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蟲鳥 グレートヒェンは、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
[空に焦がれる者。
外に焦がれる者。
物心ついてからの十数年、そうした者を目にすることは幾度となくあった。
しかし、眼の前にある彼らにこそ、少女は焦がれていた]
[少女の背には、花緑青の――蟷螂に似た翅が生えていた]
[かつて発作的に翅を毟ろうとした少女は、実験施設へと連行された。
単純な治療ではなく改造を、と持ち掛ける研究員に、痛みに朦朧とした意識の中で、強く美しい翼をと求め。
再び目が覚めた時には、花緑青に隠された後翅が、オーロラ紙に似た淡い輝きを放っていた]
違う、こんなんじゃない!
[施設には種々の翼持つ者が集められ、中には同じく虫の形状を持つ者もいただろう。
それでも、少女は受け入れることが出来なかった。
皆が当たり前のように持っているものが、どうして]
あたしも、鳥の翼が欲しいの!
[逃げるように施設を飛び出した少女は、その後も定期検診>>28に現れないなど、度々管理者に反抗的な態度を取るようになった。
自分が要注意人物になっていることも、時折いなくなる住人の噂>>25も聞いている。
それでも、そうなってもいいやという投げやりな気分のまま、日々を過ごして]
[そんな時――声>>6が聞こえた]
― 公園/草陰 ―
[検診を促すシスターから身を隠すように、草陰に潜んでいた少女にも、その声は届いていた]
籠の、外?
[幼い頃からこの都市にいる少女にとって、それは記憶にない場所。
自分が求めるものを持つ彼らのように、強く焦がれはしなかったのだけれど、――でも]
誰よりも高く翔ぶことが出来たら――何か、変わるのかな?
[地に近く低い場所から、遠く高い空に向け手を伸ばす。
美しい翼で宙を飛び交う彼らより、なお高い場所まで行けたなら。
その手にひらり、一枚の紙片が舞い降りる]
カード……?
[手に取り絵柄を見た少女は、唇の端を持ち上げる]
あははっ
[そこには翼持つ生き物が書かれていたのだ。
鳥の翼持つものが4隅に4つ――そして中心には、巨大な輪が描かれている。
世界の変転を司るかのように]
やってやるわ。
こんな翅でも翔べるってこと――見せつけてやる。
[決意と共にカードを握り締めた時、そこに情報が流れ込む**]
────────
■名前:グレートヒェン・アクスト Gretchen Axt
■ソウルカード:『ホイールオブフォーチュン』
■武装:鎖鎌『アプシュナイデン』
■スタイル:近〜中距離
■特殊能力:後翅を改造、エネルギー放出により加速や急激な方向転換を可能としている
■その他情報:蟷螂の翅を持つ有翼種。
花緑青の硬い前翅、淡く光る薄い後翅の2対を持つ。
物心つく頃から『とりかごの都市』に居るため外を知らない。
『蟲鳥(むしとり)』はかつて自らの翅を毟り取ろうとした事と、虫でありながらそれを拒絶し鳥に焦がれる所から。
/*
飛び込んでしまった。
使おうと思ってたキャラがやや被りだったため迷ってたんだけど、蟷螂の斧の意味を調べたら第二希望キャラの設定にすんなり嵌ったのでそのまま入村してしまいました。
しかし運命の輪、4人の天使が書かれてるのね…。なんともはや。
― 公園/草陰 ―
今日は、あの子はいないわね。
大人しく検診にでも行っているのかしら。
[手に入れたカードを取られないようにと握りこみながら、周囲を見回す。
上ではなく水平へ視線を向けたのは、彼女が普段は翼を使うことなく歩くことを知っていたからだ]
[ゾフィヤ・ウェーバー。鴉の翼を持つ少女。
彼女とは出来るだけ顔を合わせたくないと思っていた。
収集物を狙う眼で翅を見られる、そのことも勿論であったが。
最大の理由は、彼女がまだこの都市に来たばかりのこと]
[厭いはしても自ら傷つけることだけはなかった翅を毟り取ろうとしたのは、彼女と接触した直後のことだった。
何故そんなことをと訊かれることは幾度となくあったが、前後の記憶が曖昧だったこともあり、何が一線を越えさせたかは自分自身でもわかっていなかった。
――未制御状態のゾフィアの能力により、理性を失っていたのだと知るのは、それから随分と時が経ってからのこと]
[今では彼女も改造手術を受け、当時のような騒動を起こすことはなくなったらしい。
しかし少女は今でも、彼女に近づくたび、胸の奥をざわざわと探るような不快感と共に、翅の付け根の古傷に痛みを覚えるのだった]
― 散策 ―
[ちり、と何かが呼ぶような感覚を覚えて。
顔を向けた方向には研究塔が聳え立っていた。
カードはあちらに行けと促しているようにも感じられたが]
行かないわよ。
[既に彼らからは目を付けられている身。
折角特別な何かを手に入れられたというのに、別の面倒事に巻き込まれたくはない。
だから窓辺の人物を確認することもなく歩き始めたのだが]
……ん?
