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そうとも、 君と 僕の"理想郷"。
…君が船酔いしなければね?
荷物は準備できてるかい?
[ 言葉を紡ぎながら、ふたつめを整えて"ツインテール"の完成!
身支度は此で良い。頭の先から足の先を滑る様に眺め、改めて問うた。]
[彼女の抱えた荷物は "荷物の一部"で
もうひとつ、ふたつ 大きな鞄があった。
彼女の服から、自分のものも、
それにお気に入りの"インテリア"とか…
── どうにも物が減らせない。
片付けも下手なので、鞄のなかはどうなってしまっているやら。
ただ、 まあ いちおう"準備"はできていた。
彼女の服は 此方が用意している とはいえ
荷物がないわけじゃあないだろ? と
麗しの紅瞳を覗き込んで**]
ふふ、 迷惑?
酔った君もかわいいはずさ。
─── 船よりは僕に、とは思うけれどね。
[ つれない、 ってわけじゃない。
この子は"はじめて会ったとき"からずっと"こう"だ。
軽薄な舌は何時もどおりだし、
この子だって 何時もどおりなんだ。
─── 安堵さえ ある。
できればずぅっと こんな感じで適当に遊んでいたいのだけど、 ]
[ Somari家の当主たる父越しに渡された
ちぃさな箱は ─── たぶん何処かの荷物に紛れている。
置いていきでもしたら後々が面倒だ。
中身も見ていないが… 想像は、出来ている。
───薬指サイズの緊箍児だ
今日これからの"ひとりたび"だって
本当は相手が居たのだけれど、]
" 従者だってひとりぶんなのだよ、 わかるね? "
[ ───どうこう言って誤魔化したのだ。
チケットは二枚、そう押し切って。 ]
[ ……それだから、]
駄目だよ、ユーリエ。
君にはこれから 大役が待っているのだからね。
…僕のひとりたびなんて、部屋がとんでもないことになるんだから
片付けてくれる人がいないと!
─── だから、 "ふたりたび"なのさ。
[ ちぃさな鞄に、何を詰めているのか、
"主"のわりに 聞くことさえせず、
小柄な身体に大きな荷物を2つも下げたそれには、
─── すこぅしばかり、 美しくないなあ、って顔も、すれど、 主であるからには、仕方がない。
もうひとつの鞄を下げて、大仰に一礼、扉を 先に通り過ぎた。]
[ Somari家には 他にも、 クラシックなメイド服を着用した、所謂"使用人"が数名いるが、
基本的に長男たる男の部屋に出入りするのは只、ひとりである。
──── それだからきっと、 この男の部屋が
常日頃からとんでもない有り様だなんて
そう、 知り得ることではなかったろう。]
[ ──── 何せ、"外面"で言えば、
・・
(多少の女遊びにさえ目を瞑れば、)
"片付けのできない男" では 無かったものだから**]
/*
all鳩奴なのでこの こう 発言ボタンが消えてしまう奴のために
発言先をさわると言うことをしたっぽいんだけど
表で宛先指定できるのはガチだと楽な感じがするね…
[ 彼女とはじめて出逢ったとき、
─── どのくらい前だったか。
もう少し、若かった。
…若かったから、だったのか
衝動的な"お買い上げ"だった。
──── 理由は、あったとも。
もっと 幼い頃の記憶のために。]
[ 父親は、 怒ることはなく、
只少しばかり 怪訝な顔で、聞いたのだ。
……あのひとは、 良く似ているから、
「女の趣味が変わったのか?」なんて そう尋ねてくる
否、 腹をたてた記憶はない。
柔く笑い、ぽつり と、]
" 従者、というつもりも、 女 というつもりもないのです。 "
" …なん、だろうね。
─── 僕にもわからない。 "
[ ─── ただきっと、 " " に 近いのです。
何と言ったのだったか、 …もう、忘れてしまった。]
[ 結局、何かしらの仕事をさせなければ、と
……そういう経緯で、部屋に招くことになる。
コレクションに触れるには、知識だって必要だったし、
それなりの身なりだって、必要だったから
彼女がどんな生活を送っていたのか、そんなことは全く、こちらから聞くことさえなく
学問と マナーとを 教えるのは、自然と
──── 只ひとりの"ソマリ様"だ。*]
[ ─── 自然と"想起"していた。
車のなかが、静かだったから。…きっと、そうだ。
基本的に口から生まれたような男、
静かな空間であれど適当な話題を紡ぎ続けることが 出来たけれど
窓に写る 無口な少女の横顔を眺めつつ
…珍しくもそぅっと、 口を噤んだ。 ]
──── 港 ─────
[ 港につくまで、 静かだった。
窓の向こうを 紅といっしょに眺め見て、]
─── "
暫しの 新しい世界さ。
ほら、海に慣れておかないとね。
[ 運転手が扉を開けるから、とん、 と
ちぃさな背中を押した。
"先に降りる"のが従者 とか そういうのではなくて
