【見】 【墓】 楽天家 ゲルト

― 回想：シモンと ―
[ 謝る僕に対してシモンさんは
　微笑んでいるように見えた。>>+6
　口元もとい喉元が大変なことになっていたので、
　たぶんという推定つきだけれども。

　その視線や仕草から伝わる感情は少なくとも、
　初対面の時の何かを求めているような
　切迫したものはなくて、
　それどころか僕を励ましてくれているようで。

　それがますます申し訳なくて、
　彼が顔を覗き込んだ時は目を合わせられず
　ただただ俯いていたと思う。　　　　　　　]

シモンさんは強い……ですね。
僕はまだ貴方みたいに全てを受け入れることが出来なくて……。

[ 宿へも誘って貰えたが、
　まだ気持ちの整理が付かなかったので丁重に断り、
　宿屋へ向かうシモンさんを見送ることにした * 　　]