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6人目、王国軍部隊長 セルウィン が参加しました。
王国軍部隊長 セルウィンは、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
― プラメージ王国軍野営地 ―
[セルウィン・アルニムが兵役に就いて2年と少しが経った頃。
新たに与えられた任務は、カーマルグ半島への派遣だった。
海賊に町を奪われた現地住民を支援し、いずれは半島を取り戻させる――
そのように概要が説明された後、セルウィンを含め幾人かの名が呼ばれた]
『――諸君らには今回の任務で一隊を任す。より一層励むように』
[上官の言葉に揃った声で返事をしながらも、内心の高揚で唇の端が持ち上がった。
ここで名が挙がった者は、上層部からの覚えがめでたいということに他ならないだろう]
[兵役を国政に加わるための好機と見る者もいる。セルウィンもその一人だった]
[そうして現地へ向かい、義勇兵への訓練に携わっていたものの、事態は一変する。
海賊を一掃したゼファー軍と司令官らの隊が戦闘となり、司令官が負傷した>>4。
彼らはどうやら、兵を引かず半島に居座るつもりらしい――ということは、司令官帰還後の慌ただしい中でも、兵士らまで伝わって来ていた]
まさか、ゼファー相手にやり合うのか?
[詳細な作戦はまだ知らされていないが、このまま退くということはあり得ないようにも思える。
敵がより強大な相手にすり替わったことに、セルウィンは内心で歯噛みした]
[野営地の兵士らはざわついていた。
中にやや年齢の合わない者、雰囲気の違う者がいるのは義勇兵だろう。
直前まで訓練を受けていた司令官が負傷して帰って来たことに、心配や不安が窺えた]
ちっ……。
[彼らを見遣りつつ、聞かれないように舌打ちする。
彼らにとっては故郷を取り戻すための戦いだ。
しかしこの地に縁のないセルウィンからすれば、重要なのは任務で実績を残すことである。
海賊でなくゼファーを相手取るとなれば、それはより困難な仕事となるだろう]
易々と"勝ち抜ける"って訳にはいかないみてぇだな。
[溜息をつきながら、到着したばかりの司令官代理から、何らかの指示が下されるのを待った*]
― プラメージ王国軍野営地 ―
はっ――ベリアン様!
[浮足立った一団の中に顔を出す者があった>>16。
それがかつてからその名を知っていた上官と気付けば、瞬時に姿勢を正す。
貴族としての社交の場で挨拶を交わしたこともあったが、この場での彼は軍の指揮官であり、ずっと上の立場にあった]
……そうだな、先回りして不安になるものでもないか。
[柔和に諭す声はこちらにも届き、セルウィンは考えを改めた。
最善を尽くせるように、との声に応えるよう、休息の場や日常業務へ戻ることを周囲へ促していく]
[途中、野営地を巡る蹄の音>>17に気付けば、足を止めて敬礼を向けた。
彼が今後の司令官となるのだろうか、などと考えていれば、しばらくして伝令が回り始める>>18。
現地の地理に詳しい者を求める内容であり、自身とは無関係であったが――幾人か心当たりは浮かんだ]
あいつ、今何してるんだ?
[義勇兵の中でも特に印象に残る者の姿を探るように、周囲を見渡した*]
はっ!?
[司令官代理より声を掛けられ>>25、敬礼の姿勢を固くした。
社交の場で顔を合わせることもあったろうが、向こうがこちらの名を把握しているとまでは思っていなかった。
あちらの思考まで気を回すには至らず、硬直した姿勢のまま問われたままを答える]
軽装歩兵隊であります!
[短槍、盾等を装備するが、鎧を含めいずれも取り回しが軽いものを装備するのが自身の隊の特徴だった*]
義勇兵を――ですか。
[ギデオン>>34の問いに即答は出来ず、少し間を置く。
早期派遣された自分たちの隊は、義勇兵と長く関わって来た隊でもある。
見知った顔、彼らの訓練の仕上がりを思い浮かべて]
賛成いたします。
彼らとは共に訓練したこともあり、動きを合わせやすいでしょう。
装備の重量も近しいですし。
[武器は使いやすさ重視でやや雑多ではあるが、"揃える"よりは"動きやすさ"を重視した隊ゆえそこは問題ないだろう]
ただ、懸念はあります。
海賊ではなく他国の軍と向き合うとなると……。
彼らも我々も、心構えを保っていられるか、と。
[先に感じていた不安を、司令官代理へ向けて零す。
混成軍なら尚更、綻びが生じやすい部分であろうと思えた**]
― プラメージ王国軍野営地 ―
[自身が口にした懸念に対し、司令官代理からはそれを晴らすための言葉が丁寧に紡がれた>>55]
ええ……彼らの士気は、見習うべきものがありました。
確かに、相手が誰であれ諦められるものではないでしょうね。
[彼らの熱意はセルウィン自身も目の当たりにしてきたもので、大いに頷ける評価であった。
揺らぎを警戒すべきは兵役組の方かも知れぬと、自戒を込めて思う。
そして上官の作戦はそれらを見越してのものでもあろうか]
誰と一緒に戦うか……。
[その言葉>>56に、幾つか浮かぶ顔はある。
事態が動いてからはまだ直接に言葉を交わしてはいなかったが]
――はい。
隊を預かる者、義勇兵らの意志を助ける者として。
その言葉、肝に銘じます。
[緊張ではなく意志を示すためというように、もう一度姿勢を正す。
司令官代理から向けられたのは好意的な言葉>>57。
それを高揚と共に胸の内へ留めつつ、彼の言葉に短い返事を返した]
[そして話を切り上げた彼と別れるが、呼び出されギデオンの許へ向かう義勇兵>>52と擦れ違うことはあるだろうか*]
― 回想 ―
義勇兵の訓練……?