[ふと、眼前の人物>>62が、同じく塔に視線を向けていたのに気付いた。
あちらに特別なものなどなかったはず――あの感覚を覗いては]
――何か、気になることでも?
[歩き始めた男の前へ回り込むようにして、声を掛けた]
― 散策中 ―
眼に入った……ね。
ま、いいわ。
[カードや"気配"の話を、オズワルド>>79が口にすることはなかった。
どうやら視線の理由は、こちらが思ったものとは違っていたらしい。
それならそれで余計な事は言うまいと、後ろ手にカードを隠しつつ話題を変えた]
あんた、検診はいいの?
確か今日だったような気がするんだけど。
[正確に覚えてる訳ではないが、自身と重なる日が多かったことから当たりをつける]
あんたのことだから、シスターに呼ばれて真面目ーに受けているものだと思っていたわ。
[にた、と口の端を揶揄に歪めながら、相手の顔を見上げる]
/*
ゾフィヤー!
なんだいい子じゃないか。一方的に嫌いになっててごめん。
そして直後に当人の発言がこんなんでごめん。
― 散策中 ―
ふうん……?
珍しいこともあるものね。
[オズワルドの口にした事実>>92に、目を細める。
雨が降ろうが槍が降ろうが、予定を捻じ曲げることなどない連中だと思っていたが]
ま、あたしにとっちゃ好都合だわ。
あいつらに追い回される日が延びるならね。
[そんな風に言ってくす、と笑い、そこで会話を切ろうとして。
突発的な事態――と、オズワルドの言う言葉に引っ掛かりを覚え、前に出しかけた足を止める]
連中が検診より優先するような事態、ねぇ。
[ふと思い浮かんだのは、どこからともなく聞こえた声>>6のこと]
――籠の外。
なんて言葉が聞こえたら、連中でも混乱するのかしら?
[細めた視線を塔のある方向へ流す。
もしそうだとしたら、との想像に、愉快そうに口の端を歪めつつ]
― 散策中 ―
ふうん、そんなのもいるんだ。
[一人だけ、と言及された人物に意外そうな声を出すも、こちらから詳しく聞こうという気はなく。
続く推測には頷いて同意を示す。
相手はこちらほどその状況に痛快さを感じてはいないらしく、そこに少しだけ面白くなさそうな顔をして。
そこに投げ掛けられる疑問>>101]
聞いたわ。
[相手へ真っ直ぐと視線向け、肯定する]
でもね――あたしは、籠の外なんてどうだっていいの。
あんたたちと違ってね!
