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[ 月の光に照らされた白皙に、船の篝火が微妙な陰影を与え、女神がその光の腕で愛し子を抱きしめるかの幻想すら抱かせる。 ]
(この男は...)
[ 敵の頭を落とせば、戦の終わりを早める事が出来る。
その考えに、男は初めて疑問を抱いた。 ]
[ 目の前の男は、生きて英雄となり、死すれば神話となってさらに永劫を生きる、そんな運命を持つ者に見える。
だとすれば、ここで彼を殺しても、それは、望む終結を導きはしないのかもしれない、と。 ]
三本、か。
[ 僅かに揺らぐ心を引き戻したのは、ギデオンの声>>6 ]
[ そして、カナンのコエ ]
ああ、カナン。
その通りだ。
俺達は、勝たなければならない。
いや、必ず、勝つ。
[ 何をもって勝利とするのか。それを心に問い直しながら、想いは揺れる事なく、誓いを重ねる。 ]
[ 普段の男ならば、一本勝負をと、望んだだろう。
試合といえど、刃交わすならば、真剣の一度で事足りる。そう考えるのが常だからだ。
それに、この試合自体が、時間稼ぎを兼ねている可能性は、未だ捨ててはいない。
...けれど ]
二本先取、では、如何か?
[ 交わす刃で、何かを語ろう、と、この男が望んでいるなら、今一度だけ、それを聞こう。
カナン以外の者に勝利を譲る気は、欠片も有りはしなかったが。* ]
承諾、感謝する。
[ ギデオンの了承を得ると>>28男は少年兵から槍と兜を受け取り、代わりに自身の背に負っていた盾を外して預けた。
兜は鉄製だが、額と頭頂だけを覆う形のもの、槍は使い込まれた事が一目で分かる磨き抜かれた鉄槍。
鉄板を打ち出して作られた胸当ての肩には、男の瞳の色と同じ青灰のマントが留められている。 ]
[ 男が、両手で握った鉄槍の柄を一度、強く甲板へと打ち付けると、背後に陣取ったゼファーの歩兵達が、応じて、ダン、と足を踏みならし、一斉に盾を甲板に立てて膝立ちの姿勢を取った。
威嚇のようにも見えたかもしれないが、正当なる試合に手出しはしない、という、意思表示の動きだ。 ]
参る。
[ 低い宣と共に、男は甲板を蹴り、跳躍しながら握った槍を右から叩きつけるようにギデオンの胴目掛けて揮った。
重装歩兵の常識からは外れた、速攻といっていい動きは、かつて
確か、初手は驚かせた方が、大抵勝ち、とか、言っていたはずだ。* ]
ゼファー軍 将軍 バルタザールは、ゼファー軍小隊長 ミヒャエル を投票先に選びました。
/*
フェリクス宛捏造は、会えないもだもだがこう、凝縮してるっていうか、そんなやつ。まじでエピまで他とは会えないかもだなこれw
セルウィン追悼をなんとかしたいんだが、どうしよう?
[ 槍を揮った男の目前で、赤い髪が翻る。まるでこちらの動きばかりか、跳躍の幅までも見切ったかのように、絶妙のタイミングで跳び下がった身のこなしに>>52ふ、と、口の端を上げる。 ]
今のを、完璧に避けたのは、二人目だ。
[ 一人目は、勿論カナンだ。
彼以外に、男の初撃の槍先に掠りもしなかった相手は、これまで一人も居なかった。
皆大抵、男の重そうな見た目に騙されて、その槍の速さを見誤るのだ。
しかし、ギデオンが、避けおおせた事を、男は不思議とは思わなかった。
むしろ、それでこそ、と、胸に浮かぶ高揚がある。 ]
礼...?
[ 大振りした槍の柄を引き戻したところへ、語りかける声と、流れるような礼の所作に目を細める。>>53
追撃の手を、一瞬なりと止めたのは、その所作に目を奪われただけではなく、彼の言葉が、男の持つ疑問に触れたからだ。 ]
確かに、礼を言われる筋合いはない。
我らは降りかかる火の粉を払い、海賊が「領有」していた、この地を奪い取ることによって、後顧の憂いを除くと同時に、新たな領土を得た。
それだけのことだ。
[ 海賊に領地を占有される事を見逃した時点で、カーマルグはプラメージ王国のものではない、と、断じる言葉。 ]
故に、侵略せんとする者に対して容赦はしない!
