情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 7日目 エピローグ 終了 / 最新
6人目、調香師 エレオノーレ が参加しました。
調香師 エレオノーレは、狂人 を希望しました(他の人には見えません)。
[柊の匂いがした。
甘ったるく、やや人を酔わせる香り。金木犀ほどは強くないそれは、彼女の顔を少し綻ばせる。
>>#1
どこからかの声に、彼女は顔を曇らせた。
幼い頃に事故で言葉を失った彼女にとっては、言葉を発せないという点において違いがなかったからだ。
どちらでも変わらない、彼女はそう思ったが、その言葉が紡がれることはない。
不意に空からの冷たい吐息を感じ、ふんわりとした甘さは掻き消える。
ああ、冬の匂いだ。彼女は、そう感じた。]
[朝曇りに何やら煙い匂いが漂っていた。
おはようございます、と胸の内で呟いてみる。
不思議な方が多い村だ彼女は思ったが、ただささやかな微笑みを零して仕事に向かうのだった。]
[肌に刺す冷たい風に、彼女は身震いした。
羊や兎ですら言葉を話すというのに私は、と少しだけ自虐する。儚げな面持ちで、彼女は議題を眺めた。
彼女にとって筆談というのは、手話の通じない相手への貴重な意思表示手段だったから、お世辞抜きに端正な文字で、非常に読みやすいものを書き上げたのだった。
■1.手が離せない用で急にいなくなりがちです。
■2.早めだと早く寝られて嬉しいです。
■3.予定はありません。
■4.意思疎通に難があり、ご迷惑をおかけするかもしれませんが、よろしくお願いいたします。
吹き下ろす風の中に、茶花の弁とその匂いを見つけ、少しだけ表情和らげに、彼女は仕事に向かうのだった。]
[遺言も、同時発表も、彼女にとっては難しいことだった。何しろ、ただ言葉にするのと違い、文字に書き起こして示さねばならないのだから。
わずかな悲しみを湛えながら、彼女はただ見守っていた。誰かがそれをすることがあっても、彼女がそれに倣うことはないだろう。決して。]
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 7日目 エピローグ 終了 / 最新