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― 『世界軸』下層・心の広間 ―
[激しい雷光に焼かれた龍は苦悶の声を上げる>>+5。
キアラを締め上げる胴体の力も、衝撃により緩むだろう。
ようやく抜け出せる状況になったが、体が楽になった途端、今までどうにか保っていた意識が急激に落ち始めた]
あ、……駄目……。
[まだ倒し切れた確証は持てないのに、と思いつつも、引きずり下ろされるような感覚に抗えない。
龍の体が落ち始めるのに、どうにか下敷きになるのは避けようとするものの、ほとんど折り重なるような形で地に伏すことになるだろう*]
[そのまま床に落ちるかと思われた体が、弾力のあるものに受け止められぼよんと跳ねる。
それを誰が生み出したのかは、確かめずともわかった>>+7。
もう声を出す余力もないから、ただ思いだけを相手へ飛ばす**]
いいのよこのくらい。
キアラこそ……ありがとう。
今はゆっくり休んで次に備えようねえ。
― 『世界軸』下層・心の広間 ―
[『深奥』が消えた頃に届くのは、神子からの声>>3:151>>3:152。
どうやら試練と八竜の討伐は皆が無事に果たせたようで、安堵するものの]
なるほどね……それが最後の仕上げってわけかい。
[告げられたのは『虚無』そのものの討伐]
戦って倒せる相手ってんなら都合がいい。
最難関だろうとなんだろうと、果たしてみせるさ。
[癒しの風を受けたこともあり、言葉だけは威勢よくそう言ってみせる]
[しかしミリアム>>+32の言葉を受け起き上がろうと試みれば、肋や背骨の辺りがミシリと痛んだ]
アタタ……悪いね、もう少し休ませてもらえると助かるよ。
[そう告げれば、水の上に乗せられたまま中層へ戻ることになるだろう。
それから休息と準備を挟んで、再び下層へ向かうこととなる]
― 『世界軸』下層 ―
[休息の後、下層の門がある場へ向かえば、それと前後するようにメレディスとユーリエが現れた]
ああ、そっちもお疲れ。
準備? フン、いつでも来いってんだ。
[メレディス>>+28には軽くそう返し、ユーリエの正装>>+19を目にすれば]
あれ、アンタ雰囲気変わったかい?
……いや、かっこいいなと思ってさ。
[微笑んでそう口にした。
短いやり取りが済めば、門を開くのに必要だという左耳の黒曜石を、そっと手に取る]
[そして四つの絆石が揃い、門が開かれる。
その先にあったのは、暗黒色の蠢くもの。
生き物のようには見えず、されど門の向こうへ踏み入れば、こちらを認識したかのように唸るような音を立てる]
なるほどね……百年も悪いものが積もり積もれば、こんな風になるわけか。
[ミリアムの動きを待ちつつゆっくりと構えていると、まるで唸りを打ち消すかのような声が響いた。
それを発するのは、仔竜の面影残す薄碧の竜。
けれど、その声はどこか――この『世界軸』の内側だけでない、もっと大きなものの想いを乗せているようにも思えた]
でもね――百年どころじゃないものを、アタシらは背負って来てるんだ。
[それは鬼族の歴史のことでもあるし、世界そのものや、中枢存在たる神子のことも。
相棒のミリアムも、メレディスやユーリエ、上層へ向かった者たちも、それぞれ背負ってきたものがあるだろう]
こんな所で、終わらせやしないよっ!!
[先に動いたのはメレディスだった>>+30。
高速の札が流動体へ突き刺さるも、単体では効果が薄いらしく。
まるで囮となるかのように、彼自らが前へと出て行く>>+31]
おいおい、そういうのはアタシの仕事だっての。
[お株を奪われ思わず声を上げるが、彼自身の術によるものか、その動きは速く『虚無』を翻弄する様が見えた]
なるほどね……やるじゃないか。
それならアタシは、こうだ!!
[じゃらじゃらと落ちた針が、キアラの合図により電流帯びて浮かび上がる。
それらはメレディスを追うように蠢く『虚無』へ、連続して突き刺さっていく。
一撃一撃は弱いだろうが、同じ場所へ攻撃を集中させたのは意味があった]
今だ――迅れ!!
