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[青年はエルの部屋へ向かうべく、青年は城内をつかつかと闊歩していたが、ふと何かを思い出したように足を止める。
ごそごそ、と鞄を探れば、出てくるのは細身のナイフ。
吸血鬼の身でも握れるよう柄は木でできており、細かい装飾が施されている。そして刀身は、鈍く光る銀。
青年は吐き捨てるように言った。]
こんなもの。
体格の不利を補うためのものだろう。
……そんなだから、いつまで経っても庇護下から抜け出すことができないんだ。情けないことだ。
[暫く裏に表にとナイフを弄び、観察していたが]
まあ、使えるものは使わせてもらおうか。
[ふん、と不遜に鼻を鳴らして、取り出しやすいポケットに小さな凶器を仕舞い込んだ。
その時だっただろうか、青年の鋭敏な聴覚が、
悲鳴と助けを求める声>>67を耳にしたのは。]
――騒がしいな、
こう騒がしくては落ち着いて彼女と話をすることもできまい。
チッ、仕方がないな。
[青年は不愉快な感情を隠しもせずにそう言った。
右手に持つ杜若を胸のポケットへ優しく仕舞えば、
やむをえず、といった様子で声の元へと歩を進める。
急いで駆けつけるわけではないので辿り着くまでに4(6x1)分ほどかかるだろう。その間に事態は進行するだろうか。]
[ゆったりと歩を進めてたどり着いた先で青年が見つけたのは、蔦に拘束されて地面に這いつくばる儚げな男と、それを見下ろす男の姿。
見下ろしている男から漂う隠しきれぬ血の匂い。
その光景を見て青年が導き出した結論は、]
おや、食事の邪魔をしてしまったかな。
それは失礼したが、なるべく静かにやってくれ。
…おこぼれは要らないよ、今は満腹だから。
[冷笑を浮かべて肩をすくめ、兎に向かって大仰に謝罪をした。
面倒事に巻き込まれるのはごめんである。
すっかり勘違いしているが、訂正がなければそのまま背を向けるだろう。]
[>>82「食事ならばお前がなれ」その言葉には、青年は声を上げて笑った。少女であった時にはなるべく見せないようにしていた牙がきらりと濡れた光を反射する。]
あはは、お断りだね!
その様子だと、さほど空腹なわけでもないのだろ?
俺はね、腹が減ったわけでもないのに殺生をする野蛮な輩が大嫌いなのさ。獅子だって、満腹時には草食獣を襲ったりはしないのに。動物以下だと思わないかい。
そんな輩にクラウゼヴィッツの血を分けるだなんてごめんこうむる。
[そうして蔦に絡め取られた男に目をやる。
>>86呂律もうまく回っていないのを確認すれば軽く頷いて]
ふむ、そろそろ引きずり出さないとまずいようだね。
……気が変わった。助けてあげるよ。
[そう言って青年は銀のナイフを取り出すと、木で出来た柄に軽く接吻をした。こうすることで魔力の込められた銀の刃物は、吸血鬼を傷つけうる力を持つ。]
俺はずうっと小柄だったからね。
動きはそんなに遅くないよ。
[にこり、牙を見せて笑った。]
死に損ないの屍風情であるからこそ、
高潔な精神を持たねばなるまいよ、っ!
[煽りにも一切引けを取らぬ毒の混じった物言いに返答をしつつ。
男の剣が下を向いている今なら、返す刀も間に合うまい。
そう考えた青年は、兎の首元に刃先をつきつけんと近付き、
ナイフを持った手を首筋めがけて突き出した。
斬り殺すつもりはないが、そのつもりで行かなければ反撃を食らいかねない、などと頭の隅で考えながら。]
/*
もしかしなくても:バトロール初めて
ツェーザルさんめいわくかけてたらごめんなさいごめんなさい(平伏)
もうわっけわからんのでエピでコツを教えてください…
一応確定しないように気をつけてはいるけど、なにやらかしてるかわからないもの…(べそべそ)
[きぃん、
ナイフの刃が、銀の手枷に弾かれて耳に痛い音を響かせる。
カウンターとして青年の腹部を狙ってくる相手の膝を、青年は左回りにターンするようにして躱す。
その流れのままに相手の後方に回り込めば、
ナイフの柄の底の部分で獣の頸部を力の限りに殴った。
脳震盪を起こさせることを目的とした一撃。
がつん、鈍い音が響き渡る。]
/*
あと、脳内設定ではシルキーちゃんこんなつおいつもりじゃなかった…w小柄だから吸血鬼の中では身体能力は低い方、だからせめてもの護身としてナイフ持ってた。
すばしっこくはあるから、襲われたらちょっと応戦して傷つけてヒットアンドアウェイのつもりだった。
…なのにどうしてこうなったのか。全てはラ神、きさまのせいだ。
[獣が崩折れるのを確認すれば、青年は相手を見下ろして舌打ちをした。動きに対して目線の反応はあったというのに、妙に動きだけが緩慢だった。それを手加減と捉えた青年は苛立ちを隠せずにいた。]
……ふん、手加減なんてしやがって。
いや、手加減せざるをえなかったのか?