[その言葉を捨てるように言って、少女はその場を立ち去ろうとする。
外への渇望。美しき翼持つ者の、純粋なる憧れ]
[しかし――自身も自身の渇望のために手にした力のことは、今はまだ口にしないままだった**]
― 散策中 ―
[こちらの言葉にオズワルド>>114が何を思ったか、確かめもしないままその場を去る。
表情や心を読んだ訳ではない。
ただ、有翼種なら誰もが心に抱くという羨望を、当たり前のように彼も持っているのだろうと思っただけのこと。
思い込みの一言が齎した掛け違い>>115に気付くことも、今はない]
ずるいのよ。
[誰もいない空間向け、ぽつりと呟く]
願いに手を差し伸べてもらえるなんて。
[持てる者の贅沢だと思っても、自らの願いに比べ美しく純粋に見えて腹が立っても。
絶対に叶わぬものだと思っていたから、冷笑混じりに見ていられた。
しかし、試練の果てのたった一人でも、叶える権利が与えられるというのなら]
――許さない。
― 都市東/池の辺 ―
[蟷螂の飛行は跳躍の延長線だ。
以前は放物線を少し伸ばした程度にしか飛べなかったのだけれど、改造を受けてからというもの、体力が続く限りは地に足着くことなく飛び続けることが可能となった。
オズワルドと別れ気紛れに散策していた少女は、ふわふわと半ば浮かんで歩く獲物>>133を発見し、その機能を発揮させた]
なあーにしてるのかしら?
[ぎゅん、と足先を池の水面すれすれに滑らせて、花緑青は翡翠>>134の前に姿を現した。
水面は波立ち、花は幾らか散って乱れただろうが、無論意図的だ]
随分と楽しそうねぇ。
[実際には考え事をしていたのだろう、と、彼女より住人歴の長い少女は察していた。
しかしわざと揶揄うように表現をずらして、眼差しは彼女が抱えた果実の方へ]
美味しそうなの持ってるわね。もらってもいい?
[とりかごの都市で、衣食住に困ることはない。
しかし投げやりな問題児は、敢えてそれらを奪うことを日常としていた]
― 都市東/池の辺 ―
そうね。
[控え目な問い>>144に肯定を返す]
もしそうじゃなくても、あんたみたいなのを見たら勝手にお腹が空くけどね。
[そんな無茶苦茶な論理も付け加える。
そこに返されたのは、ささやかな自己主張。
ふ、と見下ろす視線で笑みを浮かべて]
ふーん……そう。
なら次はあたしがもらうわ。
[もらう、に至る経緯などまるで無視したように。
上体を倒すと、後翅に加速の力籠めて急速に接近し、ローレルの持つ赤色へ右手を伸ばす。
力の残滓が、光の粉撒くように空中へ散った]
― 都市東/池の辺 ―
[手を伸ばすこちらの前で紡がれる宣>>156]
そんな手品が通用すると思って?
[水を操る彼女がその力で奪取を防ごうとすることは、これまでも幾度となくあった。
しかし大抵その立ち上がりは遅く、改造翅で加速したこちらの速度には間に合わない。
今回もそのはずと、高を括っていた、のだが]
うわっぷ!?
[勢いよくせり上がった障壁が右手を弾く。
反応が遅れた少女はそのまま障壁に体当たりする形になり、跳ねた飛沫で全身が濡れた]
な、なによ今の。
[思わず問いを投げたけれど、一番驚いているのはローレル自身だったか>>157。
隙だらけの姿を見て、フン、と呆れ混じりに息を漏らし。
右手を伸ばして、彼女の額をピンと弾いた]
なんか、冷めちゃったわ。
その果物も、もういーらない。
[一方的に手を出しておきながら、もう飽きたというように、彼女へ背を向け去ろうとする。
しかしふと、動きを止めて振り返り]
あんたさ、今の力。練習や改造で強化したって訳でもないんでしょう?
[過去に接触した時から考えて、そのような間はないはずと判断する]
なんか変なもの――手に入れたりしたんじゃないの?
[にや、と、眼差しを細め相手を見る]
― 都市東/池の辺 ―
[額への一発の後に聞こえた、気の抜けた声>>165。
少しだけ溜飲が下がった様子でにたりとする]
[問いに問いを返しながら>>166、向けられたのは険しい視線]
さあ?
知らないのなら教えない。
[面倒が増えるし、と小声で付け加え]
心当たりがあるなら――ま、覚悟くらいはしておくのね。
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