[カーマルグ半島へ赴いたセルウィンら軽装歩兵隊に言い渡された任務。
それがトルーンからの避難民へ武器を渡し、訓練を与えることだった。
自ら半島を取り戻すという彼らの意志は既に司令官へと伝わっており、司令官からの伝令によって、志願者は仮宿舎近くにある開けた場へ集められているという。
すぐにセルウィンらもその場へと向かい、顔合わせと相成った]
こいつらが、ね。
[集合の声を掛けるより先に、品定めのように志願者たちの様子を見た。
当然ながら、兵役組と比べ年齢にはばらつきがあり、年若い者から壮年まで見受けられた>>49。
兵役経験者もいるということで、彼らに対してはカンを取り戻させたり、体力の底上げが中心となるだろうか]
――集合!
[頃合いを見て、セルウィンは志願者たちへ向けて声を張る。
自身の隊へは密かに合図を送っていたこともあり、志願者の意識が完全にこちらを向く頃には、セルウィンの背後で整列を終えていた]
我々が諸君らへの訓練を担当する、プラメージ王国軍軽装歩兵隊である!
私が隊長のセルウィンだ。
訓練においては、私の指示に従ってもらうこととなる。
[訓示らしきものをするのは実はほとんど初めてなのだが、それなりに振る舞えるのは兵役前の"教育"の賜物か。
指導対象には自身よりずっと年上の者もいたが、臆しているように見られぬようぐっと胸を張った]
兵役経験済みの者なら、ある程度の訓練内容はわかっているだろう。
その者らには隊員と訓練を共にすることで、カンを取り戻してもらう。
未経験の者はいるか? いれば、前に出るように!
[呼び掛けに応じる者は幾人か。彼らの顔を一通り見渡した後]
――どうやら、それなりに体力自慢が集まっているようだな。
だが、これからお前たちがすることは農具や漁具を振るうことじゃない。
武器を取り敵に立ち向かうことだ!
[張り上げた声に合わせるように、自身の武器である短槍を手に取り前方へ向け構えた。
背後の隊員らも同様に動いたのだろう、空気の動きと金属の小さく鳴る音が伝わる]
相応の覚悟を決めてもらう。
もっとも――最初の敵は、我々が与える訓練メニューとなるだろうな。
[そこまでを言い切って、短槍を納めやや肩の力を抜く。
改めて義勇兵たちを見渡して]
質問があれば聞こう。なければすぐにでも訓練に取り掛かる。
[隊員たちが準備のために動き出す足音を聞きながら、セルウィンはしばしその場に留まった*]
/*
別にそこまでエラソーキャラになるつもりもなかったんだが。
昇格で浮ついてる+虚勢張っちゃったってことでひとつ。
しかしギィ様に声掛けられてウッキウキだったし、上官ポジションだとPCは勿論PLの目配りって大事だなーと。
そしてベリアン様は思ったより柔和だったけどそれだけでもないんだろうな。
英雄腹心の独特の通じ合いみたいなの、両陣営とも素敵。
― プラメージ王国軍野営地 ―
なっ……カレル!?
[上官との話を終えて別れる間際、朗らかな声がこちらの名を呼んだ>>81。
ぶんぶんと振られる手に返すことなく、視線を斜め下に逸らす。
拒絶というより照れに近い、とは、向こうにも悟られてしまっているかもしれないが]
くそっ、あの調子は相変わらずか。
司令官代理に呼び出されているんだぞ……!?
[ぼそぼそと虚空へ向けて悪態をつく。
しかし変わらぬ明るさのカレルに、幾らか気が軽くなったのも確かだった]
― 回想 ―
……ふん。
[訓辞の途中。武器を突き付ける動作>>85に関しては、事前に隊員らと取り決めていたことだった。
隊の統率と練度を示す。同時に、武器を向ける恐ろしさを一端でも体感してもらう。
それで離脱する者があっても致し方なし、と思ったが]
逃げなかったな。
しかし、恐れや緊張を忘れてはいない。
[彼らが息を呑んだことも、歯を食い縛りながらも心を決めた>>86ことも、セルウィンはしかと見ていた]
――どうした?
