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……、――
[銃を構えたままゆっくりと立ち上がり、声の方向を窺う。
胡桃色の髪が、樹の陰から見えている。
まるで過去の続きの様に語られる言葉に、迷うように唇を開きかけた。]
………、……
[何を言おう。何を言えばいい。
ぎゅっと唇を噛み締め、のろのろと、紡ぐ]
……俺に逢いに来た訳ではないだろう。
あの魔法弾は…、…お前なのだな?
………俺に、何をさせたい?
話したいこととは?
[謝罪を述べる彼に、ただそう尋ねる。
脅迫が本当であろうと、嘘であろうと、
それはどうでもよかった。
――彼が、己に其れを求めるの
当然の権利であろうから。
だが、それ以外の何が必要なのかはわからずに、
淡々と言葉を紡ぐ彼の方向を、じっと見ていた。
雨の中にゆれる炎が、
僅かに見える髪先を金色に透かせている。]
[雨音が、ふたりの間を紗の様に覆っていた。
通信石から導き出した彼の推測を――
導き出した結論を、
しずかに聞き届けるように。]
………。
……此処からずっと離れたところに、緑の海がある。
[合っているか、という言葉に、ほんの少し笑い。
ゆっくりと言葉を紡ぐ。]
ながいながい間、
剣となることで暮らし続けてきた民がある。
――炎に熔ける鋼の様に、一振りの剣として。
………。
……此処からずっと離れたところに、緑の海がある。
[合っているか、という言葉に、ほんの少し笑い。
ゆっくりと言葉を紡ぐ。]
ながいながい間、
剣となることで暮らし続けてきた民がある。
――炎に熔ける鋼の様に結び合い、一振りの剣として。
[今言わなければならない気がした。
――今言わなければ、二度と言えない気がした。
ただ、彼が好む幻想小説を物語る様に口にする]
やがて剣は折れて粉々になった。
後には、ばらばらの鉄塊だけが残った。
……鉄塊の夢は、いつか、もとの一振りの剣に戻ることだ。
己を一度、拉ぎ、こわした猛禽の喉もとを貫いて。
……遠い、遠い果てに、猛禽の好む甘い果実の実る島があった。
鉄塊は欲深い猛禽を唆し、巣を空にする為に――
その身を剣ではなく、鎖へと変えた。
そういう、御伽噺だ。
……遠い、遠い海の果てに、猛禽の好む甘い果実の実る島があった。
鉄塊は欲深い猛禽を唆し、巣を空にする為に――
その身を剣ではなく、鎖へと変えた。
そういう、御伽噺だ。*
知らないでいてほしかった。
その手を血に染める事も、
友と呼んだ者を裏切る事も、
――己の暮らした大切な世界を壊す事も。
だがそれは、奴がお前を思っていたからじゃない。
お前を贄に選ぶ事が、重すぎた。それだけのことだ。
シュヴァルベがいつかこうなることを――
『俺』は知っていた。
カーク・バッカーも、
シェットラント・マーロウも、
生徒会長も、西寮長も――みんな、みんな。
あの西寮の小さな部屋で笑いあいながら、その日を待ち侘びていた。
――お前もその筈だった。
そう出来ると、せねばならないと。
………どうなるのかな。
[ダーフィ。
こちらを向いて欲しい、と呼びかけるように
そっと笑い、ゆっくりと、銃を構える。
右肩の痛みで、照準はこまかく動いている。
――小さく眉を顰めたが、きっとこの距離では気づかないだろう。]
お前が決めればいい。
『剣』が、どうなるのか。
――俺が、物語の先を、そうするように。*
――……。
[ダーフィトの言葉に瞠目し、暫く彼をまじまじと見つめる。
――それから構えた銃を下ろし、そっと微笑して、目を伏せた。]
決まっている。
…………最初から。
[――顎を上げ、銃口を真っ直ぐにダーフィトに突きつける。
強いまなざしが、彼の双眸に注がれている。]
今の俺は、お前の敵だ。
従わせたいなら腕ずくで来い。
俺を、殺してみせろ。
……ああ。褒めてやるさ。
[相変わらず照準は定まらない。
しかしそれを窺わせぬように、ゆるりと、目を細める。
狙いを定めながら、対峙する彼に、微笑った。
――ひどく、優しく。]
いい子だ――ダーフィ。
[――銃声。
その心臓を狙って2発目の弾丸を撃ち放つと同時に、深く身を沈め、大地を蹴った]
――ッ、……
[すれすれで躱した弾は脇腹を炙るように掠め、
バチリ、と激しい音を立てて後方に突き刺さった。]
……っ、…ぐ、…
[びりびりと掠めた箇所が痺れ、眉をきつく寄せる。
脇腹には切り裂くような一筋の焼け焦げ。
まともに直撃していたら、これだけでは済まなかっただろう。
己の放った銃弾は彼の肩口を抉っている。
やはり外したか――と酷く冷静に思う。
燃え立つような痛みに耐え、剣を鞘から引き抜いた]
――随分と純情可憐だな? ダーフィト・カディーネ。
未だにあの男に操立てでもしているのではあるまい?
[ダーフィトの距離まで、あと何歩だろうか。
間合いを取りながら、その剣先を彼に向ける]
[もう、間合いはない。
指輪の嵌められた左腕で、彼の腕を引く。
濡れた土に引き倒し、彼に馬乗りになろうと狙った。
いつの間にか冷えた雨は、飛沫を上げて、ふたりの体を打ち付けている。]
………。
[その首筋に下げられたものに気づき、ゆるりと、どこか幸福そうに瞳を細めた。]
……まだ、……持っていたんだな。
ダーフィは、馬鹿だ。
[ホルスターから、銃を引き出した。
最後の実包が込められた、無骨で美しい武器。
――この距離なら、外さない。
彼は、自分の銃をどうしただろう。
或いは、その手に、握られていただろうか?
唇を寄せ、彼の指輪を銜える。
――眩めく様な虹を込めた、青灰の石を*]
ラブラドライトないと致命傷にならないんでダーフィの指輪(たぶんラブラドライトはまってる)つかってみたんだけど
まきすぎだろうおおおおいいいいいいい
ダーフィこまってるよねきっと。。。
だってあと20分…
[撃鉄の上がる音。
冷えた肌に当る銃口の感触に、男は、ほんの少し、笑ったように見えた]
(本当に、馬鹿だ)
[唇は、そう、形作られただろう。眩めくような貴石に触れたまま。]
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