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― 森 ―
[深い森は、父の領地の中にあったエルフの住む森を思い出させる。
子供の頃、一人で出かけてはいけないと言い聞かされていたにも関わらず、その静かな佇まいに惹かれて奥に踏み込み、帰り道を見失った、その時の事も]
― 回想:10年前 ―
わ!?
[ふいに声をかけられ、驚いて振り向くと大きな犬を抱いた少女が首を傾げていた>>65]
ジ、ジーク、だよ。
[大きな生き物も小さな少女も、それまでの彼の生活とは無縁のもので、どうしたら良いのか判らず、硬直したまま、漸く愛称だけを名乗った]
― 回想:10年前 ―
[ 少女の名を知り、犬と思ったのが狼だとも教えられ、驚いたり怯えたりしながら、しかし、父の元へ引き取られたばかりで、友達と呼べる相手のいなかった彼にとって、それは初めての友との交流の始まりだった ]
そうか、ウェルシュは、お父さんを探しに行きたいのか。
[ そんな話が出来るようになったのは、数年が過ぎた後だった。
その頃には、内気だった少年も、厳しい仕付けと、母に恥をかかせまいという決意でもって、それなりに貴族の子弟らしい様子を身につけていたけれど、幼馴染みのハーフエルフの少女の前では、口調も態度もどこか砕けたままだった ]
じゃあ、いつか探しに行く時は、僕が一緒に行くよ。そしてエリザと一緒にウェルシュを守ってあげる。
[いつか二人で旅に出る、それは、貴族としての生活にどこか息苦しさを感じていた彼にとって、とても魅力的な思いつきで、妹のような幼馴染みを守るという誓いも、少年らしい純粋さで口にされた]
― 回想:2年前 ―
ごめん…僕は、もうここに来る事は出来ない。家を出るんだ。
[ 再びの変化が二人の道を分けたのは2年前、彼は母の死に目にも会わせようとしなかった父に反発して、流浪の民や、博打打ちといった怪しげな民達の元へと出入りを重ね、遂に本気で父の怒りを買って勘当された ]
君との約束も守れなくなった…ウェルシュ。
でも、もしも、どこかで、君のお父さんの噂を聞いたら、なんとかして知らせるから。
きっと、知らせるから。
[新たに結ばれたその約束も、未だ果たされてはいない]
― 森 ―
[森の奥からひやりとした空気が流れてくるように感じる。これがシュテルンの言っていた天気の変化の前兆かもしれない]
ウェルシュ…エリザ…
[森が思い出させた名を小さく口にする。父の領地も一部は戦火に巻き込まれているはずだ。あのエルフの森が無事であればいいと、彼は願う]
[たとえ、この戦いで命を落とし、約束を果たす事が出来なくなったとしても…願いだけは残ればいいと]
ごめんな…
[遠く、狼の遠吠えが聞こえた気がした**]
― 森 ―
[ 彼が炭焼き小屋へと戻って来たのは、レトが目覚める少し前。>>110シュテルンはちゃんと起きていたかどうか…いずれにしても、寝ぼけ顔をからかい、ちょっかいをかけて笑ったのは間違いない ]
大分、霧が出てるぜ。これならいけそうだ。
[ レトが起き出すのを見ると、外の様子を伝え、彼が半身たる竜の元へと出かけるのを見送った>>110 ]
― 炭焼き小屋 ―
さて、フロイラインにも、そろそろお目覚め願わねえとな。
[ 小屋に出入りがあったにも関わらず、一向に眠りから覚める様子のないファミルに、彼はそっと近付いた ]
…疲れてんだろうけどなあ…
[ 寝苦しいだろう炭焼き小屋の床で、ぐっすり眠っている様子を見れば、ここまでの道程の為だけではない疲労が溜まっているのが目に見えるようで、起こすのが忍びない気分になってしまう ]
― 早朝・炭焼き小屋 ―
[ それでも、時間は有限だと、彼も判ってはいたから、そっと手を伸ばして、ファミルの肩を軽く揺する ]
…朝だぜ、そろそろ出発だ。
― 回想:2年前 ―
生きてって…縁起でもないなあ…
[ それが、別れの悲しみを堪えての言葉である事を朧に理解していながら、幼馴染みの言葉に>>147彼は苦笑してみせる ]
ああ、いつかきっと
[ぎゅっと握られた左手に、右手を重ね、当てのない約束をまた重ねた]
それまで、元気で、ウェルシュ。
[最後まで、うまく笑みを浮かべる事が出来たかどうかは、自信がないままだった*]
― 炭焼き小屋 ―
[ ファミルが目を開けると、彼はすぐに手を離し、いくらか距離を取る ]
外で待ってるぜ。身支度くらい、一人で出来るよな?