[そして質問を、と投げ掛けた所に挙がる手があった>>87。
続く言葉は真摯なもので、セルウィンは一瞬虚をつかれたような顔をする]
あ、ああ……。
[自分たちにとってはあくまで任務の一つ、多くの隊員はこの土地に思い入れもない。
しかし彼らにとっては故郷を取り戻すための戦い、真剣さが違う。
この先何度も感じることとなる彼らの熱意を、この時初めて目の当たりにした]
お前たちの思いは受け取った。
ならばこちらも、相応のものを課そう。
[深く頭を下げる青年に、手抜かりなく訓練を課すことを約束し頷く。
そして彼らが頭を上げた所で]
お前、名は何という?
[挙手した青年へ訊ねる。
周囲の視線の動きや頭を下げた所に皆が倣う様子から、彼が若者たちのリーダー格であることが察せられた]
……いい顔をしているな。
よし、ならば最初は走り込みからだ。
武器を持つ以前に動けなければ話にならん。
――日々の仕事で鍛えられていると思っているだろうが、それらとは違う筋肉を鍛えることになるのだ。
楽ではないぞ!
[そう発破をかけるも、やる気に満ちた彼らの顔を見れば、皆十分について来られるだろうと思えた。
そして数名の隊員を間や後ろへ配しつつ、自らは先頭に立って走り込みへ向かう]
[――そうして、訓練の基礎をこなす日々が過ぎた後、セルウィンは兵役未経験者を例の集合場所へと集めた。
彼らの前には、輸送隊に届けられた木箱が並ぶ。
蓋を開くとその中には、様々な種類の武器が入れられていた]
ここにあるのは国からの支給品――お前たちの武器だ。
どれでも好きなものでいい、手にしてみろ。
[そう促し、自身は後ろで手を組んでその様子を見守った*]
[カレルと顔を合わせるのと前後して。
司令官代理が馬を向けた先に、ベリアンの姿があった。
顔を合わせたばかりにしては随分と通じ合った様子で、ギデオンはベリアンを馬上へ上げる]
ず、随分と、距離が近いな……。
[彼らの繋がりをセルウィンは知らない。
ギデオンは社交の場で見かけることはあっても、何処か遠い存在だった。
一方、ベリアンは――
ごく個人的な思い入れはあったが、それはあちらの与り知らぬことであった]
― 回想 ―
["ヘイエキ"の話は、セルウィンが幼い頃から随分と聞かされてきた。
大人になってすぐ位に参加すること。貴族でも例外はないこと。
――でも、兄の参加は出来そうにないこと]
[兄は生まれつき足が不自由だった。
杖がなければ長時間立ち続けることも難しく、武器を持って戦うなどとても考えられない。
兵役は当然免除となるだろう。
正当な理由ではあるのだが、ただ、問題は貴族としての体面だった。
身分を問わぬ義務から免れることが、口さがない貴族らの間でどのような目で見られるか]
[幸い、体裁を保つ当てはあった。
次男のセルウィンは健康体で生まれつき、運動能力も申し分がなかった。
彼が兵役に加わり十分な実績を残せば、アルニムの家に瑕疵があるという噂は打ち消せる。
その目論見のために、武器の扱いなどを教える家庭教師が雇われ、セルウィンに独自の教育が施された。
そうして鍛錬を積む日々の中で知ったのが、ベリアンの名だった]
[初めはただ、社交の場で挨拶を交わしただけだった。
10かそこらだったので、親について回って決まり文句を言うくらいしか出来なかったけれど、どこか異国を思わせるその顔立ちは印象に残っていた。
"奥様の本当の子ではない""異国の女に産ませたとか"そんな噂が、大人たちの口から囁かれるのも聞こえてはきたけれど]
[そのうち彼が兵役で呼ばれたこと、そこで活躍して国軍に加わったことも噂で知った。
その頃には親たちも、自分を励ますためにその名を出したのだ。
兵役で活躍すれば、ベリアンどののように出世できるかもしれない。
自身に課された義務には相応の見返りもあると教えるように、その話は度々聞かされた]
[ただ、いつしかセルウィンの中で、ベリアンは出世のモデルケースを越えた憧憬の対象となっていった。
様々なゴシップの種となりながら、それを実力で跳ねのけて地位を手に入れた人物。
"そうなることもある"ではなく"そうなりたい"と思うようになっていたのだった。
そろそろ自身の身の振り方も、考えなければいけない年齢に差し掛かっていた]
[そんな密かな憧憬を抱いていたところで、同じ戦場に立つこととなったのだった。
彼への眼差しの意味を語る機会は恐らくないだろうが、行動でそれを示すことは出来るだろうか*]
― 回想・了 ―
まったく、調子を狂わされた。
[カレル、ギデオン、ベリアンがその場を離れた後、セルウィンは軽く咳払いしつつ姿勢を正した。
隊員たちはその様子に視線は向けても茶化しはしない。
ただ、兵役に加わって以来常に同期のトップを意識し続け、気を抜く様子を見せない部隊長が、カレルに対してのみはその態度を崩すことは皆の知る所だった]
さて、近く行軍の指示が出ることだろう。
休息は取れる内に取っておけ、次なる動きが鈍らぬようにな。
[恐らくは現在軍議が行われているだろうことを思いながら、自身は次に備える**]
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