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[出会い方が違えば、というのは、戦友と共に対峙した時にも思った。
純粋にぶつかって、勝ちたい、と。
そう、心から思えたのも久しぶりの事だった。
──そんな風に思えたのは。
思わせてくれた者は、亡き父を除いていなかったから。
勿論、ぶつかっていたらどうなっていたかはわからないが、それでも、と。
思ってしまうのは、剣士の性によるもので]
……ま、直接、ぶち当たるのはできなかったが。
[は、と一つ息を吐き、太刀を握り直す]
あんたが残した想い……意志。
それに、負ける心算はねぇからなっ!
[今、こうして向かってくる者たちに屈せぬ事。
それが、彼の将に負けぬ事にも通じると。
二度と『勝つ』事はできぬものの、『負け』もしない、と。
そんな思いを抱きつつ、銀灰は前を見据えて刃を振るう。**]
― サクソー川/橋の南側 ―
[上陸した羊たちはのんびり?と草を食む。>>144
触らぬ神に祟りなし……というわけでもないが、東側よりに位置する部隊はその扱いに悩んでいたが。
槍部隊に対し、北側からの攻撃>>148が加わったなら、その援護をしなくては、と自然、身軽な軽歩兵たちが動いた。
並ぶ槍の壁を回り込み、北からの上陸を阻むべく攻勢を仕掛けてゆくが。
それが、羊を刺激するか否かは、神のみぞ知るところ、か]
[対し、西側。
上陸した兵たちは、円陣を組み、守りに徹する。>>145
こちら側でも槍部隊への援護に軽歩兵が回っている事もあり、そちらの牽制は騎兵隊が担当していた。
彼らを率いた将は今、戦列後方で静かに横たわるが。
駆けるその心の内には、彼の将の遺志が然り、宿っていた]
[中央橋前の攻防は、混戦を深め行く。
叩き攻撃に切り替えた事で効果は上がるものの、側面からの攻撃に、隊列は自然、崩れる。
先の投石や火炎瓶の影響もあり、数を減らした長槍隊は軽歩兵からの援護を受け、ぎりぎり持ち直してはいるものの。
懐に飛び込まれたなら、更に突き崩されるのは目に見えていた]
……崩される前に、もう少し削りてぇがっ……!
[また一つ、白刃閃かす事で迫る敵兵を斬り崩しつつ独り言ち。
手にした太刀を握り直す]
……まぁだ、いるんだよ、なぁ。
[対する前衛の奥へと向ける銀灰。
指揮する者>>152の姿は、ここからははきとは見てとれない。*]
― サクソー川/橋の南側 ―
……けっこー、削られてきたか。
[各所の様子をちらりと見やり、は、と一つ息を吐く。
遠投と二方面からの攻撃を受ける槍兵は、半数近くまで数を減らしている。
三隊に分けていた弩隊も迎撃に徹した二隊、特に正面は矢数心許ない]
乱戦なっちまうと、長物はきっついし……な。
[ならば、と思案巡らせて]
……槍組、重歩の後ろに下がれ!
軽歩は槍組援護しつつ、東西の端、固めろ!
正面弩は後退、矢なしで無理する必要はねぇ!
東の連中は、軽歩以外正面戻れ!
羊に構う必要はねぇんだから!
[羊を巡る攻防のようなものもあった様子に、そんな突っ込みを付け加えつつ、改めて前を見て。
敵陣最後方から、西へと向かう兵の動き>>195に数度、瞬いた]
……下流に援軍?
ちょいと、まじーか、な。
[下流の敵兵力がどれほどのものかはわからないが、均衡崩し得るものだろう。
ならどうするか、と再び思案は巡り]
騎兵、特に足の速いの下流、行け!
こっちゃ、どーにかなる!
[当初、東寄りに配置した隊から100騎を回す、と。
それは、広い空間での戦いに持ち込まれなければ、という前提での指示。
なったらなったでどうにかする、というのは言葉にせずとも銀灰に宿る色が物語る]
[飛んだ指示に応じ、長槍隊が後退を始め、援護のために回った軽歩兵たちがその場に入れ替わる。
入れ替わりの隙を突いた攻撃に倒れる者も少なくなかった。
橋西側の交代は比較的素早いが、東はやはり、羊が引っかかる]
『だったら、最初から連れてくんなよな!』
[羊が巻き込まれた事に憤る者>>212に、そんな突っ込みが飛んだが果たして届いたか]
[渡河した者たちと騎兵の攻防は、少しずつ様相を変えて行く。
文字通り、息を吹き返した者たちからの反撃>>213に、数騎が崩れた。
が、盾を構えた円陣は強固で、一度に攻めかかるのは難しくもあり。
一進一退の攻防は続いていく]
……お?
