情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 エピローグ 終了 / 最新
[破顔と共に届いたカークの声へは、
似た笑みと首肯を返す。>>61]
忘れ得ぬ風を、時折こうして
届けてくれる男も居ることだしな。
[カークが伝書屋として初めて己の前に現れたのは何年前になるだろうか。彼と彼の父親とディーンとの邂逅間もなく自分が平原を離れてしまったから、少年期の遊び仲間であったのはほんの1、2年のことであったが、剣の手合わせをはじめヤンチャに付き合い付き合わせた当時の印象は強く。
それゆえ、「伝書屋」名乗る彼と久方ぶりの再会を果たした時に
最初に言い放ったのは「お前…、何かあったの?」だった。
堅実な道に進んだかのように見えて驚愕したと正直に告白しつつ、
よくよく聞いて情報屋稼業であると知れば、胸を撫で下ろしたりもした。重ねて失礼をしたものである。
カークの出身はここ州都であったと何かの折に聞いていた。
適材適所なのかも知れぬと、腑に落ちる。]
風の路を作ってくれること、感謝してる。
[内容を慎重に読み返し、封を終え。
待たせていた応接間にて、文を手渡した。
確実迅速な配達へも確かな信頼を置いていたが、
この手の手紙を預けるのには気を許せる知己ほど安心な相手もいない。]
頼んだ。
……次に会う時は戦場だな。
[盟友の一人たる彼へ、己が意志を託す。*]
― 回想・再会 ―
[門上の取次ぎ役に名は伝えた。
弓射かけられることもなかろうとは思うが、
砦門を前にしての馬上待機は気が張るものだなと首を回せば
不意打ちのように降ってきた声に思わず顔を上げる。]
兄さん!
[張り詰めていた糸が一気に弛み、ぶんと両手を振って、
馬上から半ば飛び降りるように降りて、駆け寄った。]
…って あぁ、久しぶりなのに、
大人になったのだと折角格好付けておく気でいたのに、
だめだな、実際にあなたを目にすると。
この忙しい時に出迎えてくれるなんて思ってもみなかった。
[再び襲い来る緊張に、鼓動が痛い。
懐かしいひとと再び顔を合わせることの出来た喜びは
平原で風を浴びた時と同じ、否、それ以上の高揚を連れて来る。]
[ディーンの表情に、託した文は無事に届いたのだろうと知る。
すう、と息を吸い込み、その場に膝をついた。]
……ご壮健で何より。
長らく留守にしておりましたが、
ヴィダン族レイナルドが長子エドルファス―――ハーウェン、
此度の一挙参陣致したく、急ぎ州都より馳せ参じました。
[共に過ごした記憶の中に焼き付くそのひと。
数年を経て、より一層研磨された光を仰ぐ。*]
― 回想・砦到着直後 ―
[ディーンの受容の言を受けて、漸く心底から緊張を解く。
6年という時間の隔たりなど感じさせぬ仕草に微笑み、
伸ばされた手を借りて地に付いた膝を上げた。]
ああ、もう?
流石軽妙、機敏なカークだね。
マーティンさんもチャールズさんも変わらないんだな。良かった。
ヤンチャをしてドヤされたり諭されたりした頃の印象がまだ残っていて、枯れた姿なんてこれっぽっち想像もしていなかったけど。
………と。
[チャールズとマーティンに行き遇えば、
深い礼を取り、独立解放軍加盟の運びを改めて告げる。
彼らは古株も古株、ディーク側近として解放軍に於いて重要な立場で力を揮う存在であるはずで、自然、背筋も伸びよう。]
長らく不義理を致しておりました。
エドルファス・ハーウェン、参陣します。
微力ながらこれまでの時間と距離とを埋め、
我が盟主殿の道に風を送る働きをさせて頂く所存。
[……拳骨貰わぬように。
小声で付け足して、昔のように稚気閃かせた瞳でにっと笑った。*]
/*
ディーン兄ィのお迎えが嬉しいね。
カークも色々拾ってくれてありがとう!!