バケモノが来ているんだな、此処は。
[腹立ち紛れに、神父のような服を纏った男を絡めとる蔦をざくざくと切り刻んだ。男に意識はあったかどうか。男の首元の傷を手持ちのハンカチで手当してやれば、一般的な吸血鬼より回復が遅いような気がして僅かに首をひねる。
そうして用事を済ませた青年は、側に倒れている先程まで拳を交えた相手に向き直る。]
さぁて、別に腹は減っていないが、
――まあ、勝者の特権だ。ひとくち、貰っておこうか。
[そう言って舌なめずりをした。]
[獣が崩折れるのを確認すれば、青年は相手を見下ろして舌打ちをした。動きに対して目線の反応はあったというのに、妙に動きだけが緩慢だった。それを手加減と捉えた青年は苛立ちを隠せずにいた。]
……ふん、手加減なんてしやがって。
いや、手加減せざるをえなかったのか?
バケモノが来ているんだな、此処は。
[腹立ち紛れに、神父のような服を纏った男を絡めとる蔦をざくざくと切り刻んだ。男に意識はあったかどうか。男の首元の傷を手持ちのハンカチで手当してやれば、一般的な吸血鬼より回復が遅いような気がして僅かに首をひねる。
そうして用事を済ませた青年は、側に倒れている先程まで拳を交えた相手に向き直る。]
さぁて、別に腹は減っていないが、
――まあ、勝者の特権だ。ひとくち、貰っておこうか。
[そう言って舌なめずりをした。]
[青年は、呻いてはいるが無抵抗の獣の側に膝をついて。
抱き上げるように上半身を持ち上げて、その首筋に口元を寄せる。
優しいキスをするように口をつけ、その小さな牙を突き立てる。
獣の体内を流れる命の液体がひとくち、青年の体内に移れば]
……げほっげほっ!!
[思い切りむせた。]
な、なんだこれ、色々な者の血が混ざりすぎてごっちゃごっちゃで、げほっ!なんだこいつ、何者だ?
[唇の端に血の跡を付けたまま、青年は恐ろしいものでも見るように腕の中の獣を見つめた。]
[目の前の男が何者なのか、考えを巡らすよりも先に。
青年を襲ったのは、先ほど彼を男の体に変えたものと同じ衝撃。]
うっ、ぐ、……――
[獣を抱えた手を堪らず放し、胸を押えて苦しんで、
青年は、
少女は、意識を失った。*]
/*
ひぃぃええぇ(´;ω;`)
なんでバトロールトップバッターが私なの!初心者になにやらせるの!というかどうしてこんなことに!
ツェーザルさんホント、ホントご迷惑おかけしまして!もうしわけ!ございません!(五体投地)
「ニッコウキスゲ、のお花畑がみてみたいわ」
[幼いヒトの少女は、植物図鑑を開いて言いました。]
「たかいおやまの上で、朝いっせいに花ひらいて。
夕方にはみぃんなしぼんでしまうんですって。
だから、わたしは見ることはできないのでしょうね。」
[小さな指が図鑑の一節をなぞってゆきます。
少女の話を聞いていた青年がなにか言うと、気丈な笑顔で答えます]
「だめよ、おとうさまにしかられてしまうわ。
でも、そうね。もしお外に出るおゆるしがでたら。
そのときはつれていって、おにいさま」
「連れて行って」
.
―現在―
[宙に浮くような頼りなげな感覚で、少女は目を覚ました。]
――あ、おにいさま、
[半ば夢現で、目の前の男を呼ぶ。
暫しの間、ゆりかごに揺られるような移動に身を任せて、
目を開いたり、閉じたり。
口内に僅かに残る獣の血液の余韻を飲み下せば、]
ジャン?
あれ、私、どうしてジャンと一緒に、
……男の人を蔦から助けようとして、それで……?
[どろりと淀んだその味で意識が覚醒する。
少女はこめかみを押えた。記憶が混乱しているようだ。
普段の彼女なら決して相対することのない「こわいひと」と一戦交えたような、おぼろげな記憶はあるものの。相手を煽りに煽ったことや後頭部にトドメを刺したことなどはすっぽりと頭のなかから抜け落ちていた。
そしてそれらの状況と、
今ジャンに抱き上げられ移動している状況が繋がらない。
混乱から抜け出せぬ思考。
自分を抱える男に状況を訊ねようとその顔を直視した。]
……ジャン?