[ 今度は腰を落とし、風の如く駆ける男は、待ち構える剣の切っ先を跳ね上げようと下方から槍を振り上げる。
それもまた避けられるなら、駆けたそのままの勢いで、ギデオンの体に肩をぶつけて突き倒す心算。** ]
/*
順調に日々、英雄に刺しまくられてる副官が通ります。こんばんは。
あとミヒャくん、ほんっとーにかわいいな!
[ 炎という言葉を聞けば、反射のように好敵手の顔が脳裏に浮かぶ。
今、浮かぶその表情は、簡単には食えぬ獲物を前に、その困難を前菜とする如く、牙を剥く肉食獣の笑み。 ]
火計か?お前の方こそ、随分と愉しそうだが。
[ 返すコエに、案じる色は無い。自身が炎には負けぬと思う以上に、彼が、易々と火に呑まれる事は有りえないと知っている。 ]
火傷には、あの薬草はだいぶ染みそうだな。
[ それでも、ぼそりと呟いたのは、怪我を増やすなと言った先刻のやりとりの繰り返しのようなもの。
何しろ、相手は無茶無謀を専売特許と任じて憚らない男だ。忠告も脅しも、やり過ぎくらいでもまだ足りない。 ]
アレが肚に抱えているのは、一物どころではなさそうだがな。
[ 女神の寵児の肚の内を引き出せというカナンの言葉には、肩竦めるような反応を送る。]
だが、確かに俺もまだ、王国の理を知らん。
知れるかどうか、試してみるさ。
[ 地に生きる者の声を、その心を、カナンが聞こうと言うのなら、天の加護を謳う者の理を問おう。
その答えを得た時、掴むべき勝利の形がきっと見える。 ]
/*
あっさりと一本取らせてもらってしまった。
[ 本人の意図を通り越した、持ち上げられ現象健在ナリ ]
[ ギデオンの反応は、今度も素早く巧みだった。
何より男が感嘆したのは、今度は下がらず槍を往なすという最善手を、相手が選んだ事だ。>>67 ]
[ 奇襲に近い効果を持つ代わりに、一度は動きが途切れる跳躍からの一閃と違い、疾駆からの一撃は、敵が下がれば直ぐに刺突の追撃を入れる事ができる。
それ故、下がる方が危険なのだ、と、ギデオンが意識していたかどうかは分からないが、最初の突撃を受けて尚、一歩も下がらず踏み止まる胆力は、ゼファーの古強者でも、そうは持たない。 ]
見事と言われると面映ゆいな。
[ まさに質量のみで押し切った形の一本だ>>69、と、男は苦笑を浮かべ、一歩下がって、ギデオンが再び体勢を整えるのを待つ。* ]
/*
政争巻き込まれないためだらけてるっていうのは、予測通りでしたね。
さすがに先出しは怖くて出来なかったが。あとで出そう。...ψ(。。)メモメモ...
取り敢えずは、一本先取だ。
[ 短く報告を送り、薬草の話に呻いた相手に喉を鳴らす。 ]
そもそも、最初に、あれを持ち出したのはお前だからな?
[ まさか、一人で殴り込んだ事に怒って、一番染みる薬を探し出して来るとは思わなかった。
しかし、染みるのも一番だが、効果も一番の薬だったのは確かで、以来、その薬草は「いざというときのために」男の懐に常備されている。 ]
ああ。
[ 何の躊躇いもなく、期待している、と預けられる信に、また胸の底の熱が灯る。 ]
当然だ。
[ 見つめる先は一つだと、重なる鼓動だけが知っている。 ]
― 過日 ―
[ プラメージ王国の国王代理から賜った石笛を、男は当初、ただ仕舞い込んでいた。
何しろ楽器になど触れたことがないし、教えてくれる者もいない。黒曜石の艶めいた美しさだけは理解できたが、飾って愛でるというのも男の気風ではなかった。 ]
足の悪い当主?