海に近づくには、 それが一番手っ取り早いだろ?**]
[ 昔、 船に乗っていた。
─── "豪華客船"なんてものじゃあなくて
もっと……薄暗いもの。
ある 晴れた日。
澄んだ空のもとだった。
まだ10代の"青年"は 甲板に立ち、海を見下ろしていた。
足元には畳まれた服と、靴とが象徴のように置かれている。
──── だれか の いきた"象徴"だ。
彼の"だれか"は発見されることもなく、行方不明として家族に知らされる。
きっと そう、 つめたいうみのそこ*]
[ ……軍役時代を思えば、男にも "うみ"に良い思い出は少なかったが、
いつか、 珍しくも物の少ない机の上で
辞書を広げて Sの欄。
Somariと言えば猫の品種が出てくる、 とか そう言う話をしようとして、
偶々、 "うみ"に 目が止まったのだろう。
( 当事、 質問を聞いたとき、
すこぅしだけ、 "どうして?"と
彼女の生活を 聞き起こしてみようか、
……そうも、思ったけれど、 )
指先で"うみ"の文字をなぞり、ちぃさく首肯して、]
…そして、 跡形もなく消えてしまうんだ。
──── 死に姿は、 あんまり見られたくないよね。
[ まるで、 だれかのあかしを 肯定するように、*]
[ ちぃさな従者のとなりに、並び立ち
"うみ"を 眺めている。
──そんなに、眺めて面白いものじゃあない。
近くに"目の保養"でもあれば 楽しくはあるが、
…此処は、 港なので。
白砂のビーチじゃあ なく。
だからといって彼女にも、同じ様を求めたわけではなかったが、
感想ひとつない少女に すこぅしばかり笑ってしまって、
( らしいな、 と思ったのだ。
きっと昨日食べた魚を思うくらいの
"知識"は 浮かぼうけれど、 )]
──── よし、 海への挨拶は済んだみたいだね。
これから飽きるほど見るよ。
[ 荷物ひとつ、片手に下げ、
タラップを昇る足取りは 軽い。]
──── 部屋 ─────
[ ちゃんと"豪華客船"の室内だった。
よく知っている艦内の部屋は、大体四人部屋であるので…… ]
[ 荷物を適当に置いてしまうと、
( これだから部屋が荒れるのである。 )
先ずは くるくる 調度品を見回して、
ベッドとか、 バスタブとかを眺め、]
─── うん、 スイートっぽい。
[ …等と、本当に"わかっている"のか怪しい感想を述べて、
まずは、 と 鞄のひとつから ちぃさな写真たてと
あんまり趣味のよくない犬の置物をベッド脇に 立てた。 ]
[ …その際、鞄のどこに何があるのか、
探りながらだったもので、
引き出された荷物が床に散らばっていくのは、
──── もう、いつもの景色**]
うん、 これは "おくりもの"だからね。
[ アメリカ国旗を背負った不細工な犬は、
おくりもの、であり "オマージュ"。
─── "仕事"の内容は 大分違うのだけどね。
それでもいつも連れ歩いてしまうのだ。
きっと "猫"だから。
──── 写真たてを一瞥した後、
犬のとなりにそっと 倒した。]
[ ─── 部屋に招く人が居なかった頃、
足の踏み場なんて "部屋の主"にしかわからない
…そんな、部屋をしていた。
服は、使用人が綺麗にしてくれているので
クローゼットは別にあったから、身なりがぐしゃぐしゃになることは無かったけれど
増えていく"自分のもの"に 埋もれる様、
─── いつか 自分さえ立つ場所が無くなるような
何れ"好事家"等と呼ばれるようにも成れど、
実際はきっと、 そう 興味はなかったのだろう。
きっと "あかし"だけを 集めていたのだ。]
[ いつか、跡形もなく消えてしまった、
名も知らぬ誰かの"あかし"は
結局甲板に揃えられていた其等しか無くて
─── 私物の持ち込みなんて殆ど許されなかったのだ。
仕方がない。
柩の中に納められたものだっておんなじ。
死に顔を覗かれるよりは、良いのかもしれない。
"空"の箱を 見下ろして、
R.I.P 漸く名前を知った、"誰か"]
[ それぞれの置物に場所を与えつつ、
"従者"の服だけは皺を伸ばしてハンガーにかけたりして
( 己のものは彼女に任せてしまって!)
……そのうちに、とりあえず連れてきたあの、ちぃさな箱を
全く頓着せずに投げ捨ててしまっていたことなんて
言われるまで気がついちゃあいなかった。]
どれ……?
[ もう、 持ってきていたことさえ忘れているから
返事はぼんやりとした其れで、
手渡された箱だってぼんやりと眺め、
──── あっ、 みたいな
そんな調子。
そのうち 苦い顔をして、中を確かめることさえせず、
ナイトテーブルの引き出し、聖書の上に ぽんと 放ってしまって
無かったかのように仕舞い込んだ。
よし、 と口にまで出して、]
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