なにか、あったの?
[少女の表情が強張る。
男の瞳の昏い空色は少女に強烈な違和感を植えつけた。
彼女の記憶にある色とも、つい先刻顔を合わせた時の色とも、
全く異質のものであったから。]
―バルコニー―
[白銀に光る月は、濃霧を通して間接照明よろしくバルコニーを照らしだす。仄かに明るいその場所は、ふたりだけの舞台のよう。]
だいじょうぶよ、怖いことなんて何もなかったわ。
ひとりぼっちになってしまったことより怖いものなんて、ないわ。
[囁くような声で静かに答えれば、少女は幼子のように純粋な笑みを浮かべた。己を抱く男の腕に抵抗することはせずに、ただ身を任せる。]
私の傍に居てくれるの?
一度、居なくなってしまったあなたが。
ひとりぼっちの
永いのよ。
[少女の口は緩やかに弧を描くが、その端は僅かに震える。
男の愛の言葉を聞けば青玉の瞳は、眼前の男を、懐かしい兄を映して。揺らめいて滲む。]
一度得た
前よりずっと、
[少女の胸元に落ちる雫。
大きく見開いたサファイアの瞳は、要望通りに男を捉える。
震える唇で少女は言葉を紡いだ。]
―バルコニー―
[身を寄せられれば、少女の瞳は青白く透き通った男の肌をより鮮明に捉える。吸血鬼であることを贔屓目に見ても、血の気の薄すぎるその色。
少女はそれを確認すれば少しだけ目を見開くが、
すぐにそっと瞼を下ろした]
あげるわ、おにいさま。
あなたにすべてを。
この血肉も、縦令この身が滅ぶことになっても、
何も惜しくはないわ。――ああ、だから。
[そうして紡ぐは懇願の言の葉。
少女は駄々っ子のように、男の服を掴み、縋った。
会いたくて仕方がなかった兄。
檻に鍵をかけられたあの日を、『永久の暇』の言葉に絶望したあの日を想起して。]
だから、私の前から居なくならないで。
私より先に消えてしまわないで。
次にひとりになったら私、きっとこわれてしまうわ。
[「何処へも行きません」
そう約する言葉を聞いても少女は執拗に「いかないで」と呟き続ける。今この時を脳裏に焼き付けんとばかりに開いた瞳は、覗きこむ昏い空色に魅入られたよう。
確かめるように囁かれた愛の言葉を聞けば、]
おにいさま、『手を』、……
[そう言って、重ねられた手を握りしめた。
頬への口吻は軽く目を閉じて受け。
舐めるように移動する兄の唇にぞくりと背筋を戦慄かせる。
抵抗は、しない。
少女は唇を僅かに動かし、己の首筋に埋まる男の耳元に囁いた]
『連れて行って』
[男の服を握っていた方の手から力が抜けて。
だらり、宙に揺れた]
―バルコニー―
[首筋に男の下が這えば、悪寒とは異なるぞくぞくとした身に迫る震えが少女を襲う。未知の感覚に戸惑う少女は、堪らず指の絡むその手に力を込めた。
男の手の甲に爪を立てる。男の皮膚は傷付いたかもしれないが、そんなことに気を回す余裕などとうにない。
優しく舐め取られたのは最初だけ。
喰らいつかれて、容赦なく奪われる。
少女の口は、陸に上がった魚のように酸素を求めて動いた。
己の血を吸わせるなど、少女が異形の身になるその時以来のことだった。あの瞬間は、ヒトとしての命の灯火が消されるあの瞬間はひどく苦しいものだったけれど。
(ぜんぜん、ちがうわ)
今は、違う。
全てを吸い上げられ、奪い去られて。
それでも尚、死を迎えることのないからだは生命力を失うことはなく。錯覚にすぎないのだけれど、奪われたそばから滾々と命が湧き出づるよう。
ああそれは、快楽とでもいうべきものであった。]
おわった、かしら?
[その声を聞いた少女はその目を開けて。
細い声で訊ねた。瞳は穏やかに細める。
優しく撫でられれば、心地よさそうに目を閉じた。]
平気よ。
「死んだ」時の苦しさに比べたら。
……気にすることはないわ。受け入れたのは私自身だもの。
[謝罪の言葉には、やはり細い声でそう答え。
もう逃しはすまいと、再び男の服の裾を握った。
力自体は大したことはなく、振り払われれば容易に解けてしまうだろうけれど。]
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