らぬまま、少女は住宅地を離れ郊外へ向かった]
[翅の付け根が疼いたのは、きっと先の戦闘のせいだろうと、高を括って**]
― 西側/花畑近くの森 ―
[気配を探り辿り着いた先は森>>92。
しかしその上空に人影はない。
こちらを撒くため森に飛び込んだのか]
ナメんじゃ、ないわよ!
[少女は翅を後方向け伸ばすと、低空飛行で森の中へと突入する。
掠める程度の草葉は無視して、邪魔な下枝を鎌を振るって薙ぎ払い、それが叶わぬ太い枝があれば、後翅による姿勢制御で体を傾け回避した。
自身が嫌う虫の翅だが、小刻みな羽ばたきで飛行出来ること、飛行姿勢を細かく急速に変えられることが、この場では役に立っていた]
それにしても。
[ジグザグな動きで時折視界を横切る影を見ながら思考する]
あいつ……なんで飛んで逃げないのかしら。
[場所が場所だけに、必ずしも飛ぶことが有利という訳ではないのだろうが。
――また、翅の付け根が疼いた、気がした]
いつまでも、逃げてられると思わないでちょうだい。
[相手の体力も無限ではないだろうが、自身もまた、特殊能力に頼った飛行を延々と続けられる訳ではない。
眼の前に枝の疎らな空間が広がった瞬間、少女は動く]
はっ!
[鎌の柄を左手に持ち替え、分銅を斜め上の枝へ向け投げる。
鎖が絡みつくのを確認すると、後翅による加速を止め、両手で鎖を握り締めた。
枝を支点にした振り子運動が、前進を上向きの運動に変え、少女の体を木々の上向け打ち上げる。
枝葉を蹴り散らす派手な音は、相手の所へも届いたか。
鎌を手に眼下を見据えながら、少女は放物線に身を任せた**]
― 西側/花畑近くの森 ―
[木々の上へ飛び上がったのは挑発半分、偵察半分。
警戒は続けながらも、一時羽ばたきと力の放出を停止して、枝葉の隙間から見えるはずの相手の姿を探る。
しかしそれは、影に溶け込んでいるのかはっきりとは見えず。
更に]
――ナイフ!?
[空間から現れた黒い短剣。
それは木々の葉を縫い止め、上空から森の中への視界を完全に塞いでいた]
ふん、そんな芸当が出来るなら、こっちに向けて飛ばしてくればいいでしょうに。
[一時的に相手の姿を見失い、その間に距離を離されただろうか。
隙間を埋めるよう重ねられた枝葉の上に着地して、息を整えつつ周囲を見渡す]
しかし……ナイフね。
あんな力を持つ奴なんていたかしら?
[呟き、思案する。
自分のように元来の能力ではなく、カードから生み出す形で武器を得た者もいるだろう。
そして――カードから得た情報に、投げナイフと書かれていた人物のことを思い出す]
……あいつか。
[呟く声は低い。
鎖鎌を握る手にぎり、と力が籠る]
そう、道理で……飛ばなかった、のね。
[今思えば苦肉の策として走った訳ではない。
あの速度は翼に頼らず、常に地に足を着けている者にしか出せないものだ]
[相手から仕掛ける気は、どうやらないらしい。
ならば自分が立ち去れば、この場は収まろう。
でも、と、少女は翅を開く]
奪ってやると決めたんだ。
ここで逃げるようじゃ……負ける。
[痛みや恐れに背を向けるようでは先が思いやられると、自らを奮い立たせ。
ゾフィヤが逃げたと思しき方角向けて飛び立つ。
相手の正確な居場所はわからないが、障害物がない分、速度だけは先程以上に出せた*]
― 山小屋 ―
[どうやらゾフィヤとの距離は思った以上に開いていたらしい。
しばらくはその姿を見つけられないまま、森の上空を彷徨うことになる。
相手にとってはしばしの休息の時間となるだろうか]
[見通せないほどに木の葉の茂る一角を通り過ぎると、少し開けた場所に辿り着く。
そこにある山小屋は、上空からでもすぐに見付けられた]
山小屋ねぇ……食べ物とか置いてあったりしないかしら。
[かっぱらうのは前提で考える。
これからの戦いを思えば他に確保すべき物はあるし、既に枝葉による引っ掻き傷はあちこちについてしまっているのだが、その辺りには考えは及ばないらしい。
入り口に座る黒い影>>110に気付いたのは、そんな時だった]
……何してんの、あいつ。
[散々不意討ちを警戒してきた少女にとって、これは予想外の行動だった。
待ち伏せかと思いきや、その手には武器すらなく、如何にも無防備に座り込んでいる]
ほんっと、調子狂うわ。
[相手にも聞こえようかという程に大きな舌打ちをすると、少女は鎖鎌を元のカードへ戻す。
そして山小屋にほど近い木の天辺に舞い降り]
――どういうつもり?
[数m下の相手を、険のある眼差しで見下ろしながら、問うた*]
[睨み付けるこちらに対し、笑顔と共に向けられる誘いの言葉>>121。
たっぷり数秒かけて考えた後、足元の枝を蹴り、彼女の前に着地する]
暢気なものね。
今の状況わかってる?
[ずかずかと近づき、差し出されたコップを奪うように手にした。
既に2枚目のカードを手に入れ、傷を負ってもいるゾフィヤには言わずもがなか。
それでも笑顔の彼女に対し、こちらは苛立ちを隠さない]
――で、話って?
[それでも、促すように声を掛けたのは。
苛立ちのままに手を出したら負けという、やはり意地のような感情からだろうか*]
わかってるならね――……
[何故無防備に自分を待ったのか、という問いは呑み込んだ。
結果として、自分は堂々と待っていた相手に、手を出せなかったのだから。
ぐ、と喉が鳴ったのを誤魔化すように、手にしたコップの中身を飲み干す。
飛び続けていた体は存外に水分を欲していたらしく、思わず吐息が漏れる]
[そこに投げ掛けられた問い>>131。
少女はゾフィヤから視線を逸らし]
別に。
あんたのカードを奪えば、少しは気が晴れるかと思っただけ。
余計な事考える前に、ね。
[空になったコップを、相手へ向けて放る。
そしてその手に呼び出すのは鎖鎌]
それで、その気持ちは今も変わっていないのだけれど?
[即座に手を出す訳ではない。
が、あくまでこの会話は、武器を挟んでいるからこそ成立するのだとでもいうように、鋭い眼差しを向ける*]
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そうね、素直に会話して若干決意鈍ってる辺り、私も甘ちゃんね。
[過去に数回同じことやって本来の性格どこーになった人]
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グレの感情→会話のために近づくのは厭。戦いを仕掛けるのはOK。
なのでまあ、話し掛けた時点で若干ミスってる。
とはいえ物を盗んだり壊したりはしても、人を傷つけるのは躊躇なく出来る性格ではないかな。
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