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[それは、アルビンが流した涙だったのか、
それともパメラのものだったのか。
またも感情が混ざりあって何もかも分からなくなる。
その中で一つだけ変わらない輝き。
内で密やかに狂星が煌めく。
たったひとつの誓いを忘れてはいない。*]
― 翌日・パン屋 ―
[カラン、カランと鐘の鳴る音。勢い良く店の扉が開かれる、
アルビンがパン屋へと訪れたのはジムゾンが去った後だったか。
此処へ来る前にアルビンはカタリナの家に行って来たばかりであったが、偶然にもパン屋へ向う途中にジムゾンすれ違う事は無かっただろう。
切羽詰まった声でオットーの安否を尋ねるだろう。]
オットー、居るか!?
[オットーの顔を見れば、安心した様に険しい表情が少しだけ和らぐ。
しかし脈絡も無くアルビンはある人物の居場所を聞いた。]
良かった、オットーが無事で……。
なあ、此処に、神父は、神父は来なかったか?
[店の中に見渡して、此処には神父の姿が居ないと分かればアルビンは踵を返す。
そして慌ただしく店の外へ出て行こうとする。出て行く前にアルビンはオットーの方へと振り向いて、]
さっき、パメラとカタリナの家に行って来たんだ、安否を確かめようとして。
そしたら、カタリナが……、殺されていた。
[カタリナの死を告げるアルビンの顔は険しいものに戻っていた。そして、パメラの安否をまだ確かめていない事を知らせると、そのまま店を飛び出して村の中へ姿を消す。]
パメラは家に居なかった、探さねえと。
パメラは人間だ。
オットー、お前も人間だ。
残る、ジムゾンは――。*
― 村内 ―
[同じ余所者のジムゾンを庇う様にフリーデルは自ら命を投げうった。
その姿は聖職者の鏡と言って良いだろう。
しかし、フリーデルの話しには抜けがあった。もしも昨夜に村人が殺されて神父が残されるとしたら。
余所者の神父を人狼だと仕立て上げる事は可能だった。
ジムゾンを探して村内を掛けていれば、獲物の方から声を掛けて来た。]
ああ、ジムゾン、俺も探したよ。
アンタが 人狼 だったんだな?
[確信した響きを持ってジムゾンを人狼だと言う。]
[その続きを聞いてジムゾンは悟るのだろう、
もしも、フリーデルがその場に居れば彼女も知るのだろうか。]
俺は占い師だ。
[アルビンの瞳の奥に潜む狂気に]*
[その続きを聞いてジムゾンは悟るのだろう、
もしも、フリーデルがその場に居れば彼女も知ったのだろうか。
彼女はもうこの世には居ないのだけども。]
俺は占い師だ。
[アルビンの瞳の奥に潜む狂気に]*
[射抜く様なジムゾンの視線にもアルビンは怯える事は無かった。
無実の人間だと分かりながらフリーデルを人狼だと疑って罵った時と同じ様に、
「狂人」だと真実を言い当てられてもアルビンは表情を崩さない。]
違う、俺は占い師だ。今考えれば、フリーデルが狂人だったんだろう。
昨日人狼のお前を庇って自ら死を選んだのだから。
初対面だというのにお前を庇うのは可笑しいとは思っていたんだ。
これじゃあ、本当に初対面だったのかも嘘だったのかもしれないな?
[昨夜、頬を伝った涙は何処から溢れて来たのだろう。
泣いたのは誰?
果たして、後悔しているのだろうか、
自分の欲望を満たす為に大切な人達の命を毒杯に注ぐ事を。
確かにゲルトやフリーデルを見捨てた事にアルビンは罪悪感を感じたが、悪魔に魂を売った男はそれにさえ悦びを感じていた筈だった。
アルビンに罪の意識がない訳ではない、自ら選択して茨の道を進んだのだ。]
[「狼の子供。」子供のアルビンが自身をそう称したのは、赤ん坊の彼を拾って育ててくれたのは人狼だったからだ。
生まれて間もない頃に捨てられたという。行商人として生きる育ての親と共に各地を渡り歩き花盛りの村へと辿り着いた。(その人は商売に出掛けると行って村にいない時間も長かったが、とうとうアルビンが大きくなると村へ帰って来なくなった。)
その人が狩りをしている瞬間を見た事が無い。きっと自分の前から姿を消している間に人を襲っていたのだとアルビンは思っている。
自分を拾い育てたあの人は自分に人としての幸せを望んだが、
アルビンは狼に暗い憧れを抱いていた。
幼い頃から抱き続けた狼への尊敬と畏怖。きっかけは、あの日。
人狼そのものと心を通わせ、押し寄せて来る悦びと後悔が全てを変えた。]
[其れ等の事を目の前の神父に語る事は無い。
彼にとって自身がどういった事情で人狼に加担するのかどうでも良い事なのだから。
またアルビンにとっても、ジムゾンとフリーデルのどの様な仲であったのか重要では無かった。
それ以上、追及する事は無かった。
さて。どういうつもりなのか、突然態度を変えた神父。
礼儀正しく丁寧な口調が一変して乱雑に、神父の目には明らかに自分への侮蔑が含まれていた。突然の異変を警戒こそはしても、嘲笑に向けられる事自体には何の感情も感じない。
「狂っている」という事は自分自身が一番良く分かってる。]
お前が俺に興味がない様に、フリーデルとお前がどんな仲だったのか俺の知った事ではない。
けれど、自分を庇って死んだ女を正気ではないなんて良く言えるな。
狂人だろうフリーデルを、此処に来る前からの仲であったなら、
良くもまあ見捨てたな。
聖職者が高潔な存在?
