情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 エピローグ 終了 / 最新
家畜のように人が死んでいく
あるいは殺されていく恐怖がわかるかい?
――――… 本当はね、ボクも忘れて居たかった。
でもね、思い出してしまったから
…南の国と、ひとつ"約束"をしたんだよ。
侵攻の際は出来るだけ犠牲を出さないこと。
とくに――王都では、と。
[ 長い話を終えて、
南の国に出した条件を
改めて彼>>46へ伝えようか。 ]
かの国の王は、
侵略だけがご趣味のようだからねえ
無意味に支配した土地の王族や貴族
それから民も――殺さないと聞く。
[ 手を下ろして、
いつの間にか詰まっていた距離を一歩、後ろへ。 ]
……手助けなんて必要が無い。
きみの命で贖わずとも、この地に戦火が及ぶことはないよ。
それが――ボクの望みで願いだったんだから。
[ 北方の砦は間に合わないかもしれないね、と
少しだけ残念そうにも聞こえる声色で紡いで。 ]
……でもね、
仮にも一国の脅威になったボクを、
南の国はきっと生かしてはおかない。
―― だから。
侵攻の最中にボクが命を落としても
決して取沙汰してはいけないよ。
きみが今後、するべきはそれだけだ。
ラメールを守る為に出来ることも、それだけだ。
どうかきみは
[ 全てを話し終えれば、
ローレルは窓の外へ視線を遣る。
雨に紛れて遠く遠く
幾百の馬蹄が地を蹴る音が聞こえた
――――… 気がした。 ]
鐘の塔で態々衛兵を待っていたのはね、
……きみとこうして少しだけ話をしたかったんだ。
[ 外を見るようにして呟いた言葉は
果たして相手に届いたのかどうか。 ]
…さあ、もう行くといい。
"侵攻"を受けることになるのかはきみ次第だ。
――――… 交渉が上手くいくように願っているよ。
[ 話がひと段落着いたならば、
そう言って送り出そうと軽く促す。
鐘の音が響いてから随分と時間が経っていた。 ]
…さようなら、
[ 相手が部屋を後にする頃、
去り行く背中にかけるのは
遠く懐かしい幼い日の呼び名。
思い出を懐かしむように、
慈しむようにそっと声をかけ。 ]
[ 二人が話を終えてから
どれほど時間が経った頃だろう。
王宮の一室の扉は固く閉ざされ、
内側からも鍵がかけられて
その後暫く開く様子は無かった。* ]
【3】宮廷画家 ローレルが「時間を進める」を取り消しました
[ 長い長い話を終えた後、
返ってきたのは一言の言葉だった。>>65
…違う、とも、そうだ、とも答えない。
沈黙が暫し娘と彼の間に横たわる。
確かに、一助になっていた。
世継ぎを巡る争いも――王が殺された事実も。
何も知らずに
……叶うならば。
真に
絶望の炎に、後悔の焔に、恐怖の劫火に、
焼き焦がされてしまいそうで――目を逸らした。 ]
[ それは実際には、
軽く叩いた程度だったのだろう。
痕すら残らないほどに軽い、
…けれど、とても重い衝撃だった。
思わず目を瞠って
低く紡がれる声を聴いた。>>67
荒げた声>>68を聞いた。
伸ばされた手が両肩を掴む。
視線を逸らすことは――叶わない。
睨むようなヘーゼルの視線と目が逢った。 ]
―― っ ふざけて、なんか
[ 言い返そうとした言葉が詰まる。
瞳の奥が熱くて、鈍く痛んで
零れ落ちそうな何かを
堪えるように強く強く唇を噛んだ。 ]
……、………
[ そのまま次の言葉を聞き届ける。
生きると。>>70
そして、彼もまた堪えるように言う。
生きて欲しいと。>>71
殆ど声にならない音すら
距離の近さ故に耳が拾った。 ]
[ …拾って、しまう。 ]
[ 掴まれた肩に痛みは無かった。
ただ少しずつ離れていく指の先に>>72
抑え難い寂寥を感じて――… それでも
最早いつかのようにその手のひらは掴めない。
ただ、再び形に成る声を
言葉が在るのならば聞くだけ。
互いに触れられる距離にありながら
すでに、刻まれた溝は海ほどに深く、
彼岸ほどに離れてしまっている。
差し出された装飾品を無言のままに受け取る。
白鷹を伴う人が誰か名を聞かずとも判った。
噫、彼にも別れを告げたのだった、と。
不意に思い出す。
…反射的に、言葉が出る。 ]
っ …はは
……本当に……――――、
[ イトスギの繊細な細工
いつだか目にした時に相対した人>>1:62
大好きだったと自分に告げた彼>>43
吐息が音に成らずに落ちる。声が、掠れた。 ]
…本当に――…本当は、
賢しらに人の心を知った気でいたボクが、
ボクこそ――――…
人の心を…少しも、分かっていなかったらしい。
[ 滴が一粒零れる。
確認するような言葉>>73に微かに頷いて。
餞の言葉を最後にその背を見送る。
振り向く顔に浮かべられた微笑み>>75と
透明な言葉には黙したままで一度瞳を伏せ ]
[ 苦く切なげな微笑みで応えた。 ]
[ その直後、
―――― 扉の閉まる音が向けた背を叩いていた。 ]
― しばらく後の話 ―
[ 激しい雨粒が窓を叩いている。
客室でもなければ、
使用人の泊まる部屋でもなく、
人一人が暫く居るには丁度いい
王宮の一室に、今は人の姿は無い。
只、机の上にぽつねんと
折られた筆と一枚の絵だけが在る。
古めいた紙切れ>>2:183は
長い間仕舞い込んであったように
日に焼けては居ても傷んではいない。
それは独特の色遣いと線で描かれた
夜明けの空を飛ぶ鳥の傍に沿うように
一羽の白い鳥が書き足された* 絵だった * ]
【3】宮廷画家 ローレルが「時間を進める」を選択しました
/*
国の名前を出すのが遅すぎた画家()
アリューシュはでかい国の名前で
画家の祖国はルー・シャですね
ローレル・ルー・ロロンドの
ルーはそこから来てる、という裏設定
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 エピローグ 終了 / 最新