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星の光 月の影
銀の船で 出かけよう
鳥は歌い 花は笑う
流れ星を 捕まえに
夢の海に 出かけよう
[ それは、いつか、赤ん坊の手を握り、どこかたどたどしく歌って聞かせた、少年の声に似ていた ]
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ほんっと申し訳ないけど、投下時点で、赤は全然見えてなかった。
見えてたらポイしてました、ほんとーに済まない。
赤ん坊の頃のマレンマ愛しいが溢れたわけだけど、大天使殿光の人だからねえ…同じ事考えるよねえ…
[ 大天使とマチスの会話の間も、空中での完全停止はできないトラオムングは、緩く旋回しながら上昇を続けている ]
あの大きさなら…突っ込めるな。
[ ぼそり、呟いた言葉の意味は、コンラートの操る複葉機に同乗し、諸共に狭い飛空艦の格納庫に突っ込んだ経験を持つダーフィトだけが、理解できるものだっただろう ]
大将、天の船から降りてくる天使が居なくなってる。
多分、あの中の天使を生み出す中枢が壊れたんだと思う。
今突っ込めば、船ごと完全に、ぶっ壊せるかもしれない。
プリズム?
[ マチスからの通信に乗せられた言葉に一瞬区首を傾げたが、悩んでいる暇はなかった ]
了解、わりーが青痣は覚悟してくれ!
ほんっと、乱暴者だよな、あの大天使殿。
Difendere!
[ しかし、これは予想の展開の中だ。伝声管に守りの言霊を吹き込めば、そこに入り込んで船内を巡っていた、数枚の白い羽根が、それぞれに守護の力を辺りに広げる ]
いっつう…
[ 未だ襲いくる痛みに耐えながら、同時多重にかける守護陣は、船体そのものではなく、乗っている人間達に対してかけられるもの。マチスも含め乗員達は、周囲にふわふわとした翼のような白い光が現れたのを感じ取るだろう ]
[ 天の光が降り注ぐ中、僅かな魔法防御と、最低限の回避行動を頼りに、トラオムングは再度急上昇を始める ]
[ 立ち塞がる天使達の頭上まで、更にその上の宇宙をそのまま目指すかのように、上昇を続け、不意に、急角度をつけて、下降に転じた ]
いっけえーっ!!
[ 目指す先は、天の船…天の力と人の力の衝突によって生じた間隙に、トラオムングは、まっすぐに突っ込んでいく* ]
[ 狙い通り、大天使は上昇するトラオムングの動きを、宇宙を目指すものと見誤り、天の船から離れて追ってきた>>90
おかげで、密集した天使達はいくらかばらけて、そこに隙を作る ]
邪魔すんじゃねえよっ!!
[ 大天使の意志に従い、前を塞ぐ天使は直に船をぶつけることで、排除していった。
当然に、船も無事では済まなかったが、今は飛べさえすればいい。
光の槍を投げつけてくる天使も居たが、船体を貫通しようとも、乗員にかけられた天の力による防御陣は容易には破られず、結果、穿たれた穴も、魔法や修理キットをフル活用して、航行には支障ないレベルまで、たちまち修復される ]
人間のしぶとさってやつをなあ…
[ それはまるで、蘇りの奇跡を、神ならぬ者の手で為すように ]
しっかり、目に焼き付けろよっ、大天使!!
[ 天使達の抵抗を貫き破り、天の船にかけられた防御陣へと突っ込む。タイミングを合わせたマチスの号令によって、魔導砲が集中放火を浴びせたが……それでもすぐには破れることはないだろう、と、覚悟はしていた。
しかし、絶対の防御を誇っていた大天使の陣は、硝子が砕けるような、澄んだ音と共に消失する>>93 ]
……!
[ 拍子抜けとまではいかないが、意外の念がコンラートの表情に浮かんだ、しかし、遠慮をするつもりは、無論無く ]
大将!今だ!
[ 船体ぎりぎりの大きさの穴に、頭から突っ込んだトラオムングの砲が、天の船を内部から破壊し食い破っていく* ]
う、おおっ!
[ 光に護られながらも、衝撃に弾き飛ばされたトラオムングの姿勢制御に渾身の力を込める。白い羽根の防御陣が乗組員の受ける衝撃を緩和するのに比例して、コンラートの方には大天使の呪いから受ける負荷が増す… ]
ぐ…ああああっ!
[ 重なる負荷は遂に限界を超え……ようやくにして、天使の呪いは成就する。
白い天使達が、空に散りゆく中、トラオムングの操縦室には緋が散った* ]
[ ひらり、ふわり、緋色の羽根が漂い巡る ]
…完全に目覚めちまったか…
[ 嘆息して漏らす声はどこか寂しげだ ]
ああ、判ってる。まだ、終わりじゃない。
マーレ、本当にお前は、悲しくはないか?
[ 地を焼き払い、人を殺し、数多の涙と死の上に築かれる神の王国で、あの優しい弟は、本当に幸福だけを享受できるのか? ]
どうか…
[ 青い小鳥が、愛おしげに歌う* ]
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そういえば、グラサガ3の最終日も、そこそこ魔のターンだったことを思い出した。
英雄譚とは、そういうものか…
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これ、どーやってマレンマ生きていくのだろうか?
俺一人じゃどないもならなくね?
というか、多分、俺も近々消えr(
[ 放たれた光の射線上に、マレンマが立ち塞がる。それはすでに予感されていた出来事で、コンラートは、顔を歪めながらも、その姿を見据えたまま、トラオムングを、大天使の方へと飛ばし続けた ]
[ 魔導砲が防がれれば、あるいは威力が足りなければ、トラオムング自体を天使にぶつけてでも止める。そうなれば、本当に無事では済まないだろうが、それが最後の手段だとは、おそらく乗員の全てが思っていただろう ]
[ だが ]
[ 光に貫かれるかと見えたマレンマを、包み込む白い翼に、息を飲む ]
庇った…?
[ 審判の術を放棄してまで…何故?
人間の言葉も心も、最後まで塵芥のようにしか認めず、頑迷に力による粛清を推し進めた天の使いが、まるで、人と同じ愛情を知るかのように振る舞う姿の違和に、言葉を失う ]
天使にも、愛はある…人とは違う形なれど
[ すぐ側で、囁く声に、答えを返す暇はなかった ]
[ 嵐のような光と暴風が、世界の全てを巻き込むように吹き荒れる ]
ほんっとーに、最後まで、はた迷惑だなっ!!
[ これ以上、上空にとどまる事はできそうにない。光に包まれたマレンマの姿は視界に移ったが、手出しすることもできず、トラオムングは、ゆっくりと螺旋を描いて下降し始めた** ]
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