幼少時の縁というのはうれしい。
こちらの陣営はあとはサシャだけど、まだいらしてないね。
彼女との立ち位置はどうなるかな。
遊牧民と森の民、よき隣人だったのかその逆か、さて。
/*
そういや、ディーンの身分は最初から知られていたのか、それとも途中まで隠していたのか、どちらだろう?
■やること
・一族顔合わせと取り纏め
・義父絡みはサクッと出した方が良さそ
・何か小難しいこと考える
エディ、もっとざっくばらんに生きる心算が
思ったより通常進行蒼さんになってしまった感じがしていてね
ちょい真面目路線ェ… まだプロローグなのよ!
マーティンさんの戦いぶりも見ていた。
豪腕一振りで周りの兵が薙ぎ倒されるなんて、あんなの早々見られるものじゃないから、思わずそっちに気が行って手が止まったくらい。
そのうち野稽古でも付けてください。
[先日の再会で、マーティンは変らぬ笑顔でエドルファスを迎え、
大きな手は子供の頃のように髪をわやくちゃに乱した。
大人に対して何をするのかと抗議の声を上げたのは口先だけ、大きく温かなそれは心地よくて、されるに任せたのだった。
その手の感触はごく僅かに年を重ねたことを感じさせはしたが、まだまだマーティンは若く働き盛り。休ませはしないよと、戦の合間の口約束を取り付ける。
ディーンの補佐でそれどころではないのが実情だろうが、言うだけタダだ。]
― 回想・ある日森の中 ―
[過去、ディーンに伴われ森へ向かったことがある。>>107
マーチェス平原に隣接するキュベルドンの森は当然のように遊び場であったが、クマ退治をすると言われたのは後にも先にもただ一度きりで、馬上で何度も兄貴分に問うたものだ。]
「ねえ、ディー兄ィ。クマって、あの熊?」
[森の王者、森林生態系の頂点に立つ生き物を思い浮かべ、
エドルファスは表情にありありと疑問を浮かべる。
ディーンの武器は両腰の山刀だけ。自分はダガーに布の服。
こんな装備で大丈夫か? 否、子供だけで大丈夫か?
かくして、花咲く森の道もとい森の橋で出会った熊は、
堂々とした巨躯を誇り聳え立っていた。]
「クマ。クマって……人間じゃないか。
あっ、ちょっと、ディー兄!?」
[預けられた手綱を放すことも出来ず、
物怖じせず男の足元まで歩いてゆくディーンの背に声を投げる。
金品置いてゆけと笑うクマの顔と兄貴分とを交互に見る。
大振りの斧のぶんと風切る音が耳につく。
――「どちらかと言えばあの時って、喰いに言ったのは兄さんの方だったな」と笑い話に出来るようになったのは、それから少し後になる。*]
[彼らと親しく交流を持つようになってからは、
熊ことマーティンは「カークの親父さん」として認識され。
身近な大人であったチャールズもまた、「ディーンの親父さん」であった。
少なくともディーンが出自を明かすまではそのように思い込んでいたし、二人の間に血縁のないことを聞いた後も、大きく認識を改めたりはしなかった。
父無きエドルファスにとって「父親」は概念でしか知らず、
概念としての父親像は時に優しく時に厳しく庇護と愛とを与える者であり、彼らは正しくそれに合致して見えていたのだ。*]
[義父との出会いは6年も昔に遡る。
まだ草原に暮らしていたある日、酷い熱病に罹り生死の境を彷徨った。
