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[ 刃と前後するように叩きつけられた影の華は、辛うじて強化した魔導装甲に跳ね返されたが、そう何度もは保たないだろうと思われた* ]
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シメオン地上の方が得意みたいだから、降りてもいいんだけどねー、降りるなら先に覚醒しないとなんだが。まだ方向が定まってなくt(
俺に、本気で「気をつけろ」なんて言うのは、あんたくらいのもんです…よ!
[ 急旋回の最中に返す声は微妙に途切れ、それからしばし、通信機は沈黙する ]
[ 翼で天使をぶん殴る、という荒技は、どうやらなんとか、通用したらしい ]
は!驚いたかっ!!
[ 声を張り上げてみたものの、若干の疑問が残った ]
(動きがおかしい?)
[ 最初に対峙した時の余裕ある動きと、今の翼を避け損ねた動き、その差にどこか違和感を感じる。だからといって、結局相手の強さが減じたわけではないのだが ]
(頼むから、保ってくれよ…)
[ 無理な旋回による機体の負荷は大きい ]
うわっ!
[ だから、意思こめた宣と共に放たれた数多の影の刃を避けきる動きは出来ず ]
くっそおっ!!
[ 半ばヤケで放ったのは、魔法強化ワイヤーで編まれた捕縛用の網。
大きく広がった網は、影の刃をいくらか巻き込んでそのままシメオンの方へと飛んでいく ]
くあっ!!
[ 躱し切れなかった影が、機体を傷つけると同時に、コンラート自身の体もあちこち切り裂いて、操縦席に朱を散らした ]
く…仕方、ねえ…
[ 飛ばした網は、天使の妨害に少しはなったか、どちらにしてもこのままではジリ貧だとの自覚はある。
コンラートはポケットから取り出した白い羽根に傷口から流れる血を擦りつけ、ふっと、息を吹きかけて前方に飛ばした ]
Dell'ago!
[ 赤と白のまだら模様になった羽根は、呪に従って赤と白の小さな針に分裂し、天使の元へと迫る。
もしも当たったなら、白い針は天の力、赤い針は、魔の…闇の力を帯びている事を感じられるはずだ ]
ぐ、あ…あ!
[ 一方、大天使の呪いによる苦痛にも終わりはなく、操縦桿を握りしめて耐えるしかない* ]
― 忘れ去られた伝承 ―
『かつて、地上は、闇の魔物で溢れ、人は闇に呑まれる風前の灯だった』
『しかし、人は諦めることなく、魔と戦い、ついに闇を地上から退けた 』
『けれど、地には取り残された魔の眷属も在った』
『魔王によって創り出されながら、使命も与えられず、心も持たぬ魔物は、餓え飢え、ひたすらに命を貪る恐怖となって闇に潜み、人々を脅やかした』
― 上空 ―
[ 天の力を封じようとする呪が、身を苛み、冷たい汗が額から滴り落ちる ]
こんな、とこで、負け、られるかよ…
[ すぐに行く、と、マチスに約束したのだ。彼はきっと、信じて待ってくれている ]
[ それは小さな約束だ。また来る、と、幼い弟にした約束と同じ。
あの偉大な元帥は、コンラートを英雄と呼んでくれたが、自分はそんなものではないと知っている。
たまたま、不思議な加護の力で生き延びてきただけの、弱く平凡な、人間に過ぎない ]
まともにやりあって、勝てるなんて…思ってねえ、けど、なっ!
[ 放った魔法の針がその傷ついた腕に突き立っても、怯むことなく月白の翼を翻し、死を告げる天使は目前に迫る。その気配に呼応するように、大天使の呪いによる苦痛が増幅した ]
けど…諦めねえっ!
[ 振り絞るように叫んだ瞬間、どくん、と心臓の更に奥深くで、何かが鼓動し ]
Ordinare il sistema di ritenuta del nemico!
[ 放った言霊に呼応して、天使の腕に刺さった針が闇と光の糸を伸ばし、告死天使の身を縛ろうとする** ]
― 初対面の時 ―
うちゅう?
[ 何の寝言だ?と、正直思った。大気の壁を超え、空の更に高み、星の外を目指すなど、夢物語ですら聞いたことがない。
けれど、目の前の男は、それを理論的には可能だと、手の届く夢なのだと力説する ]
その、お話はわかりますがプロッツェ少佐…俺は戦闘機乗りで、飛空艦の専門家じゃありませんし。
[ 無理だろうと、言ってみたが、飛空艦と宇宙船は違うのだと、また力説された ]
はあ…大気を突っ切るために戦闘機並みのスピードが必要なんですか。え?戦闘機以上?