[二手に別れた、敵陣最後方が、動きを見せる。
盾を構えた壁が迫ってくるのが見えた]
は……ぶち抜きにくるってか?
……受けてやろーじゃねーの。
[く、と上がる口の端が笑み刻む。
向こうの意図はわからないが、こちらを押しきるというなら、こちらは抑えきるのみ、だ]
重歩兵、気合、入れ直せ!
低めに構えて射線通し、あちらさん近づいて来たら、弩掃射でお出迎え、だ!
[軽い口調で言いつつ、銀灰が見やるのは、高く声を上げる者の姿。>>218]
……まさか、こんな形で、俺がぶつかる事になるたぁねぇ。
[ほんの一瞬、滲むのは、苦笑。
思い返すのは、父が生前一度だけ零した言葉。
『叶うなら、フォスター殿と一度立ち合ってみたかったのだがな』
武人としての欲の込められた呟き。
父がその響きを伴って名を呼んだ相手は、他に自分の記憶にはないから]
ま、それなら、それで……。
[どちらにしても、ここは通せない。
その確たる事実があるのだから]
全力で、やるだけの事だがな!
[振るった『霧雨』を握り直して、前を見据える。
銀灰に、迷う色はどこにもない。**]
オクティ、あちらさん、下流に向けて援軍出した。
こっちからも、騎兵100ばかし向かわせてる。
[前を見据えつつ、端的に状況を伝える]
向こうも決める心算か、でっかい御人が出てきたが。
……何としても、止めて見せるから。
こっちゃ、心配すんな。
[伝える口調は軽いものの。
声音に宿る緊張感は、隠しきれない。**]
― サクソー川/橋の南側 ―
[騎兵が一部離脱した事で、橋の西側の情勢は変わる。
円陣歪め、動き出す敵歩兵>>231に対し、迎撃に参じていた弩隊からの矢が放たれるものの、残り矢数は心許なく。
狭い空間の乱戦となれば、騎兵は真価を発揮しきれぬもの。
複数の方向から攻めたてられた軽歩兵の壁は崩れ、その数を減らして行く]
[対して東はといえば]
『荒らすってなんだよ、畑作って作物作って、それだって食べてくのに必要だろーが!』
[向きになって反論している者は、開拓農家の出でもあるのか。>>232
言葉の応酬の合間、投げつけられる石の当たり所の悪さに倒れる兵もいるものの、こちらの攻防はある意味では一進一退で]
『……羊とそれ追っかける奴は、ほっとけ!』
[隊を束ねる者からは、そんな指示も飛んでいた。
羊なんとかなるなら、それはそれで願ったり、なのだ]
……っ……やっぱ、重いよなっ!
[橋中央の対峙は一際激化する。
弩の掃射を超えた重歩兵同士の激突。
弩が下がれば隊をまとめた槍が、合間から援護の突きを繰り出し、押し返す力の一助とならんと力を尽くすが、均衡を破るには僅かに足りぬ]
……っかたねぇな……。
[ぽつり、漏らした声に傍らの兵がびく、と震えた]
『ちょ、クレス殿?』
[恐る恐る、名を呼ぶ兵に青年が向けるのは──不敵な、笑み]
ちょいと前出て、喰い破ってくらぁ。
ここで押し合うのは、俺のやり方にあわねぇ。
『……それはそうかもだけど、って!』
がたがた言うなっての!
腹括って、押さえろよ……ここが正念場、根性の見せ所だぜ!
弩隊、矢が足りねぇようなら、さっきのお返し……そこらの石使って、援護してやれ!
[そんな大雑把な指示を残し、青年はたん、と足音軽く前へと駆けだす。
重装の兵に、斬り裂く刃は相性悪い。
故に、繰りだすのは装甲の隙間を狙う突きの閃]
行かせる訳にゃいかねぇんだよ。
止めて見せる、って、あいつに言い切っちまったんでな!