彼方此方遊びまわっていた所為で、
草木の毒か虫の媒介する厄介な病原菌でも拾ったのだろう。
一族に伝わる薬草や民間療法ではどうにもならぬ、と、
平原を縦断し州都への帰路の途にあったラモーラル軍兵に同胞たちが助けを求め、その中に軍医が居たらしい。
らしい、というのは、熱に浮かされて記憶は途切れ途切れで、
目を覚ました時には州都の診療所で治療を受けていたからだ。
診てくれていた軍医は、人好きのする笑顔が印象的な
口髭を蓄えた初老の男性だった。]
[物心付く頃には両親は他界していた。
けれど寂しくはなかった。自身の属する民は懐広く、子は皆の子として皆、大人たちの柔らかな眼差しの中で育てられたものだ。
けれど、定年間際だというその軍医は妻を早くに亡くし子も居ないと言う。すっかり快復し見慣れぬ環境に興味を示し始めた14歳の少年に、良ければ養子にならないかと持ちかけたその人の瞳は明るさの裏に寂しさを湛えているようであったから。
共に暮らすことで恩返しの一部になるならばと、それを受けることにした。
まずは学業からと、一定の学業を修めた。友人も出来た。
軍人の道を歩むことへは首を振ったが、身体を動かすのは悪くないと、養父の伝手から武器の修練場を紹介して貰いもして。
ディーンやカークらの間で覚えた、子供同士の剣士遊び程度だった剣も、正規訓練を受けた軍人とまでは行かずともある程度渡り合えるであろうほどには身に付けることが出来ている。]
[―――そのように6年もの間、多くを与えてくれた義父も、
昨年の暮れに息を引き取ってしまったのだが。
多くの人の生命を援け敬愛を受けたその人の、
義理とはいえど『息子』として看取ることが出来たのはきっと、
大変に幸運なことであったのだと思う。]
[この身に宿る血は平原を渡る流浪の民の血。
ゆえに、心の底からは新たな地に馴染み切れなかったこと。
国の構造を学び識る度に、その在り方への思索に没頭し、
成長と共に募る違和感と焦燥を捨て去ることが出来ずにいたことを。
義父は何も言わずともそのまま見抜いていて。
「思うままに生きろ」と今際の淵で聞き取った言葉、
遺言になってしまったそれすらも、恐らくはずっと以前より、
自分への餞として用意してくれていたのだろう。]
[血を受け継いだはずの父の顔を知らぬ己にとって、
過ごした時間は短くとも、彼は確かに『父親』であり。
時に優しく時に厳しく庇護と愛とを与えてくれた者であり。
だから、せめて。
この身平原に帰れども。
伝えきれるはずもない義父への感謝と、
一時でも彼の息子で在ることが出来た誇りのために、
ハーウェンの姓を名乗り続けると決めたのだ。**]
/*
増えた分確認しつつもいっちょメモを置く。
>>138
今回、敢えて髪の色目の色を描写していなかったら、
マーティンさんが萌黄色って言ってくれてたね!
わあい貰ってしまおう、ありがたい!
瞳の色は何だろうな、るがるだと緑っこ使用率が高いもんでネタに苦労する。
いつぞやのアデルの色に合わせっかな。双子チップだしな。
>>176>>177
クレステッドのこれ、拾わせて頂けると美味しいかもしれないね。
いいかな?行っちゃっていいかな?と周囲見回しておこう…!