そりゃ、確かに並みのパイロットじゃ無理かもしれないです、ね…
[ きちんと了承した覚えは無いのだが、気づいたら、笑顔でよろしく、と言われていた。
それに、結局反駁しなかったのは、マチスの熱にコンラート自身も、既に心奪われていたからだ ]
大将、次はうまくいきますって。だから唸ってないで、飯付き合ってください。
[ 試作機が完成するまでの間、問題は何度も起こり、その都度、改良に頭を絞るマチスは、本当に寝食を忘れる事が多々あって、彼の健康を気遣い、少々口うるさいほど構いつけるのも、既にコンラートにとって常態となっていた ]
『いっそ少佐の嫁にでもなれば?』
[ そんなからかいを口にした同僚は、丁重に床に沈めてやったものだが ]
(絶対に、何かあった)
[ ただ事ではなかったマチスの声は、告死天使との死闘の中でも、コンラートの胸に沈んでいる。あれは、何か大きなものを失った人の声だと。
だから戻らなければならない。
そう、約束したのだから。
それだけが、今、コンラートの意識を繋ぎ止める楔となっている** ]
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シメオン帰るのまだなので、いまのうちに大将に、投げそこなった愛を投げておくの図。
家庭のトラブルがなければ、初日あたりに投げるはずでした。ちょっと時期外れだけど勘弁してw
ダーフィトさんから、ごっそり色々飛んでそうではあるし、あんまり積み上げると返信大変になるから自重してるんだけどね、これはまあ、お返事いらん系だからいいだろう、多分。
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スケジュール的には、
・この流れのままで俺がシメオンを落とす。
・ダーフィトとマレンマが開戦←多分ここか、そのあとの反撃とかでダーフィトは落ちを狙ってる。
マチスと大天使が、どっかで直接会わないといけない気がするんだよなあ…
― 上空 ―
[ 光と闇の糸は影の天使を捉え、その動きを半ばまで止めた>>156 ]
(逃げるか…それとも…)
[ 自分がどんな術を使ったのか、コンラートは意識していない。だが勝手に口をついて出た呪文と力は、これまでとは違う場所から湧いて来たように思えた。
この隙に距離を取って逃げ出せば、目の前の死からは逃れられるかもしれない、しかし「お互い様」と口にしたこの天使はきっと、諦めず追ってくるだろう ]
加護なんてものは、知らねえけどな…
[ 天使が縛られずにある右手に力を集める気配がした>>157 ]
こっちはただ、必死なだけだっ!!
[ 声を叩きつけ、コンラートは、操縦桿を右に倒し、急旋回を試みる。シメオンには、逃げる動きと見えたかどうか* ]
う、おおおおおっっ!!
[ 吠えながら、操縦桿を引けば、機体は垂直に近い上昇を見せる。襲い来る矢が届いたのは、丁度、複葉機が胴体を天使に向けた時。
影の矢が、操縦席の床を貫いて、コンラートの手足を切り裂き、いくつもの穴を機体全体に穿つ ]
ぐうっ!
[ 歯を食いしばり、上昇した機体を背面飛行からの縦の旋回へと操り、急降下する。天使からは、真上からの突撃に見えたか ]
[ 最後に血濡れた手でポケットから取り出したのは、最初にシメオンと対峙した時、肩に受けた影の矢が赤く染まった羽根と変じて残ったもの ]
Possibile fa mie zanne!
[ 月白の芯を持つ羽根は、呪文を受けると、一振りの、血の紅と月白に輝く波紋を浮き上がらせた細く長い刃となって、コンラートの手に握られる ]
終わりに、しようぜっ!!
[ 降下する機体の速度も乗せて、闇の血を纏う刃が影の天使の身を貫かんと投げ落とされた* ]
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これなー、影の矢が原料だから、つまりあれだ、もしかしたら消滅せずに生き返ったりとかそういう道もありじゃまいか?という何かだ。
ちなみに形状は完全に刀な。
[ いろいろわかっててやってることを宣しておきます ]
……!
[ 刃は、過たず告死天使の身を貫き、月白の翼が空に散る。全ては一瞬の揺らぎ、その刹那が分けた結果だ ]
あのなあ…
[ 降下に制動をかけ、笑う天使の周囲を旋回するコンラートの耳に、シメオンの問いが届くと、呆れたような吐息が漏れた ]
それを聞きたいのはこっちだ。
お前ら何のために、俺達の船を堕とし、無辜の民の死まで望む?
生意気だ、むかつく以上の説明を、何もされてねえぞ俺たちは。
[ それも相当、無抵抗にやられた後で、と、言ってから瞳を細める ]
知ろうとするなら、もっと早くにするべきだった。
[ 水色の瞳が、深い青の光を湛え、天の力がわずかに増したのは、感じられたか ]
お前達は知ることを拒み、人は知ることを求めた。
お前の死を望むのでは無い、シメオン・シュネーグレックヒェン…知ろうとする者を拒み続けるなら、天は人の命の生き様を認めぬということ…それを天に知らしめねば…
[ ゆらりと再び気配が変わる ]
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