[雷の一撃を受けた『虚無』の一部は弾け飛び、穴が穿たれた。
しかし決定打にはならなかったようで、弾けた『虚無』は再び繫がり、幾本もの触手へと姿を変える]
ちっ……これじゃまだ弱いっていうのか。
[触手がこちらへ向け伸ばされるのを見れば、言葉に反し僅かに笑みを浮かべた。
『虚無』に意識があるのかは知らないが、メレディスへ向かった攻撃の幾らかをこちらへ引き受けられるなら好都合だ]
ははっ、まるで鬼ごっこ――なあんてね!
[そのまま床を蹴り、メレディスと反対側へ向かうように駆ける*]
ええ。私達の手で……、
これからの百年がより良くなるための流れを生みださないとね。
[こちらが針を用意する間にも、メレディスは『虚無』との攻防を続けていた。
『虚無』が吐き出す球体を打ち消したのは、恐らく天聖の力>>+47]
なるほど、便利なもんだねぇ。
[自分の月闇の力も何か応用が出来ないか、と考えていた所へ掛けられる声>>+49。
見れば『虚無』を囲う位置に、足場が出現していた>>+48]
おっと、こりゃあ有難い!
[床を強く蹴り、背丈よりやや高い位置の足場へ飛び乗る。
宙に浮いた体へ迫る触手の一本は、雷撃帯びた苦無で叩き落とす]
余計な心配だったか。
[咄嗟に援護の苦無を放ったものの、周囲の触手が切り裂かれていく>>+60のを見れば、深追いはしない]
――っとぉ!
[こちらへも再び迫る触手を、足場を移ることで回避した。
そこへミリアムの生み出した大波が殺到し、触手を押し流す>>+62]
ミリアムも助かったよ!
[暗黒色の『虚無』の表面が、大波を被ったことにより濡れた輝きを纏う。
その様に、娘ははっと息を呑んだ]
もしかして、今なら……!
[『虚無』を牽制するメレディス>>+63を横目に、『虚無』の中心に近いところへ目掛け足場を駆ける。
こちらの動きに触手の幾らかが反応して伸ばされるが、体の頑丈さに賭けて堪えた。
それは触手との攻防より、力を練り上げることに集中すべきと判断してのこと。
そして、出来る限り触手の根本に近いところまで接近して]
アタシの雷――全身で喰らいなっ!
[電撃帯びた掌を、『虚無』へ向けて突き出す]
/*
やりたいことあるっちゃあるんだけど、今落とすと齟齬が出そうで悩む。
そして相変わらずダメージ描写がうまく出来ない…。
[こちらの一撃は、一瞬なりとも『虚無』の動きを止められただろうか。
メレディスのトランプが触手の追撃を防ぐ>>+71のに感謝の眼差しを向けるも、その間にユーリエの身が触手に掴まれる>>+72]
ユーリエ!
[声を上げはするものの、全力の一撃を放った直後故咄嗟には動けない。
そしてユーリエが、『虚無』を凍り付かせていくのも視界に入るが>>+75]
――がはっ!?