[言葉と共に閃く白刃が、紅を散らして舞った。//]
[返される言葉>>=41に、更に言葉を返す事はない。
信の乗せられた声が紡いだ短いそれは、何よりも強い支えとして、内に響く。
捉えた姿への畏怖がないわけでは、ない。
けれど、繋がる絆の存在が、それに飲まれるのを阻んでいた。*]
― サクソー川/橋の南側 ―
[元々心許なかった残り矢は、それでも敵兵の紅散らす。>>280
引かぬ覚悟はこちらも同じ、橋西側の軽歩兵は互いに互いを鼓舞しつつ、騎兵も叶う限りの援護に駆けて]
『あー、もう、だったらそれ、オクタヴィアス様にちゃんとお話ししに来いよ!
あの方は、ちゃんと聞いてくださる方なんだから!』
[石投げ応酬続く東側>>281では、キレた兵士がこんな叫びを上げていた。
葬儀後の集会で告げられた言葉>>38は、彼らの内に強く響いていた]
……っ!
[馬蹄の音が響く。>>283
それまでは聞こえなかった音に、銀灰が鋭さを帯びた]
狼狽えんな!
数はそう多くねぇ、連携で対処!
[騎兵の参戦にどよめく者たちにそう、怒鳴りつけた後。
繰り出した刃弾かれる音に、銀灰を瞠った]
……は。
おいでなすったか。
[刃弾いた者の姿に、零れるのはどこか熱を帯びた呟き。
僅かに引き、構えを取る。
銀灰は真っ直ぐ、対する将を見据え]
わざわざおいでいただいたとこ悪ぃが、ここを通すわけにゃあ行かねぇよ。
ここは護るって、言い切っちまってるんでね。
[告げる声音は、瞳同様、迷いないもの。//]
― サクソー川/橋の南側 ―
『そりゃ、今までの役所は、人の話なんか聞きゃしなかったけどさ!』
『これからは違うんだよ。ちゃんと聞くって、言ってくれてるんだから!』
[役人相手の思う所は、変わらぬものがある様子。
故にそこに同意は返るが、変革を感じ取った兵の声は、変化の先を示す言葉を投げ返す]
[一進一退、続く攻防。
敵が将の声に押されて進むなら、こちらは互いに掛け合う声と]
……気合、入れ直せ!
ここで根性みせねぇで、どこで見せんだよ!
[振り返る事なく怒鳴る声が、士気を上げる。
やる事は決まっている、だから迷うな。
そんな思いを込めた声を投げた後]
……そう言われて、はいそーですか、って言えるんなら、最初からここにいねぇと思わねぇ?
[返された言葉>>297に返す声音は軽いもの。
銀灰には揺らぎなく、そこにあるのは、友との約を果たさんとする意志のいろ]
……俺は、引けない。そっちも引けない。
そして、俺としちゃ、あんたを行かせるわけにゃあいかねぇんで、な。
[いいながら、は、と一つ息を吐き]
何が何でも。
……とめさせて、もらうっ!
[宣の後、迷う事無く走り出す。
騎乗している相手に刃届かせるのは容易くはない。
故に、狙うのは距離を詰めた上での、下からの突きの一閃。//]
― サクソー川/橋の南側 ―
『それなら、オクタヴィアス様だって同じだって言ってんだよ』
『あー、ほんとに石頭だなお前らっ……!』
[苛立ち帯びた声と共に、投げ合うのはいつの間にやら威力のない土塊。
異なる存在を信じ、拠り所にするが故の平行線は、そうは終わらぬ様子]
[状況が真逆になっている事に気付く余裕はない。
対しているのは、それだけの余裕を持てるだけの相手じゃないから]
……ち、浅いっ……!
[繰り出した突きの閃が伝える手応えは浅いが。
相手を馬から下ろす事には繋がった。
繰り出される槍の閃、その構えには微か、覚えがあるが。
それがどこで見たかをたどるには至らず]
おうよ……止めてやろうじゃねぇか!
[元より、自分はそのためにあるのだから、と。
懐狙う槍を受け止め、跳ね上げられた動きに逆らわずにくるりと返して、振り下ろされたそれを気合で弾く。
互いに引かぬ──引けぬものを背負った攻防。
打ち合う二振りにが響かす音が大気を震わせる]
信じる、って。
言われちまった以上は、絶対に。
下がれねぇんだよっ!
[攻防の中、槍を身に受けたは幾度か。
それでも銀灰の覇気は衰えず。
懐近く飛びこみ、地に片膝突いた姿勢から、半月の弧を描くように斬り上げの閃を放った。//]
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