さあね、それもまた俺に関係の無い事だ。
何が恐れ入ったか、だ。
それがどうしたって言うんだ、呆れさせるな。
ただ、まあ、『聖職者はとりあえず処刑しとけ』という言葉は肝に銘じて、
今後は聖職者を見たら用心させて貰うとしようか。
お前みたいな恐ろしい男が居るのだからな。……。
[オットーの信頼を利用して神父を狼に仕立てあげる事が一番無難で安全な方法だったのだろう。
けれど、アルビンは此処で自分が死んでも構わないと思っていた。
村に残る人間はあと二人、オットーにパメラを殺せるとはアルビンは思っていない。
刺し違えようと、此処でジムゾンを為留められるなら。
……あの子の願いを叶える事はできなくなるけれど。
「オットー。パメラを頼んだぞ、
俺に何か会った時は護ってくれ。」
そう、親友であるオットーに最期に言い残した言葉もあれも本心であったのだ。
矛盾していると思う、大切な親友を殺す。けれどオットーを好きだと思う気持ちも嘘ではない。
アルビンは大振りのナイフを取り出した。*]
[カタリナを襲撃したその夜、アルビンはパメラの傍に居なかったが。
遠くに居てもアルビンはパメラの身を何時も案じているし、
微かに言えども脳裏に伝わって来る想いがあった。
果たして、あの涙はどちらのものだったのだろう。
ナイフを構えながらアルビンは考える。]
[初めは、憧れ。パメラの正体を知る前からも彼女の事を気にしていたのは、自分が人狼の声の聴ける狂人なのだからと思っていた。声を聴かずともパメラが人狼である事に気付いていたのではないだろうかと考えていた。
人狼であるパメラと想いを交わす事。人狼への憧れを抱き続けたアルビンにとって幸福だった。
人を殺す事への罪悪感を持ちながらも、パメラを通して人狼として悦びを感じる事への欲望に抗う事は出来ずに見ぬ振りをする処か彼女への協力を惜しまなかった。
今回も、そう。例え大切な存在を喪おうが、その大切な人を自分自身のものにする悦びに陶酔していた。]
/*
誤字酷い!
けど、もう諦めた。
・・・ジムゾンさん、僕達の殺し合いはどうなるんすか?
オットーに殺されるのもありです。
まさかのパメラが庇ってとかあるんでしょうか。
どきどき
[ジムゾンが差し出した生け贄はフリーデルの事だろうか。>>109
その生け贄を差し出して彼が得たものは何だったろうか。それは知る由もない。
ずっと狼に憧れて居た。人狼になりたいと子供の自分は何度そう願っただろう。人にも人狼でない中途半端な身であろうと、気高き狼の子供という誇りは喪っていないつもりだ。
人狼であったその人に森や山の恐ろしさや美しさを教えて貰った。同時に、獣を狩る事も学んだ。無駄な動作は必要ない、獲物の首の動脈か弱点である心臓を狙えばいい。
牙は無くとも代わりの大振りのナイフで、飛びかかって来た男の中心を狙って。>>111
…自身がどうなろうと構いはしなかった。]
[アルビンのナイフはジムゾンの肌を傷付けはしただろう、だが心臓に届いたかは定かではない。
ジムゾンはアルビンのナイフを奪おうとしていた。けれど、アルビンも易々と渡そうとはしないだろう。
ジムゾンがナイフを奪おうとする傍ら、そのナイフの柄に力を入れてぐっと押し返し、そのまま心臓を貫こうとしたか。
アルビンがジムゾンを殺そうとしている。
その光景を見て、オットーとパメラはどうしただろうか。
果たして、オットーはどちらを選ぶのだろうか。]
/*
今回全く上手く返せた感じがしないです。
毎回の事ながら。
アルビンさんのキャラが迷子。
ジムゾン、ごめんね!
さあラストどうなるのー!?
行商人 アルビンは、神父 ジムゾン を投票先に選びました。
[ふたりの力は拮抗している。選択は第三者に委ねられたのだろう。
アルビンの注意は目の前の男に注がれている。]
離すか、この野郎。
テメェが神に何を願ったのか知らねえが、
俺は誓ったんだ、
――俺は、彼女を。
[その背中はがら空きだ。
薄らとではあるが、オットーが自分を人狼だと疑っているのではないかという不安もあった。昨夜の会話でオットーには秘密を打ち明けている事を思い出したのだから。
もしも、彼が自分を人狼だと疑い、自分を刺す事があっても構わなかった。
けれど、もしも、彼が彼女を――。彼女を殺す事があれば・・・?
思い出すのは、この村に帰って来て目にした光景を。
その時、オットーはパメラを殺せはしまいと考えたけれども。
人の心は儚い。それは自分自身もよる知る事で、]
行商人 アルビンは、行商人 アルビン を投票先に選びました。
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