[ 寝起きの仕草>>155は目に入っても、何かを感じた様子は見せず、別の方向にからかうような言葉をかけると、ファミルを一人残して、外へと出て行った ]
/*
おにゃのこ縁故を二つとった時から、覚悟はしていたが、ものの見事な散弾銃状態である…
いっぺん死んでくるしかないな、このこ。
― 早朝・炭焼き小屋・外 ―
[ 外に出て、戸口を塞ぐような位置に寄りかかった時に、レトが戻ってきたのに出くわす>>165 ]
いや、別に。
[投げられた問いには、あっさりと返して]
シュテルン、お前、顔洗ってきたらどうだ?あっちに泉があったぜ。馬の上でよだれ垂らして寝たら、レトにパスするからな。
[ まだ若干眠そうなシュテルンには、そんな台詞を投げる ]
― 早朝・炭焼き小屋・外 ―
つまり、戦闘中は怖いんだな。
[妙な理屈でドヤ顔になったシュテルンに>>178彼が返したのは、ある意味冷たい一言]
[ そのうちに、ファミルが出てくる気配がすると>>174戸口から離れ、その言葉に頷いた ]
そんじゃま、出かけるとすっか。
[段々と濃くなっていく霧にまぎれるようにして、ミリカ村への道を辿る…反対方向から、同じ場所を目指している者達の存在にはまだ気付かぬまま…]
[ 出発のどさくさに紛れて、レトだけに通信を送る ]
フロイラインとシュテルンは大分疲れてるからな、なんかあったら頼むぜ。
[ それは、戦闘にでもなったら、まず二人の安全を確保しろ、という意味だとは通じるだろう ]
― 森→ミリカ村 ―
ほんっと現金な奴だな。
[ 嬉々として影竜の背に乗るシュテルンを見送り、ファミルと馬を並べてミリカ村への道を辿る ]
[ 荷物がひとつ減ったことで、黒馬の動きは軽くなり、自然速度も上がる。ファミルの馬を置いて行く事のないよう、調整しながら、霧に半ば閉ざされた道を急いだ ]
― ミリカ村への途上 ―
[レトから届いた通信の内容に、彼は空を見上げる]
嫌な感じ、か…馬鹿には出来ねえな。
[呟いて、ちら、とファミルの方を見やった]
了解。
危ないと思ったら、とっとと逃げるか隠れるかしろよ。
曲乗りなんかしたら、シュテルンが目え回すからな。
[内心はともかく、レトに返す言葉は軽い]
― ミリカ村への途上 ―
どうする、指揮官殿。
危険があるかもしれねえが、このまま行くか?
引き返すなら、今が最後のチャンスかもしれねえぜ?
[ 一見、ファミルに決断を委ねるかのような言葉だが、ファミル自身が引き返す決断をしても、彼が一緒に引き返すとは限らない…と、予測がつくのは、レトあたりだけ、だろうか? ]
吹っかけられても、相手すんなっつってんだ、この鉄砲玉野郎。
[軽く返った言葉に、わざと全方位に向けた通信を投げ返す。本陣に残る者にも聞こえただろうが、誰に向けての通信かを気付く者は限られるか]
― ミリカ村・手前 ―
確かにな。
[ ファミルの判断>>221に納得して、彼は頷いた ]
と、なりゃあ、ちょっと急ぐか。
[馬を急がせようとして、もう一度ファミルの方を見る]
本陣に連絡入れといた方がいいかもしれねえ。
キアラとトルメンタに、途中まででもいいから来るようにってな。
[どうしても退却せざるをえなくなった時、途中まででも、もう一人の騎竜師が追いついて来ていれば、安全を確保できる確率が上がると考えての事だった。無論リーゼロッテがついてくるとしても、止める筈もない**]
えええ?!五十歩百歩はねえだろ?
俺は馬で、レトは竜だぜ?かっ飛ぶ距離が段違いだ。
[突っ込み>>=11への反応は彼の方が派手だった。が、問題が激しく掏り替わっている]
[ だが、さすがにそれ以上、不毛な争いを続ける気は彼にも無く、ファミルの命にも、素直に「了解」と頷いた ]
あちゃ、精霊師まで居たか。
[ そんなところへ、シュテルンの探査の結果を聞かされ、顔をしかめる ]
― ミリカ村への途上 ―
騎竜師と精霊師、揃って来てるとなると、こっちの本陣への奇襲も疑わねえといけないとこだけどな。
[ ファミルの隣>>249に馬を止め、レトとシュテルンを待ちながら、彼は考えを口にする ]
だが、こっちもそれなりに斥候は送ってる。大規模な動きがあれば判る筈だ。あっちと偵察がダブったってのが、ありそうな線だが、間がわりーな。
― ミリカ村への途上 ―
村を荒らしたくないのは、あっちも同じだとは思うぜ。
海精軍にとっても、氷竜軍にとっても、ミリカ村は自分達の領土で、村人は自国の民だ。
[ これは他国との戦争ではなく、いわば内輪揉めなのだから、と、自信なさげなファミル>>258に告げる ]
急いで村に入るてのは有効だと俺も思う。はち合わせたとしても、連中が本気でやる気で来てるんじゃなきゃ交渉の余地もあるだろう。
ただ、ひとつ、でかい問題があるっちゃあるんだけどな。
[言ってから、彼は、他ならぬファミルの顔をじっと見つめて苦笑を零した]
こっちには、絶対に落とせない、そして向こうから見りゃ無理してでも奪るに値する駒が在る。
……
― ミリカ村付近 ―
[ 騎竜師を引きつけるという、レトの提案>>268には、肩をすくめて ]
得意分野つーより、むしろお前の趣味じゃねえの?
[ からかうような一言を放つが、止める気も口出しする気もない。ファミルがどう考えるかは知らないが、レトがやれると断言するなら、本当にやれる筈だと、彼は信じていた ]
― ミリカ村付近 ―
そうそ、間違ってもファミル=ド=ラヴァンディエなんて名乗っちゃだめ。
[ 悟られなければという言葉>>273に彼はうんうんと頷いて、例えた駒にひっかかったらしい様子には、にっこりと笑みを返す ]
ん?うちのキングは鋼鍛侯だろ?
クイーンはチェスなら攻防の要だ。なんかおかしいか?
日が暮れる前には帰ってこいよー?
[ 飛び立つレトを送る言葉は妙にのんびりしたものだったが、見上げた上空で霧が動くのを見ると>>291僅かに表情が険しくなる ]
ああ、行こう。
[ ファミルの言葉>>284に従い、シュテルンを馬上に引き上げようとして、気まずそうな台詞を耳に留めた>>295 ]
ああん?
[ 思い切り目が据わった ]
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