[更なる追撃を恐れてか、雷撃と冷撃を受けたショックによるひと暴れか。
横合いから重い一撃が、キアラを殴りつけ吹き飛ばす。
それが文字通り"殴りつけられた"のだと気付いたのは、宙を飛ばされている間のことだった。
『虚無』は巨大な拳を形作っていた]
[それが人に似て人ならざるものの拳だと、キアラはなんとなく察していた。
――ここは、下層に近い。
それに、感情の澱みが、『虚無』を構成する一部なのだとしたら]
ああ、確かにそれは、アタシたちが乗り越えなきゃいけないものだねぇ。
[それが、『虚無』を抑える天界由来の力>>68に呼応してのものか、真相は定かではないが。
いずれにしろ、このままではキアラの身は、壁に激突することとなるだろう**]
[体が宙を舞う刹那、ミリアムの生み出した水球から、瀑布の如く水が降り注ぎ『虚無』を抑えつけるのが見えた>>+81]
はは……やっぱりすごいよ、アンタは。
[徹底して守りの側に立つと思われた相棒が、今は敵を圧倒するほどの力を身に付けている。
それはいつかミリアムと対峙した時、見たいと思ったものより更に"先"の光景を見せてくれていた]
これはアタシも、負けてらんないねぇ。
[とはいえ吹き飛ばされた体はどうにもならない。
こうして思考出来ているのも、走馬燈のように時間が引き伸ばされているからだろう。
そこに聞こえたのはユーリエの叫び>>+83。
そしてメレディスの力が、壁に激突する寸前でこちらの身を止めた>>+88]
はあ、助かったよ。
[半ばひざまずくようにではあるけれど、どうにか足から床に下りて。
『虚無』はと見れば、氷漬けにされ今は動きを止めているようだ>>+84。
自身やミリアムの攻撃を、強力な拘束へと変えてみせたユーリエに感嘆の眼差しを向ける]
……大丈夫、動けないほどの怪我じゃない。
[ユーリエ>>+85、メレディス>>+88に問われればそう答える。
とはいえ立ち上がる動きはぎこちなく、万全でないのは見て取れるだろう]
[術を解き間髪入れず動き出すメレディスに、ユーリエ>>+86が策を伝える。
無謀だとも言える策だが、彼女の目に強い意志と、メレディスとの固い信頼が見えれば口を挟むこともない]
覚悟が決まってるなら、存分にやればいいさ。
援護と時間稼ぎは任せておきな。
[自分には中心へ飛び込むだけの余力がない、とは、あえて口には出さず。
彼らが準備に集中出来るよう、『虚無』の動きを見逃さぬように構える*]
[メレディスの札が六芒星を描き>>+100]
[力を受けたユーリエが、弾丸の如く飛翔する>>+106]
[暗黒の奥深くへ潜り込まれて、『虚無』は苦悶するように罅割れの隙間から触手を伸ばそうとする。
それは内側のユーリエを取り込もうとする動きにも見えるか]
させないよっ!
[先のような強力な電撃は放てずとも、苦無を投げて触手を弾き、牽制する程度は出来る。
ミリアムもまた、自身に出来る形で助力をしてくれるだろう]
邪魔させはしない!!
[月闇の力は、ざわめき、ままならぬ感情を鎮める力。
それは感情の澱みを孕む『虚無』を抑えるのに、一役買うことは出来たか]
[ユーリエが『虚無』の内側で見たもの、為したことを、知る術はない。
けれどそれは、ただ憎み、打ちのめすための力ではなかったのだろう――そう思う。
何故なら激しく暴れていた触手は、最期の瞬間、まるで内側のものを抱き留めるかのように折れ曲がり、そして力を失ったのだから。
それは或いは、感謝の意を示した、ようにも見えるだろうか]
[いずれにしろ『虚無』の身は崩れ、やがてユーリエの姿も見えるようになる>>+110]
やったね、ユーリエ。
よく、あの中に飛び込んだよ。
[それは体の頑丈さに頼る自分とは、また異なる勇気だっただろう。
彼女のことはメレディスに任せ、自身は安堵したようにその場へ座り込む*]
……ミリアム。
[『虚無』の一撃を受けた自分に、ミリアムはすぐに駆け寄り治癒を施してくれた>>+125。
万全とはいかずとも、立ち上がり援護に回る程度には回復出来ただろう。
それからはミリアムと並び立ち、共に『虚無』の動きを抑える>>+128]
[そして『虚無』が崩れ落ちる瞬間を、共に目にするのだった]
アハハ……ちょっとだけ、悔しいよ。
倒すべきものの影が見えたのに、届かなかったから。
[共に戦った結果として、『虚無』を倒す役目は果たせたとはいえ。
自分を殴りつけた"何か"を自分は受け止め切れただろうかと、少しだけ後悔を滲ませた]
[しかしその思いも、癒しの風>>*7が巡れば霧散していくだろう]
ううん……でも、今はいいか。
――そちらこそ、お疲れ様。
ありがとう、相棒。
[傍らのミリアム>>+130へ微笑む]
[やがて竜の鳴き声>>132が響き、巡る風が神子の声を運んだ>>133]
アンタも……って、言うのは直接会ってからだね。
それと、コスモだっけ……アンタも、ありがとう。
たくさん、元気付けてもらったからさ。
[視線を声の響く辺りへ、それから薄碧の竜へ向け。
そしてもう一度、相棒へ向けて]
戻ろう、ミリアム。
[そう言って、右手を差し出す。
待つ人の所へ赴くために*]
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