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四季の人形遣い ゾフィヤ は、酔いどれ聖職者 ゲオルグ を護衛している。
[――――最初は]
……。
[耳に届く鼓動が、ゲオルグのものだと思い込んでいて]
……。
[魂が少女の形を成しても、なかなか目を覚まさなかった。]
[そんなまどろみから浮上する切欠となったのは、
よりにもよってゲオルグの吹き出す声。>>3:144]
…何?
[そもそも、何故ゲオルグの鼓動が聞こえると思ったのか。
どのような経緯があってそのようになったのか?
少し、記憶が曖昧になっていた。
ゆっくり目を覚ますと、時折衣服の端がおぼろげに揺らめいては
形を崩し、実に不安定な様子。]
……ここは。
[呟くと同時、何が起こったのかを思い出そうと
眉間に深い皺を刻んで俯いた。]
……?
[不意に、呼ばれたような気がして
気配の感じた方向へと首を動かすと、そこに居たのは…]
―――…イェンス!
[そこでようやく、衣服の揺らめきが止まった。
ゾフィヤという己の存在をしっかりと自覚した瞬間である。]
やっぱり、居た!
怪我…大丈夫?
[そこまで問うて、今自分が居る場所を見渡してみた。
つい先程まで一体何をしていた?イェンスに関わる事を
していたか?
もう一度考えて、思い出す。
矢に貫かれたこと、遠のく意識の中で人形を通して
ようやく思いを伝えられたこと―――。]
[そうして命を落としてしまったことを、全て。]
……。
[ゲオルグは無事なのだと安堵するのと同時、
ほんの少しだけ…父親に会いたかったと寂しげな
笑みを浮かべてもいた。**]
[イェンスの姿を認めると、その場に在る魂の存在も徐々に
認識出来るようになった。
少女の精神が、全てを思い出した事で安定したからだ。]
…みんな。
[フレデリカも見覚えのある姿で存在し、
フィオンもまだ見辛くはあるが、そこに在ると解る。
そしてカークや目を凝らせば見えて来る、星の存在も―――]
なんとなく、そうなってしまうんだろうと思ってた。
[それは名を呼んだカーク>>+22に向けた一言。
一人離れて行く時に、とても危うげに見えた事を思い出した。]
[イェンスの顔を見上げる。>>+27
ああ、やはり本物のイェンスだ。笑顔が何より違う。]
……うん。
今も本当は生きて会っているんだって、信じたい。
[イェンスは、あの姿を同じくした者の言う通りに
既に命を落としていたのだとようやく理解し、受け止めた。]
でも。
私達の魂は、精神は、まだ生きてる。
完全には消えてない、だから皆と一緒なんだよ。
[視界を周囲に移すと、ゲオルグの姿が見える。
触れられずとも、その存在と共に在る事が出来るのは
僥倖ではないか。そう、少女の表情は訴えていた。]
……とても、危なそうに見えた。
思いに大きな穴が空いてしまったかのような、そんな危うさ。
[一度ゲオルグから視線を外し。ふる、と首を横に振って
カークの言葉の尾っぽを>>+31否定した。]
カーク、あの時精一杯頑張ってた。
心にたくさんの針を刺して、危うさはあっても歩いてた。
だからダメなんかじゃない。
結果はこうなってしまったけれど、エレオノーレと…
しっかりお話が出来たのでしょう?
[その肝心のエレオノーレの姿は、一体どこだろう。
映像を横目で見るも、視点が悪いのか確認出来ず。]
[フィオンも全く変わらない姿でこの場に居た。>>+32
きっと、カークと話がしたいはずだろうからと一歩離れて
彼に分かるように、笑みを浮かべて返事とする。]
仲直り…と思ったけれど、
もう大丈夫なんだよね。
[死の間際の二人の様子を思い出して、目を細める。
それでもまだまだ積もる話はあるだろう。二人が顔を
合わせるならば、対話の妨げにならないよう更に
離れるつもりだ。]
―会話の合間・フィオンと>>+58―
……あのネズミさんは、今も戦ってる。
人形でお手伝いすることも、出来なくなってしまったけれど…
それでもリェータが役に立っているのなら、私…嬉しい。
励みになっているなら尚更。
[今はもう傍に在るだけになってしまった夏の人形。
小さな存在が周りで起こっている出来事に立会い、
全てを見守る支えに、少しでもなれれば幸いだ。
少女はそう思い、離れようとしたものの
差し出された手を振り払う事は出来るはずも無く、しばらくは
二人の傍でエレオノーレの姿を捜していた。*]
[エレオノーレの姿が明確に形作られて行くと、
今度こそ少し離れた所から見守ろうとして、じわりと離れ]
……ゲオルグさん。
[何故かフィオンと自身の亡骸のある場所から
動こうとしないゲオルグが気がかりで、不安げな面持ちで
彼の動向を見つめていた。]
[やがて、ゲオルグが告げた一言>>27で全てを察する。
彼はその身を犠牲にして何かを成そうとしている。
ネズミへ語るその内容から、おそらくは―――]
……生きて、欲しかった。
でも、ゲオルグさんは自分の事よりも世界を取ったんだね。
大丈夫、怒ったりしない。
[本当は、「父親」の手で「息子」を「叱って」欲しかった。
しかし勇者が不在では世界を救う事は不可能。
おそらく彼は、それを覆す力を持っているのだろう。]
/*
急に変な眠気が襲ってきて、ばたんきゅうしてました…。
切ない展開だというのに、この肝心なときに!(ビタン
なにはともあれ、明日は最終日…
かぶりつきの特等席で、勇者達の戦いを見守るのですよ!
[映像に眩い光が満ちると>>30同時、少女達の傍でもまた
神々しい輝きが灯り始めていた。
フィオンの魂に、生命の春が再び巡ってきたのだ。
それは本来の生命の理から見ればあり得ない巡り方だろうが]
……代わりに、春から冬へ転じる生命がある。
そうする事で理は保たれて行くんだね。
[穏やかに笑いながら、奇跡がもたらされる瞬間を
少女はじっと見つめていた。
ゲオルグの姿が跡形も無く消え、奇跡の法が終われば
じきにフィオンの魂はこの場から消えてしまうだろう。]
―――…行ってらっしゃい。
二度と会えなくなるのは寂しいけれど、
私達の事……忘れないでね。
[フィオンが消えてしまう前にと告げた言葉は、ある意味では
少々圧力を掛けてしまう調子だろう。
皆一緒なのだと言いたかったのだが、上手く言えずこの有様。
それでも頑張って自分の気持ちを伝えようとした努力は
認めてやって欲しいと、頭の何処かで願うのである。]
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