[ 新元首への挨拶の答礼の使者も、叔父の動向が怪しかったため、結局他の者に任せることになり、その使者が戻った後のこと。
王国の動静を知るために、使者となった男から話を聞き、ついでのように話された王国での歓迎の宴の様子に、その話は出た。
王国の貴族の、正確には当主の跡取り息子ということらしいが、明らかに生まれつき足が悪いのだろうと思える者がいたという。 ]
なるほど、彼の王国は、やはり余裕のある国なのだな。
[ ゼファーでは、壮健な男子以外が家督を継ぐ事は有り得ない。
病気がちであったり、五体の機能が戦士となるには足らぬと見なされれば、赤子や幼児のうちに捨てられる事も珍しく無い。 ]
羨むべきこと、だな。
[ 落とした呟きは、その意を理解出来るはずの、唯一人にだけ向けられたもの。 ]
[ その日から、何の気まぐれか、男は、仕舞っていた石笛を、少しずつ独学で試し吹きするようになった。
それしかはっきりと覚えていなかったが故に、練習したのは戦神に捧げる歌の一節。
男は歌ったことがなかったが、その歌詞は、こう始まっている。 ]
『 名も無き戦士の魂よ
誰知らず戦いの野に 倒れようとも
その高潔を神は知る...*』
― 東海上 ―
[ 立ち上がったギデオンが、男とゼファーの兵士の態度を、どう評価したかを男は知らない。>>89
だが知ったなら、こう言っただろう。
「清貧」などというのは、富める者の夢想だと。 ]
面白い話だが、それではいつか地に人が溢れ、皆飢え死にする事になるな。
[ 問わず語りに女神の寵児が語った神話は>>90男にとっては例え話ではなく、現実そのものだ。
ゼファーは貧しく、その貧しさ故にこそ武力のみを国の根幹としてきた。
だが......]
折角のご厚意だが、本国との行き来に、貴国の手を煩わせる必要はない。
石碑が命落とした兵士の家族を養ってくれるわけでもなかろう。
[ 語られる王国の見解には、真っ向から否を突きつける。
元首ではない男が、元首本人に計りもせず、それを断ずる事に、兵も動揺を見せないのは、『元首とは折り合いが悪い将軍』の、それが常態であるからだが、ギデオンには奇異に映ったか。 ]
[ そして続いた高潔なゼファー云々という言葉にも、表情は変わらず。 ]
風評如きをゼファーは恐れない。
[ あっさりと、そう言い捨て... ]
そも、我らがこのまま帰国したとして、海賊がまた襲ってきたら王国はどう対処するつもりだ?
[ ゼファーの兵を知った海賊は、確実に戦力を整え、以前よりしぶとい敵となる筈だ。
戦で疲弊した王国軍と未だ付け焼き刃の域を出ないだろう義勇兵達が、それに対抗出来るのか?と、男の感じた根本的な疑念を投げる。 ]
...答えるのは、私が二本目を取ったらで構わない。
[ 王国の内政方針を問うたという自覚はあった。あくまで答えを拒まれたなら引くつもりはある。 ]
[ やがて、次は、という宣と共に、しなやかな姿が甲板を駆ける。>>92 ]
...!
[ 左足を一歩引き、槍を腰に構え、待ち受けた男は、迫るギデオンの肩を狙って槍を突き出したが、その穂先が届く寸前に、彼は身を前方に投げ出し>>93ひらりと翻った領巾に、一瞬目を奪われた。 ]
はっ!!
[ ギデオンの意図を悟ると同時、槍を引き戻すには、間に合わない、と、判じ、穂先を上に立てるように柄を回転させて、剣を受け止めようとするが、一瞬遅く ]
っ!
[ 足元狙って横薙ぎに鋭く揮われた青銅の刃の一閃が、前に出ていた右の膝下を切り裂き、甲板に朱の軌跡を散らす。 ]
はあっ!
[ しかし、そのまま、足を踏みしめ、男は槍の柄を掬い上げる動きで、ギデオンの身を跳ね飛ばそうと試みた。
よしんば彼の身に届かずとも、後方か横に逃げてくれれば、間合いを取り直す事が出来るという算段だが、足の傷がどう動きを制限するかは、未知数だ。** ]
/*
ぶっちゃけ具合、この程度なら、と、思う、のだが、どうか?
英雄二人が動きにくくなってませんよーにー><
あと、ベリアン殿は、二方向相手お疲れ様、まじお疲れ様!
俺は、こんなに横着してて良いのだろうか?(よくない)
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