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ともあれ、いい感じに呪いを貰ったね。
設定上加護は外せないんだけど、使うと痛いというハンデはちょうどいい感じ。
[ 本来喰らいたがりです ]
プロッツェ少佐は?作戦会議中?そうか…怪我はなかったんだな?
[ 片翼の壊れた機体に天使の翼めいた純白の翼を生やして戻ったコンラートに対して、周囲の兵はこれまで以上に遠巻きだった。
それでも、マチスの様子だけは確認して、しばしの間考え込む ]
[ ……「危険」だと、そう何かが告げる、内に揺れるその感覚は、自分自身だけを指すものではなく ]
ダーフィトて、やつがきてるだろう?そいつも一緒に会議に?
[ そうだ、と、答えを返されると、踵を返して、自らも会議室となっている部屋へと向かう。
部隊長クラスでしかないコンラートはトップの作戦会議に出席できる職分ではなかったから、部屋の前で待つことになるだろう* ]
[ 会議室の廊下まで来たところで、ダーフィトと視線が合った>>96咄嗟に言うべき言葉が見つからず、黙っていたら、水の入ったコップを差し出される ]
………。
[ 無言のままで受け取り、喉に水を流し込む。自分でも気づいていなかったが、確かにずっと飲まず食わずだ、冷たい水は体に染みた ]
…いや、ちょっと待てって、なんでお前がそれを…
[ 貴重な援軍の指揮官であってもダーフィトは部外者だ、会議の出席者を勝手に決める権限などあるわけが…なかったが ]
…っ!なんで、そうなる…!?
[ 声を抑え告げられたマレンマの名に、反発しつつも結局抗い切れず、そのままなし崩しに会議室に連れ込まれた ]
[ 黙って、マチスとクレメンスの言葉を聞いていたコンラートは、クレメンスの口にした、囮、という言葉に、はっとした顔を向ける。
口を開きかけ、顔を顰めて唇を引き結んだ ]
連中、魔法弾は嫌いますよ。ワイヤーを使うなら、それに魔法を纏わせるといい。
[ 会議に口を挟むのはさすがに憚られる、が、この情報はマチスに渡した方がいい、と、伝えておく。
もうひとつ、伝えるかどうか未だ迷っている話もあるのだが ]
[ 会議が終わるのを待ち、コンラートはダーフィトの元へと歩み寄る ]
…頼みがある。俺を、お前の船に乗せてくれ。
[ 頼みという割に、その表情は睨むように険しい。
あるいは、マレンマのことがあるせい、と思われたかもしれないが、理由は、それだけではなかった ]
お前は、多分……天使に狙われてる。
俺も、だが。
[ だから、同じ船に乗り合わせ、あの繭に近づけば ]
囮としては、最上、ということになる。
[ それは、危険自体も増すことを意味する、とダーフィトも気づいたろう** ]
………
[ 続けられた言葉と、向けられる笑み…その率直さと懐深さに、言葉を失う ]
閣下…ありがとうございます。
[ 心広く、暖かい人だと思った。この人に信を預けられるなら、応えねばと、応えたいと心が奮い立つ ]
俺は…確かに不器用で、自分自身の心さえ、うまくコントロール出来ない未熟者です。
[ しかめ面、と言われた顔を一度伏せ、ぐ、と頭を反らすようにして視線を上げる ]
ですが、プロッツェ少佐が、俺に抱かせてくれた夢は、誰が何と言おうと、捨てるつもりはありません。
[ まっすぐな決意を込めて、元帥に敬礼を返す。その瞳から、迷いの陰は消えていた** ]
[ 喜色を浮かべたマチスの声に、役に立てたかとコンラート自身も嬉しくなる。我ながら単純なものだと思ったが、事実なのだから仕方ない ]
俺の見た限り、指揮を執る天使は三人…そのうちの一人が、あのいけ好かない大天使です。
残りの二人のうち、一人は光を、一人は影を操るみたいです。
二人とも、自由意志で動きはするようですが、大天使の命令が最優先のように見えました。
[ 実際に戦って得たデータは、恐らく、軍の誰よりも詳細だろう。何しろ、あの天使達の戦いぶりを直接見届けたものは大概命を落としている。
伝えられる限りを告げてから、少し逡巡して、コンラートは小さく声を繋ぐ ]
どうも、俺は奴らの気に染まないみたいで…まあ、当たり前だとは思うんですけど。
二度程、直接殺されそうになりました。
[ その一度が、左肩に怪我を負って帰った時だとは気づかれたか。しかし、詳しい事を話す暇はないとばかりに早口で続ける ]
…なので、囮作戦なら、俺が表に出るのが適任だと思います。後でダーフィトに話をつけるつもりです。
[ 最後だけが、かろうじて事後報告ではない、というだけの、ぎりぎりの報告を、わざわざ会議中にしたのは、無論わざとだが、マチスなら呆れはしても許してくれるのではないかと思っていた** ]
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よく考えたら、天使に関してはすっかりマチスが情報弱者であった。
恋囁きとしては、若干つまらないけど、致し方あるまいと、許してね。
― 《シャドウ・パレス》―
[ 初めて乗船した空賊船は、船長同様、どこか空賊らしくない気品めいたものを感じさせる乗組員達の一糸乱れぬ連携によって運行していた ]
下手な軍船より、統率とれてないか?
[ 呆れとも感嘆ともつかぬ感想を、思わず口にしたら、聞きとめた乗組員の一人に当然といった顔で笑われた ]
船長。
[ 作戦地点である繭に近づく間に、コンラートは真顔でダーフィトに声をかけた ]
俺は、あの子がまだ生きていると信じている。
[ あの子、というのがマレンマを指すとはダーフィトにも伝わっただろう ]
だから、お前をぶん殴るのは、天使との決着がついた後だ。
[ そこまでなら、我慢する、と、言わんばかりに告げたのは、だからそれまでは互いに生きるのだという決意の現れでもあった* ]
[ 箱舟の繭に近づいて間も無く、金緑の天使が現れ 《シャドウ・パレス》に攻撃を仕掛けてくる ]
狙い通り、だな。
[ 指揮と応戦はダーフィトと、支援の部隊に一旦任せ、コンラートは格納庫に向かった。
そこには、機体の修理と整備を済ませた愛機が積まれている。
機体の魔導装甲は更に強化され、機銃の他に魔法強化を施したワイヤーを発射する捕縛銃が装備に加わっていた ]
[ 飛空艦の上に十分な長さの滑走路はない。だから離陸は半ば落下しながらになる。魔法強化が施されていても、操縦者の腕を要求されるところだが、コンラートにとっては、慣れた過程だ ]
Take off!
[ 蒸気の熱が醸す白い気流の雲で空に軌跡を引きながら、一度飛空艦の下方に沈んだ複葉機は、艦の影に隠れる形で旋回し、丁度、金緑の天使とダーフィトの交差する空域の直下から、躍りあがるように、ぐんぐんと高度を上げた ]
相変わらず、無茶やってやがるなっ!
[ なんでまた一人で飛び出してるんだ?と、経過を知らないコンラートは呆れた声を上げ、同時に機銃を天使に向けて連射した ]
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