>>127
カークの手土産もーらい。
季節の生薬の原材料。これ使いましょうね。
― 現在軸・クリーク砦内 ―
調子に乗るから、あまり褒めると危険かもしれませんよ。
[マーティンの言葉は昔から、
つい丸ごと信じてしまいたくなる不思議な力がある。
それがきっと彼の魅力の一つであろうが、真っ直ぐな賞賛を自分に向けられると流石に面映い。目を瞠って驚きを表現する彼に、エドルファスは照れからか頬を掻く。>>185]
でも、マーティンさんにそう言われると、
より強く、上を目指したくもなってしまうな。
……ま、戦の中で強くなっても、屍が増えるだけなんだけれど。
守りたいものを守り、掴みたいものに繋げる力は、
どれだけ持っていても困るものじゃないよね。
[野稽古の快諾には、ありがとうと礼を告げた。
カークの手合わせも、思えば平原に居た頃以来だ。
味方を知り己を知るいい機会だ、尤も、カークがいつ帰るか分からぬ以上いつ成せるのかは分からなかったが。]
州都方面への南下行軍に組み入れて貰えるように
ディー兄ィには打診、というか、申し入れはしてきた。
許可を貰ったので、共に向かうことになると思う。
[「も」と言うからにはマーティンも加わるのだろう。
互いに確信を抱いた口ぶりで、今後の足取りについて確かめ合う。]
副将のマーティンさんが南下なら、
背後を固めるのはチャールズさんになるんだろうか。
詳しいことはこの先きっとディー兄ィ…盟主殿の号令があるだろう。
[一般兵ががやがやと脇を通り過ぎかけて、
念の為彼らの前では盟主に対しての呼称は整えておく。
ディーンには気軽な呼び名でと言われたが>>189
只でさえ民兵の多い解放軍、兵の意識を弛めぬためだ。]
それじゃ、僕は一族の皆に挨拶してくるよ。
実のところ旧交を温める間もなくて。
[また後で、とマーティンに告げて、
彼が先に移動するようならばその大きな背を見送る。*]
― 再び現在軸・クリーク砦内 ―
[訪れた仇討ちの好機、
ディーンらは決して討ち漏らしはしなかった。
辺境伯の亡骸は彼の近臣兵らが連れ帰ったと兵伝手に耳にする。
かつて名宰相として名を馳せたらしいその男が、
この地ラモーラル領の領主であったディーンの父を殺め、
国の構造改革の一翼を担うこととなったのは15年も前のこと。
当時のエドルファスの年齢を考えれば、アルブレヒト・ノイアーに対し
エドルファス自身が直接的な怨恨を抱かぬのは道理だろう。
特に今は、現在の国のありようを憂い独立回帰に希望託した身、
仇討ちの標的となったノイアーへ感傷を抱く義理もない。]
[だが―――
辺境伯嗣子、オクタヴィアス・ノイアーを思う。
彼は幾年も前に居所をウェストマールの王都に移していると聞く。
ゆえに拝顔の機会は無かったが、義父に連れられて行ったラモーラル軍施設内で肖像画を見る機会は得られた。
エドルファス自身とも年の頃は然程変わらぬ位であろうか、端整な顔立ちと真っ直ぐな瞳が印象的な青年。
オクタヴィアス・ノイアー。
州都に居た頃に幾度も耳にした名、伝え聞く人となりとその評判は総じて高く、人質にも等しいその嗣子の境遇に対してはエドルファスの知る限り、民たちから同情的な声が多く聞かれていたと記憶している。
辺境伯が討たれたとなれば、次に擁立されるのは彼であろう。
そしてその場合、ラモーラル州都周辺域に住まう民の後押しも相当に高い、筈。
そも、彼が正規軍に合流する場合というのは、独立解放軍の戦況も芳しくはなかろう。どちらにせよ喜ばしい状況ではない。]
[オクタヴィアスの南下か、ラモーラル正規軍の北上か。]
少なくとも、ウエストマール国の麾下へと立場を落としてから
ラモーラル嗣子の置かれた立場を思えば、
彼がぬくぬくと王国で国の成り行きを見守って居られる筈もない――…
と…なると、後ろも苦しいよな。
[だがウエストマーツとラモーラルを繋ぐズワンズの谷は深く、
関所を避けて他の道を模索するにも困難が伴う筈だ。
南北にラモーラルの地の縦断を狙うとすれば、独立開放軍がこのクリーク砦を抑えている以上、遅かれ早かれ衝突は免れまい。
挟撃となる前に南に討って出る、その先を想像する。
ディーンらと共に南下軍に参入する心算でおり、先刻許可も得た>>189が、自身もまた兵の運用を思考せねばなるまいと、今後の方針を粗方把握し終えた頃合を見て一度場を離れた。*]
/*
ところでディーンは本当にディーンでいいんだよね
ディーク表記の人もちらちら居るので
兄ィのお名前打つたびに挙動不審になれるww
まちがってたら言ってくださいね…wwwww
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 エピローグ 終了 / 最新