情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 エピローグ 終了 / 最新
鎧袖一触 ローレル は 鎧袖一触 ローレル に投票した
[──試練に脱落した少女は静かに一定の感覚で呼吸をする。
傷はいつの間にか癒え、血染めになった服は鳴りを潜め元々着ていた、ただの弓道着へ。
少女は青く、蒼く、碧い世界で眠る。時が満つる、その瞬間まで。]
[傍らに立っていた加賀が一言、口にする。]
『……ごめんなさい。貴方には、荷が重すぎた。貴方を──試練に挑戦させるべきではなかった』
[彼女の願いは「人、そして世界を護る」こと。幼い頃から家訓と厳格な祖父、実際に護る職務に就いている父と兄。
そんな環境で育った彼女は家訓そのものが生きる道標であり、この試練は、彼女にとって厳しすぎた。]
『……ごめんなさいね、樹』
[どうか、魔女の世界の存在を忘れ去ったとしても、この子には幸福な未来が訪れますように。
"こちら側"に引きずり込んだ張本人だというに、そう願わずにはいられなかった。そんな自分にひどく苛立ちを覚える。
ミシ。激情に駆られながらも表情は鉄のように変わらない加賀の握る弓に、小さなヒビが入った。それはまるで、加賀の心情を語るかのごとく。**]
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 エピローグ 終了 / 最新