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― 回想 ―
[何度か双子を屋敷へと招くようになった頃。
ローズマリーは妻と、ローレルは男と長男と共に時間を過ごすようになることが度々あった。
ある時、普段は服の中に隠してあるカメオが襟元から零れてしまい、ローレルや長男から、なんだなんだ、と覗き込まれたことがある>>1:117]
ヴェルザンディを象ったカメオだよ。
私は度々屋敷を留守にすることがある。
それが長期に渡ることも少なくない。
だから、彼女と結婚する時に互いのカメオを作ったんだ。
いつでも共に在るという誓いを形にするために。
離れることが寂しくないわけではないが…彼女が待っていると思えば私も頑張れる気がしてね。
……なんだか恥ずかしいな。
[照れながらも話す男の表情には柔らかい笑み。
惚気と言われてもおかしくない姿だった]
今はロヴィンも居るし、君達も居る。
ヴェルザンディも寂しくはないだろう。
[感謝している、と双子に告げる。
以前よりは安心して屋敷を空けることが出来ている、と。
双子に信頼を置く言葉をローレルへと向けた]
ここを君達の家だと思ってくれて構わない。
私達は君達を歓迎する。
[双子らは時折姿を消すことがある。
それは彼らの自由、止めることはしない。
けれど戻って来た時にはいつでも訪れてくれと、そんな想いを告げた**]
/*
なんかやっておきたくてカメオから繋げてみる。
補完の心算なのでお返事なくて良いんだけど…。
なんかあれだな、相変わらず過去捏造が出来ない子だ背後。
― 砦南の山間 ―
[先んじて砦を出、砦南の山間に身を隠したエルフの部隊は斥候の情報を元にその機を窺っていた。
時が来れば南西の街道側を大きく迂回する形で魔軍の側面から仕掛ける心算だ。
最初は先行部隊と本体との分断を狙う突撃を行うことになるだろう。
その後は有象無象を蹴散らし撹乱しながら、魔王を目指すことになる*]
[結果]
「アンデッド!?」
「何でこんなところに!」
[変わり果てた姿の仲間が兵達に襲い掛かる。
混乱に陥る兵達だったが、門扉の外に元兵アンデッドを追いやることで一時難を逃れた]
「将軍に報告しろ!」
[指示を受けた兵の一人が大慌てで砦の中を駆け出す。
残る兵達は門扉を殴りつけてくるアンデッドを侵入させないためにその場に留まり、増援を待つことに]
― モーザック砦 ―
[魔軍の襲撃に備え、緊張感に包まれるモーザック砦の内部が俄かに騒がしくなる。
何事か、と男が気付いた次の瞬間、副官が男の下へと駆け込んできた]
「将軍! 砦の中に敵が侵入したもようです!」
なんだと!?
[南門の異変と漣のように広がっていった敵襲の話が副官の下に舞い込んだのはほぼ同時。
急ぎ報告にやってきた副官の顔にも焦りの色が出ていた]
「南門に配置した兵がアンデッドへと変わり果てて居ました。
現在魔法兵を向かわせ聖水と炎での対処を行っています。
それから砦の中で例の紅い装束の娘を見た、と…」
…あの魔か!
[ロー・シェンを連れ去った元凶。
進軍してくる軍団を指揮しているかと思いきや、裏をかいて砦へと侵入してきたらしい。
あの2人相手では門兵も為すすべなく倒されてしまったのだと悟る。
してやられた、と男は拳を強く握った]
「敵は3人とのこと。
如何しますか」
3人? ならばもう一人は…。
無闇に手は出すな、倒されてしまえば敵の手駒が増えてしまう。
私が向おう。
可能ならば広い場所に誘導してくれ。
[主従以外にも一人いると知り、何者かと思案する時間は短い。
それよりもと、避難民に被害が出ず、男がクレイモアを振り回せる場所へ誘導して欲しいと指示を出す。
誘導場所として選ばれたのは、砦内にある演習場。
男も愛剣を携えその場所へと向かう*]
― モーザック砦 ―
砦内のアンデッドは聖水か聖別した武器で対処を。
火はなるべく使うな。
[炎で燃やす場合は燃え尽きるまでに時間がかかるため、他の騒ぎが起きかねない。
アンデッド兵の対処の指示を出しながら、男は演習場へと急いだ。
侵入者が通った通路を中心にアンデッド騒ぎは広まりつつある。
外では魔軍が迫っており、砦内は慌しさが加速していた]
外は手筈通りに。
エルフの戦士達が魔軍を突くまで耐え凌げ。
[男は副官を伴い、他の騎士に現場指揮を任せる。
やがて、演習場に辿り着いた先で、侵入者の姿を見つけた]
……まさか忍び込んでくるとは思っていなかったぞ。
[どう見ても目立つ赤紅を伴っての潜入。
余程の腕と度胸がなければ為し得ない]
目的は……と聞くのは愚問か。
[す、とクレイモアを抜き放ちながらの言葉。
傍らでは副官がロングスピアを構えている]
ここで討ち取ってくれる。
[そう宣して魔と赤紅を見遣った。
その近く、フードを被る人物が視界に入ると、男はの瞳が僅かに揺らいだ。
あの立ち姿には見覚えがある*]
[男の視線に気付き、魔がフードの人物へと手を伸ばした。
取り払われたフードの下から現れたのは]
──── ヴェル ザンディ、
[変わり果てた最愛の妻。
その姿を見て男は息を呑む。
兄の時とは異なり肉が腐り落ちることは無く、姿形自体は以前の美しい姿のまま。
だが肌の色は死者であることを示している。
妻は虚ろな表情のまま、ふらりと歩を進めてきた。
他のアンデッドよりは人らしい歩き方]
[やがて、男の左手に温もりのない右手が添えられた]
「ヨセフさま……」
ヴェルザンディ……
[名を呼ぶ妻を引き寄せ、左腕だけで一瞬の抱擁]
すまない、
[涙しながら耳元で謝罪を囁く]
― 防衛戦 ―
[炎の回廊と強制転移は目的通りの効果を発揮した。
アンデッドは大半が崩れ去り、亜人達が押し出されるように出丸の門へと飛び込んでいく。
自分達に目もくれず先へ向かおうとする亜人達の行動に疑問を抱く工作兵達だったが、自ら飛び込んでくれるならば是非も無い。
指示された通りに火を絶やすことなく後続を抑えるために尽力を続けた]
[それが魔王の機嫌を損ねる結果となるとは露ほども知らぬ。
やがて、移動要塞が動き出すのに気付けば、表情を変えるのはこちらの番だった]
「拙い、攻城兵器が来るぞ!」
[モンテリー騎士の一人が移動要塞が露出させた翼>>201を見て声を上げる。
ビリビリと空気を伝う衝撃波が出丸を揺らした。
魔物達を踏み潰しながら進む移動要塞を止める術は持ち得ぬ。
エルフ戦士団の強襲が始まったようだが、誰も楽観することは出来ずに居た*]
/*
うん、時間あったら首締めされるつもりだったんだけどね…。
自分の遅筆と相談した結果、落ちの人のための時間を自分に使うのはやめなさい、と窘められました(誰に
― モンテリー砦・演習場 ―
そのような戯言、信じられるものか。
[約束すると、揶揄う口調の魔>>220へ返す言葉は拒絶。
魔と異なり、こちらは息継ぎをしながらでなければ言葉を発し辛い。
故に返す言葉は徐々に端的になり行く。
回転の勢いを乗せ振り抜かんとした一閃は、再び魔が繰る漆黒刃が阻んだ。
けれど先程とは異なり、大剣は弾かれること無く漆黒刃に絡め取られる]
なっ!?
[驚愕と共に大剣を引き剥がそうと力を込めるのは反射に近い。
しかし絡め取られた大剣は男の力を持ってしてもびくともしなかった。
放り投げられる魔石と紡がれる呪>>221。
ロー・シェンが捕らえられた時をはっきりとは見ていないが、何かを仕掛けようとしているのは明らかだった]
[目の前の魔の気配が濃くなった。
術に禍々しさを感じる]
させ…るか!
[留められた大剣を動かすのは諦め、男は、ひゅ、と息を吸い止めたところで右足を軸としたミドルキックを魔へと放つ。
戦い方を拘っている場合ではないという判断。
術の阻止を優先とした//]
― モーザック砦・演習場 ―
[弧に歪む魔の双眸>>231に、男は睨むように目を細める。
彼の言葉を間に受けてはいけないと言うのは、男の中では既に決定されたことだった。
喩え約束が真実だったとしても、その内容によっては結局拒絶したことだろう]
……っ、
[立ち込める魔力の濃さに息苦しさを感じ始めた頃、放ったミドルキックにより魔の詠唱が一瞬途切れる>>232。
表情が変わったことに、男はほんの少しだけ口端を持ち上げた。
大剣は留められた箇所から引き抜くに至れたか否か。
それを確かめつつも、次いで放つのは足払いを狙うローキック//]
― モーザック砦・演習場 ―
[持ち上がった口端はすぐさま引き締められる。
まだ終わってはいない、と己に言い聞かせ、ローキックのために軸足を切り替えた時、男は僅かな変化を察した。
留められていた大剣が僅かに動いたのだ]
ぐっ……
[ローキックを躱すために魔が動くと立ち込める魔力が濃くなる。
それを受けて呻き声を上げたが、ぐっと堪えて一時息を止めた。
追い縋るように一歩、魔の方へと踏み出す]
おおおおおおっ!!
[ず、と鈍い音共に闇の枷から引き抜いた大剣を右肩に担ぐように振り上げ、怒号一閃。
魔の左肩から袈裟懸けの軌道で大剣を振り下ろした//]
― 副官の奮闘 ―
[身軽な赤紅は払い上げの一撃を難なく躱す>>233。
空を切った長槍を頭上で切先を円を描くように動かし、手元へと引き戻した時、赤紅が右肩に担いだ大鎌を振り下ろさんとしていた。
それに対し、長槍の柄を大鎌の柄にぶつけて弾こうとした副官だったが、大鎌を引かれたことで虚を突かれ、長槍が再び空を切る。
「しまっ……!」
[上体を開いた体勢で副官の表情が歪んだ。
それは追撃を覚悟してのこと。
けれど、向けられた大鎌の背は直ぐには副官に襲い掛かることはなく]
「はああぁ!!」
[左へと振り上げる形になっていた長槍の柄を、突きの形で構えられた大鎌へ叩き付けんと振り下ろした*]
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